2016年10月30日日曜日

POTUSポルカ 米大統領の移動で動員される機材各種と発生経費をGAOが分析


大統領が一回訪問するだけでこれだけの支援体制が動員されるわけですね。文中にはありませんが、国家最高司令官としてE-4Bも緊急時に備え運用されていたはずです。ま、一種の移動サーカスのようなものでしょう。それだけに電子メール問題で煙が出てきたヒラリー・クリントンには軍は一様に否定的な反応を示しており、仮に同人が当選しても軍関係者は微妙な感情を持ったまま対応するのでしょうね。


POTUS Polka In the Sky

Oct 28, 2016by John Croft in Things With Wings

ボルカは軽快なフットワークが必要だ。今回公表された米政府会計検査院(GAO)のまとめでは同様に合衆国大統領(POTUS)が公務あるいは私用で足を伸ばすと軍や国土安全保障庁の機材、人員が動き回っていることが改めて証明されている。
監査ではオバマ大統領による2013年2月15日から18日を対象に公務私用双方の出張を精査している。米国東部ほとんどを旅程に組んだ大統領はまずシカゴへ飛びハイドパークアカデミーで演説し、一般教書演説で述べた経済提案について意見を交換している。シカゴからパームビーチ(フロリダ)へ飛び、タイガー・ウッズ他とゴルフを楽しんだ。
報道ではこの週末旅行の経費を報じている。総額3.6百万ドルで国防総省が2.8百万ドル、残りを国土安全保障庁と分担している。興味をそそられるのは大型機他装備が準備されていることで、今回の監査はジョン・バラッソ上院議員(共、ワイオミング)の請求で行われた。
出張にC-17が3機、C-130は2機、さらにC-5が一機動員され、26回の移動で15空港を移動している。ここにさらに大統領専用機のVC-25A(ボーイング747-200B)「エアフォースワン」が加わるが、海兵隊第一ヘリコプター飛行隊のVH-3D、VH-60N、MV-22Bは空輸されPOTUSのゆくところあらゆる場所あらゆる機会に随行している。
GAOが以下まとめている。
「第89空輸飛行隊を隷下におく航空機動軍団が機材を準備し、大統領移動に伴う貨物を輸送する。旅行の内容により使用機材はC-17グローブマスター、C-5スーパーギャラクシー、C-130ハーキュリーズより適宜選択する。各機はヘリコプター、大統領専用車両他車両に加え各種必要機材を空輸する。航空機動軍団はKC-10エクステンダーはKC-135ストラトタンカーも必要に応じ投入する」

「空軍に加え海兵隊も海兵第一ヘリコプター飛行隊により支援をする。同飛行隊はヘリコプター輸送と緊急時の支援を大統領に旅行の行き先、日時を問わず提供するのが目的でVH-3D、VH-60N、MV-22Bを運用する。下の写真のうちCH-46Eは供用を終了している。

大統領の移動のためGAOによれば「航空機各機は米空軍の各地基地を離陸後、各軍共用基地アンドリュースおよび海兵隊基地クアンティコに到着し、シークレットサービス要員および各種車両、海兵隊員、ヘリコプターを搭載し支援を提供した後、所属基地に帰投している」

だがこれだけではない。
沿岸警備隊(国土安全保障庁所属)はRB-S舟艇やHH-65ドルフィンヘリコプター隊を待機させていた。費用586千ドルで「水路での支援を提供」していた。■


DARPAの進めるコックピット自動化の現状 ALIASシステムで操縦士一人体制が生まれるか


いつも一歩先を狙う技術開発を進めるDARPAからの新しい成果報告です。すべてが人間が行うよりも信頼でき学習できるAIがあれば積極的にこれを使えばよいという発送のようですね。頑固一徹にチェックリストを読み上げるのは良いのですが、本当にチェックになっていない形骸化があるとすれば問題なのでこの技術は有望と見て良いのではないでしょうか。(ターミナル1共通記事)

