2012年7月16日月曜日

台湾空軍のF-16改修作業をロッキードが実施

Lockheed, Taiwan Sign for $3.7B in F-16 Upgrades



aviationweek.com July 13, 2012

台湾の国営航空宇宙企業とロッキード・マーティンは台湾空軍が運用中のF-16A/B型合計145機の性能向上改修契約の覚書を締結したと7月12日に発表した。
  1. 本日その事実の裏付けが関係筋から取れて、米国政府と台湾が総額37億ドルの性能改修業務で合意できたことがわかった。
  2. ロッキード側からも確認が取れており、台湾の国営航空宇宙産業開発公司Aerospace Industrial Development Corp.とファーンボロ航空ショー会場で覚書がサインされたとのこと。
  3. 覚書によるとAIDCはロッキード・マーティンと共同で台湾空軍の老朽化進むF-16A/Bフリートの性能向上を図る。
  4. 同覚書はタイミングとして台湾と米国がF-145A/B計145機の改修を総額53億ドルで行う内容で最終案がまとまる寸前で出てきた。
  5. さらに多額の防衛装備取引の合意形成が今後州週間以内にまとまる公算だと消息筋が解説する。
  6. オバマ政権は台湾向けF-16改修案を昨年9月に承認し、中国を慌てさせた。だが、政府間の防衛装備取引の内容詳細はまだまとまっていない。
  7. オバマ政権関係者によると改修作業で後期モデルのF-16C/D型と同様の性能が実現するという。台湾はかねてから後期モデルの導入を防衛のため必要と求めてきた。
  8. .これに対し中国は米国による台湾向け防衛装備売却に反対の姿勢で、その根拠は中国による台湾統合の動きに逆行するからだという。中国はかねてから台湾を支配下に置くためには軍事力の行使もいとわないと公言している。
  9. 米議会で台湾を心情的に支援する勢力からはF-16新造機66機を今回の回収に加えて台湾に販売スべしと政府に圧力がかかっている。■

         

