スキップしてメイン コンテンツに移動

ウクライナ戦の最新状況(4月9日)ジョンソン首相の電撃キーウ訪問、黒海の機雷、陸上不発弾処理など

 





ANDRIJ SYBIHA, DEPUTY HEAD OF ZELENSKY'S ADMINISTRATION VIA KYIV INDEPENDENT

 

シアとの戦争が7週間目に突入した中、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は4月9日土曜日、ボリス・ジョンソン英国首相をキーウで迎えた。

ロシアの包囲攻撃でキーウ郊外や近隣市町村が廃墟と化して1週間後でのジョンソンの首都訪問は、2月24日のロシアの侵攻以来、NATO指導者のウクライナ訪問としては最も注目されるものとなった。今回の訪問は、ロシア軍が北部攻勢から態勢を立て直し、東部で攻撃を続けている最中に行われた。

ジョンソンとゼレンスキー両首脳が武装ガードマンに囲まれキーウ市内を歩くという驚きの映像が公開された。セキュリティ面からかなり衝撃的で、両首脳は各方面からの見通し線内を移動している。

 在英ウクライナ大使館が土曜日午前、両指導者の写真を最初にツイートした。BBCは、今回の訪問は「ウクライナ国民との連帯を示す」だけでなく、ウクライナへの英国の経済的・軍事的支援の協議が目的と報じた。

 前日に英国政府が対戦車システムNLAWとジャベリン、滞空待機弾、スターストリーク防空システムなど新たなウクライナ向け軍事支援パッケージを発表していた。

 その後、装甲車約120台と対艦ミサイルシステムの供与で首脳が合意したと英首相府が発表した。装甲車は6輪走行式マスティフMastiffと見られるが、対艦ミサイルの種類は不明。

 ジョンソン訪問は、キーウ周辺の状況をさらに浮き彫りにしている。ポーランド、チェコ、スロベニアの首脳が3月15日に包囲中の首都に列車で向かったことがあるが、英国首相の電撃訪問は別次元だ。

 端的に言えば、ジョンソン訪問団は核武装したNATO加盟国首脳がウクライナに移動したことを意味し、キーウ滞在中や移動中にロシアが攻撃すれば、偶然であっても、事態がエスカレートする深刻なリスクをはらんでいた。今回の訪問は、英国やNATOがロシアの攻撃リスクを低く見積もった場合、あるいは外交協議中の紛争地帯に向かうことに特別な勇気を感じた場合にのみ成立する。ここまで注目度の高い外交作戦のリスクを相殺する保証が英国にあったのかは、現時点では不明である。

 英国国防省が最新の評価を発表した。ロシア軍は現在ドンバスに集中し、クリミアへの陸上回廊を確保しているようだが、マリウポリなどで抵抗が続いているため期待どおりに動いていないとのオープンソース報告とほぼ一致している。

 英国防省はロシア軍のトーチカU Tochka-U ミサイルがクラマトルスクKramatorsk駅を攻撃し、脱出しようとした市民50人以上が死亡したとの報道にも言及している。

 ビデオでは、イジュムIzyum近くの道路上で、主にVマークのBMD空挺歩兵戦闘車、T-80U戦車とそれに付随するトラックなどの車両のロシア軍を映していた。最近ロシア軍に占領されたイジュムは、ドンバスのウクライナ軍に対するロシアの包囲作戦で重要地点になりそうだ。

 ウクライナ東部は青空が広がり、ドネツク近郊やベルゴロド・ハリコフBelgorod-Kharkiv前線の北には、ミサイル発射煙が何キロにもわたり見えるほどだった。これがトーチカ-Uあるいはイスカンデルのような弾道ミサイルか、長距離ロケット砲なのか、それとも防空ミサイルの発射かは不明である。

英国国防省が言及した抵抗の映像がさらにある。ウクライナのアゾフ大隊が公開した映像では、小型無人機からと思われるが、マリウポルのウォーターフロント付近でロシア軍トラックをピンポイント攻撃する様子が映し出されている。また、衛星はポパスナPopasns付近の戦闘を映し出している。

ロシア国防省はマリウポルに残るウクライナに補給を狙っていたマルタ船籍貨物船アゾフ・ゼアを攻撃したと主張している。

 衛星画像は、黒海でロシアの掃海作戦が進行中であることを示している。オデーサ上陸の噂が絶えない中、ロシア黒海艦隊は「水陸両用デモンストレーション」を実施しているが、揚陸作戦では機雷除去が前提となる。

 黒海では機雷の危険性のため、海上交通コストの上昇が伝えられている。トルコ海軍は浮遊機雷少なくとも3個を処分したと伝えられている。

 陸上では、キーウとその周辺地域の不発弾(UXO)の除去という高難易度作業が始まっているようだ。6週間にわたる激しい砲撃と市街戦で、戦闘員が落としたもの、不発弾、撃破車両内で燃え尽きなかった弾薬など、不発弾がトン単位で存在している可能性がある。

 車両の殺傷について言えば、オープンソース軍事監視員として知られるオリックスOryxが、目視で確認されたロシアの車両と重軍事装備の破壊数が合計1000台を突破したと土曜日発表した。■

 

Ukraine Situation Report: British Prime Minister Boris Johnson Meets Zelensky In Kyiv (Updated)

The British leader’s trip to the Ukrainian capital is thus far the most prominent visit by a NATO leader.

BY STETSON PAYNE APRIL 9, 2022


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