The National Interest


DARPA Flies Plane with Robot Co-Pilot

October 27, 2016


各種チェックリスト項目や安全手順はコンピュータがずっと早く、安全かつもれなく実施できるはずだ。
  1. ペンタゴンの研究開発部門が実証をめざすのは航空機自動化の全く新しい段階で人間の持つ問題解決能力にコンピュータ化したロボット機能を組み合わせることだ。
  2. これを国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)は航空機乗員コックピット作業自動化システムALIASと呼ぶ。
  3. ALIASの中核は認識能力で人間の頭脳は状況が急速に変化しても問題解決できる能力を有するが、一定の手順はコンピュータが実施したほうが実効性が高いと研究者は見る。
  4. ALIASのソフトウェアはオープンインターフェースでパイロットが操作するタッチパッドや音声認識に対応し機体操作が自律的に行えるようになる。
  5. 例としてチェックリスト手順や安全手順のチェックがあり、エンジン状況、高度計、照明、スイッチレバー類は今までより迅速かつ、安全で効率よく確認をコンピュータが自動的に行なってくれる。
  6. 「乗員が通常行う仕事ですが当たり前すぎて退屈になることがあります。ALIASがチェックリストや点検を代わりに行い結果だけをパイロットに教えます。パイロットはもっと大事な飛行任務に専念できるわけです」とオーロラ・フライト・サイエンシズ社長兼CEOのマーク・チェリーが語っている。
  7. 航空機運用には多様な作業があり、緊急時の手順、ピッチ、ロール、エンジン状況の点検ライト、自動操縦等は乗員の手を煩わせず実施できる。
  8. LIASはDARPAの実証を業界大手のロッキード・マーティンおよびオーロラ・フライト・サイエンシズが行っており、今後B-52や大型民間機など各種機材に導入する。
  9. ALIASの初期仕様には小型機も対象で、セスナ208キャラバン、ダイアモンドDA42、ベルUH-1でも実証しているとチェリーは説明。ALIASは学習機能があり単発、双発両方に対応できる。
  10. ロッキード、オーロラ・フライト・サイエンシズ両社による実証を受けて、DARPAは第三段階の選定作業に入ろうとしており開発をさらに続ける。
  11. アルゴリズムがさらに改良され「人工知能」の域に入ると、各種機能、コンピュータがネットワークで高度に結ばれ情報を自動的に統合、分類、表示する機能が実現する。これができればヒューマン-マシンインターフェースが向上し、パイロットの「認知負担」が軽減される。
  12. 既存のセンサー、航法装置に加え「フライバイヤー」技術により機体の自動操縦がすでに実施可能だがALIASでは自律航行とヒューマン-マシンインターフェースの水準が大幅に引き上げられコンピュータの独自運用レベルが進む。
  13. ヒューマン-マシンインターフェースは米陸軍がすすめる次世代垂直離着陸機FVL構想の中核でもあり、2030年代に実用化しようとする高性能飛行機能を実現する
  14. ALIASのような技術が新型機開発で効力を発揮する可能性は十分ある。供用多用途技術実証機として米陸軍が未来のヘリコプターの開発段階を一歩進めようとしている。FVLの要求仕様としてALIASが組み込まれれば生身のパイロットの認知負担を減らし、その分もっと重要なミッションに専念できるようになる。
  15. パイロットの頭脳は指揮統制に重きを置いて、自動システムへの指示に専念できるればあとは機能を自動的に果たすようになる、とチェリーは述べている。
  16. 「パイロットの負担を減らした分、将来の機材の安全性は高まります」
  17. スロットルや作動系の装置、ヨークはすべてALIASで自動化が可能だ。
  18. 「見通し線外の通信を高度に自律化しており、プレデターやリーパーがこの技術で現時点でも運用されています」(オーロラ・フライト・サイエンシズのCEOジョン・ラングフォード)
  19. ALIASは技術的な可能性と実証成果を理由にGCN Dig IT賞を最近受賞している。■
Kris Osborn became the Managing Editor of Scout Warrior in August of 2015. His role with Scout.com includes managing content on the Scout Warrior site and generating independently sourced original material. Scout Warrior is aimed at providing engaging, substantial military-specific content covering a range of key areas such as weapons, emerging or next-generation technologies and issues of relevance to the military. Just prior to coming to Scout Warrior, Osborn served as an Associate Editor at the Military.com. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at CNN and CNN Headline News. This story originally appeared in Scout Warrior.