2012年7月15日日曜日

UAVの世界普及は時間の問題

No Longer Just a U.S. Toy, UAVs Go Global


aviationweek.com July 12, 2012

戦闘の様相に革命をもたらしたUAVが米国で共用されて15年、しかし多数国がUAVの生産、運用を開始しており、グローバルな存在になってきた。
  1. 今のところUAVを本格的に運用しているのは米国初めとする少数の同盟国に限られる。米国製UAVの購入を認められたのは英国、イタリア、トルコだけでその他国の購入要請は不承認となっている。
  2. ただ急速に変化しつつある。米企業ジェネラルアトミックスGeneral Atomicsは非武装型プレデターの海外販を今年中に成約する見込みで、ラテンアメリカ、中東を有望市場と見る。
  3. 同社の国際戦略営業開発責任者クリストファー・エイムズChristopher Ames(退役米海軍少将)は「各国からの引き合いは活発」とファーンボロ航空ショーで語った。
  4. ショーでは同社製品の実際の運用シーンをイラク、アフガニスタン事例、インド洋上での海賊追跡事例で示し、エイムズは運用実績を誇る。
  5. 乗員生命というリスクを減らす他、燃料経費や人件費を大幅に減らすのがUAVの利点と強調している。「同盟側の運用事例で運用効果を目の当たりにしています。現場での実感は営業文句よりも上を行っています。」
  6. ジェ ネラルアトミックス(本社サンディエゴ)はドローン技術開発でパイオニアで、最初にバルカン半島で1990年台に運用している。イスラエルは無人機を重視 しており、模型飛行機愛好会から専門技術者を採用してきた。それを見て米空軍初めとする各国の空軍も最初は懐疑的だったものだ。
  7. だが9.11(2001年)以後の戦闘状況がこれを変えた。イラク、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリア他で米軍はUAVの投入を増やし、多様な機種を運用。中には地上兵員が運用する超小型機種もあれば24時間滞空できるものもある。
  8. オバマ政権下でアルカイダ要員の殺害に好んで利用される機会が増えており、長距離スパイ活動にも投入されている。
  9. アフガニスタン国内の戦闘状況が下火になることで米国の無人機利用頻度が減ると見られるが、世界規模では逆に増えるというのが業界の見方だ。
  10. これまでのところ米国政府はUAVの海外販売に相当の影響力を行使している。例えば英空軍はアフガニスタンで運用する自軍UAVのパイロットをネバダ州の米空軍基地に駐留させている。これはもう継続不可能と専門家が見ている。
  11. 「あ る程度UAVに関心を持つ空軍部隊なら中程度の継続飛行時間がある無人機に偵察能力に加え武装も検討するでしょう」と話すのはダグラス・バリー Douglas Barrieでロンドンの国際戦略研究所の主任研究員だ。バリーは以前は本誌の報道スタッフ。「機体はステルスか非ステルスかもしれません。UAVの普及 がいまはじまりつつあるのです」
  12. プ レデター、長距離のノースロップ・グラマン製グローバルホークや極秘ステルス機のロッキード・マーティンのセンティネルを運用する米国は他国を引き離して いるのは事実だ。この中でセンティネルはイラン上空のミッション中に墜落し捕獲されている。ただし、米国優位の差は縮まっていく。
  13. 今 年のファーンボロ航空ショーで各国の大手航空機メーカーが自社UAVモデルを展示している。英国のBAEシステムズBAE Systemsは長距離タラニスTaranis ステルスUAVの試作機をホーク練習機と第二次大戦時のスピットファイヤ戦闘機の横で展示していた。
  14. 「めざしているのは次世代に一気に移行することであり、現在運用中の各機を研究することが勉強になります」(BAEで将来の戦闘航空機システムを担当する国際営業開発責任者マーティン・ロウ・ウィルコックス)
  15. イスラエルは自国製非武装型ドローンを多くの国に販売しているが、その他にも参入を狙う国は多い。ロシアのノーボスティ通信によりロシアは国産武装型UAVの初飛行を2014年にも実施する計画があることが明らかになった。
  16. 中国も同様の機体開発に関心を持っていることが明らかになっており、ロシアと中国はともにイランに対して捕獲したセンティネルを入手したいと申し出ている。
  17. 国際的な需要が高まると共に競争も激化することから、米国企業各社はUAV技術普及を遅らせようとする米国政府の方針で商機を逃すと懸念している。
  18. ウィキリークスが暴露した外交公電によるとアラブ首長国連邦やサウジアラビア含む多数国から武装型UAV購入の希望があったが米側から拒否されている。
  19. ミサイル技術管理制度Missile Technology Control Regime (MTCR)は長距離精密兵器体系の拡散を防止するのが目的で、無人機輸出も制約される、というのが米政府の言い分だ。
  20. これに対し業界首脳陣はこれでは米国製UAVは商用衛星生産の事例と同じ運命になると警告している。衛星では輸出制限によりライバル国が台頭し米国の主導的立場が失わた。
  21. . 輸出版のプレデターはこの点を考慮しているとジェネラルアトミックスは説明する。ミサイル搭載用のハードポイントがないので、兵装追加ができない。同機の 海外販売単価は3から4百万ドルで通常型航空機より相当安価だとエイムズも強調する。「プレデター購入を希望する国はこれまでも多くありましたので、今回 はその道を開くことになります」
  22. 同 社以外の米国防衛産業メーカーも自社費用を投入して新型の高性能UAVを開発している。ボーイングはファントムアイの試作機のテスト飛行を開始している。 同機は高高度を飛行し数日間の滞空が可能だ。ロッキード・マーティンは空母運用の次世代UAV競作に向けた自社開発をしているという。.競作ではX- 47Bのメーカー、ノースロップも参入しそうだ。X-47Bは将来の艦載UAVに実現する初期性能を実証する米海軍のプログラムだ。
  23. 英国も海軍用の無人機の空母運用構想に関心を示しているが、BAEのロウ・ウィルコックスは成長が大きく望めるのは民用部門だという。
  24. 10年以内に無人機が日常的に欧州の上空で運用される日が来るという。法執行機関による監視活動、洋上監視他の任務を想定。
  25. 「無人航空機が頭上を飛行する構図をパイロットが操縦する飛行機と同様に一般大衆が受け入れるかどうかが試されるでしょう。現時点で技術はできていますが、法規制なかんずく社会規範上の課題と認識しています」

