2019年3月5日火曜日

ニュージーランドにC-2売り込みを狙う川崎重工

日本製装備はみんなそうですが実績がないため躊躇される傾向がありますが、思い出してもらいたいのは日本製の乗用車だって最初はそうですよね。防衛装備品の輸出を真剣に狙うのなら多少の失敗にめげず、地道な活動を展開するしかありません。川崎重工は立派な会社ですがマーケティングでは知見の豊かな別会社と組んだほうがいいのではないでしょうか。


Japan pitches C-2 for New Zealand transport fleet 
日本がニュージーランドにC-2輸送機売り込みをねらう


By: Nigel Pittaway 


川崎重工はC-2をニュージーランド次期輸送機事業で採用を目指す。(Nigel Pittaway/Staff)

崎重工業がC-2輸送機をニュージーランドの次期輸送機に売り込みをめざしている。同社関係者が2月26日に確認した。
ニュージーランドは現有のロッキード・マーティンC-130Hハーキュリーズとボーイング757-200Cの後継機を次期航空機動能力FAMCとして戦略、戦術両面の輸送機として二機種または一機種の導入をめざしている。
2019年アヴァロン航空ショー会場で川崎重工業KHIはニュージーランド空軍とここ数年にわたり次期輸送機の要求性能を協議していることを認めた。
「C-2のマーケティング活動は始まったばかりですが、今後短くても10年は生産する予定です」(同社関係者)
ショーでは航空自衛隊第三輸送航空隊のC-2一機が地上展示されているが、ニュージーランドには2017年に実機が飛来している。
C-2は航空自衛隊仕様で戦略、戦術両用の輸送ニーズに応える機体で、既存の川崎C-1の後継機を目指した。これまで量産型7機と試験機2機が納入されており、最終的には20機から30機が引き渡される。航空自衛隊には2017年3月に就役しており、7号機の引き渡しが最近あったと同社は述べている。
同社関係者はC-2販売で「他数カ国」と商談をしているとするが国名は明かさなかった。また輸出承認では防衛省、経済産業省とも協議しているという。■

ではC-2の売り込み対象国はどこでしょうか。大胆に推理すれば①C-17導入国を除き、 ②A400Mも同様 ③戦略輸送能力を必要としている国 では。①にはインド、オーストラリア、カナダ、英国、カタール、アラブ首長国連邦、クウェートがあり、②はドイツ、フランス、英国、スペイン、トルコ、ベルギー、ルクセンブルグ、南アフリカ、マレーシア の各国です。これ以外で③となるとニュージーランドは当然ですがその他としてサウジアラビア、イスラエル、シンガポール、インドネシア、ブラジルが考えられますね。推理が正しいかは時間が教えてくれるでしょう。

マレーシア空軍がA400M運用実績をオーストラリア航空ショーで披露

航空ショーは同時に機材売り込みの機会でもあり、この記事の言わんとしているのはエアバスがニュージーランドへの売り込みを図っていることです。実は川崎重工もC-2売り込みをねらっており、二機種が激突ですね。ただし、運行実績をこうやって自慢することでエアバスは採用を期待しているのでしょうが川崎重工はどう切り込むのでしょうか。C-2の記事はこの後お伝えします。


Malaysian pilot details A400M missions, midair refueling experience

マレーシア軍パイロットが空中給油含むA400M運用の詳細を語る

By: Mike Yeo    2 days ago

マレーシアの A400M (Airbus Defence and Space)


