2022年3月14日月曜日

ロシアの侵攻にだけ目を奪われず、中国の裏での動きに注視すべき。だが、両国の接近はむしろ歓迎すべきこと。ロシア衰退の罠が中国にも足かせとなる。

 

 

J Capital Researchのアン・ステーブソン-ヤンAnne Stevenson-Yangは、ロシアのウクライナ侵攻を北京が支持すれば、「中国にとって災難となる」と述べた。

 

 

外交政策のエリート層は、中ロ両国のパートナーシップ拡大をどうやって切り崩すか、長年考えてきた。今は両国提携を支持し、両国のさらなる接近を願うべきだ。

 

ロシアが中国を急速に衰退させるからだ。

 

ウクライナ戦争の勝者は中国と見る観測筋が多い。「対ロシア制裁で受益し、ルーブル下落で人民元が恩恵を受け、台湾を侵略した場合の世界の反応がわかる事例となった」と、中国事事案を扱ってきた元FBI特別捜査官のスティーブ・グレイSteve GrayはFox Newsに語っている。「中国の計画通りに進展しているとしても、全く驚くにあたらない」

 

中国に遠大な計画があることは、2月4日北京で習近平がプーチンと2時間半以上会談したことからも明らかだ。両国は、「ロシアと中国の新しい国家関係は、冷戦時代の政治的・軍事的同盟関係より優れていると再確認する」との共同声明を発表した。「両国の友情に限界はなく、協力に『不可能な』領域は存在しない」。

 

2月4日の声明文は、中国指導者がモスクワの侵略作戦を知ったうえで起草された。ニューヨーク・タイムズによると、北京冬季オリンピックが終了するまで開戦を延期するよう中国はモスクワに求めたという。オリンピックは2月20日終了し、ロシアは4日後に侵攻を開始した。

 

ロシアは中国向け石油、ガス、石炭などエナジー商品の大量販売を2月4日発表し、北京はロシア産小麦の輸入制限を撤廃した。さらに北京は、米欧の金融システムから切り離されたロシアの金融機関に、自国の金融システムを提供した。北京は国連でロシアを支援し、国営メディアを通じロシアの不条理なシナリオの宣伝に一役買っている。つまり中国は戦闘当事国だ。

 

短期的には、スティーブ・グレイが言うように、北京は多大な利益を享受する。前出のスティーブンソン-ヤンは「中国は、今回も社会的弱者としてのロシアの地位を利用するだろう」と述べている。「中国は危機を利用するのが大好きだ。2012年の制裁以来、中国はイランと非常に仲が良くなり、米国の侵攻後、イラクの最大の通信サプライヤーになった。北朝鮮もある。石油・ガス価格でロシアは打撃を受け、穀物やレアメタルでは間違いなく好条件を得るだろう」。

 

だが清算はすぐやってくる。アンが言うように、目先の利益は「すべて小さなこと」なのだ。

 

「本当に重要なのは、中国が国際機関のビッグ・ボーイズと勝負してきた20年間の努力を台無しにしたこと」とスティーブンソン-ヤンは指摘する。「中国は資金調達が困難になり、債権の利払いが増え、人民元を国際化し、米国のパワーに対抗するための努力も夢に終わる」。

 

中国にとって大きなマイナス面は、悪役と関わることで、必要とする他国との関係に影響が出ることだ。オリエント・キャピタル・リサーチのアンドリュー・コリアーAndrew Collierは、「中国には欧米との貿易が必要で、経済成長を軌道に乗せるためには、ルールに基づく秩序に従う必要がある」という。

 

中国がアメリカ市場に依存していないとは誰にも言わせない。昨年の対米商品貿易黒字は、中国全体の黒字の58.6%を占めている。ただしこの計算は、中国統計が正確である前提であり、中国は対米輸出額を低めに操作してきた。

 

中国はアメリカやヨーロッパへのアクセスも危険にさらしている。アメリカやヨーロッパがなければ、輸出依存度が高い中国経済は崩壊する。

 

北京は、崩壊しつつある大国に自国を縛り付けているのだ。たとえモスクワが最終的にウクライナ全土を併合しても(ペンタゴンによれば、ロシアの侵攻は勢いを増している)、ロシアの国家としてのロシアは弱体化する。今回の巨大な誤算のコストは1日200億ドルと推定され、最新予測によれば、今年のロシア経済は15%から20%縮小する。

 

「経済規模が自国の30分の1で、比較にならないほど活力も劣る国と二国間同盟を維持するのは、核兵器が支えているといえ、北京には大した同盟ではないとすぐわかるはず」と、ジャーナリストのハワード・フレンチHoward Frenchは書いた。ロシアは、「弱く、孤立し、機能不全国家となる」と彼は考えている。

 

中国はロシアを荒廃させたままにもできるが、それでは貴重な資産の浪費になる。中華人民共和国にとってロシアは、強い国家であってこそ価値がある。したがって、中国がモスクワを救済すれば中国にとってリスクとなる。