2012年7月14日土曜日

【特報】レーザー光線で無人機に動力供給、48時間連続飛行

Lockheed Boosts Small UAVs With Laser Power Beaming

aviationweek.com July 11, 2012

ロッキード・マーティンがレーザー光線による動力供給により無人機を48時間連続飛行させた。同社はこの技術でUAVで特別な地位を確立するだろう。
  1. 実験は風洞内で同社のストーカーUAVとレーザーモティーヴLaserMotiveの動力ビーム供給技術を組み合わせて実施した。
  2. ストーカーは電池動力で2時間の飛行が可能。ロッキードは2011年に同機を改造し、プロパン燃料電池とリチウム・ポリマー電池を搭載し8時間の飛行に成功している。
  3. 今回の室内動力送信飛行テストを48時間で終了したのは、「当初の目標時間を超えたため」と同社は説明。次の目標は屋外における実証だ。
  4. ロッキードはこれとは別に空軍研究所の小型無人再生可能エネルギー利用長時間航空機(Surge-V)プログラムにも参画しており、代替動力の利用を研究中。
  5. ストーカーは手動で発進する20ポンドのUAVでペイロードは4ポンド、高度25,000フィートまで上昇し、全天候で最高4時間まで飛行できる。これに比べこれまでの電池動力機は1.5時間が上限だった。
  6. 同社のねらいは小型UAVで一目置かれる存在となることで、このほかにもデザートホークIII、小型のナイトホークを生産中だが、ストーカーおよびSurve-Vにより販路を拡大したいと考える。
  7. ロッキードは超小型エイビオニクスメーカーのプロセラステクノロジーズProcerus Technologiesを1月に買収しており、同社のオートパイロット機能を小型UAVに搭載しようとしている。■

2012年7月11日水曜日

軍用輸送機の市場は新型機、既存機で混戦模様

Incumbents, Newcomers Battle For Airlifter Orders


aviationweek.com July 09, 2012

今 後二年間のうちに軍用貨物機の市場で大きな変化が生まれそうだ。新型機と既存機種が競い合うことになる。新規参入の中心がエアバスミリタリーA400Mと エンブラエルKC-390の二機種で、米国製機材が中心だった輸送機市場に参入しようとする。反対の局に位置するのが米国製各機で、ボーイングは後数機の C-17受注で生産ライン維持を図る。またロッキード・マーティンはC-130Jの販売拡大をねらうが、同時にパレット式の改修も進行中だ。
  1. エ アバスミリタリーは今年の商機に期待する。昨年度の販売不振をうけて同社は年末までに30機ほどの制約をねらう。そのうち20機以上はすでに予約済みだ。 エアバスミリタリーの貨物機市場予測は小型、中型機だけで今後30年間で1,250機規模とする。その中で同社はC295を108機、CN235を275 機販売している。
  2. アレーニア・アエマッキAlenia Aermacchiも今年の販売に期待する。オーストラリア向けC-27を10機受注したことで同機の生産は2015年まで維持できる。さらに受注を伸ばし2018年までの生産ライン稼動をめざす。
  3. C-27受注総数は89機で49機が引渡し済みだ。オーストラリア受注は5億ドル相当でC-27がC295を打ち破り採用されている。
  4. 輸送機市場のハイエンドでは新規受注は動きが鈍い。それでもエアバスミリタリーはA400Mの輸出に本腰を入れ始めた。同社は同機開発がこれまで不安定だったため手が回らなかったが、フランス空軍向け一号機の納入をいよいよ年末に予定し、販路拡大に乗り出す。
  5. エンブラエルはKC-390の海外販売を来年に強化するが、同機の初飛行は2014年の予定だ。同社は競合他機種のない国向けに2025年までに700機の需要があると見込む。
  6. 米 空軍のC-17は発注済224機のうち216機が納入済みで、ボーイングは年産15機の現在の生産数を10機にしつつ、価格上昇を回避する方法を実行中 だ。同機のロングビーチ工場(カリフォーニア州)の生産ラインを維持すべく、ボーイングは活発に海外販売活動を展開している。オーストラリア向けには5機 が納入済みで、6号機受注もまもなくと期待している。カタールにも2機納入済みであと2機のオプションが残っている。UAE向け6号機が6月に納入され た。英国は8機受領済みでカナダは4機、その他NATO加盟国向けに3機それぞれ引渡し済みだ。
  7. ロッ キード・マーティンはC-130J生産数を年間36機に引き上げており、24期で安定させる予定だという。米国政府発注のC-130J合計224機で 164機が納入済み。米空軍はC-130合計551機を運用中で、発注中機体には海兵隊向け空中給油機KC-130Jを47機、沿岸警備隊向け救難用 HC-130Jが6機含まれている。