レーシアがエアバスA400M軍用輸送機の運用体験をDefense Newsに伝えてきた。インドネシア地震での災害救難任務では不完全な滑走路で運用に成功し、戦闘機向けの空中給油能力の認証も得たという。
アヴァロン航空ショー(オーストラリア)の会場で王立マレーシア空軍(RMAF)所属のA400Mが地上展示されている。A400Mパイロットのハサン少佐は20年にわたる空軍勤務で各種機材を操縦してきたがA400Mが「今まで最高の機材」という。
救難ミッションでA400Mは小型機で対応不可能な量の貨物を運び、大型機では運航不可能な滑走路での離着陸をこなし22トンの重機を運搬した他、救援物資21トンを搭載したという。
ハサン少佐は被災地に近いパルの滑走路は通常は70トン未満の機体でないと運用できないが、地震の被害を受けさらに制約が厳しくなったと指摘。A400Mは貨物搭載時に120トン近くになりインドネシア当局は同空港での運用に懸念を示したという。
しかしRMAFはA400Mの12輪の降着装置の間に貨物を適正配置すればタイヤも厳しい条件にも耐える仕様になっており、滑走路舗装区分36版でもA400Mなら対応可能と示し、当局にA400M運航を認めさせた。舗装区分番号とは国際民間航空機関の標準で滑走路、誘導路、エプロン・ランプの強度を示す

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Went flying on board this at #AvalonAirshow2019 today. Good fun! Thanks .@AirbusDefence and .@airforcenextgen!

ハサン少佐からはA400Mによる空中給油の説明もあった。RMAFは2018年5月より給油実証をボーイングF/A-18Dホーネット、スホイSu-30MKMやBAEシステムズのホーク練習機との間ではじめた。
実証には各種装置を使い、飛行条件も変えて行ったが、NATO標準の空中給油手順実施が認証されたとハサン少佐は言いロシア製機材がA400Mとは互換性がないとの噂を一蹴した。
Embedded video
Short video clip from today's .@AirbusDefence media flight on board the .@airforcenextgen #a400m at #AvalonAirshow2019

マレーシアはA400M一機をF/A-18D編隊と北部オーストラリアに昨年8月に派遣し国際空中戦闘演習ピッチブラックに参加させた。演習では空中給油も行ったという。
マレーシアはA400M4機を運用中で所属する第22飛行隊は首都クアラルンプールにあるスバン空港に展開している。エアバスはA400Mのニュージーランドへの売り込みを図っており、ロッキード・マーティンC-130Hハーキュリーズ、ボーイング757の両輸送機の更新機材としての採用を期待する。今年後半に同国は機種選定の予定。■

2019年3月4日月曜日

インド-パキスタンは平穏化の様子、米政府がF-16投入の事実をパキスタンに確認へ

このまま両国が落ち着けばいいのですが、偶発的な事件はすぐにでも発生しそうです。パキスタンがどんな説明をするか見ものですが、契約を守れない国家は米国から相手にされなくなるでしょうね。

Washington wants to know if Pakistan used U.S.-built jets to down Indian warplane パキスタンが米製機材でインド軍用機を撃墜したか米国が実態調査へ