 

しかし、北京は一帯一路をはじめ大規模海外プロジェクトを抱えており、ロシアの底なしの穴にはまる余裕はない。現在、中国では債務危機の進行が遅く、経済が停滞しているため、手一杯に見える。

 

しかし、地政学を重視する習近平はロシアの侵略作戦に大きな価値を見出している。

 

エコノミストの論調を借りれば、「北京の学者や政府の高位顧問の予測は、西側の結束の誇示は、制裁でロシアを止められず、逆にエナジー価格の高騰で、遅かれ早かれ色あせるというもの」だ。中国は、今回の侵略で「アメリカの衰退と世界からの退出が早まる」と考えている。その結果、「新世界秩序」が生まれ、中国は影響圏を確立できる。

 

習近平は、アメリカを放逐する時がきたと考えているようだ。そのため、弱小国家でも支援することをいとわない。世界を制するために、すべてを賭けているのだ。

 

しかし、大胆な中国の支配者は、重大な間違いを犯している。ロシアが中国を弱体化させているのだ。■

 

Why Russia's Brutal War in Ukraine Could Sink China - 19FortyFive

ByGordon ChangPublished9 hours ago

 

 

Gordon G. Chang is the author of The Coming Collapse of China and The Great U.S.-China Tech War. Follow him on Twitter @GordonGChang.

In this article:China, Economics, featured, Putin, Russia, Trade, Ukraine, War in Ukraine

 

WRITTEN BYGordon Chang

Gordon G. Chang is the author of The Great U.S.-China Tech War and Losing South Korea, booklets released by Encounter Books. His previous books are Nuclear Showdown: North Korea Takes On the World and The Coming Collapse of China, both from Random House. Chang lived and worked in China and Hong Kong for almost two decades, most recently in Shanghai, as Counsel to the American law firm Paul Weiss and earlier in Hong Kong as Partner in the international law firm Baker & McKenzie.


2022年3月13日日曜日

ウクライナ軍は更に長期の抵抗も、ロシア軍撃退も不可能ではない

 Ukrainian soldiers drive on an armoured military vehicle in the outskirts of Kyiv, Ukraine, on March 5, 2022

キーフ郊外で装甲車両に乗るウクライナ軍隊員 March 5, 2022

[AP Photo/Emilio Morenatti]

 

ウクライナ軍は頑強に戦っているが、勝ち目はあるのか


勝利までプーチンがエスカレートし続けるとの一般的な見方からすれば、ウクライナがロシア侵攻を阻止する可能性は遠のいたように見えるが、不可能とはかぎらない。

 

戦から2週間、ウクライナ軍が戦術的に成功し、ロシア軍が効果を挙げずに入るのは驚くばかりだが、ウクライナに対しロシアの軍と兵器システムの圧倒的な規模から、この戦争は結局時間の問題だと考える人もいるだろう。

 

ウクライナが短期的には抵抗しても、両軍の圧倒的な戦力差を考えれば、長期的には持ちこたえられるのだろうか。

 

意外にも、答えは「イエス」かもしれない。

 

はるかに小規模ながら士気と武装に満ちたウクライナ軍が、大規模な通常軍に対し持続的な戦闘成果を上げ続けている。

 

ロシアが戦いを激化させる中でこのまま状況は維持できるのだろうか。ロシアが圧倒的な兵士と装甲車両をウクライナに送り込めれば、抵抗勢力は最終的に制圧されるだろうか。自国を守るため死んでも戦うというウクライナ人の意志など、不確定要素もある。ロシア軍による民間人への砲撃は、この闘志を消す試みかもしれないが、うまくいっていないように見える。

 

しかし、プーチンが自国の軍事的欠陥を克服し、エスカレーションし続ければ、最終的には数の多さが決定要因になる。確かに、ウクライナ軍が採用しているハイブリッド戦法や反乱型の歩兵戦術により、小規模部隊でも大規模な機械化軍に対し大きな損傷を与えている。

 

接近してくるロシア軍に交差点や橋、狭い通路で対人兵器を使用するなど、戦術的効果が大きい。非対称的な防衛は、直線的な力対力の機械化対決を避け、建物内や角を曲がった隠れた場所から、接近する装甲車に対戦車兵器を発射するようのが一例だ。

 

米国と西側諸国は、この種の防衛を強化するために、ジャベリン対戦車ミサイル数千発などをウクライナに送っている。強固に武装した戦術小集団は、大規模侵攻軍に壊滅的な打撃を与えている。このことを世界はウクライナで経験している。

 

大量のロシア増援部隊がウクライナ都市に侵攻すると、同様の困難に遭遇する可能性がある。勝利のために、最終的にロシア人の命がどれだけ犠牲になるか。もし、ウクライナ国民が全員、ロシアの支配に屈するのを拒否し、死ぬまで戦うとしたら、侵略軍は最終的にどうするのか?ロシアは住民のほとんどを殺してしまうのだろうか?

