2012年10月5日金曜日

論説 ペンタゴンはF-35に見切りをつけるべきか

Pentagon Should Investigate Fighter Options Beyond The F-35



aviationweek.com October 01, 2012

2001年10月に国防総省からロッキード・マーティンに共用打撃戦闘機開発契約が交付された段階では同社にとっては世紀の契約規模となる観があった。ロッキードはひとつのステルス機設計から三つの派生型をつくり、運用側では陳腐化すすむ各種機種と交代し、予算と時間を同時に節約するはずだった。
  1. . それから11年間が経過したがこの事業はロッキードには依然として見入りのよい内容であるものの、顧客にとっては魅力が減っている。とくに8カ国の国際共 同開発パートナーにとっては。2001年時点で各国は2020年までにステルス「第五世代機」多数の実用配備できると想定していた。
  2. 逆に開発費用・生産費用は当初の1,771億ドルから3,305億ドルへ膨れ上がった。(ともに2012年現在のドル価値換算) F-35運用・支援費用は2001年時点の見積もりを越える拡大を示す一方、実戦配備は予定から数年間遅れる。
  3. 同 機開発・配備がこれ以上の問題を生じさせる前に、ペンタゴンはこれまでの実績を厳しく直視する必要がある。まず、日程管理と経済価格性でJSFはすでに落 第だ。機体性能と長期間にわたる共用効果でも判定は厳しい。仮にF-35が約束どおりの実績をすべて実現したとしても、世界は2001年当時から変わって しまっている。
  4. .問題のひとつに競争状態が欠如していることがある。F-22も含めロッキードが今後「第六世代」機が実用化するまで(2030年以降か)の50年間にわたり唯一の米国戦闘機メーカーになる。このことによる航空機産業基盤への影響は甚大だ。
  5. .内容に疑問があり、とても受け入れられない兆ドル規模のF-35部隊維持費用見積もりがロッキードから出てきたことで、今回交代したJSFプログラム管理室長は厳しい目をむけ、これまでの現契約者による一括支援を取りやめ、一般競争入札に切り替える案を検討している。
  6. こ の案は長期的には効果があるが、2020年までの戦闘機部隊の優位性確保には効果がない。2021年までに米軍が運用しているはずのF-35は総購入規模 2,400機以上のうちごく少数のみで、その時点でも運用機材の中心はF-15、F-16、F/A-18と2001年と変化ない。
  7. こ れらの機材の中にはレーダー、エイビオニクス、兵装で近代化改修を受ける機体もあるはずで、そもそもF-35開発開始の時点では改修費用は想定の必要がな かった。ただし、これら既存機材にはエンジンや機体の製造年が1980年代、90年代にさかのぼるものがあり、経年変化で改修費用も高額になるものもあろ う。
  8. オバマ大統領あるいは共和党のミット・ロムニーが大胆な案をうってくるかもしれない。ペンタゴンに今後必要となる300機の戦闘機を競争入札させるのである。一方F-35調達機数は減らせば、生産規模も縮小となり価格は上昇する他、パートナー国で脱退も生じよう。
  9. た だ混乱が予想されることが行動を先送りすることの言い訳にはならない。ペンタゴンはすでに問題の存在を認め、成果達成への圧力を公式にかけはじめている。 さらに、次の段階は問題の深刻度を把握し、現実的な調達に切り替え、費用目標も同じく現実を反映させて、米国およびパートナー各国が調達可能な範囲を決定 できるようにすることだ。
  10. こ れ以上問題がふえないようにすべく歯止めが必要だ。米国はF/A-18を海軍向けに生産継続すべきで、空軍はF-16改修をすすめ、F-15とF-16の 海外販売を強化することで万が一の場合に備えるべきだ。次に国防総省は戦術航空作戦の深化を2020年代をにらみ投資すべきで、これにより産業基盤を維持 して次に登場するべき戦闘機設計の競争状態が保たれるのだ。
  11. .F- 35問題は2001年以降に出現した新しい現実状況と必要とされる性能水準を軍事計画立案上でどう両立すべきかを考える絶好の機会だ。当初考えていたよう な第五世代戦闘機へそのまま移行する実現可能性がなくなり、2020年代は厳しい環境の中、多様な機種で空軍力を構成することになるので再度考え直す機会 が生まれる。軍トップにはすでに米国があまりにもステルスに依存しすぎていたと発言しているものもある。一方、中国が急速に同等のステルス技術水準に追い つこうとしているのも事実だ。では米国は次の戦闘機を2030年まで待たないといけないのか。あるいはF-35に競争環境を度導入してはいけないのか。答 えはともに否である。