2016年10月29日土曜日

シリア上空での米ロ軍用機衝突は回避できるか


そもそもシリア問題を放置した挙句、ロシアの全く別の意図による介入を許してしまったのはオバマ政権の失策です。シリア上空の空域で米ロ間の衝突が発生すれば事態がエスカレーションしかねません。両国間の理性ある行動が期待されます。

Report: Russian, U.S. Jets Have Close Encounter Over Syria

Russian long range bomber
アレッポを空爆するTu-22M3  / Russian Defense Ministry via AP
     
October 28, 2016 10:43 am
米ロ軍用機がシリア上空で数日前に異常接近していたことが判明した。
10月28日のAFPが米関係者の発言を引用し、ロシア戦闘機一機が米軍機にシリア上空で同月17日に危険な接近飛行をしたと報道している。
大型スパイ機に随行したロシアジェット機が米軍機の近くを飛行し、「半マイル以内」まで近づいたと米空軍ジェフ・ハリガン中将が述べている。
匿名の防衛関係者はこのロシア機が「通過する際にジェット噴流がわかるくらい接近していた」と述べている。
米ロはリシア上空での空中衝突を回避するホットラインを開設している。今回は米側パイロットからロシア機に交信を試みたもののうまくいかなかったという。
ハリガン中将は同地域で米ロ軍用機の接近遭遇が急増しているとも述べ、ロシア機が意図的に米軍機に接近飛行を10日に一回のわりで実施しているという。
米ロ間の緊張はシリアをめぐりここ数週間高まっており、きっかけは停戦協定の不調とともに両国間の通信連絡が中断したことだ。
ロシア・シリア軍はアレッポで一般市民並びに米国が支援する反乱勢力を空爆しており、オバマ政権がシリア政府軍への攻撃を検討中と伝えられるとモスクワは作戦行動中のシリア空軍を標的とする連合軍は撃墜すると警告している。■


主張 クリントン当選を期待する国の存在がトランプへの一票を正当化する



報道界が必死になりクリントン優勢の機運を盛り上げてきたにも関わらずここに来てもクリントンのリードはごくわずか、というのは投票日当日に大きなどんでん返しがあっても不思議ではないということで、最初からクリントン優勢と信じ込んでいる向きには不安な気持ちが広がっているでしょう。
 20世紀政治の延長を選ぶか、21世紀になりあらゆる点で見直しを図るのかの選択で、米国からの便宜供与を受けている既得権層が自らの存続をかけ必死になるのは理解に堅くありません。
 果たしてその期待どおりに進むのでしょうか。


The National Interest


Foreigners Want Hillary Clinton for President: A Good Reason to Vote for Donald Trump

October 28, 2016


ヒラリー・クリントンは世界の大統領候補なのか。ある見出しは「世界はクリントンに期待」とある。

  1. 背景には醜悪とも言えるドナルド・トランプの大衆迎合主義がある。ただしアメリカだけの話ではない。フィリピンのロドリゴ・ドュテルテはトランプ以上に「トランプ的」である。ヨーロッパにも大衆の受けを狙った政党が乱立しており、一部政権に参画しているものもあれば次回国政選挙で政権奪取を狙う党もある。マリヌ・ルペンが大統領となればトランプよりも過激になるだろう。

  1. だがもっと大きな懸念事項は世界各国を支援する超党派政策をトランプが継続するとは思えないことだ。第三世界では米財政支援に頼り切る国が多い。トランプは「対外支援」の用語を口にしておらず、米国から雇用を奪い不法移民を流入させるような国には資金提供を打ち切る可能性が高い。

  1. 西側の経済援助が各国の開発に大きな貢献をしたと証明することは難しい。被援助国エリート層は恩恵を受けているが、豊かな国の貧困層から資金を調達したのが対外援助の本質で貧しい国の富裕層を肥やしているといわれてきた。その恩恵を受けてる側はアメリカにこのまま継続してもらいたいと考えている。