United States Air Force [Public domain], via Wikimedia Commons

政府はパキスタンが米国製F-16でインド軍用機を撃墜したのかを突き止めるとの意向を3月3日示し、米国との合意事項の違反の有無を確認する。核武装したインド、パキスタン両国は緊張緩和に向かっているようだ
両国は空軍機を作戦投入し、2月27日にはインド側一機がカシミールで撃墜され世界を驚かせ、戦火拡大の恐れが広がった。
パキスタン軍報道官はパキスタンがF-16を投入したとのインド発表を同日中に否定した。
パキスタンは勾留したインドパイロットを3月1日に返還し、「平和のジェスチャ」と大々的に宣伝し、緊張緩和の姿勢を示したが両軍は警戒態勢を解いていない。
管理線(LoC)が事実上の両国国境となっているカシミールではこの24時間は比較的平穏だったがインド治安維持部隊によれば戦闘員対策としての作戦は続いており二名の戦闘員を殺害したという。
在イスラマバードの米大使館からはパキスタンがF-16でインド機を撃墜したとの報告に注目し、米国からの軍事装備品販売合意でパキスタンに機材仕様の条件を定めている内容に違反している可能性を精査するとの発表が3月3日に出た。
「より多くの情報を集めているところで、防衛装備品の誤用についてはすべての状況をチェックする」と米大使館が発表。
パキスタンはF-16をドッグファイトに投入していないとするが、MiG-21を撃墜した機材の種類についての説明はない。同国は中国設計のJF-17を国内生産している。
パキスタンは長く米製軍事装備品を導入しており、とくに米主導の対テロ戦でパキスタンが中核的強力国の扱いを受けた2001年以降はその傾向が強い。
その一環でロッキード・マーティンF-16を数次にわたり購入したが、その後米国との関係が悪化し2016年をもってワシントンからの補助は打ち切られた。
パキスタンを制約する「エンドユーザー合意事項」の内容は正確には不明だ。「米政府は今回の事案の性質を鑑みていかなる論評も確認もしない」と米大使館は述べている。
2月28日にはインド政府が記者団に空対空ミサイルとするものの一部を公開し、発射可能なのはF-16のみとし、全日にパキスタンが同機を投入した証拠だとした。
一方でパキスタン軍広報はインド側標的を「ロックし」パキスタン軍の攻撃能力を誇示したが被害を発生させないよう空き地を攻撃したと報道陣に水曜日発表した。
パキスタン側は同日の作戦はインドが前日に領空侵犯したことへの報復とし、インドはバラコット市街地北部の森林を空爆していた。
インドは戦闘員訓練施設を攻撃したと述べていたがパキスタンはそのような施設そのものが存在しないと否定している。ロイターは現地調査したが現地民も否定していた。
今回の軍事衝突でパキスタン7名、インド4名が死亡したが、3月3日はカシミールは比較的平穏だ。同地方は英国からの1947年独立以降三度にわたり両国間の衝突の原因となってきた。
インドが実効支配する側のカシミールでは部隊が日曜日に戦闘員二名を射殺したが部隊にも一名の犠牲者が発生し、この二週間で25名が死亡している。14.最新の作戦はカシミールでパキスタン領内に本拠地を置く戦闘員集団が自爆攻撃でインド治安部隊40名を殺害した2月14日の事件が契機だった。■
Additional reporting by Abu Arqam Naqash in MUZAFFARABAD; Writing by Krishna N. Das and Drazen Jorgic; Editing by Christopher Cushing and Susan Fenton

★KC-46の受領を米空軍が停止中---その理由とは

製造工程で異物が残ったまま、なんて昔のデトロイトのクルマ製造ラインの逸話みたいです。もちろん見つかったのはコーラの瓶ではないはずですが。これでボーイングはさらに自社費用による解決が必要となり、経費がふくらむため日本向け機材の価格は当然高くなるでしょうが工程が安定し品質が良くなった機体が日本にやってくればそれはそれで良い結果と言えるのかも知れません。

US Air Force suspends KC-46 tanker deliveries

米空軍はKC-46受領を中止中

By: Valerie Insinna


製造中の KC-46 (2019年1月24日撮影)、ワシントン州エヴァレットで。,(Valerie Insinna/Staff)