       

読者からのコメント

ghemago

9:39 AM on 10/2/2012
いまさら30年前の戦闘機を調達するよりもF-22ラインを再始動すべきだ。ロッキード・マーティンによる生産でなく、国防総省は第五世代戦闘機二機種で競合させるべきだ。

Yodelling Cyclist

10:34 AM on 10/2/2012
Ghemago さんの意見も悪くはないが、やはり自説にこだわろう。軽量戦闘機を短期間で開発すべきだ。極力簡略化し、F-22、F-35の既存部品を再利用する。 STOVLは不要。プロジェクト管理は海軍だけに任せる。(F-4等の事例から艦載機からの成功例は多いが、その逆はどうか)  なお、ロッキードマー ティンは主契約から排除すればよい。

ArtHines

11:55 AM on 10/2/2012
X- 47Bのような作戦投入可能なUAVを開発すればよい。F-35は戦闘機ではなく、攻撃ミッションが主にする。またF-35調達数を減らし、F-35と UAVを混成部隊として攻撃ミッションを実施する。F-35には移動攻撃目標を担当させ、UAVには固定目標攻撃任務を与える。これで費用のみならずパイ ロットの損失も防げる。

marauder

3:44 PM on 10/2/2012
この論説記事を書いたのは以前に新規機種開発の論調を発表した論説委員だ。2020年にADVENTエンジンを搭載したF-35が件の論説委員の自宅上空をスーパークルーズした時点でもう一度この記事を読み直したいものだ。

私のコメント  F-35に費やした予算と時間は戻って来ません。史上最大の失敗になる可能性もある機体であり、西側国防体制は今後その代償を払うことになるでしょう。ま た、F-35は最終的に配備されるでしょうが、大幅に小規模になるか、高価過ぎて予定通りの期間の就役は不可能となるでしょう。ロッキードだけが戦闘機を 製造する状況は不健康ですね。また日本の場合、F-15の後継機はやはりF-22だったのでしょうね。生産再開の話がくすぶっていますが、あながち不可能 でもないようです。それをむりやりF-35を今から購入しようというのはいかがなものでしょうか。

2012年10月3日水曜日

米海軍 オハイオ級ミサイル原潜の後継艦の検討が進む

U.S. Navy Defends Boomer Submarine Replacement Plans



aviationweek.com September 28, 2012

米海軍トップがオハイオ級弾道ミサイル潜水艦の後継クラス建造の必要を訴え、海軍は今後もミッション遂行のため必要な新型艦を必要な規模で建造する義務があると力説している。
  1. 「今 後の戦略戦力構造の組み合わせを詳細に研究しました」と海軍水中戦部長バリー・ブルーナー少将Rear Adm. Barry Bruner, Navy undersea warfare directorが自身のブログで解説している。「オハイオ後継原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)を12隻整備し、各艦にミサイル発射管16基を搭載 すれば一番経済的な費用で戦略抑止力を維持できます。この12隻は海中パトロールの要求を満たし、12隻あれば計画的にある艦がオーバーホールにある間に 他の艦で必要な戦力を維持できる。」
  2. 「戦力縮小案も検討しましたが、現状の必要水準に達せず、逆に生存性が犠牲になること、不確実な将来の戦略地図の中で対応の柔軟性が不足すると判明しました。12隻体制で各16発の搭載能力のSSBN部隊なら過剰にならず、柔軟性と攻撃能力を十分に維持できます」
  3. 次世代艦の建造日程が2019年から2021年に先送りになったことで、2029年から2042年までの期間でSSBN総数が12を下回ることがオハイオ級の退役と新型艦の配備の間で発生するという。
  4. この不足隻数に対する批判について同少将は「今のところ現有SSBNではオーバーホールは予定がありませんし、10隻で抑止力展開を行えます」とする。
  5. 海 軍とペンタゴンは新造艦のコストを明らかにしていない。「国防総省は2010年価格で一隻49億ドルとい厳しい目標を設定した。これまでのところ海軍は必 要最小限の性能水準まで切り詰めることでコストを削減しており、モジュラー建造方式をとるとか、トラインデントIID5戦略兵器システムを再利用すると か、ヴァージニア級やオハイオ級の旧備品を再利用している。ヴァージニア級攻撃潜水艦建造は厳しい管理と官民連携で模範的な建艦事業になっています。一貫 してそのコストは予算以内かつ工程は日程内におさまっています。オハイオ後継艦の設計、建造もこれの成功例を参考に進められるでしょう」■