コメント その中に日本のC-2がまだ入ってこないのは残念で仕方ありません。相当の重量増に苦しんでいるようですが、時間かけても熟成をしてもらいたいものです

2012年7月8日日曜日

MQ-4C BAMSは海上監視偵察行動の様相を大きく変える

U.S. Navy Starts Run-Up To First MQ-4C Flight
By Guy Norris
aviationweek.com July 02, 2012

米海軍はMQ-4Cトライトン(グローバルホーク派生型)の運用により海上パトロールの定義をまったく新しいものに変えようとしている。
  1. しかしながら、トライトンのロールアウト6月14日のわずか3日前に海上運航用のグローバルホーク実証機が原因不明の理由で墜落している中、今回の導入は通常の運用コンセプトの切り替えよりハードルは高いといえよう。
  2. 海 軍はMQ-4Cのお披露目をノースロップ・グラマンのパームデール工場(カリフォーニア州)で開催するに当たり上記実証機(広域海洋監視ブロック10実証 機(BAMS-D))の喪失が影を落とさないよう配慮していた。関係者によると事故機は米空軍向けRQ-4を改造した5機のうちの一機で、MQ-4Cとは 大幅に異なる機種だという。
  3. 実 証機が墜落したのはメリーランド州ドチェスター郡ブラッドワース島の無人地帯で、運用基地のパタクセントリバー海軍航空基地から東22マイル地点だった。 事故原因はまだ調査中だが、「数週間かけても突き止めますが、UAVの利点のひとつは機体の状況・状態のデータがすべて回収されていることです」とビル・ シャノン海軍少将(無人機・無人攻撃機開発責任者)は語る。
  4. シャノン少将によると事故発生は離陸10分後で機体は高度5万フィートの運航領域に向けてらせん状に上昇をしている状況だった。事故地点の画像を見ると事故機は比較的平坦な地形に墜落しており、ゆっくりと螺旋状に降下していたことが読み取れる。
  5. 事故原因調査には過去のグローバルホークの機体喪失事例の原因を参照している。機体の受信機に誤った信号を送った、ハードウェア取り付けがまちがっていた、燃料ノズルの弁の欠陥といろいろだ。
  6. そ の一方でMQ-4Cの初飛行の準備が進行中で、2012年内の実施をめざすとノースロップ・グラマンは明かす。ただし、同機の飛行テスト完了と初期作戦能 力獲得が2015年までに完了することは困難と見られる。「兵力を太平洋重視で再編成する今こそこの機体の能力が求められたときはありません。」(マー ク・ファーガソン海軍大将、海軍作戦副部長) UASを戦力増強の手段としてとらえて、ファーガソンは「BAMSで米海軍は非対称的な利点を利用できま す。長距離長時間監視活動が海上戦の様相を一変させます」
  7. MQ- 4はブロック10のBAMS-Dより大型で重量も増えており、長時間の海上情報収集、監視、偵察(ISR)任務に特化した設計となっている。ミッション飛 行半径は2,000海里で24時間一週間のうち80%を現場で滞空できる。トライトンはグローバルホークと外観上区す別できるのは機体下部に360度多機 能アクティブセンサー・アクティブ電子スキャンアレイ(MFAS AESA)のXバンドレーダーを格納するため球状になっていること、チタン合金のエンジ ン空気取り入れ口に凍結防止・除氷装置がついていることがある。主翼端部も形状を変えており、雹やバードストライクへの耐久性を上げている。
  8. 主 翼内部は洋上飛行でよく発生する突風に耐えるよう構造強化されており、機体前部も強化され、MFAS他のセンサー類搭載に対応している。機種のあごのフェ アリングは固定式でレイセオン製の目標自動追尾式電子光学・赤外線タレットシステムを装着。多スペクトラムシステムにはフルモーションのヴィデオがあり、 高解像度光学装置により艦船を上空から識別できるズーム機能がある。
  9. MFAS のねらいは海上での目標補足、追跡と識別で海洋捜索、逆合成開口inverse synthetic aperture (ISAR)および合成開口の各モードがある。MFASは現在ノースロップ・グラマンがガルフストリームII試験機によりテスト中であるが、技術が成熟す るのは今年の10月の予定だという。
  10. MQ-4Cにしかない装備として自動識別システムAutomatic Identification System (AIS)もあり、VHF通信により全世界の船舶運航状況を見ることができる。その
  11. 構成はAN/ZLQ-1電子支援装置および機首に取り付けたワイドバンドの衛星通信アンテナである。
  12. 同 機のテスト飛行はエドワーズ空軍基地で9回予定されており、その後実証機(SDD1)はパタクセントリバーに回航され、開発工程を完成させる。その後二号 機SDD2が一ヶ月遅れで続き、SDD1でセンサー類全部のテストをする。海軍の予定は合計68機のMQ-4Cを調達し、常時利用可能な部隊を22機体制 で維持することだ。 
  13. 正式な決定ではないが、MQ-4Cは世界各地に配備される見込みで、ハワイ、ディエゴガルシア島、日本、イタリア、ジャクソンビル海軍航空基地(フロリダ州)、ポイントマグー海軍航空基地(カリフォーニア州)となるだろう。

