2012年5月19日土曜日

サイバー作戦の重要性が高まる中、週末はサイバー、電子戦についてお勉強しましょう

Confusion Reigns In Cyber Planning
aviationweek.com May 01 , 2012

ペ ンタゴン制服組は長年にわたりサイバー戦に関する政策方針を求めて、交戦規則、予算手当て、権限で再整理が必要だとしてきた。しかし、文民、法律専門家、 国防総省トップが決断を先送りしており実現にいたっていないが、デジタル世界での脅威は世界中で増え続けているのが現実だ。
  1. 基幹ネットワークを侵入から守る努力はこの十年間成功していない。サイバー侵入事例の大多数に「攻撃」の分類は適用されていないが、商用スパイ活動、知的所有権侵害、情報収集の被害が増大している。
  2. 反 対にサイバー手段cybertoolsを監視活動、電子攻撃、難易度の高いアルゴリズム形成に利用しようと現実的に考えるのは少数にとどまる。このグルー プはサイバー攻撃手段に予算を投入するほうが効果的で、敵ネットワークへの侵入することで攻撃への対抗手段にもなる主張する。
  3. 2013年度予算要求では軍もサイバー攻撃手段の整備に本腰になっているのがわかるが、議会が要求案をそのまま認めるかは不明。米海軍は艦船・航空機の通信、センサー類、ネットワーク網の脆弱性をあらためる方針だ。
  4. 海 軍関係者より本誌に文書で連絡が入り、高性能通信網の開発に予算を充当し、既存手段も改修することで「防護され、妨害に強いネットワークを再構築する」と の方針が出ているという。その関連で「サイバー攻撃・通信妨害への対抗手段を電子戦(EW)、サイバー作戦、ネットワーク網、共用空中運用通信ネットワー クJoint Airborne Layer Network」で実現するという。
  5. エアシーバトル構想では海軍と空軍はサイバー作戦cyberoperationsを重視しており、とくに無線網からの攻撃として偽メッセージを送ることは1970年代から実施されているEW手段だ。
  6. 「サイバー空間と電磁スペクトラムは表裏一体であり、2013年度予算概算要求提出にあたり、EWおよび電子支援システムの構築を重視しています」(海軍作戦部長グリナート大将Adm. Jonathan Greenert.)
  7. その中にはEA-18グラウラー電子攻撃機、次世代ジャマー、ノースロップ・グラマンE-2D性能向上型ホークアイ早期警戒機および艦載試作・実証用としてSSEE(艦船信号活用装置)がある。SSEEは情報と信号を活用して目標艦船の位置を捕捉するものだ。
  8. 海軍と空軍が共同運用を強化中のアジア太平洋地域では米軍、同盟国軍の作戦がハイテク軍事技術により妨害される可能性が高いと政策立案者が見ている。
  9. 中 国のハッカー集団が初歩的かつアマチュアだと考えるのは間違い・見当違いだと警告するのはベトナム戦争以来秘密の空中電子戦・サイバー戦開発に従事してい る米国の専門家だ。「中国ハッカーにはAPT(高度持続的脅威)に分類されるほどの技術を持ったものがいます。中国以外ではイスラエルとロシアにも同様の 高度技術ハッカーがいます。ロシアのマフィアは金融業界で高い技術をもっています。」
  10. 米国アナリスト陣はファイヤーウォール突破事例の技術解析を判断根拠とする。上位のAPTはロシア、イスラエル、中国の順だが、侵入事例数では中国が圧倒的に多くなっているという。
  11. 「そこで中国がサイバーに大量の資源を投入していることに注意が必要です。今日検挙されている中国のハッカーはアマチュア学生がほとんどですが、いつの日かAPT分類にのぼりつめるかもしれません」
  12. 米国はサイバー能力で技術リードを維持しているが、国内指導層に問題があり、EWとはどこまででサイバー作戦はどこから始まるのかを認識するのが苦手だ。この問題は70年代に防空網をEWポッドで戦闘機が妨害していた時点から継続しているという。
