A P-8A Poseidon assigned to Patrol Squadron (VP) 16 is seen in flight over Jacksonville, Fla. (U.S Navy photo by Personnel Specialist 1st Class Anthony Petry)
不安定なグローバル環境では多任務データ統合兵器システムとしてのP-8Aポセイドンの重要性は増す一方だ
現代の海軍戦で航空機は重要な構成要素だ。航空機は、海上での戦争や陸上での兵力投射で攻撃・防御能力を提供しながら、水上艦の探知領域を大幅に拡大する能力を備える。航空機は複雑な戦略システムの一部で、最大限の効果を発揮する連携効果で設計されている。
C-130貨物機、F/A-18マルチロールファイター、F-35B/Cジョイントストライクファイターなど、海軍が戦闘機能を発揮するために運用する各種航空機がある。今日の不安定なグローバル環境では、P-8Aポセイドンのようなマルチロール・データ統合型兵器システムの重要性は増すばかりだ。
他の海軍機と同様に、ポセイドンも監視、情報、偵察、捜索・救助など、さまざまな任務を遂できる。ポセイドンの特徴は、対潜戦と対地戦の両方の任務を遂行できることだ。敵対する潜水艦を探知し、追跡し、排除することができる唯一の現役米海軍機だ。
現在の軍事的脅威環境は、おそらく過去50年間で最も困難な環境だ。最近の国内メディア報道は、世界平和に対する非常に深刻な脅威を詳述している。
報道では、中国海軍の驚くべき拡張と北朝鮮の核兵器実験が伝わってくる。これらの情報は、米国と連合国の海軍を厳戒態勢にし、防衛協定や条約を改善する結果につながった。数週間前、ニューズウィークの記事は、ロシア海軍が原子力潜水艦ベルゴロドで使用する「核搭載可能な『超魚雷』」を製造したと明らかにした。
米国と同盟国は、このような世界的な脅威への準備を整えなければならない。紛争に備える上で重要なのは、任務に不可欠な装備を確保することだ。米国の造船能力の低下は、新し水上・水中戦闘艦建造のリードタイムが年単位ではなく、数十年単位で測られることを意味する。幸い、現在生産中のP-8Aポセイドンという兵器システムがあり、明日の脅威から守るため今日から準備ができる。
アメリカ海軍の技術テストパイロットとして、筆者はP-8Aの前身であるターボプロップ機P-3オライオンの専用評価飛行に搭乗した。その後、所属する空母航空団の北大西洋作戦で、P-3とAGM-84ハープーンミサイルを空母打撃群に統合することがいかに重要かを知り得た。現役を退いて、737、777、787など民間航空機の技術テストパイロットとして働いた。 飛行試験の経験から、航空機の兵器システムに適用されるFAAパート25の認証要件を理解することができた。
大学院で航空工学を専攻した際、分離と冗長性という観点で設計されたシステムが戦闘の生存性を高める鍵だと学んだ。 防衛産業での仕事は、これらの要素が信頼性の鍵でもあることを証明した。1日12時間、1年365日、99.7%の出動信頼性で飛行できる設計の機体は、堅牢な設計を意味する。
P-8Aポセイドンは737NGの軍用版で、民間機と86%の共通性がある。実績ある機体、高度な搭載技術、容易に入手可能な部品や労働力を考えれば、ポセイドンは手ごわい相手だ。また、737は、グローバルで確立済みの大規模サプライチェーンが支えており、迅速な修理と迅速な運用への復帰が可能だ。
海軍は、作戦上の要求を満たし、敵対国がもたらす脅威に対応するためには138機のP-8Aポセイドンが必要と評価している。この「完全な戦争遂行要件」は、2018年に検証された。しかし、調達は128機のみで、2020会計年度以降、海軍から追加機材は要求されていない。議会は過去に、最後のP-3機が退役する際に「現役と予備の飛行隊」が完全装備されるように介入してきた。ポセイドンのユニークな機能と能力を考えれば、議会がこのプログラムに完全に予算を提供し、戦争遂行に必要な残る10機のP-8を取得する能力を海軍に与えることが重要だ。
現在の軍事的脅威は重大かつ広範囲に及ぶ。P-8は、空母、潜水艦、その他の海洋プログラムにとって、防衛面では目となり耳となり、攻撃面では精密な武器運搬を提供する役割を果たす。ポセイドン兵器システムには、AGM-84ハープーン、SLAM ER、HAAWCなど、精密スタンドオフ兵器が含まれる。10機のP-8Aは国防予算全体のごく一部にすぎないが、現在の脅威と戦う点で同機が示す戦闘能力向上には測り知れないものがある。■
P-8A Poseidon: A Military System Designed to Win - 19FortyFive
By Ray Craig
Ray Craig is a graduate of the U.S. Naval Academy, the U.S. Naval Postgraduate School, the U.S Naval Test Pilot School, and holds a BS and Masters in Aeronautical Engineering. After his active duty naval service, Ray continued his career as a military and commercial test pilot for Boeing for over 27-years.
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