2012年10月2日火曜日

プレデターシリーズの累計飛行時間が2百万台に

                   

Predator/Gray Eagle-Series Achieves 2 Million Flight Hours

                   
                        UAS Vision  September 25, 2012                   
                                            


.ジェネラルアトミックスエアロノーティカルシステムズより同社のプレデター/グレイイーグル各機の累計飛行時間が2百万時間を突破したと発表があった。この記録達成は9月9日のことで、各機あわせて15万回のミッションをこなし、そのうち約9割が戦闘中のミッションだった。
  • 「当 社の事業は変革を生むシステムを開発し、パラダイム変化を実現することです。今回の記録達成は有人、無人を問わず世界でも最高水準であり、各種センターと データリンクシステムの統合で長時間かつ広域の状況把握が実現したことの証でもあります」(ジェネラルアトミックス会長兼CEOニール・ブルー)
  • 記 録を達成をした機体お よびその運航者は不明だが、毎日この瞬間に約50機の同社製機体が飛行中だ。9月9日の時点で稼動していたのはプレデター24機、 プレデターB15機、グレイイーグル6機、スカイウォリアーアルファ5機である。累計飛行時間がこの数年で急速に増加しており、1993年から2008年 までが500千時間、2010年に百万時間を突破し、2011年に百五十万時時間になった。同機ファミリー全体で現状は毎月45千時間以上を追加してい る。
  • 「二 百万時間の運航を実証済み技術で実施し、人命を救い、脅威を排除し、国境を保全し、科学の進歩に貢献したことが真の功績です」と同社航空システムズ事業部 社長のフランク・ペイスFrank Pace, president, Aircraft Systems Group, GA-ASIは説明する「
  • プレデター/グレイイーグルシリーズの各機は米空軍、陸軍、海軍、国安全保障省、NASA、イタリア空軍、英空軍他が以下の各種ミッションで毎日運航している。
    1. .脅威になりうる勢力の移動を追跡し、捜索する中で必要に応じ交戦することで友軍を支援する
    2. 国境警備を援助し、不法移民流入を阻止、国境の保全を図り、テロリストの侵入、禁制品搬入、麻薬流入を事前に阻止する。また海上で人身密輸、海賊行為を阻止する。
    3. .自然災害発生後の復旧活動で政府が有する資源を有効に使用し、人命を救い財産のさらなる損失を防止するための最初の活動を提供
    4. 地球科学の究明、航空技術の向上への支援提供
  • .第一号機GNAT®が1993年に初飛行して以来同社は550機以上を生産している。同社の現在の毎月の生産規模は機体6機と地上管制ステーションGround Control Stations (GCS)が5セットだが、必要に応じ倍増できる。■