 

ウクライナ人の鉄壁の決意が、最終的にロシアの侵攻を止めることになるのだろうか。プーチンは勝利を得るまでエスカレートし続けるとのコンセンサスで考えれば、はかない希望かもしれない。■

 

 

Ukrainian Army Battles Tough (However, Putin Can Unleash 90% of his Military Power) - Warrior Maven: Center for Military Modernization

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest and President of Warrior Maven - the Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


2022年3月、東京湾で日米共同ASW演習が展開され、訓練魚雷を投下。米海軍前方配備部隊の存在感を示した。東京湾と聞いて左翼が騒がないか心配。

 US Navy and JMSDF Conduct Torpedo Exercise in Tokyo Bay

TOKYO BAY (March 10, 2022) ヘリコプター海上攻撃飛行隊(HSM)77「セイバーホークス」所属のMH-60Rシーホークが海上自衛隊との演習で、練習用魚雷を投下した。HSM-77は第70任務部隊隷下で、自由で開かれたインド太平洋の支援として、米第7艦隊作戦区域に前方展開している。 (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Askia Collins)

 

 

リコプター海上攻撃飛行隊(HSM)77「セイバーホークス」、HSM51「ウォーローズ」、海上自衛隊航空開発隊(VX)51「マイティ59」は、3月8日から10日にかけ東京湾内で対潜戦(ASW)魚雷訓練を実施した。

 

 

今回の訓練で、米海軍は海上自衛隊と不活性練習用魚雷を発射し、その後、海上自衛隊の輸送艇2号(LCU2002)が回収した。

 

これまで前方展開飛行隊の魚雷演習はサンディエゴで行われていた。今回は、前方展開飛行隊の活動地域内で演習できたことに意義がある。

 

HSM-77指揮官ニコラス・カニンガム中佐Cmdr. Nicholas Cunninghamは、「これは 1991 年の「ウォーローズ」設立から始まった努力の第一歩です」と述べた。「今回の演習は、自由で開かれたインド太平洋を守る米海軍と海上自衛隊の一貫したパートナーシップとコミットメントを実証するものです。セイバーホークスは、海軍軍需本部、横須賀艦隊司令部CFAY、第5空母打撃群司令部、米国第7艦隊司令部といった多機関支援に大変感謝している」と語った。

 

訓練では、HSM-77所属のMH-60Rシーホークが不活性魚雷を投下した。魚雷は、海上自衛隊の多目的揚陸艦が回収した。VX-51のSH-60Kが回収チームを支援した。

 

HSM-51指揮官ティモシー・E・ロジャース中佐Cmdr. Timothy E. Rogersは、「海上自衛隊との相互運用性の継続は、ウォーローズにとって優先事項」と述べた。「今回のASW演習は、その点で一歩を踏み出せたが、より重要なのは、二国間ASWの効果が証明されたこと」と述べている。

 

HSM-77とHSM-51は、厚木に前方展開され、第7艦隊の作戦区域の艦船に搭載されている。VX-51は、厚木の海上自衛隊航空集団隷下の飛行隊。今回の演習は、昨年10月のHSM-51=VX-51の二国間対潜追跡訓練に続くものとなった。

 

CTF70は、自由で開かれたインド太平洋を支援するため、米第7艦隊の作戦区域に前方展開されている。米第7艦隊は世界最大の前方展開艦隊であり、海洋国家35カ国の同盟国協力国との協力とネットワークにより、米海軍は70年以上にわたりインド太平洋地域で活動し、平和維持と紛争防止で信頼できる部隊となっている。■

 

US Navy and JMSDF Conduct Torpedo Exercise in Tokyo Bay - Naval News

Naval News Staff  12 Mar 2022

By Commander, Task Force 70 / Carrier Strike Group 5


2022年3月12日土曜日

プーチンがドイツの軍備増強に道を開いた。緑の党まで国防予算増に賛成し、「平和主義」は消えた。これが現実政治の姿。翻ってGDP1%枠突破もできない日本のリベラル層はどうする?

 Chancellor Scholz meets with Putin.

ショルツ首相がプーチンと2月15日に会談したが、両者の距離はこのテーブルよりも広がった....[+] WIKIPEDIA PROMOTED

 

イデン外交の巧みさと欧州NATO加盟国が危機意識を共有したため、ロシアは経済、世界の双方での立場で大きく後退しつつある。

 

 

ロシアの軍事力は西側情報機関の想定をはるかに下回り、装備で劣るウクライナの戦闘機にも苦戦を強いられている。

 

しかし、プーチン最大の失策は、中欧の軍事大国としての伝統的地位に復帰する道をドイツに開いたことだ。

 

1年前にはこの展開は考えられなかった。冷戦期にNATOの一員としてドイツは軍事大国化を意図的に避け、歴代首相は東西の中間に舵取りしてきた。

 

ソ連崩壊前の数年間、ドイツ軍は50万人を擁し、世界最強の戦闘部隊の1つと広く見なされていた。

 