  13. 「サ イバーとはメッセージです。伝達手段が必要であり、電磁信号を使い、目標のシステムに送り込むのです」とF-15.F-16,F-35でレーダー開発に従 事してきた電子攻撃の専門家は語る。その例がロッキード・、マーティンのEC-130コンパスコール電子攻撃機で偽の目標信号を送り、敵の防空網をだます のが役割だ。「敵のセンサーには別の目標だと思わせることが可能です。たとえば航空機の接近と写ります。サイバーは目標のネットワーク上で偽信号が見つか ることで成立します。敵の受像機には偽信号が写るか、こちらが利用できる情報が出力されることがあります」
  14. EWではサイバー戦の手段が使われている。「敵のネットワークを汚染したりデータ量を許容限界以上送り込むことで、無力化できます。コンパスコールは信号送信をするほか、目標システムの開口部(アンテナ)を利用します」(上記専門家)
  15. サ イバー攻撃の新趣向はインターネットの利用だという。敵ネットワークへ信号を出力するのではなく、「感染ディスクやアクセスポートを利用して相手のドライ ブを使えなくする」のだという。「インターネット上のシステムが実際はインターネット上には存在しないシステムにアクセスすることでゲートウェイができま す」 これはハッカーやマルウェアが利用している技術だ。
  16. 最 新鋭航空機でさえサイバー攻撃の脅威を逃れることができない。航空技術の設計では飛行制御、兵装、ミッションシステムなどが別個に開発されており、サイ バー攻撃でデジタル制御を破壊あるいは逆作用させることが可能だ。ここでの鍵はマルウェアが付け込む隙のない形で各システムに相互作業させることだ。
  17. 「相手側陣営が当方のシステムに侵入できることを前提とし、問題を発見できる強靭な
  18. システムの構築をめざしています。たとえば私が担当しているレーダーでは想定外の作動が発生する場合は自己修復するのです。究極の目標は自己診断しながら任務を実行するシステムの実現です」」(米空軍の主任エンジニア、マーク・メイベリーMark Maybury) 
  19. 電子攻撃により相手方のソフトウェアの弱点が見つかれば、インフラ全体の弱点が想定されて、他にも脆弱な箇所があることがわかってしまう。そこで「物理的に変更不可能な機能」として特性に無作為性を発揮して敵に再現を不可能とすることがある。
  20. 「デー タの曖昧化」“Obfuscating data”で情報のまとまりを分断し、各部品に別々の暗号化をほどこす。情報を元通りにすることができるのは「鍵」を持ち、各部品の場所を知る人物だけ だ。特定の人物が絶対的な権限を有することが許されないシステムが検討されている。
  21. 「私自身は中将に匹敵する職位ですが、自分のコンピュータにiTunesをインストールできないのです。個々人の権限を取り上げることには利点があります。一人ひとりに与える権限を分解すれば、一人が絶対的な地位にはなりません」(メイベリー)
  22. 「交流レーダー」“Social radar” で脅威になりそうなつながりをインターネット上で探し、ネットワークの設計で安全安心度を確保することにつながる。
  23. 「人 付き合いから兆候が見つかるのは言うまでもありません。画像情報、通信、金融取引それぞれで脅威になりかねない要素がある世界に生きているのがわれわれの 今日です。技術的にはその兆候を見つけることが可能で、プライバシーは守りながら脅威から守ることが必要です」(メイベリー)
  24. 「匿 名化」“anonymization”では通信トラフィックを傍受しながら、不特定化技術で個人名・社会保障番号を削除する。個人情報は保護されるが、情 報の内容はソーシャルメディアから把握することができる。ネットワークを利用している人物の活動状況を監視することが可能で、サイバー攻撃の訓練にも使え る。
  25. メ イベリーは国防総省による脅威低減策のひとつとして「信用できる起動」があるという。これは空軍研究所が作成したLinuxシステムが入ったPC用ディス クで、どのPCにもインストール可能だ。再起動すると、低信用度のインフラからも該当PCのOS、閲覧ソフト、Adobeリーダーと信用できると認識され る。これを使うと脅威の分断、囲い込み、不審な要素にも対応できる。

2012年5月13日日曜日

SM-3改良型が迎撃実験に成功

US Downs Test Missile With New Interceptor

By Jim Wolf/Reuters
aviationweek.com May 10 , 2012
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米海軍の弾道弾迎撃ミサイルのSM-3最新型が迎撃実験に成功し、北朝鮮やイランの脅威から同盟国の防衛がより有効になる。
  1. 目標弾道ミサイルはハワイ付近で5月9日に捕捉破壊された。迎撃したのはレイセオン製のスタンダードミサイル-3で「設計通りの効果を確認した」とミサイル防衛庁(MDA)が発表。
  2. 今回テストされたのはSM-3ブロック1Bで、昨年9月の初試験で目標迎撃に失敗したためレイセオンでは生産開始が遅れたままになっている。
  3. ヨーロッパを包むミサイル防衛の盾は地上配備、艦船配備のハードウェアと宇宙配備のセンサー類で構成する。
  4. SM-3ブロック1Bはまずルーマニアに2015年に配備され、オバマ大統領が提唱する段階的適合的アプローチの一部としてミサイル防衛英の任務にあたる。同ミサイルは米海軍のイージス対ミサイル防衛艦艇にも搭載される。
  5. 弾道ミサイル防衛にあたるイージス艦は合計27隻で、このうち米海軍が23隻、日本の海上自衛隊が4隻を運用。イージスシステムはロッキード・マーティン製。
  6. 5月9日の演習では目標となる短距離弾道弾が太平洋ミサイル試射場(ハワイ州カウアイ島)より発射された。迎撃ミサイルはUSSレイクエリーより発射され、同艦が目標を追跡し、飛行経路情報をSM-3ミサイルに送信した。
  7. SM-3から放出した弾頭が目標に衝突し、これを破壊した、とMDAが発表。ただ今回の演習で実戦で想定される囮目標への対応が想定されていたかについてはMDAは言及を避けた。
  8. こ れに対し国防管理協会Arms Control Associationの主任研究員トム・コリーナTom Collinaは敵の対抗手段の想定をしない迎撃実験では実戦での有効性は確認できないと指摘している。一方、ミサイル防衛を強く提唱するリキ・エリソン Riki Ellisonは軍と関係が強く、水曜日のテストは北朝鮮から発射されたミサイルから韓国を防衛するシナリオだったと語る。米海軍の第7艦隊所属イージス 艦が日本海から韓国軍、米軍地上部隊を防衛する設定だという。
  9. 現行SM-3との比較では新型は目標シーカーの性能が向上しており、コース調整の精度が改善されている。
  10. さらにあと2回のテストが今年中に予定され、その結果から生産開始の決断が下される。
  11. 今 回成功したことでイージスシステムは通算27回の発射で22回の迎撃成功となった。その他地上発射中間軌道防衛Ground-based  Midcourse Defense、高度戦域防衛最終飛行段階防衛Terminal High Altitude Area Defense、ペイトリオットのPAC-3PATRIOT Advanced Capability-3 の各種迎撃手段のテストも合計すると67回のテストで53回の迎撃成功になるとMDAは明らかにしている。

2012年5月10日木曜日

KC-46Aの基礎設計が完成

KC-46A Design Review Complete

May 09 , 2012 By Amy Butler abutler@aviationweek.com

ボーイングは2013年予定の米空軍向けKC-46A空中給油機の設計審査に備え、4月に事前設計審査(PDR)を完了した。このPDRでボーイング設計案が「システム要求水準を満たし詳細設計に進む基礎ができている」ことが証明されたと空軍は発表した。
  1. KC- 46Aは(計画のみにとどまっている)民生用767-2C貨物機仕様を原型に貨物扉や機内床の強化、尾翼、主翼、尾部などの設計変更をしている。ボーイン グは「PDRのような」社内審査を-2C型で行なってからKC-46Aの審査に入る。ただ同社関係者は詳細については明確にしていない。
  2. ボー イングはKC-46A開発契約を昨年初めにEADS提案のA330原型案にうちかって手に入れた。その結果、2017年度末までに実戦投入型機材を18機 納入することが求められている。その予定価格は合計44億ドルが目標だが、政府見積もりでは53億になっており、このうち空軍は契約上の上限額49億ドル を支払う。上限額を超える分は空軍とボーイングで60対40の比率で負担する。さらに政府の会計検査では同機開発を継続するためボーイングは4億ドルを自 社負担する必要があるとする。
  3.  同機開発を統括するクリストファー・ボグデン少将Maj. Gen. Christopher Bogdanは「これまでのところの推移に満足」しているという。
  4. ただし、同少将はボーイングはウィチタ工場の閉鎖を決定したため設計、製造上で計画が困難な事態に直面する可能性を以前に示していた。同工場は伝統的に空中給油機を担当してきた。この決定により専門知識はシアトルに移転することになる。
  5. 「ボー イングには同社が約束したことは全部責任をもってもらいたいです。それをウィチタ工場を閉鎖したからといってひとつでも反故にさせるつもりはありません。 同社の組織決定事項ではありますが、リスクを増やすのは問題です。ただ本官の観点からは何も変更が見えません。ボーイングには結果を出してもらいたいと思 います。」(同少将)
  6. KC-46Aの初飛行は2014年末の予定で、初期低率生産は2015年開始となる。空軍は179機を合計517億ドルで購入する予定だ。

2012年5月4日金曜日

F-35導入で悩ましい選択を迫られるカナダとオーストラリア

Canada Still Keen To Buy F-35s Despite Problems

May 02 , 2012

Australia Delays F-35 Plane Orders To Aid Budget

May 03 , 2012

カナダのF-35導入の選定過程に問題があったとの報告書が公表されたが、F-35の導入の希望を依然変更していない。
  1. カナダは2010年7月に合計65機の導入を発表した。選定は競合機がないまま決定された。
  2. これに対し政府支出の監視団体より導入決定のもとになっていたのは軍が提供した誤ったデータであり、費用とリスクを軽く評価していたとの指摘が先月出てきた。これに対してカナダ空軍は選定をやり直す予定はないと批判をかわした。
  3. カ ナダはCF-18の後継機種として同機を求めている。野党からはF-35にこだわることが結果的に高価な誤りにつながるとの指摘があり、F-35のコスト 上昇、計画遅延を理由にあげている。CF-18が退役する時点でF-35がまだ配備できないとどうなるのか、という視点だ。
  4. 2008年時点では総額92億ドルと算出していたが、配備を20年間維持するためにはさらに60億ドルが必要と判明している。さらに燃料、パイロット訓練まで含めると250億ドルを超えるだろうと国防省は認めている。

一方、オーストラリアはF-35の第一期分発注(12機)を遅らせて予算の節約を図る。
  1. オーストラリアの最初の発注分は2機で2014年から15年の想定だが、この機体は米国内でテストと訓練に使われる。その後に続く12機についての決定を迫られていた。
  2. 国防省は今回の決定で米国向け機体と同一日程の納入予定になるとし、先送りにより16から21億豪ドルの節約になるとする。
  3. オー ストラリアはF-35国際共同開発に最初から参加して米国を助けてきたが、各国に同機の開発遅延と費用上昇により発注を削減したり、先送りしようとする動 きが出てきた。オランダは当初予定の85機を削減すると発表し、イタリアも発注機数を三割削減した。その他の共同開発国は英国、ノルウェー、トルコ、カナ ダだ。
  4. オーストラリは164億ドルで最大100機を購入する計画だが、当初の14機以降の購入を確約していない。
  5. オーストラリはF-35導入が遅れる間にボーイングF/A-18スーパーホーネットをつなぎとして購入する予定だ。
  6. これ以外に推進式火砲導入を取りやめ、225百万ドルを節約する一方、総額360億ドルで2025年までに12隻の新造潜水艦整備をすすめる。
  7. 米国はオーストラリア北部のダーウィンに海兵隊2,500名を常駐する準備を進めており、米海軍艦船がインド洋に面するパースに寄港する頻度も増えそうだ。
  8. .一方、同国北西部で採掘中の石油・ガス田の保護のため軍の駐屯を増強する提言が政府になされている。オーストラリアのスミス国防相からパネッタ国防長官に今回の予算節約はオーストラリア・米国間の作戦行動に悪い影響はないと確約したという。
 

    コメント F-35は西側防衛装備の整備に悪影響を与えているというのが当方の主張ですが、各国ともに悩ましい状況に苦しんでいるようです。さらに長期間使用すれば国庫財政上負担になるばかりという判断であれば、本当に同機の稼働期間は20年弱になってしまいそうですね。その中で日本は黙って高い請求書を払うのでしょうか。また、F-4ほどとはいわずとも西側各国よりも相当長期間の配備を続ければ総費用は天文学的な規模になりかねません。繰り返し言っているように日本にはF-35は不要な存在だと思います。

2012年5月1日火曜日

予算ピンチでこんなところにもしわよせが:救難ヘリCSARの運用でやりくりが苦しい米空軍

USAF Reviews CSAR Helo Fleet Plan

By Amy Butler
aviationweek.com April 27 , 2012

米空軍は戦闘捜索救難(CSAR)運用計画を見直し、現行のHH-60Gヘリおよび後継機種CRH(戦闘救難ヘリ)で作戦ニーズが実現できるかを検討する。
  1. 空軍の想定は148機の救難用回転翼機を配備することだが、現在の予算規模では112機の運用しかできない。そこで基本機能検討のマスタープランを今秋までに完成させ、現行の機材規模で戦略的な役割を実現できるかを検討することになった。
  2. CRH では新型ヘリコプター選定も視野に入れるが、配備中の機材の有効利用も課題だ。HH-60Gの三機はすでに飛行時間10,000時間に達しており、8機は 9,000時間台に達している。長時間稼動機は米国内で運用されており、飛行時間が少ない機体は海外に回されている。一つの問題は米空軍は機材寿命の判断 手段を持っていないことだ。
  3. さ らに機体構造とエイビオニクスの保守点検問題が浮上してきた。2008年以降の比較でペイブホークの点検修理工数は3割増加しており、単純に飛行運用回数 が増加している事の結果だという。それでもイラク・アフガニスタンでの作戦ペースが落ちているため、救難ヘリの運用も減っているものの、期待されるほどの 低下ではないという。
  4. 一年前に発生したHH-60Gの空中給油プローブ切断事故は構造疲労が原因だったと推定されている。原因の解析はまだ進行中だ。空軍にとって頭が痛いのはペイブホークの原型UH-60Lが米陸軍から退役をはじめていることで、予備部品の確保が困難になってくることだ。
  5. 空 軍はL型ブラックホークを原型とするHH-60Gを98機保有しており、UH-60MをCSARヘリに改装する予算も確保しており、すでに三機がシコルス キーから納入されている。ただ空軍が考えているのはM型とL型でかなりの相違があるのでM型をそのままHH-60Gに回想するのではなく、陸軍からL型を 譲渡受けることだ。まだこの交渉は開始されていない。
  6. HH-60Gには性能改修も順次実施されている。米海軍からミサイル警報装置を借り受け、装着している。機体はアフガニスタンで運行中だ。        

この記事に対するコメント 

Admiralさん

予 算が厳しいため米空軍はUH-60MをHH-60Mに改装し、これで長期的な解決策とすべきだ。新型機は損耗機材の穴埋めあるいはヘリ部隊の運用レベル向 上に投入すべきだろう。とくに重整備が必要な長時間稼動機をこうたいするためにも新型機を投入するべきだ。当面は陸軍、海軍と訓練、整備部品を共有するこ とで費用削減が可能で、HH-60Gの性能改修は予定通り進めるべきだ。新型機の設計はかなり時間がかかり、開発費用に加え訓練体系、部品供給網も新しく 整備する必要がある。性能要求開示が遅れると、契約締結その他の手続きもすべて遅れることになる。

2012年4月28日土曜日

指向性エネルギー兵器に注目が集まる

Study Highlights Importance Of Directed-Energy Weapons

aviationweek.com April 20 , 2012

米国は指向性エネルギー兵器として高密度レーザーや高出力マイクロウェーブの配備に向けた予算配分を真剣に考える必要があるとの提言が出た。その主張では単に指向性エネルギー兵器の経済性だけがその理由ではないとする。
  1. 迎 撃ミサイル発射のコストは一回9百万ドルとされ、高価であるばかりか米国の軍事装備配備を偏った内容にしかねないと主張するのはマーク・グンジンガー Mark Gunzinger(戦略・予算分析センターCenter for Strategic and Budgetary Analysis)の最新の論文内容だ。
  2. 同 論文は4月19日に公表され、その中でグンジンガーは敵が米軍に対して安価なミサイルを波状発射するシナリオを想定した。指向性エネルギー兵器(DE)が ないと、米軍司令官は敵ミサイルに毎回高価なSM-3やSM-6の発射を迫られ、コストは高くなるが敵は米軍に高負担をさせるのにわずかな出費ですんでし まう。.
  3. DE 兵器には多くの利点があるという。DEを組み込んだ巡航ミサイルやUAVなら20もの目標上空を飛行してそのすべてに発射ができる。その後UAVなら帰還 し、再充電すれば戦闘空域に戻ることが可能だ。DDG-51アーレイ・バーク級駆逐艦なら艦上で電力を供給して高密度レーザー兵器を運用できる。DE兵器 により米軍には「行動の自由を復活し、コストによる制約から解放される」とグンジンガーは主張する。
  4. 実 際にはDE兵器の前線配備には解決すべき問題があるが、技術は成熟度を高めていると同論文は指摘する。最大の障害は予算と組織内の抵抗感だという。「太平 洋地区の各基地すべてを分厚いコンクリートで防御するのは不可能」とし、高精度ミサイルから誘導ロケット、火砲、迫撃砲と多種にわたる脅威に運動性兵器で すべて対応するだけの予算はないという。
  5. そこでDE兵器による防衛は兵站上でも有利だという。空中給油機に装備すれば戦闘空域の中まで前進することが可能となり、戦術戦闘機の有効飛行範囲がそれだけひろがる。
  6. た だ指向性エネルギーはそれだけで完結する体系ではないと同論文は強調する。つまり、既存の運動性エネルギー兵器をそのまま取って代わることはできない。敵 ロケットのセンサー部分を焼ききったとしても、あるいは通信リンクを使用不能にしたり、推進部を溶かしたとしても、前線司令官には運動性兵器を投入して敵 ミサイルを粉砕する必要が生じるだろうとする。
  7. グ ンジンガーは大型空中赤外線通信システムで使われる技術をさらに発展させることを主張する。つまり、敵の誘導兵器に対しマルチモードのシーカーで防御する のだという。この構想は低速大型機であるC-17の例では着陸接近時の機体防御に役立つ。空中発射レーザー兵器の開発中止は技術初期段階であまりに大きな 目標をもとめたためだとし、論文では丘をのぼりきったことがないのにエベレスト山をいきなり制覇しようとしたものだとしている。
  8. こ の論文の準備段階で著者は関連各計画の責任者と意見交換をしているが、ほとんどすべての計画で予算が不足していることを発見したという。研究開発の維持に は予算の追加が必要だと訴えている。それに対してはした金の20百万ドルが回答されたという。また驚くべきはこの状況は今年だけでなくかれこれ5年間変わ らないという。


この記事に対する読者の反応

1:42 AM on 4/23/2012
記事内容には賛同しかねる

1. 有効範囲
1.1 海上あるいは地上から発射されたレーザーは極めて短時間で分散してしまう。これに対し高高度で発射されたレーザーはそうではない。これは大気密度の差によるもの。
1.2 SM-3では有効射程範囲があるが、レーザーでは補強された弾頭部を目標到達前に破壊することができない。
2. 米海軍はすでに1969年から1999年にかけて艦載レーザー兵器の研究をしているが、実用化出来る見込みなしとしてこれを廃棄している。

3. コスト
小型ミサイルであるジャベリンやアイアンドームは製造単価5万ドルほどであり、ミーティエアは50万ドル、SM-3では百万ドルを超えることはない。Report Abuse

Bosega, David naole

7:54 AM on 4/23/2012
海 軍が配備している運動性エネルギー兵器としての現在のミサイルはより高性能の運動性兵器としてレイルガンに取って代わられようとしている。レイルガンで発 射された兵器をミサイルや指向性エネルギー兵器で迎撃することは不可能。そこで戦艦の時代が再度やってきつつある。新世代の強力な装甲を施した軍艦にレイ ルガンやDE兵器、対艦ミサイル、無人潜水艇を搭載するのである。

Bosega, David naole

6:02 PM on 4/23/2012
@Bismarck

海 軍が計画中のDDG1000は現代版戦艦というべきもので、レイルガン、DE兵器他の搭載で運用概念が変わるだろう。SM-3でICBMを迎撃するのは本 当は不可能な話で、それだけに同ミサイルに全てを期待するのは無理。DE兵器のよいところは敵目標撃破のチャンスをふやしてくれることで、DEで失敗すれ ばSM-3で狙えばよい。

「指 向性エネルギー兵器が補完的」というのは多目標ビーム収束技術が成熟して適正な機体に搭載すれば有効な兵器になると思う。レイルガンとDE兵器で艦艇は戦 艦に近い存在になる。レイルガンを2-4基搭載すればそこから発射する兵器には対抗できる防御ミサイルは存在しない。レイルガンにはDE兵器しか事実上対 抗手段はないことになるだろう。

F-22のUAE配備はイランへのメッセージ

UAE-based F-22s A Signal To Iran

By Amy Butler abutler@aviationweek.com
April 26 , 2012

イランとの緊張が米国・イスラエル側で高まるなか、米国は静かに切り札となるステルス戦闘機F-22をアラブ首長国連邦に展開しはじめている。
  1. アル・ダフラ空軍基地に複数機が配備され、作戦行動をすると事情筋が明らかにした。同基地はすでにU-2やグローバルホークの拠点になっている。
  2. 「米空軍はF-22を南西アジアに配備しました。この配備で現地国との軍事関係が強化され、主権・領土の保全に役立ち、戦術航空作戦での連携能力が向上し、装備、運航上の共同作戦体制が強くなります」(空軍スポークスマン)
  3. F- 22には優れた性能としてスーパークルーズ、ステルス性、情報収集能力があることから世界で最高性能の戦闘機と考えられている。同機をこの地域に配備する ことは当然同地域の注意を喚起することになる。このタイミングでペルシャ湾に同機を投入することは米国がイランの核兵器開発の野望に反対しているとの意思 表示となる。
  4. 同じようにF-22がグアムおよび日本に展開した際にも同地域では同機に注目が集まった経緯がある。
  5. 実 際にはF-22は中東に過去にも展開したことはあるものの、2005年に作戦能力獲得が公式に認められてから戦闘任務には投入されていない。リビア作戦な どに投入されていないのは同機の高コストが原因とみられる。裏返せば、同機の高性能が絶対に必要とならない限りは戦闘空域には投入されない。一方、同機搭 載の酸素発生装置では問題が発生している。
  6. なお、ロッキード・マーティンはF-22最終号機の引渡し式を来週開催し、マリエッタ工場(ジョージア州)の生産ラインは空軍の調達の歴史上で過去の存在となる。