2012年10月1日月曜日

韓国F-X選定で視察団がボーイング、ロッキードを訪問


South Korean Pilots Visit Boeing, Lockheed Jet Fighter Plants


aviationweek.com September 28, 2012

韓国空軍のテストパイロットがロッキード・マーティンF-35の生産工場(テキサス州フォートワース)を訪問中。先にボーイングのF-15生産現場(セントルイス)も訪問しており、韓国は2013年早々に総額70億ドルの次期主力戦闘機選定の予定で今回の訪問はまさにそのさなか。
  1. .ロッキードはF-35を60機総額8.3兆ウォン(約5,800億円)の提示を韓国に示している。
  2. .これに対し韓国からは自国パイロットがF-35の操縦を許されなかったことへの不満が表明されたが、同機は単座である。ロッキードからは同機がまだ開発途中であり、日本のパイロットも操縦させていないと説明に努めた。
  3. そのかわり韓国軍パイロットはF-35シミュレータに近づくことができ、ロッキード社テストパイロットが操縦するF-35の飛行をチェイス機から目視していると、匿名の情報源が明らかにした。
  4. . これに対しボーイングは9月はじめに同社セントルイス工場(ミズーリ州)を韓国パイロットが訪問し、複座型F-15のステルス改装試作機を実際に操縦して いると同社防衛事業の最高責任者デニス・ムレンバーグが発言している。同機には内部兵倉庫も装備しているという。ボーイングは自社提案内容に「大いに自信 あり」とし、サイレントイーグルの呼称のF-15改装型生産では韓国産業界に大きな役割を認める内容の提案だという。
  5. 「韓国パイロットは当社の機体を長時間操縦しました。これこそF-15の優位な点です。今、使えます。これはわかってもらっています。韓国はF-15をすでに採用していますしね」
  6. ヨーロッパの防衛産業大手EADSもユーロファイター・タイフーンで商戦に加わっている。
  7. 韓国空軍はすでに競合機の評価を相当行っている模様だが、業界筋は選定結果の発表は12月の大統領選挙の後になるだろうと見ている。当初は10月に契約交付の予定だった。
  8. なお、在ワシントンの韓国大使館は契約交付決定の先送りにコメントを拒否している。
  9. 韓 国防衛装備調達庁Defense Acquisition Program Administration (DAPA)が今回の選定の事務局機能にあたるが選考結果発表の具体的日程は未定だとしている。globalsecurity.org所属のアナリスト、 ジョン・パイクJohn Pikeは大統領選挙後に決定するのは理にかなっているとし、逆に選挙前に決定しておきながらその後新政権が覆すよりもましだといしている。パイクは韓国 が選ぶのは高性能なロッキードだと見ているが、日本がF-35の国内生産(42機)を選択したこと、中国が国産ステルス戦闘機の開発をしたことを念頭にお いている。
  10. .「いろいろ考えた挙句、日本は一世代遅れることに抵抗を感じたのでしょう。ステルス機を保有しない唯一の軍事大国にはなりたくなかったのであり、韓国も同じ結論にたどり着くと思います」
  11. ボーイングは韓国と40年近く続く実績に賭けており、韓国はF-15初期型を60機近く運用しているほか、F-15の価格が低いことも競合では有利に働くと見ている。■


2012年9月30日日曜日

心配なサイバー攻撃の増加傾向----米国が中国を名指しで非難

US Cyberwarrior Accuses China Of Targeting Pentagon

aviationweek.com September 28, 2012

米国サイバー軍団U.S. Cyber Commandの情報将校トップが中国に対して、ペンタゴンのコンピューターに侵入する試みを繰り返し行っていると非難し、サイバー軍団の米軍事機構内での地位を高めるべく提案をしているとも発表した。
  1. . 「中国から国防総省を狙う試みは絶えず続いています」とし、同時に企業の秘密事項も盗み出そうとしていると発言したのはサミュエル・コックス海軍少将(サ イバー軍団情報部長)Rear Admiral Samuel Cox, the command’s director of intelligenceだ。
  2. 国家防諜活動局Office of the National Counterintelligence Executiveは一年前に「中国は世界で最大の経済諜報活動の犯人」だとする報告書をまとめている。
  3. 「今も続いており、むしろ加速しています」とコックス少将は中国がペンタゴンの秘密を盗み出そうとしていると糾弾している。
  4. 実際に極秘の米国側ネットワークが侵入されているかについて、コックス少将は「その点はお話できない」と答えている。これまでに発生した事例は公表されていない。
  5. これに対し在米中国大使館からのコメントはなかった。過去において中国側はこのような非難について否定してきている。
  6. サイバー軍団の使命は国防総省下のネットワークの防衛ならびにサイバー空間での米側の攻撃を実施することにある。二年前に創設され、戦略司令部U.S. Strategic Commandの一部となっている。
  7. コックス少将はサイバー戦部隊を合同戦闘部隊の地位に引き上げようという提案があると説明。これが実現するとサイバー軍団は戦略軍と同じ地位になり、国防総省にあるトップレベルの軍組織のひとつとなる。
  8. 本件は国防長官に送付ずみで大統領の決済がおそらく今年末に下るだろうと同少将はいう。
  9. コックス少将はシンクタンク大西洋協議会 Atlantic Council開催の会合でサイバー脅威の技術水準と危険度は「加速しつづけており、その変化はすでに単純な直線的な増加を通り越している」と発言。
  10. “So the potential for these things to do destructive damage is very high,” he said.「したがって破壊効果が発生する可能性が極めて高い」
  11. 信頼度の高い報道によると米国ははその他国とともにイランの核遠心分離装置に対しスタックスネットStuxnetの名称で知られる悪意あるコンピュータコードで攻撃したとされる。これが明るみに出たのは2010年のことだった。
  12. . キース・アレクサンダー陸軍大将General Keith Alexanderがサイバー軍団司令官と国家安全保障局長官を兼任しているが、不特定の外国、ハッカー集団、犯罪集団が2009年から2011年にかけ て米国内のインフラ施設へのサイバー攻撃が通常の17倍になっていたと今年7月に紹介している。軍事機構内でサイバー軍団の序列を引き上げることはサイ バー空間内での同軍団の活動をしやすくし、、同軍団の実効力を強化することは米政府機関、同盟諸国、有志連合参加国との共同活動を増やす効果を生むだろ う。■