戦術、戦略的レベルで他国を大きく凌駕し、2つの世界大戦にあと一歩で勝利できたドイツにとっては当然の進展だった。

 

両大戦後、軍が解体されたものの、世界トップクラスの軍隊を再建できたのは、ドイツ史の顕著な特徴だ。

 

プーチンがロシアと西側諸国の間に緩衝地帯を作りたい背景には、ロシアがアドルフ・ヒトラーに壊滅的な打撃を受けたことが少なからずある。

 

しかし、ナチスの残虐行為は、戦後ドイツの政治文化に大きく影響を与えた。ロシアの侵略を抑止するため軍を再建したが、カイザー・ウィルヘルム2世やヒトラーの拡張主義を想起させるのは避けてきた。

 

そのため、長距離爆撃機など攻撃手段を獲得せず、戦勝国に占領された国らしく、戦後ドイツの軍事態勢は純粋に防御的なものであった。

 

1990年のドイツ統一後も変わらなかった。東方からの侵略の危険性は後退したとされ、ドイツは国防支出を着実に減らしていった。

 

陸軍の師団数は12から3、制服組は49万5千人から18万4千人に減少し、GDPの国防比率は3%から2005年に1%という驚異的な低水準になった。

 

トランプ政権の発足前、ドイツ戦闘機で稼働可能な機材は3分の1、ディーゼル電気潜水艦6隻は全部稼働できない状態だった。

 

ドナルド・トランプ前大統領は、世界第4位の経済大国ドイツのNATO支援が不十分だと不満を表明していた。

ドイツ軍参謀長は、ロシアがウクライナに侵攻した当日に、ドイツ連邦軍は「多かれ少なかれ骨抜きになっている」と訴えた。そのうえ、陸軍の準備態勢の低さから、NATOを支援するベルリンの選択肢は「極めて限られている」と指摘した。

 

プーチンは、欧米の軍事計画を大転換させずに、ウクライナを短期で撃破し、占領できると考えていたようだ。

 

結果的に、大きな誤算を犯したが、中でもドイツが最大の誤算だ。

 

ロシア侵攻からわずか3日後、ドイツのオラフ・ショルツ首相はロシアの侵略を非難する演説を連邦議会で行い、ドイツの軍備再建に1130億ドル特別基金を設立するよう呼びかけた。

 

さらにドイツ国防費のGDP比率を、2031年目標の2%以上から引き上げると明言した。

 

ショルツは、連立政権与党に長年続いた反軍事的な考え方「平和主義」を捨て去った。

 

このような軍事的準備をめぐる大転換で注目すべきは、ドイツ国民がショルツを熱狂的に支持していることだ。

世論調査では、緑の党党員でさえ、国防費増額に圧倒的支持を示した。

 

ドイツは、新型の戦術機、艦艇、装甲車など、ロシアの侵略に対抗する装備品調達を急増する動きを示している。ポーランドとデンマークも同様で、ポーランドの軍事予算は2023年に47%増加する予想がある。

 

これがウクライナ侵攻からわずか2週間でプーチンが成し遂げた成果で、ロシア軍が平凡な戦果しか上げない一方で、モスクワに軍事的脅威を与えてきた西側諸国が再軍備を進めるようになった。

 

冷戦終結後、ドイツを萎縮させた軍事支出への嫌悪感は消失し、ロシアへの融和政策も姿を消した。

 

プーチンの誤算は、将来の軍事的危険を自国で増大させるとともに、つい最近まで限界に来たといわれていた同盟を活性化させてしまったことだ。

 

モスクワがウクライナ全土を占領し、傀儡政権を樹立したとしても、ロシアの安全保障は低下し、恐るべき地域大国が復活する。■

 

 

Putin's Biggest Ukraine Blunder: Energizing German Rearmament

 

Loren ThompsonSenior Contributor

Aerospace & Defense


2022年3月11日金曜日

ロシア航空宇宙軍は精彩を欠いた活躍を続けるのか、それとも.... 西側と比較にならない低戦力と遅れた交戦概念の限界を晒したロシアは、用兵思想の違いを示している

 ロシアは大国ではありません。経済規模は開戦前ですら南朝鮮なみでした。制裁措置によりロシアは近代前の経済に転落しつつ、核兵器等軍備を備える史上初のアンバランスな体制となります。今回のロシア空軍も砂漠の嵐以来見慣れた西側空軍力のものさしをあてるから、パフォーマンスに疑問が出るのであって、あくまでも地上軍の支援手段とするロシアの西側と非なる考え方からすれば、こんなものなのでしょう。であれば、飛行禁止区域設定を恐れる理由は本当にあったのか疑問が出てきますね。


SU-35 KH31 Russia Ukraine InvasionYOUTUBE SCREENCAP / VIA TWITTER

 