ーイングKC-46給油機の米空軍向け納入が一時停止している。異物混入問題を空軍が調査しているためと3月1日に空軍調達部門が説明している。
ウィル・ローパー調達技術補給担当次官補は報道陣に同機受領の再開は時間がかかると説明している。
「担当部門からのデータでKC-46生産ラインで異物が見つかっている。どこまで被害が広がり生産ラインに影響が出るかはまだわからない」.
「製造工程や社内のしくみや管理に行きつく。このままではボーイングに行きDD250再承認が必要となる」とし、機材受領の国防総省用語に触れた。
ローパー次官補は機体内部に工具や異物が残ったままとの懸念から空軍は同機の飛行をほぼ一週間にわたり停止中と報道陣に述べ、安全上の懸念を示した。この問題はSeattle Timesが最初に報じた。
ただし空軍の現地視察チームの初期報告は肯定的で2機の納入は2月28日夜にも了承されるとローパー次官補は述べた。
3月1日にローパーはその時点で国防契約管理庁(DCMA)や航空機動軍団他関係者には今後の対応について話していないとしながら検討の結果で納入を遅らせることになったと述べている。
Seattle Times紙が入手したメモでは異物の数々について触れている。FODの略号で作業員が機内に工具を置き忘れた事例、生産ライン上で見つかった8件、空軍納入後に発見された事例2件があるという。
.ローパーはボーイングのエヴァレット工場(ワシントン州)でのFOD管理が低下している証拠があるとは言っていないものの空軍は根本原因の解消に取り組み問題の全体像の把握につとめているとする。
「FOD問題の過去事例をひもとくと深刻化したケースも有る。逆に取るに足らない問題に終止した例もある」とし、「今回は根本原因がまだはっきりしない。まだ確実でないなら安全を考え慎重にすすむべきだ。このため十分解明するまで機体受領を止めている」
「解決方法は詳しく説明できないが、機体受領を進めるべきでない理由は明確だ」
空軍とDCMAは製造工程の改良について13点をボーイングに求める意向で、本日中に改善策を決定すると3月1日にローパー次官補は述べた。改善費用はボーイングが負担し実行に責任を果たすが、同社は納入済み機体の点検を申し出ている。
ボーイングはKC-46の初納入を1月に完了し、今まで6機がマッコーネル空軍基地(カンザス州)とアルタス空軍基地(オクラホマ州)で受領している。しかし技術問題で事業進捗が遅れ初号機の納入は予定の二年近く後だった。
「問題はコストではありません。今回はこちらには追加経費は派生しない。訓練不足が問題だ。パイロット、オペレータの訓練が必要だ」(ローバー)

ボーイング広報は空軍と協力し給油機納入を予定通り進めたいとのコメントが出ている。■

F-35誕生の背景と今後の展望 

Jointとは三軍共通の意味なので当ブログでは一環して共用と訳しています。同じ発想でF-111が以前ありましたが構想どおりにならず、F-35でなぜ再び同じ道をたどるのかわからなかったわけです。(逆に海軍用機材に空軍が目をつけたF-4、構想だけに終わりましたがF-15を海軍用に改造する話もあり、共通機材の概念が間違っているわけではないようです)西側防衛をこの機体に任せていいのか、というのが当ブログの一環した疑問点です。みなさんはどう思いますか。ヤコブレフの基礎研究をうまくロッキードが利用したというのは本当かも知れませんね。

The Crazy Story of How the Stealth F-35 Fighter Was Born ステルスF-35誕生の不思議な経緯

Development and procurement of roughly 2,400 F-35s through 2037 is now estimated cost over $400 billion, roughly eight times the annual defense spending of Russia. 約2,400機のF-35の開発調達が2037年まで続き、総額4,000億ドル事業となる試算があり、これはロシア国防予算の8年分に相当する。
February 24, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35Yak-38RussiaStealth FighterU.S. Air Force