2012年9月28日金曜日

F-15の飛行時間を二倍に延長する動き





USAF Seeks Afterlife of F-15s

aviationweek.com September 25, 2012

米空軍はF-15イーグルの稼働可能飛行時間を性能改修により二倍以上に延長する。

  1. .「二年半前のことですが、米空軍からC型の疲労テストの要望がありました」(ボーイングのF-15ミッションシステムズ担当部長ブラッド・ジョーンズBrad Jones, F-15 mission systems director)
  2. 当時F-15部隊は総飛行時間合計限界に近づきつつあり、空軍は退役をどこまで先送りできるかを知りたかったのだとジョーンズは説明する。
  3. 同機の設計寿命は8,000飛行時間で最初に配備された機体では10,000時間を超えて飛行しているものもある。ボーイングは疲労試験を経てF-15C/D型で18,000飛行時間相当、E型で32,000飛行時間相当にまで延長する証明を出す準備をしている。
  4. .「構造疲労の補強作業で現行型F-15の耐用年数を延長し、保守点検の頻度が減ります」とボーイングは説明する。
  5. 「F-15の最終稼働日はまだ決まっていません。」とジョーンズはいい、米軍および各国で稼働中の各型の耐用年数を増やすプログラムが複数あるという。
  6. こ のうちレーダー近代化改修ではF-15E全機に2021年までにAPG-82(V)1 パッケージにAPG-79プロセッサーを組み合わせ搭載する案がある。これにより現行のAPG-63(V)3より信頼性、性能で5倍の能力増となる。この 改修の初期作戦能力は2014年初頭の予定。
  7. 高 性能ディスプレイ・コアプロセッサーII(ADCP II)プログラムでは米軍のF-15E全機の搭載コンピューターを更新して、今後の機材の基本形とする。この新型コンピューターでは計算能力が増強され、 ギガビット級イーサネットと光ファイバー接続が可能となる。11月にマイルストンBの決定が下る。
  8. .ボーイングではコックピットシステムも用意しており、内容は大がディスプレイ、薄型ヘッドアップディスプレイ、エンジン燃料油圧ディスプレイの薄型、などでこれまでの23個のディスプレイや計器を置き換える。
  9. 「状況認識が改善されます」とジョーンズは言い、改善事項は購入時およびライフサイクルで機体価格を下げる効果があるという。
  10. . また同社が提案する新型のデジタル電子戦システムDigital Electronic Warfare System (DEWS)はこれまで使われた旧式装備にかわるもので、レーダー警告受信機、ジャマー内部対抗装置、妨害手段発射装置、送受信干渉防止装置 interface blankerが不要となる。
  11. このDEWSでは導波管や窒素加圧化は不要だとボーイングは説明しており、デジタルシステムにより処理能力は200%以上増加し、メモリーの余裕が生まれるほか、広帯域のレーダー他高周波利用システム各種との運用性が向上するという。■