シアのウクライナ侵攻から2週間以上となったが、ロシア空軍の信頼性への疑問が消えない。週末にロシア軍機の損失が急増し、ロシア航空宇宙軍(VKS)の次の戦闘段階が見えないままだ。ウクライナの頑強な抵抗で阻まれ、ロシア軍の戦闘は新たな砲撃の段階に入り、民間人の犠牲が増えるとの懸念が強まっている。一方、米国防総省の評価では、ウクライナ上空は依然として雌雄が決まらず、ウクライナの空戦・防空能力は相当程度残っている。ロシアは、ウクライナの空軍戦力を打倒すべく、防空網の破壊作戦に転じる可能性がある。

2 月 24 日未明に始まった戦争では、数週間にわたってウクライナ国境付近、特にベラルーシに戦力を集中させてきたVKSが最前線に立つと予想されていた。また、VKSが集結させた機材数は、西側情報機関評価では約300機だった。一方、ウクライナ戦闘機は総数100機未満とみられ、完全に作戦可能な機体はかなり少ないと思われていた。

そのため、VKSが地上侵攻の前に「ドアを蹴破り」、はるかに小規模なウクライナ空軍の戦闘能力を圧倒し、ウクライナ地上防空システムを可能な限り破壊すると観測筋は予想していた。ところがウクライナ全土で展開する作戦、それともVKSが地上軍に「回廊」を作る意図があったのか、どちらも実現しなかった。

ウクライナの主要飛行場と早期警戒レーダーが、戦争開始後の空爆リストに載っていた。しかし、VKSの投入は限定的だったようだ。開戦直後の空爆でKh-31P(AS-17クリプトン)対レーダーミサイルの残骸が見つかっただけで、VKSが攻撃活動を行った形跡はほとんどない。その代わり、艦船や地上から発射されたロシアの巡航ミサイルや短距離弾道ミサイルが攻撃を担当した。ロシアの長距離爆撃機の通信が探知されたというが、長距離爆撃機が巡航ミサイル発射に使用された証拠は今のところない。

VKS(および他のロシア軍)司令官は、侵攻命令を受けて驚いた可能性が高い。今回の戦争計画は、軍最高幹部以外には隠されていたのかもしれない。RUSI 研究所の空軍戦力主任研究員で、VKSの戦闘能力を観察しているジャスティン・ブロンクJustin Bronkは、The War Zone にこう語っている。「そのため、VKS 前線戦闘機部隊に、整備スケジュールの調整、航空機の武装搭載、パイロットへの説明、大規模攻撃と(攻撃的対空)作戦の任務計画を策定する時間が少なすぎたのかもしれません」。

AP PHOTO/VITALIY TIMKIV

Su-30戦闘機がロシア・クラスノダ地方で訓練飛行に離陸したところ。 January 2022.

 

開戦直後にミサイル集中攻撃があったが、その後VKSはほとんど姿を見せなかった。ロシアの戦術航空戦力は休眠状態に見えた。ウクライナ空軍の残存勢力は空戦能力を残していた。

ウクライナのMiG-29とSu-27が数的にも技術的にも優れたロシアの戦闘機に一掃されなかったのかは不可解なままだ。ウクライナのSu-25対地攻撃機も、一部地域で飛行を続けていた。逆にロシア地上軍は、近接航空支援を受けていないようだった。

クレムリンはウクライナ指導者の斬首作戦を強く望み、地上軍は抵抗を鎮圧した後、支配権を握る想定だったのだろう。

「その枠組みで、ウクライナの空網の目をくらます巡航ミサイルや弾道ミサイルによるスタンドオフ攻撃は別として、空戦は不要と考えていたのだろう」とブロンクは続ける。「英雄的で統一されたウクライナの抵抗と、ロシアによる暗殺と破壊工作を阻止したウクライナ治安機関のおかげで、どれも計画通りに展開されなかった」(ブロンク)

ウクライナの移動式防空装備は、固定翼機や特にヘリコプターに効果を上げ続けている。一方、侵攻前にウクライナへ大量投入された携帯型防空システム(MANPADS)もVKSに大損失を与えており、ロシアがエアブリッジを設置しようとしたキエフ郊外のホストメル空港での大逆転に貢献した可能性がある。

ロシア軍機の損失が味方によるものかは不明だが、VKSと地上のロシア軍機動防空システムに連携がないことから、その可能性は高い。VKS機を味方の防空システムに接近させて運用すれば逆効果になるとの懸念があるのかもしれない。とはいえ、ロシア地上部隊は上空援護なしに活動し、ロシアの防空システムもウクライナのTB2武装ドローンに攻撃されてきた。

ハリコフやマリウポルのような主要都市でのロシア進軍は一層停滞し、空戦の次の段階として、都市部への無差別爆撃が懸念されてきたが、実際に活発になってきた。これは、クレムリンがチェチェンやシリアなど、これまでの作戦で利用してきた戦術だ。

開戦当日に見られたKh-31Pの残骸や、精密誘導弾の投入を除けば、ロシアの戦術機は圧倒的に非誘導弾を使用してきた。また、人口密集地に落下しており、この種の民間人標的へのロシア軍のロケット砲撃の証拠を見ると、民間インフラへの被害どころか、民間人の犠牲を抑える意欲も皆無といってよい。