2019年に初の完全戦闘対応F-35ライトニングがブロックIIIFソフトウェアを搭載し就役する。構想から27年、350機超が引き渡された後での達成だ。ペンタゴン官僚組織の中で構想が生まれた直後から人類史上最高額の兵器体系になるまでの経緯をたどってみよう。
1980年代にペンタゴンは第4世代機の後継機はステルスと決めた。空軍の高性能戦術戦闘機競作から航空優勢戦闘機として十分な能力を有するF-22ラプターが生まれたが、海軍・海兵隊は独自のステルス機を求め、空軍は単発F-16多任務戦闘機を大量供用中だったが、ラプターは高額すぎ後継機になり得なかった。
こうして1992年に海軍と空軍はそれぞれのCALFとJASTを共用打撃戦闘機事業に統一した。目標は安価かつ単発で攻撃に主眼を置くステルス戦闘機として三軍で共用しコストを節約しつつ米同盟国へも輸出を目指すというものだった。この点でF-22と異なる機体をめざした。さらにJSFでは最先端デジタル技術と素材技術で効率を引き上げるねらいもあった。
三軍が使用する共通設計のため要求内容は当初から重荷となった。たとえば海軍向け「C」型は空母運用のため主翼が大型で降着装置が強化される。海兵隊はハリアー後継機のジャンプジェットを求め小型揚陸空母から運用可能な垂直離着陸能力VTOLを必要とした。
だがVTOL能力により機体は大型となりハリアーやYak-38のようなそれ以前のVTOL機は速度、ペイロード、航続距離いずれも通常型より劣っていた。さらにJSFとして共通性を求めるあまりその他のJSF各型も抗力を生むずんぐり形になってしまった。
ここでF-35の源をたどる物語はエリツィン時代のロシアへ奇怪な寄り道をする。ソ連崩壊で資金不足となったヤコヴレフは共同開発からYak-141ジャンプジェットの開発資金の確保に必死だった。同機はリフトファンを別個に設けながら超音速を狙っていた。1991年にロッキードはYak-141の3機と貴重なテストデータを総額4億ドル程度で入手した。
1996年にペンタゴンはボーイングロッキードにそれぞれ7.5億ドルで試作機を2機ずつ製作させ5年後にテスト飛行させた。ボーイングのXF-32は不格好でずんぐりとしたデルタ翼機で排気口を傾けて偏向推力を確保し垂直飛行を目指した。一方X-35はYak-141同様にリフトファンを用いながらリフトファンの回転軸は別に確保する技術的に複雑ながら高度な内容だった。
2001年、空軍はJSF選定で完成度が高いとしてF-35を採択すると発表した。国防総省は開発費用として調達が期待される各国、オーストラリア、カナダ、イスラエル、イタリア、日本、オランダ、ノルウェイ、韓国、トルコ、英国からも資金を確保した。F-35事業協力国には莫大な部品製造や整備作業の一部が与えられ、国産ミサイル統合等の特権が与えられた。
だが「完全新型」機の設計は簡単な部分でペンタゴンはライトニングに未完成かつ最先端技術を採用しようとしていた。モジュラーパネルにレーダー吸収素材を焼き込み機体表面としたのは一つの進歩だった。
新技術にヘルメット装着画像表示システム、オープン・アーキテクチャのミッションコンピュータでアップグレード対応を可能としたもの、高性能防御装置と多面的センサー(分散型開口システム)の組み合わせ、ステルス性のあるデータリンクで機体とセンサーデータをネットワークで結ぶこと、低探知性のAPG-81レーダーがある。地上では複座練習型を作らずフライトシミュレーターを使い、補給活動では整備記録を蓄積し予備部品調達を迅速にする狙いもあった。