2012年9月27日木曜日

中国二番目のステルス機J-31の素性を考える

China Unveils Second Stealth Fighter

By Bill Sweetman, Richard Fisher, Bradley Perrett
 
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com September 24, 2012

中国が低視認性(LO)あるいはステルス性戦闘機の第二番目の機種の存在を明らかにした。瀋陽航空機工業で生産された同機はおそらくJ-31の呼称がつき、成都航空機製 J-20が2010年末に知られるようになったのとおなじ形だ。インターネット経由で同機の写真は米国防長官の北京公式訪問前日にリークしている。その メッセージはあけすけで、米国が太平洋に海空戦力を増強する政策を実行に移す中、中国は軍装備の近代化を着々と進めていることを示している。

  1. 写 真ではJ-31が先に出たJ-20とは大幅に違うことが明らかだ。J-31は小型で、J-20の三分の二程度だ。機体にはF-22との類似性も見られる が、機体寸法上はむしろF-35に近い。機体下部空気取り入れ口から後方エンジン手前は兵装格納庫になっている。J-20のような機体側面の格納庫はつい ていない。飛行制御は通常型を採用しており、方向舵と一枚構成のフラッペロンは統合されていない。
  2. J-20と同様にステルス形状の技術面ではロッキード・マーティン製 戦闘機と非常に似通っているのがわかるが、エンジンノズルは通常型だ。ノズル形状は成都JF-17戦闘機搭載のクリモフRD-93エンジンのノズルから胴 体にあわせるためについていた「首輪」をとっただけだ。推力方向制御は中国でも研究されているものの実際の飛行展示事例はない。
  3. で はJ-20とJ-31で共通するのは実験機の段階を終了しているように見える点だ。両機ともに実寸大の実証機でありながら兵装格納庫があり、両機とも既存 機種の部品を流用していない。ただし、両機とも実戦型の開発および本格生産の開始がどうなるかは不明だ。中国は非ステルス戦闘機の生産を継続しており、一 方でいつになったら発動機のロシア依存を不要にする実用的な国産エンジンの生産が始まるのかは不明だ。(JF-17全機がRD-93を搭載しており、国産 の杭州WS-13エンジンは開発が完了していない。)
  4. ステルス戦闘機二機種について中国政府からの公式情報開示はないものの、「非公式」情報がインターネット上で政府によりとびかっており、瀋陽製戦闘機についてさまざまな情報が見られる。
  5. 2011年9月、中国の航空工業集団Aviation Industries Corp. (Avic) が無人機(UAV)のモデル機コンテストにスポンサーとなったが、瀋陽航空宇宙工科大学からステルス機に見えるモデルがエントリーに参加していた。
  6. 今 年6月には実寸大の戦闘機機体が垂直尾翼を外したまま瀋陽から閻良空軍基地Yanliang Air Baseまで公道を堂堂と搬送されるのが目撃されている。同基地は中国軍のフライトテスト拠点である西安地区の航空宇宙都市近郊にある。その時点でこの機 体は同基地内で静応力試験に使うのではとの観測があった。この機体の形状はだいたい瀋陽航空宇宙工科大のモデルと類似している。
  7. 中 国国内筋の情報を総合すると瀋陽製の戦闘機には空軍が資金を全面提供していない可能性があるが、成都J-20との競作に敗れた機体を発展させたのではない かという。Avic傘下企業のひとつが成都航空機であり、瀋陽航空機も同じだ。両企業はライバル関係にあることが伝統になっている。この克服策として 同企業集団は両企業を結束させたのが2008年であるが、中国国防省が企業集約にに難色を示し、むしろ各企業への指導力を温存しつつ競争効果をあげたいと 考えている。
  8. た だし瀋陽に政府の公式なスポンサーがある可能性がある。中国海軍だ。瀋陽は海軍向け初の艦載戦闘機スホイSu-33を原型としたJ-15のメーカーでもあ る。今回のJ-31は小型でありJ-20より空母運用に適しているかもしれない。ただし、空母運用であれば主翼面積の拡大や揚力制御、推力制御などの改修 が必要であるが。それが実現すれば、J-31はJ-20より小型、安価な選択肢になりうる。■