VKSが市街地や非戦闘員の近くで抵抗する敵勢力に別のアプローチを採用するかも議論の的だ。最新のVKS戦術ジェット機は夜間飛行が可能で、精密誘導弾を搭載するが、夜間飛行資格を持つパイロットの数、弾薬の備蓄量、兵器の信頼性に疑問符がついている。特に、ウクライナで相次いで発見された残骸は、Kh-31Pが目標を完全に外している可能性を示唆している。

例えば、シリア作戦では、ほとんどのVKS機が「非スマート」兵器しか使用していない。多くの場合、精密誘導兵器の量は限定される。精密誘導弾は非誘導弾より大幅に高価なため、誘導弾を大量保有すれば、予算が圧迫される。

一方、VKSがウクライナの防空力の無力化に向け、別のアプローチが出てきた。

ベラルーシには以前からA-50メインステイ空中早期警戒管制機が配備されていたが、最近1機追加配備された。ウクライナ上空監視能力を改善したいVKSの姿勢を示唆している。ウクライナ空軍の抵抗に効果的に対処できるようになるだろう。

ウクライナ北部と国境を接するブリャンスク州のセーシャSeshcha空軍基地に、VKSのAn-2複葉機が42機配備された。旧式機だが、ウクライナの防衛力を圧倒するだけでなく、レーダーの位置を明らかにし、対レーダー兵器による攻撃、スタンドオフ弾による攻撃を誘導し、デコイとして使用するのが目的ではないかとの憶測が流れている。IL-22PPスタンドオフ妨害機とIL-20M電子情報プラットフォームが同基地に配備されていることがその裏付けかもしれない。

VKSがウクライナ上での制空権を確保するため、態勢を整えているもう一つのシグナルは、名称不明のロシアの空軍基地で最近撮影された、戦闘準備中のMiG-31BM迎撃機のビデオだ。同機のレーダーは、150マイル先の戦闘機サイズの目標を検出するといわれ、R-37Mミサイルは射程124マイルを有する。MiG-31は敵ミサイルの射程を超えた地点からウクライナ航空機と交戦できる。

MiG-31は、ロシアやベラルーシから国境を越えて発射されるロシアの長距離地対空ミサイル(SAM)システムと連動する可能性がある。ポーランドとルーマニアのNATOの戦闘航空パトロール機はSAMシステムに照射されており、同盟に明確なシグナルを発している、とブロンクはThe War Zoneに語っている。MiG-31とSAMの組み合わせによりウクライナ空軍は超低空飛行を強いられ、状況認識が大幅に低下し、地上戦やポイント防空システムに脆弱になりそうだ。しかし、昨日の時点で、米国防総省は、ウクライナ空軍は航空機在庫のほとんどを利用しており、地上防空システムも健在と評価している。

ロシア国防省が最近公開したビデオには、Kh-31Pシリーズの対レーダーミサイルを装備したSu-35S多用途戦闘機も登場しており、ウクライナの防空能力を低下させることに重点を置く方向に再びシフトしているのか。一方で、こうした映像は、作戦実態を反映しないレベルなのも忘れてはならない。結局、利用可能な精密誘導兵器の備蓄が不足していることに加え、利用資格を有する航空機乗員が足りない可能性がある。

だが訓練された搭乗員や精密誘導兵器があっても、VKSが西側諸国空軍並の精度を達成しそうにない。特に戦術戦闘機に照準ポッドが皆無に近い状況を見れば、その傾向は顕著だ。この能力欠如には、歴史的な理由もある。ロシアには空中目標も地上目標双方に対応する多任務戦闘機の伝統がない。高性能ポッドはロシアで技術的な問題となり、広く使用されるには至っていない。

その結果、ソ連時代の地上攻撃専用機の照準システムには陳腐化という欠点があった。現在では、限られた防衛予算と、歴史的な戦術的・技術的な名残から、新世代のマルチロール戦闘機のほとんども、内蔵型またはポッド型照準システムを備えない。このことは、レーザー照準空対地兵器の開発にも影響を与え、テレビ照準が広く採用されている。このため、現有の精密誘導兵器は、複雑な機構ながら柔軟性に欠ける装備となっている。

同時に、ロシアの戦術機による空爆を指揮する前方航空管制官(FAC)が地上に不足しているようだ。これは明らかにドクトリンの問題であり、相互運用性や訓練の問題でもある。高高度での脅威が残り、低高度で目標を目視確認する必要と相まって、戦闘機がMANPADSの適用範囲での活動を迫られているようだ。

一方、空戦の最初の数日間、ウクライナの主張にもかかわらず、VKS固定翼機の撃墜確認は1例だけだった(3月1日にハリコフ付近で撃墜されたSu-34戦闘機は、明らかに地上戦の犠牲)。以降、特に週末に損失が大幅に拡大したのは、VKSの作戦ペースが大幅に上がったのを反映しているのかもしれない。

