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米陸軍の軽戦車あらためM10ブッカー戦闘車両。105mm砲で相当の威力がある模様。歩兵戦闘チームの火力支援を狙う。

 

M10 Booker

米陸軍は、Mobile Protected FirepowerプログラムをM10 Booker戦闘車と正式に呼称した。(米陸軍)


陸軍は、248回目の誕生日に自らにプレゼントを贈ることを決め、Mobile Protected Firepower(MPF)「軽戦車」の名称を、60年違いで亡くなった兵士2名にちなみM10 ブッカー戦闘車両Booker combat vehicleに変更した。



陸軍の調達責任者ダグ・ブッシュは木曜日に記者団に対し、新型追跡戦闘車には、第二次世界大戦中の1943年4月9日に戦死したロバート・ブッカー上等兵(歩兵)と2003年4月5日にバグダッドへのサンダーランで戦死したステヴォン・ブッカー二等軍曹(タンク兵)の名前が付いたと説明。

 「英雄的な兵士両名の物語は、M10ブッカー戦闘車への陸軍のニーズを明確にしています。地上軍に新しいレベルの致死性をもたらし、制服の男女がより保護されより速く移動できる歩兵襲撃車両をとなる」と、ブッシュは付け加えた。

 昨年、同軍はBAEシステムズ案よりジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ(GDLS)を選択した。同社と陸軍によると、採択した車両は最終的に、車長、砲手、装填手、運転手の4名が搭乗し、XM35 105mm砲、同軸機関銃、ディーゼルエンジンを搭載する。

 「M10ブッカーは、歩兵旅団戦闘チーム支援用の装甲車両で、要塞、砲システム、塹壕を制圧・破壊し、敵装甲車からの防御が目的と」と、地上戦闘システムのプログラム執行官グレン・ディーン少将が記者団に語っている。

 初回契約では96両を購入するが、現時点で発注は26両しかない。ディーン少将は、最初の生産車両を予定より少し早い11月に受け取る予定と述べた。2024年後半から2025年前半に運用試験を開始し、2025年後半に最初の部隊が装備を完了するのを目標に、M10ブッカー42両で最初の大隊を立ち上げる。

 生産が計画通り進めば、GDLSは最終的に毎月3両のM10を生産し、単価は1290万ドルであると同少将は付け加えた。


有毒ガス対策も進行中

必要な車両の修正について、ディーン少将は、GDLSは問題のいくつかを解決したようだと述べている。例えば、2022年度の運用試験評価部長(DOT&E)報告書では、GDLSのプロトタイプが「歩兵旅団の作戦を支援するための運用上の効果、信頼性、可用性」の達成に向け「満足できる進展」を示したものの、「脆弱性」数点が残っていると明らかにしている。中でも注目されたのは、主砲射撃後に車内に充満する「高レベル有毒ガス」による乗員への懸念だった。

 「有毒ガス発生は、製造決定時の懸念事項であり、エンジニアリングとテストを行ってきましたが、今日、その問題は解決したと自信を持って言うことができます」とディーン少将は述べた。少将は修正内容を明らかにしなかったが、今年初め、陸軍は、同社が乗員エリアからガスを除去するためのパージシステムを追加することをBreaking Defenseに明らかにした。

 DOT&E報告書は、車両の冷却システムにも問題があると明らかにしている。

 「高温条件下で、車両はオーバーヒートし、車両後部の冷却エアフローの問題と判明した」とディーン少将は述べた。「現時点では、テストを経て、ジェネラル・ダイナミクスの設計修正が功を奏し、高温下での性能要件を満たせると証明できたことを嬉しく思っています」。

 しかし、少将とブッシュは、修正が適切であり、車両が兵士に安全であることを確認する基準として、運用テストが必要になると警告している。

 M10 Bookerは既存の戦闘車両を置き換えるものではなく、GDLSバージョンはBAEシステムズと物理的にも乗員数も異なるため、陸軍はまた、政策や材料に関する疑問を整理しながら、兵士がそれを使用し維持する訓練方法を確立する必要がある。

 「訓練パイプラインはどうなるか?どのように機能するか?」とディーン少将は言う。「大隊に配備される具体的な兵站システムとは。貨物トラックは何台必要か?車両回収はどうなるのか?」

 第一大隊の立ち上げ準備で陸軍がこうした疑問を整理するのに時間がかかるだろう。■


Army renames Mobile Protected Firepower ‘M10 Booker combat vehicle,’ says toxic fume issue fixed

By   ASHLEY ROQUE

on June 10, 2023 at 2:00 PM



コメント

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