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ウクライナ戦:黒海のロシア海軍はイルカで特殊部隊の水中侵入を阻止?動物愛護勢力が黙っていていいのか?

 


H I Sutton Illustration for USNI News

 

シアが訓練されたイルカを黒海の海軍基地に配備して防御させていることがわかった。

 

 

 ロシア海軍は、セヴァストポリ港の入り口にイルカの檻を2つ設置した。衛星画像を調べたところ、イルカ檻はウクライナ侵攻の始まった2月に移設されていた。

 セヴァストポリは黒海にあるロシア海軍の最重要の海軍基地で、イルカは、米国とロシアがともに訓練してきたダイバー対応に使用され、ウクライナ特殊部隊の港内侵入と軍艦への妨害工作を防ぐのがねらいか。

 衛星写真を見ると、港内部には、ウクライナのミサイルの射程圏外とはいうものの、海中破壊工作に弱いロシア海軍の重要艦船が多数存在している。冷戦時代、ソ連海軍は黒海でイルカ訓練含む、海洋哺乳類プログラムを開発した。その部隊はセヴァストポリ近郊のカザチヤ・ブフタを拠点と、現在もその場所に存在する。

 1991年のソビエト連邦崩壊に伴い、同部隊はウクライナ軍に移管され、かろうじて存続してきた。2014年のロシアによるクリミア併合で、同部隊はロシア海軍の管理下に置かれた。その後、海洋哺乳類プログラムが拡張され、運用が再開された。

 

H I Sutton Illustration for USNI News Satellite image ©2021 Maxar Technologies Used with Permission

 

  これは、ここ10年間にわたるロシアによる海洋哺乳類プログラムへの再投資の一部で、黒海艦隊の他北極圏での別の作戦も含まれる。

 北極圏では、ロシア北方艦隊は各種海洋哺乳類を使用している。シロイルカとアザラシは、黒海で使用されているバンドウイルカより脂肪層が厚く保温性が高いため、寒さ対策に優れている。

 近年は北極圏での活動も活発になっている。海軍の秘密基地であるGUGI(深海研究部Main Directorate Of Deep Sea Research)のオレニア・グーバにもシロイルカの檻が設置された。この組織は、ロシア軍の重要な海底諜報資産を担っているとされる。

 2019年4月23日、ノルウェー北部に訓練されたシロイルカが姿を現した。BBCによると、地元では「Hvaldimir」と呼ばれており、このクジラはロシア海軍プログラムから逃げ出したと考えられている。

 ロシアで海洋哺乳類の利用が増える兆しを見せているのは、北極圏だけではない。衛星写真によると、2018年には黒海艦隊のイルカが、シリアのタルタスにあるロシアの地中海海軍基地に数カ月間配備されていた。その際の配備に使われた移動式囲いは、現在セヴァストポリ港に配置されているものと非常によく似ている。

 ウクライナがセヴァストポリで水中から特殊作戦を計画しているかは不明である。しかし、イルカはダイバーに対する有効な防御手段として、海軍のアナリストの間で広く認識されている。■

 

Trained Russian Navy Dolphins are Protecting Black Sea Naval Base, Satellite Photos Show - USNI News

By: H I Sutton

April 27, 2022 3:58 PM


About H I Sutton

H I Sutton is a writer, illustrator and analyst who specializes in submarines and sub-surface systems. His work can be found at his website Covert Shores.


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