コ メント; 日本に必要なのはグローバルホークよりもトライトンということになるかもしれませんね。日本というのは厚木基地でしょうか。オスプレイで予想外 のアレルギー反応が出ているところ、本機がやってきたら(2016年ごろ?)テスト機としての事故実績を引っ張りだしてまた大騒ぎになるのでしょうか。い い加減にしてもらいたいものです。

2012年7月6日金曜日

F-35 オランダが導入を諦める可能性

Dutch Plans To Buy F-35 Fighter Jets In Doubt

aviationweek.com July 05, 2012

F-35をめぐりオランダの政局が揺れている。国家支出削減の折、同機開発費用の膨張に対応する余裕がない、というのが議会多数派の主張だ。
  1. 連立与党のうち、労働党は次回国会選挙の9月12日までに議会提案を提出し、同機の国際共同体性からオランダの脱退を求める構えだ。
  2. オランダは正式に2機を発注済だが、開発プロジェクトから脱退するかどうかはどう選挙の行方しだいであり、選挙後の新政府が決定する。
  3. オランダの旧政権は予算支出削減の不評から4月に総辞職していたが、EU基準に合致するためには同国は数十億ユーロの予算削減が必要であるのが現状だ。F-35向けには45億ユーロほどがすでに確保されている。
  4. 国会内では同機開発費用の上昇に歯止めがかからないことが批判の対象であり、国内雇用への寄与度が見えないことと将来の費用についても保証がないことが議論の中心だ。
  5. 「確実に毎年コストが上昇しているがほかはすべて不確実であり、内閣には本計画からの脱退を求めたい」と労働党議員Angelien Eijsink と発言。
  6. 同機に大しては日本および米空軍からもこれ以上のコスト上昇となれば発注数を減らすとの警告が出ているところだ。.
  7. 労働党、社会党、自由党、グリーン左派、動物愛護党がオランダ下院(定足数150)で過半数(78)を占めており、おしなべてF-35開発からの脱退を求めている。オランダはF-16後継機としてF-35を想定している。
  8. 仮にオランダがF-35導入を続けるとしても、当初想定した85機より少ない機数の購入となる可能性がある。