  1. もう一つ重要なのは米政策により先進国ほぼすべての国防が恩恵を受けていることだ。ヨーロッパ各国の経済規模、人口は全部合わせればいずれも米国を上回るのにワシントンが各国の防衛の盾を提供するのを当たり前に思っている。各国は軍備支出を節約し、福祉政策を賄っている。トランプが大統領になれば各国首脳は都合の良い政策を継続できなくなる。

  1. あるヨーロッパ関係者がニューヨーク・タイムズに語っている。「トランプが当選したら皆が困るんですよ」 フィナンシャルタイムズによればヨーロッパ各国大使館にはトランプ当選の場合の影響を探るよう指示が来ている。フランス大統領フランソワ・オランドは社会主義者であり他人の金を使うことが信条で、トランプには「吐き気を感じる」とまで発言している。

  1. 既存ヨーロッパ西側諸国には脅威はさほど大きくないが、東ヨーロッパにはロシアの脅威がひましに増えているのに西側の隣国は対応していない。そのため各国とも米国の救援を期待している。バラク・オバマ大統領はウラジミール・プーチンの謀略へ反応してきた。オバマ政権が各国に「再保証」を伝えたので、各国は米国からの支出増要求を無視して良いと理解している。ワシントンがいつも穴埋めしてくれならこちらの期待どおりに動く政治家などいない。

  1. アジアでも状況は大差ない。日本と韓国は米国の防衛約束を権利とみなしている。日本が世界第二位の経済規模を誇っていた間もそのままだった。たしかに日本が自国権益の保護のために自ら不利益を被るとは期待できない。これはアメリカの責務だ。

  1. 韓国の状況はもっと厳しい。韓国は北朝鮮に対しGDP40倍、人口でも2倍の規模だ。にも関わらずトランプは韓国が米軍の恩恵でぬくぬく暮らしており、その恩恵に値する費用をアメリカに返金すべきと主張し韓国報道界から一斉に反感を招いた。韓国左翼勢力も自国で大幅軍備増強をする必要はないとの主張では右派と同一意見だ。

  1. ごく最近までフィリピンは中国への対抗のため米国支援を取り付けるのに必死だった。フィリピン海軍は中国に対抗できない。そこでフィリピン政界は一致して米国をひきつけ米軍の力を借りて中国に対抗していこうとしてきた。デュテルテ大統領は全く違う姿勢を示しているが、中国寄り政策を任期満了まで継続できないだろう。

  1. 外交当事者にとって米国が国防で手を貸さない世界は想像がつかない。ニューヨーク・タイムズ記事では米選挙を目にしたヨーロッパに「静かなる絶望感が底流にあり」とし、「NATO加盟国間にとくに失望感」があるとの見方を示す人もいる。米国への依存度は「なみなみならぬ規模」とドイツ大使ピーター・ウィティッグは述べている。

  1. Die Zeit のジョセフ・ジョフェは「仮にトランプ大統領がNATOを解体すれば、いきなり寒風に晒されたヨーロッパ各国はロシアと和睦に走るだろう」と考える。代替策はある。ヨーロッパ各国が防衛支出を増額するのだ。だがジョフェはその可能性は検討に値しないと考える。これはヨーロッパ全体でも同じだろう。つまるところ、ヨーロッパは防衛はアメリカの責任と見ているのだ。これは変わらない。

  1. オバマ政権もクリントン候補の選挙運動もともにヨーロッパに対してアメリカはこれからも責任を果たすと述べており、とくに現政権はアメリカ自身より主要同盟国を重視している観さえある。端的に言えばアメリカは自らの防衛に悩みたくないヨーロッパ各国を甘やかす政策とはきっぱりと決別すべきだ。

  1. ジュリアン・スミスはクリントン選挙対策本部内部でクリントンが民主党全国大会で述べた「ヨーロッパ再保証」の主張を起草している。民主党副大統領候補ティム・ケインは共和党がNATO各国を「見捨てる」と非難している。マデリン・オルブライト元国務長官はトランプの恐喝で「友好国同盟国が離れる」と不満だが、施しに頼り切るよりもはるかに成熟した国の行動なのだ。

  1. 民主党全国大会でