進行中の戦闘からスマートマシンが将来の戦闘をモデル化している
ウクライナ戦争での人工知能の利用についてはあまり語られていないが、国防総省はAIや機械学習ツールで膨大なデータを分析し、有益な戦場情報を生成し、ロシアの戦術や戦略を静かに学んでいると、国防総省高官が木曜日に述べた。
近代化のための防衛研究・工学のディレクター、メイナード・ホリデーMaynard Holidayは、「目にすることはないが、戦場を監督することができる我々の絶妙な情報能力」として信号情報の収集とアーカイブ化に触れた。
ホリデーは、木曜日のDefense One主催のGenius Machine AIサミットで、「ロシアの戦術でわかったものすべては事後分析を毎回行っている」と述べ、すべてデータベース化し、「訓練や演習を行う」とした。
米国がウクライナに戦場情報をどこまで渡しているかは、推測の域を出ない。米国はウクライナで無人機を運用していないが、商業衛星会社が写真や画像を大量に公開している。
また、同日には、AIガバナンス・プロジェクトを率い、戦略国際問題研究所(CSIS)の戦略技術プログラム上級研究員グレゴリー・アレンGregory Allenが、無人機の収集映像から特定の物体を発見・追跡する軍のAIツールが、ここ数年で相当進歩していると指摘した。軍は衛星写真でも同じことを始めている。
アレンは、物体認識プログラムのプロジェクト・メイブンが明らかになった2017年以来、軍用AIは、進展していると述べた。
「人工知能と機械学習は、米国の情報・監視・偵察活動(ISR)において、有能さを増し、広範な要素を強めている」とし、ウクライナで何が起こっているかを追跡するのに非常に役立っているとした。「国防総省と同盟国は、ここ5年間に構築された内容を活用しています」
公開画像に高度AIツールを適用することで、ウクライナ軍がロシアの攻撃を阻止する点で重要な情報が生まれている。
進行中の戦闘データは、軍が現実世界で高度な敵勢力、特にロシアや中国の軍事行動のモデル化、予測に有効活用される。
ホリデーは、カリフォーニア州サンディエゴにある海軍情報戦センターNaval Information Warfare Center, Pacificと協力し、実現に取り組んでいると明らかにした。同センターのBattlespace Exploitation of Mixed Reality Labでは、急速に進歩する技術で敵行動の形成過程の理解に努めている。
2025年や2030年に国防総省や敵対国がどのような状況になるのか、経時変化をモデル化する必要がある、とホリデーは述べている。
ウクライナでロシアが示した精彩を欠いた戦果と、西側諸国がロシアに課している制裁は、ロシアのAI開発が減速している状況を示唆しているが、停止することはないだろう。
新アメリカ安全保障センターの非常勤上級研究員サミュエル・ベンデットSamuel Bendettは、「たとえロシア経済や技術エコシステムが制裁の打撃を受け続け、戦争が何らかの形で終結しても、ロシア国防省がAI利用の方法を考え抜くのを止めることはない」と述べた。■
AI Is Already Learning from Russia's War in Ukraine, DOD Says - Defense One
TECHNOLOGY EDITOR
APRIL 21, 2022
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