コメント ロッ キード・マーティンも私企業であり、コストをコントロールできなくなり、逆に受注数が減ればますます単価が高くなり、利益を上げられなくなるのであれば一 方的にF-35を全部自らキャンセルする可能性がないでしょうか。そうなれば喜ぶのはどの国か、もうお分かりですね。

2012年7月5日木曜日

米国のアジア太平洋重視戦略に中国はどう対応しているのか

China Counters U.S. Tilt Toward Asia

aviationweek.com July 02, 2012

2011 年末が米国の東アジアへの軸足移動が決定的になった時期だとしたら、2012年前半は中国が米国の動きをかわす様相を呈している時期といえよう。米国は控 えめな部隊展開だけで、各同盟国、中国に米国の同地域の権益の存在を実感させているのだが、中国は自国の地理条件と非対称的優位性を活用して米国の戦略に 対抗しようとしている。
  1. 米 国の戦略見直しはおよそ10年前に遡るもので、その時点で米国は中国が潜水艦、宇宙兵器、対艦ミサイル等を整備し、米兵力にA2/AD(接近拒否、領域排 除)戦略の実施で対抗しようとしていると分析していた。ただ、アジア各国にとっては2010年になって明らかになった韓国艦船撃沈後の北朝鮮支援、南シナ 海の対立する領土主張への国際仲裁の拒絶といった事例で中国の好戦的態度へ恐怖を感じることとなり、オバマ政権にアジアへの「バランス再編」をイラク、ア フガニスタンの兵力削減を受けて選択させることになったのである。
  2. ヒ ラリー・クリントン国務長官は2011年11月号のForeign Policyに投稿し、米国はアジア重視の見直しを迫られる転換点に達し、中国を脅威とする見方は排除しつつも、米国の「同盟条約国たる日本、韓国、オー ストラリア、フィリピン、タイ国がアジア太平洋への戦略的最重視の大きな支えだ」と論点を展開している。オバマ大統領のオーストラリア訪問(2011年 11月)でも米国はダーウィンに海兵隊2,500名を2016年までに駐留させ、海軍が沿岸戦闘艦二隻ないし四隻をシンガポールを拠点とすることが発表さ れている。米国、シンガポール両政府は艦船の母港化でなく定期的な寄港が内容だとしている。
  3. 2012 年1月には米国とフィリピン両政府が軍事同盟協力関係の復活を検討していることが明らかになった。おそらくその内容には米国の偵察機材の定期的な立ち寄り と約500名の兵員もフィリピン軍施設を利用すること、共同軍事演習の回数増加が入っているのだろう。ただし、先月末の時点でペンタゴン取材陣に対しサ ミュエル・ロックリア3世提督(米太平洋軍司令官)Adm. Samuel Locklear, 3rd, commander of U.S. Pacific Commandは「これ以上の米軍基地建設は想定していない」と発言している。
  4. 2011 年11月にペンタゴンからエアシーバトル局の創設が発表された。空軍-海軍間からはじまり米軍内の協力関係を深める役目を有する。ただし中国のA2/AD 能力増強への対抗策として国防総省が発表したと見られていた。その後国防予算の削減、兵力削減方針が発表され、米国はこれまでの「2大戦同時対応」想定の 戦略をもはや維持できないことが明らかになったものの、規模縮小は逆にアジアに展開できる兵力が増えると説明する関係者が現れた。
  5. そ こで2012年初めの中国の対応は同盟諸国に同時進行の軍事対立の実施能力を増強させて米国をくぎづけにすることにある。北朝鮮の4月の軍事パレードでは 大型新型ミサイルが16輪の輸送・起立・打ち上げ車両(TEL)に乗っているのが目撃されているように、明らかにこれは中国の三江湖北特殊車両 Sanjiang Hubei Special Vehicle Co.の製品であり、同社がミサイルを生産する中国航空宇宙産業科学(Casic)の傘下にあることが知られている。中国は直ちに車両販売を否定したが、 目撃されたTELは三江のWE51200型であり、ベラルーシのMAZの協力で開発された車両だ。MAZはロシアのICBM用にもTELを生産している。
