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ウクライナ空軍の強さは米空軍との共同訓練の効果。創意工夫に満ちたウクライナの特性もあるが、ロシアと東部で以前から戦闘を経験している事が大きい。それに対し、ロシア空軍は.....

 

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F-15 Pilot Ukraine Fighter Su-27 MiG-29

USAF/TECH. SGT. CHARLES VAUGHN (MAIN IMAGE)/EBAY (PATCH)/DAVE_S-WIKICOMMONS (SU-27 SOLO)

 

ウクライナの戦闘機搭乗員が訓練時に示した技量を考えれば、ロシア軍を食い止めている理由が理解できるとF-15パイロットが語っている。

クライナの戦闘機パイロットには、当初から感心させられました。飛行時間が少ないのに、とても優秀です」と語るのは、最近退役したF-15Cイーグルのパイロットで、フレズノのカリフォーニア州空軍第144戦闘航空団で演習と計画責任者を務めていたジョナサン「ジャージー」バードだ。

 

ロシアのウクライナ侵攻から1カ月以上経過し、ロシア空軍が圧倒的な数的・技術的優位なはずなのに、ウクライナ上空で争奪戦が続いている。ウクライナの地上防空網、戦闘機パイロットや支援クルーは、ロシアに航空優勢を握らせないよう、また、ロシアが自由に活動できないように奮闘している。

U.S. ANG/TSGT CHARLES VAUGHN

クリアスカイ2018演習でウクライナのスタロコステイァンティニフ航空基地を離陸するSu-27 

 

空戦の状況は正確な把握が難しいが、ウクライナ空軍は健在で、ロシア軍に大きな損失を与えている。ウクライナのパイロットは各国メディアでオープンに発言しており、行動の詳細は当然ながら作戦上の秘密に包まれているが、勇気と技術が侵略者に大きな打撃を与えている。

ウクライナの戦術機飛行士や、ウクライナでの訓練で彼らと一緒に飛行したことがあるジャージーのようにウクライナパイロットの能力を本当に評価し、理解できる人は皆無に近い。カリフォーニア州軍は1993年以来、グローバルな関係構築を目的に「ステート・パートナーシップ・プログラム」でウクライナ軍およびウクライナ国家警備隊と密接な協力関係を築き、現在では93カ国と85のパートナーシップを結んでいる。

ウクライナは、ブルガリア、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、北マケドニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニアとともに、米国州兵局のプログラムのチャーターメンバーとなった。国ごとに州が決まっており、ウクライナとカリフォーニア州の空軍州兵との親密な関係が始まった。

「カリフォーニア州軍航空隊のパートナーがウクライナだったのは幸運でした」とジャージーは説明する。「2011年の夏、私がカリフォーニア州兵になる前、第144戦闘航空団はF-16を飛ばしており、ウクライナのミルゴロド空軍基地でセーフスカイ2011という画期的な演習を行ったんです」とジャージーは説明する。

同演習では、アラバマ、カリフォーニア、アイオワ、ワシントン、マサチューセッツの部隊からF-16がウクライナ軍のMiG-29やSu-27と飛行し、空域の安全性を促進する多国間協力の促進と強化を全体目標としていた。

U.S. AIR FORCE PHOTO/TECH. SGT. CHARLES VAUGHN

セイフスカイズ2011でF-16がSu-27とウクライナ上空を飛んだ

 

 

Safe Skies 2011で親密な関係が始まった」とジャージーは言う。「ウクライナ側は非常に限られた条件で一緒に飛行訓練をし、7年後の演習Clear Sky 2018の基礎となりました」

第144戦闘航空団からは2018年10月6日、F-15Cイーグルがウクライナに初上陸し、Clear Sky 2018はウクライナ主催、在欧米軍後援による史上初の多国間合同演習となり、歴史に名を刻んだ。「この演習で相互運用性へ大きなステップを踏み出した」と、当時のカリフォーニアANG司令官でClear Sky 2018演習をまとめたクレイ・ギャリソン少将Clay Garrison Maj.Genはコメントしている。「Clear Skyは、2011年の演習より飛躍的に包括的で広範なものとなった」。

USAF

144戦闘航空団のF-15Cと編隊を組むウクライナ空軍Su-27

 

「ウクライナから演習の依頼があった」「NATOは世界の安全保障協力での金字塔であり、高い安全性と現実性を確保するルールがある。ウクライナは、NATOとの相互運用性を確保する唯一の方法は、同じ基準で訓練することだと理解しており、それこそが、この訓練の目標で、これを達成した」と当時ギャリソンは語っていた。

ジャージーは2018年演習でカリフォーニアANGのリードプランナーを務め、ウクライナ空軍の能力を明確に理解できた。「Clear Sky 2018の目標は、大規模交戦の緒戦への対応だった」「「さらに、基本的な戦闘機演習(BFM、別名ドッグファイト)を展開したが、西側戦術航空のすべてをウクライナ人に公開したんです」とジャージーは説明。また、両軍パイロットが戦闘機を交換して飛行する体験機会も生まれた。

U.S. ANG/TSGT CHARLES VAUGHN

カリフォーニアANGとウクライナ軍のパイロットの交歓が Clear Sky 2018で見られた


「F-15CでMiG-29やSu-27を相手にBFMをたくさん行いましたが、正直言って、向こうのパイロットが非常に優秀だとすぐにわかりました。戦術的に非常に独創的で、機体を熟知しており、何が足りないかも理解している。つまり、彼らは古いジェット機を飛ばしているのです。これに対しF-15も古い機体ですが、常に新しいエイビオニクスでアップグレードされているのです」。