新技術は実証ずみの基本設計に取り入れるのが妥当である。だがペンタゴはF-35のエイビオニクス、ソフトウェア、機体を並行開発させようとした。つまり「基本型」のF-35はなく、つねに進化していくことになる。このため一つの部門の遅延が他部門にも影響し新型技術の取り入れが遅れるとコストも超過した。
ライトニングの機体重量は2千ポンドも増え航続距離が犠牲になった。とくにF-35Bでこの影響が顕著となった。このため再設計で重量を削ろうとしたため構造問題がF-35B初期生産機材で見つかっている。
米会計検査院は早くも2006年に警鐘を鳴らし始めた。2009年になると費用超過の大きさからロバート・ゲイツ国防長官(当時)の厳しい目にさらされF-35事業の仕切り直しを図り事業中止の可能性も話題に登った。だがライトニングは中止できないほど大きな事業になっており、予算と開発力を他の事業から奪い取っていた。ゲイツはハイエンド機材のF-22を当初の500機生産から180機で終了させている。
F-35開発日程が5年程度遅れる中でペンタゴンは追加予算で旧型機の供用期間延長を図る必要に迫られた。一方で省内の試験評価部門は数百にのぼる不具合点を見つけ、酸素供給装置の不良、機関砲の射撃方向のずれ、突然のコンピュータ終了などだった。カナダがまずF-35発注を取り消した。
海兵隊が2015年に「初期作戦能力」を認定し、空軍が2016年にこれに続いたが要求性能を水増ししていた。海軍のF-35Cは2019年にIOC獲得の予定。
低率初期生産で機体価格は200百万ドルになった機体には重要な性能がついておらず、テスト機材として活用されてきた。こうした機体を実戦にまわすと高額の性能改修が必要となる。
では三型式運用で費用節約はどうなったか。実は三型式の共有部品は2割程度しかない。
2013年にF-35は再び批判にさらされた。航続距離が足りず速力も劣り、上昇限度が低く、操縦性、機内兵装搭載量がいずれも旧型機水準に達しないというのだ。F-35支持派はライトニングのステルス性能、長距離センサー能力、ミサイル発射性能に比べればこうした点は取るに足らないとした。理屈の上ではF-35パイロットは長距離で敵探知し短距離での空中戦闘を回避できる。
2,400機ものF-35を開発調達すると2037年までに推定4,000億ドルとなり、ロシア国防予算の8年分に相当する。2070年まで運用すれば1.1兆ドルが別に必要となるとの試算もある。
不良、遅延、低稼働率が更に加わったF-35だが2018年は一定の進歩を示した。F-35Aの機体単価は89百万ドルに下がり、イスラエルのF-35Iと海兵隊F-35Bが戦闘デビューした。ライトニングは空戦演習で強い性能を発揮している。ベルギーとシンガポールがF-35導入を決め、さらにギリシャ、インド、ポーランド、ルーマニア、スペインでの採用が期待視される。F-35Bジャンプジェットはイタリア、英国の空母でも供用中で、日本が空母航空戦力を再構築するきっかけになった。
同機を好きか嫌いかは別としても辛い開発過程から参考になる教訓や反面教師の側面もあるのは確かで、F-35がいまやしっかりとその存在を示しているのは確かだ。同機が成功するか、あるいはペンタゴンが求める航空戦の新しい姿の実現に失敗するかが数十年にわたり厳しく問われていくだろう。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