  6. TEL の提供が北朝鮮のミサイル開発に中国が関与しているという見方を生んでいるが、TELが中国から提供された事自体が北朝鮮の核開発にこれまでとはちがう支 援を中国が与えていることを意味する。これは中国がかねてから北朝鮮の核開発へ反対姿勢を示したことと反しており、中国自体が核開発を中止させようとする 六カ国協議の理事国担っていることと矛盾する。実は中国は米国を標的とする北朝鮮の新型ミサイル開発を直接支援しているのではないか。北朝鮮ミサイルがイ ランに販売されれば、欧州各国も脅威を感じるだろう。
  7. 本 年4月以降の中国は地理条件を生かして米比軍事協力に対抗しようとしており、長らく南シナ海の領土を巡る対立には中立的立場を取ってきた米国の政策が一変 したことにより米比接近が実現したことが、南シナ海ほぼ全域を中国領土とする主張そのものへの対抗である。中国は2010年7月のアセアン・サミットでこ の主張を表明している。
  8. 米 国は退役ずみの3,200トンのハミルトン級沿岸警備隊カッター一隻をフィリピン海軍に2011年7月に供与しており、2013年までにさらに二隻が供与 される。2012年1月の時点では米比両国がいっそう広範な軍事協力を検討していることが明らかになっており、F-16戦闘機の販売、米国偵察機材・艦船 の定期展開も含まれている。フィリピンは中国海軍の戦略弾道ミサイル潜水艦のパトロール海域の末端部に位置している。
  9. 4 月8日にフィリピン当局が中国漁船複数をスカーボロー礁の中で取り調べをしている。同礁はフィリピン・ルソン島から138マイル、中国海南島から500マ イルの地点。フィリピンは早速受領したばかりのハミルトン級フリゲートを派遣して、取り調べ支援をしたが、結局検挙はしていない。4月10年に中国が漁業 保護局の艦船2隻を派遣し、フィリピン艦船の動きを封じた。この時点で今回の対立は外交的対立として認識され、フィリピンはフリゲートを小型海防艦に格下 げすることで緊張緩和をはかった。
  10. 同 時期に米比演習が4月14日に開始されたこともあり、両国の艦船にらみ合いが続いたが、中国が一時的漁業中止を宣言したものの、漁船は同地に残した。ま た、戦闘機編隊が同地上空を6月11日に飛行している。中国は海南島に新設した水平線超えレーダーを稼働し同地の動きを把握し、同時に中国沿岸警備部隊の 展開によりフィリピン政府、米政府に対抗する姿勢を示した。その後5月になった早々、中国海軍から5隻の部隊が出港し、その中の最大の艦船は071型 LPD揚陸艦であったため、中国がフィリピンが実効支配する同諸島の占拠に乗り出すのではとの観測が生まれた。米国はバージニア級原潜ノースカロライナを スービックベイに寄港させた。
  11. こ のスカーボロー礁をめぐる対立のさなか、中国からさらに米国戦略を試す動きがでた。ロシアと共同でこれまででも最大規模の海軍演習を4月21日から27日 に展開し、中国は海上艦船16隻と潜水艦2隻、ロシアから4隻が参加し、防空、対潜演習を実施した。sらに6月7日から14日にかけて中国空挺部隊・地上 部隊400名がロシア軍、タジキスタン軍に合流しピースミッション2012演習を上海協力機構(SCO)の元で実施した。当選をしたばかりのプーチン大統 領がSCO総会(北京)に参列した6月上旬だったが、中国との戦略的協力関係を誇示している。
  12. 6 月末にロシア、中国、イラン、シリアの合同演習として、9万人の兵員、戦車1.000両および中国艦船12隻をスエズ運河を通過させ、西側によるシリア軍 事介入を実現できなくするとの観測がでてきた。ロシア、中国の外交筋は即座にこの演習案そのものを否定したが、この観測自体が中国により米国の中東への働 きかけの効果が減少される可能性があることを意味している。