ウクライナは一部の戦闘機の改修とアップグレードを開始したばかりだった。今回破壊されたリヴィウ州立航空機修理工場(LSARP)が主導し段階的プロセスがMiG-29フルクラムに導入された。その他、Su-27、Su-25、Su-24MRが対象となった。

「Su-27、Su-25、Su-24MRの訓練は、NATO統合に向けたものでした」と、ジャージーは続ける。「ポーランド空軍や、ルーマニア、ブルガリアといった近隣諸国との飛行を開始し、国境を越えた飛行で統合を目指していました。2018年のミッションの多くは、F-15で彼らのSu-24やSu-25を目標地域に護衛し、他国のフランカーと対決するなど、統合に特化していました」。

「一緒に飛んで、技量と近接ドッグファイトは信じられないレベルだと思いました。ウクライナ側は機体を熟知していました。他国のフルクラムやフランカーと戦ったことがありますが、ウクライナが最高のレベルでした。クリアスカイ演習では、あらゆる機材をミックスして使う戦術構想でした。ウクライナが必要とするときには私たちが現地に展開すると100%信じていましたので、今みたいに傍観するだけになるなんて想定外です」

USAF

ウクライナのSu-27 がB-52 のエスコートミッションにフル武装でついた.

 

「ウクライナ戦術は、戦闘機と地上システムを活用するものです。クリアスカイで学んだ教訓から、戦術を調整・改善しており、全体の戦闘計画はすべて自国で編み出したものです」

「これまで8年間、ウクライナが東部地域でロシアと戦ってきたことを、人々は気づいていないか、忘れているのでは。クリアスカイの打ち合わせで、フロッグフット(Su-25)のパイロットに、F-15に乗った私の写真を見せたときですが、彼は主翼の半分が欠けたフロッグフットの写真を見せてくれたんだ。彼は『数カ月前、マンパッド(携帯型防空システム)にやられた』と言っていました。ウクライナは今回のロシア侵攻に備えていたのです」

「クリア・スカイでウクライナは高性能機が必要だと理解した」とジャージーは説明する。「ポーランドのMiG-29から始めたらと勧めましたが、最近のアイデアはクリアスカイ演習後の推奨事項にすでに出ていたんです。ポーランドのフルクラムは、新しいF-35の導入で余剰機材になっているんです」

「そして、ウクライナには第4世代機の基本性能を持つF-16への移行を勧めました。ウクライナがポーランドのMiG-29やF-16で飛び回っていたら、状況は今と大きく違っていたはずです。ウクライナが完全に空を支配しているのは間違いなかったでしょう」 

ジャージーは、ウクライナ軍がロシア空軍と戦い続けるためには、追加戦闘機以外にも、地対空ミサイルシステムの増強が決定的に重要であると言う。

現状を見ると、ウクライナ空軍は数では不利かもしれないが、活発に活動している。「ウクライナの戦闘機パイロットには超ベテランばかりではなく、若い人もいます。ウクライナのパイロットは自分たちの限界を知っていると思う」とジャージーはコメントする。「敵国の脅威を想定した訓練では、敵国の最高級のシステムを相手にし、そのシステムが最大限活用される想定で訓練するんです。ロシアが同じことをしていたとは思えません。彼らは、敵が自分たちが言われたとおり想定ではないのにすぐ気付かされたのです」。

「ウクライナ側には覚悟がある。私はこの国に何度も行っているので、わかるんですが、この人たちがどれだけ国を愛しているか、他国は気づいていないと思うんです。どれだけ愛国心が強いか。私は、バトル・オブ・ブリテンや、人々が自分の家や祖国を守ることと類似していると思うのです。ロシアのような侵略軍と、自分の故郷を守ることは同じではないのです」

「ウクライナ空軍の、攻撃第一波で撃破されないようにするために、機体を迅速に移動させた能力に大きく感銘を受けました。航空機の探知を困難にしたんです。ロシアは初回攻撃で地上の航空機のほとんどを破壊することを期待していたが、そうはならなかった」。

U.S. ANG/A1C CHRISTOPHER S. SPARKS

ウクライナパイロットにF-15Cのコックピットを見せていた.

 

「ウクライナのパイロットは粘り強く動いて、打つべきところに打っている。詳細は省きますが、ウクライナ空軍は地上配備型防空システム(GBADS)と戦闘機を組み合わせ、一挙手一投足を綿密に計画していると確信しています」

「ウクライナと仕事を始めたときは私たちが戦術の専門家でした。私はずっと戦闘機の訓練をしてきたが、実戦に勝るものはない。今はこの人たちが紛れもない専門家ですよ」

「ウクライナのパイロットは時間と場所を選んで戦っている。彼らはそれを利用しているのです。8年以上ロシアと戦ってきて、彼らはいつ自分の資産を危険にさらすか、どれだけのリスクを負うべきかを学んだ。それに加え、彼らは英雄的な男たちであり、真の戦士です」

「『キーウの亡霊はいるのか?』と聞かれることがありますが、ウクライナのパイロット全員がキーウのゴーストなんです。ゴーストとは現れる時を決め、傷つけることはできず、そして、怖がらせるものでしょう?彼らはいつ、どこに現れるかを決められるんです」■

F-15 Eagle Driver On What It Is Like Flying Against Ukraine's Fighter Pilots

BY JAMIE HUNTER MARCH 29, 2022


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