Image: Wikimedia

2019年3月3日日曜日

中国がSu-57を検討して出した結論とは....異様な中国のステルス戦闘機運用思想

米ロが似通った設計思想を持っているのに対し中国が異質なのか、そもそも戦闘シナリオが違うのか、米空軍が機種を絞り込もうとする中で、中国はむしろ特化した機体をたくさん揃える傾向があると思います。Su-57は中国からすれば魅力がないのでしょうか。

China Is Studying Russia's Deadly Su-57 Stealth Fighter: Here's Why They Think 中国がロシアのSu-57を研究してわかったこと

February 26, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaRussiaMilitaryTechnologyWorldSu-57J-20F-22F-35
国人専門家はロシアのSu-57ステルス戦闘機に複雑な見方をしていると中国国営メディアが伝えている。Su-57には欠点も多いが「ユニークな」機体というのがWang Yongqingの結論だと環球時報にある。
WangはJ-31を開発した瀋陽航空設計研究所の主任設計者だ。中国海軍が同機の採用を検討中と伝えられる。
トラブル続きのSu-57を詳しく検討したWangは中国にも参考となるはずの教訓を見逃しているようだ。
Su-57が大量にロシアで供用される可能性はないようだが、同機の設計に欠陥があったわけではなく、むしろ非常に洗練されよく考慮されている。一番の問題は同機に機関銃が搭載されているが中国のJ-20は搭載していないことだ。
.だが機関銃問題はWangには重要でないようだ。
「中国観測筋はSu-57の性能を低く見ているが、軍用機設計者のひとりにはSu-57はとてもユニークに映るようだ」と環球時報の2019年1月24日付けが伝えている。
Su-57は大型双発戦闘機で大型主翼があり、2010年に初飛行した。ロシア空軍は10機ほどを取得しテストしてきた。スホイはSu-57全機を手作業で生産したといわれるが、出来具合がいかにも雑だ。
Su-57には戦闘装備がないといわれる。2機はシリアに2018年2月に展開したが、ロシアは根拠を示さずに空爆に投入したと発表している。
クレムリンは2018年8月に生産型機材10機ほどを発注し、2019年に初の実戦飛行隊の編成を目指した。だが国防予算が減少する中で同機の大量調達はしないとの決定が出た。
ロシア政府はSu-57の調達削減方針を正当化してきた。「Su-57は現時点出世界最高の機体ですよ」とユーリ・ボリソフは2018年テレビで語っている。「そのため同機の量産を急ぐのは理にかないません」
人民解放軍空軍はJ-20ステルス戦闘機で遥かに高い成功を実現してきた。2011年初飛行し、2018年初頭にPLAAFは同機初の飛行部隊が作戦可能となったと宣言している。
中国は少なくとも三種類のステルス軍用機を開発しており、戦闘爆撃機、爆撃機、そしてJ-31があり、後者は中国空母への搭載になる可能性がある。
PLAは米国に次ぐ世界第二位のステルス機運用をめざするがWangはSu-57開発から学ぶところがあるという。
.Su-57の性能は全体としては「まったく悪いものではない」とのWang発言を環球時報が引用している。
Wangの分析ではSu-57は「革新的空力特性の機体設計で推力偏向制御が可能なSu-57では超音速巡航飛行能力があるところが重要で操縦性もずばぬけている」とある。
Su-57の設計を検討しWangはロシアと米F-22、F-35ステルス戦闘機の作戦思想を比較している。
「米側の次世代航空戦闘の概念では視界外戦闘を重視していますが、その場合にミサイルは相当の距離を飛翔するわけでSu-57では操縦性を極限まで高めて回避する必要があります」「ロシア戦闘機は特殊レーダーを搭載しミサイルの飛来方向を正確に探知します」
「超射程ミサイルは別にすると最終的な対決は近接距離で発生するでしょう。そうなるとステルスや極限までの操縦性は意味を失います」と環球時報は伝えている。Su-57には30ミリ機関砲を近接戦に備え搭載する。
Wangの評価から米・露・中のステルス戦闘機での方向性が見えてくる。Su-57設計がF-22やF-35との近接航空戦を想定するのに対し、米戦闘機両型も機関銃を搭載していることに要注意だ。米空軍はステルス機も超接近戦に備える必要があると考えている。
対照的に中国のJ-20には機銃がなく、中国がステルス機の作戦想定を全く違う形にしているのはあきらかだ。「USAFや業界はJ-20は機敏な操縦性を想定せず速度とステルスを前面に押し出した機体と見ている。陸上目標あるいは給油機やISR機材への奇襲攻撃を想定しているのだろう」とAir Force誌は結論を出していた。
.言い換えればJ-20は防空網を高速突破してミサイルを発射する機材だ。近接航空戦闘は想定していないのがあきらかだ。
「空力特性上の成約とミサイルの運用条件を考えると将来の戦闘でも銃は不可欠だろう」とスチュアート・ニコルス少佐は1998年に空軍大学校で論文を書いていた。
「機銃は単純ながら運用維持が楽だ」とし、「敵の電子対抗手段やフレアでミサイルの性能は下がるが機銃は無関係だ。追う一つ銃の大きな特徴は搭載レーダーの機能と独立していることで、レーダーが敵の対抗措置に脆弱であることが重要だ」
.Su-57,F-22、F-35を比較することでWangは中国のステルス戦闘機部隊に有益な知識を得たと主張する。おそらくその中心は設計思想こそ違うがロシア、米国ともにステルス戦闘機に機銃を搭載していることだ。■
David Axe serves as the new Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring  and Machete Squad.

Image: Creative Commons.

お知らせ ターミナル1がお引越し

いつもこのターミナル2をごらんいただきありがとうございます。

さて、この度民間航空宇宙開発等を扱うターミナル1(以下T1)を移転することにしました。

あたらしいURLは
https://aviationspacet1.blogspot.com/
です。

T1は2008年から開設していますが、掲載記事が見にくくなっておりますのでこの度移転を決めました。

これまでの記事はそのまま残し、3月中は新旧サイトで同時掲載、4月kら新サイトのみに記事配信の予定です。

T1にもご愛顧をお願いします。

ご参考 現行のターミナル1URLは
https://wind.ap.teacup.com/aviationbusiness/

です。