米国はロシアの宇宙運用能力の拡大へ懸念を強めている
この問題に詳しい関係者3名によると、下院情報委員会の委員長が水曜日に発した「深刻な国家安全保障上の脅威」に関する漠然とした警告は、ロシアと宇宙に関するものだという。
米国は長年、ロシアの宇宙進出を懸念してきた。うち一人は、モスクワの軌道システムの兵器化に関連した情報だと語った。
水曜日の朝、マイク・ターナー議員(共・オハイオ州選出)Rep. Mike Turnerは声明の中で、自身の委員会が国家安全保障上の脅威に関する情報を公開したと述べ、当局者や議員が同盟国とこの問題について議論できるよう、情報機密を解除するよう政権に求めた。
情報公開は1週間以上前から議会内の安全な部屋で下院情報委員会のリーダーやその側近に公開されていたため、ターナー議員が今になって声明を発表した理由は不明である。
下院情報委員会は火曜日、情報公開を全員一致で決定した。上院も閲覧できるようになった。
ウクライナへの追加援助を承認する必要性を強調する方法として、ロシアの宇宙進出についてターナー含む議員が警鐘を鳴らそうとした可能性がある。上院はキエフへの600億ドル援助を含む追加法案を可決した。現在、下院で審議中である。
宇宙におけるロシアの活動に関して、政権が問題視して対象はさまざまで、衛星の開発やアメリカの衛星の妨害などがある。
ある下院情報委員会メンバーは、この情報は 「不穏な内容」と述べた。別の委員は、「深刻な問題だが、差し迫った危機ではない」と述べた。両委員と情報に詳しい人物は、機密資料について話すために匿名を許可された。
ジェイク・サリバン国家安全保障顧問は、ターナーが警告を公にしたことに「驚いている」と述べ、ホワイトハウスの記者団に対し、以前「ギャング・オブ・エイト」の議会指導者たちに機密の話し合いをするよう接触したと語った。サリバンは、ターナー議員を含む今回の会談が、同じ件に関するものであることを確認しなかった。
HPSCIのメンバーであるジェイソン・クロウ下院議員(民・コロラド州選出)は声明で、バイデン政権が情報機密解除で正しい判断を下すことを期待していると述べた。「どの政権よりも頻繁に、そして戦略的に機密解除を行なってきた。そして、今回そうすることが重要で賢明かどうかの判断を下すだろう。深刻な問題ではあるが、危機ではない」と語った。
ロシアがどのような能力を開発し、政府高官や議員たちを懸念させているのか、正確なところは不明だ。
可能性のひとつは、ロシアの極超音速巡航ミサイル3M22ジルコンで、マッハ6から8で飛翔し、陸海空の標的を攻撃する設計だ。
この極超音速ミサイルはNPOマシノストロイエニヤが製造しており、昨年ロシアのフリゲート艦アドミラル・ゴロフコに搭載された。
ロシアは、アメリカの対弾道ミサイル条約脱退を受けて、極超音速兵器の開発を強化している。
米国政府も近年、軌道上の衛星を破壊できる地表発射ミサイルに警戒を強めている。2021年、ロシアは自国の衛星のひとつを対象に対衛星ミサイル発射実験を行い、1,500個以上の破片に分解させた。
ロシアが宇宙に関する能力を開発するという見通しは、モスクワと平壌の関係が強化される中で出てきた。
12月、北朝鮮の金正恩委員長は、2024年に3基の軍事スパイ衛星を打ち上げると約束した。その3カ月前、金正恩はロシアの最も重要な打ち上げセンターであるボストチヌイ宇宙港でプーチン大統領と会談し、両国が宇宙でどのように協力できるかを話し合った。■
House Intel chair's national security warning is about Russia’s space power - POLITICO
Warning from House Intel is about Russia’s space power
By ERIN BANCO, ALEXANDER WARD and LEE HUDSON
02/14/2024 03:29 PM EST
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