しかし、ウクライナでのVKSによる空戦は、決して褒められるものではなかった。訓練不足、時代遅れの戦術、精密攻撃能力の限定、統合レベルの低さ、民間人犠牲を避ける原則の軽視など、おなじみの非難が、VKSのパフォーマンスを評価する際に再び前面に出てきている。

挑発的な記事のタイトルで、ブロンクはこう問いかけた。「ロシア空軍には複雑な航空作戦が実施できないのか」で、答えは「イエス」であった。特にブロンククは、NATOや西側諸国の空軍が行える複雑な航空作戦を、VKSが実施できない証拠として、以下の要因を挙げた。

1. シリアでの豊富な経験にもかかわらず、VKSは同一機種の小編隊での作戦に慣れており、防空脅威に対抗する大規模かつ複雑な編隊を組む能力に欠けている。

2. VKSパイロットの年間飛行時間は、約100時間と、欧米のパイロットに大きく遅れをとっている。地上では、ロシアのパイロットは西側諸国のパイロットのように高品質のシミュレーターなど訓練用装備を利用できない。

3. ウクライナに残存する中・低レベルの地上防空システムに対抗する気がない、あるいは対抗できないと、VKSは潜在的な制空権を失うことになる。同時に、低空飛行により、状況認識と戦闘効果が低下し、ウクライナのMANPADSの餌食になる可能性がある。

しかし、VKSやロシア国防省がこうした批判を痛感することはない。伝統的にソ連や現在のロシアは、戦術航空兵力を地上軍に従属する存在と考えている。空飛ぶ大砲に過ぎない。その意味で、これまでの損失は、作戦全体の観点で見るべきだ。ウクライナの防衛軍がロシアの進撃の鉄槌に屈すれば、VKSが重要な役割を果たさなかったとしても問題でなくなる。

数の勝負はロシアに有利であり、高価な戦術機を数機失っても、VKSの戦闘能力に大きな影響は出ない。現在のまま損失が続いても、ウクライナ空軍に対する数的優位を数カ月間維持できる。実際、ロシア軍全体が物資(および人員)の大規模喪失のリスクを甘受しているように見えるため、「西側流」の戦争遂行に慣れている多くの観察者は驚かされている。

一方、クレムリンは、ウクライナ都市への無差別爆撃に焦点を合わせる必要が生じるまで、VKSの攻撃力をフルに発揮させないようにしている、という可能性もある。長距離爆撃機がウクライナ上空で使用されたことは確認されていないが、実施されれば、現時点では各機を危険にさらすことになる。

ブロンクによれば、ロシア回転翼機と地上軍間に、効果的な戦術連携の兆しも見えつつあり、間違いなく最終結果に重要となる。同時に、VKSが大編隊でウクライナ上空を飛行しているのも、協力関係強化のあらわれだ。

この先、どのような紛争が起ころうとも、ロシア航空宇宙軍が何らかの形で貢献することは間違いなさそうだ。ロシア空軍の総合能力は西側諸国の軍と乖離しているかもしれないが、数と打撃力において、ロシア空軍が依然として侮れない存在であることは明らかだ。■

After An Abysmal Start, Here Is How Russia's Application Of Airpower In Ukraine Could Evolve

A rash of losses in Ukraine has increased questions about the competency and role of the Russian Aerospace Forces.

BY THOMAS NEWDICK MARCH 9, 2022


 只今製作中 
ドイツの軍備強化を招いたプーチンの大失策

ウクライナ飛行禁止空域は実現しなくても、西側へのロシアへの対抗策はまだ残っている。西側が選択可能なオプションを考えてみた。ウクライナ存亡がかかるが、時間はあるか。

 

 

Image: Creative Commons.

 

行禁止空域が実現しなくても問題はない。NATOには、ウクライナを支援し、ロシアの侵略を押し返す選択肢が別にある。75年以上前、ジョージ・ケナンはロシア指導者のDNAには「神経症的」で、包括的な「不安感」と「外界への本能的な恐怖心」が埋め込まれていると述べた。

 

 

ロシアのパラノイアは、何十年経っても衰える様子がない。プーチンと側近の将軍たちは全員、旧ソ連邦のような深い戦略的領土の余裕を求めてやまない。この目標を達成するため、ゲラシモフ・ドクトリンGerasimov Doctrineは、軍事、経済、情報、サイバーなど幅広く組み合わせた現代版ハイブリッド全面戦争を提唱している。

 

1938年のミュンヘン協定以来、西側諸国は、アドルフ・ヒトラーに匹敵する冒険的で本格的かつ軍事凶悪犯に直面してこなかった。ミュンヘン協定で、同盟国はスデーテンランドをヒトラーに譲渡した。この決定で、ヒトラーはより大きな軍事的冒険へ駆り立てられ、第二次世界大戦へ突入した。

 

宥和政策や非軍事的に中途半端な措置は、プーチンを増長させるだけだ。プーチンが譲れない内容の要求を突きつけてくれば、次の展開は、危険で破壊的で悲劇的になる。例えば、モルドバ、NATOバルト三国への攻撃の可能性があるが、戦略的余裕の欠如への不安からロシアが巻き起こすと思われる。

 

プーチンは、民主主義諸国が介入すれば「計り知れない結果」が生じると曖昧かつ計算づくの脅しを行い、欧米指導者を思いとどまらせたようだ。 小規模介入でも、プーチンは、どのように反応するか分からないので、西側指導者は凍りつき、無策が続く中で、プーチンはもっと積極的な犯罪的攻撃実施に勇気付けられている。

 

これまでのところ、NATOの立場は、ウクライナはNATO非加盟国というものである。威圧された西側諸国は、詭弁を弄しウクライナへの強い支持を表明する一方、民主主義を守るため自国軍でウクライナ防衛を強化することは拒否している。

 

しかし、ユーゴスラビアで大量虐殺と人道的悲劇の進行を止めようとNATOが介入したとき、同国はNATO加盟国ではなかった。NATOなど各国連合が、凶悪な侵略からクウェートの主権を守るべく力を合わせたとき、同国もNATO加盟国ではなかった。リビアで、NATOが国連を代表し、異常な指導者からリビア市民を守ったとき、やはりリビアNATOのメンバーではなかった。

 

ウクライナのゼレンスキー大統領が推進し、メディアや活動家がとりあげたのが、NATO軍機による飛行禁止空域の設定だ。しかし、飛行禁止空域は、西側指導者が主張するように、NATO軍とロシア軍機の空中対決につながる可能性が高い。プーチンは、トルコ戦闘機がシリア付近の領空でロシア機を撃墜したときに厳しい反応を示さなかったが、NATOの挑戦は軍事反応を間違いなく引き起こし、核や化学兵器の使用など、螺旋状にエスカレートする可能性を持つ。

 

皮肉なことに、侵入拒否を維持しつつウクライナを守るモデルは、ロシアの脚本そのものから得られる。高性能装備を有する民主主義国家は、主要戦力を危険にさらさず、ロシアに公然と対峙せず、小規模の秘密戦で流れを変えられる。 次の選択肢があり得る。

-徽章をつけない「志願兵」を参戦させる。スペイン内戦で活躍した国際旅団の現代版としてヨーロッパで訓練し、送り込めばいい。

-米国のSEALチーム、英国のSAS、フランスの外人部隊のような特殊な小型戦術戦闘チームを密かに投入し、ウクライナ軍を支援する。兵站線の背後からの急襲、指揮統制の部隊やミサイル拠点への襲撃など。

-ロシアの戦術通信を妨害するため、サイバーや技術の専門部隊が投入されている。

-供与中の兵器より堅牢で、標識なしまたはウクライナ徽章をつけた移動式対空戦闘車をウクライナに持ち込む。

-欧米の無人偵察機部隊をウクライナに配備し、ウクライナの航空資産と合流させる。無人機の損失はすべてウクライナ機材とする。

-より攻撃的だが、国連の「保護する責任(R2P)」に基づき、ロシア領域からの攻撃から市民を守る平和維持活動としてTHAAD対ミサイルユニットをウクライナ西部に移動し、ロシアのミサイル攻撃から防衛する。

 

自由主義諸国の多くは、民主主義防衛を強固かつ、不安なく実施したいとする。ウクライナへの軍事支援には、ロシアによる大規模なエスカレーションを引き起こさない計算での賭けが見られる。ロシアは戦争犯罪を隠すため虚構の主張を繰り返している。西側諸国は、軍事資産を提供しウクライナ軍に見せかけるためもっともらしい説明を垂れ流しているというのだ。プーチンの嘘はあからさまで、西側諸国が信憑性が高いが難解な説明をするよう仕向けられているのはなんとも皮肉だ。

 

紀元前480年、テルモピュライでスパルタ兵が英雄的に、だが悲劇的に戦った。ウクライナ軍は歴史の再現だ。21世紀の歴史が書かれるとき、ウクライナ人は英雄伝説に加わるかもしれない。西側諸国の軍事支援で巧妙な方法が見つかるだろうか。■

 

A Ukraine No-Fly Zone Could Start a NATO-Russia War. The West Has Other Options - 19FortyFive

A Ukraine No-Fly Zone Could Start A NATO-Russia War. The West Has Other Options

 

ByRichard SindelarPublished1 day ago

Richard Sindelar, @FSOProf, a retired U.S. diplomat with three tours of duty in the State Department’s Bureau of Intelligence and Research, now serves as Director of the Center for International Studies at Houston’s University of St. Thomas, where he teaches courses in U.S. foreign policy and international law, among others.

In this article:featured, NATO, No-Fly Zone, Russia, Ukraine, World War II

 

原稿作成中:ロシア航空宇宙軍はこうして逆襲する(仮題)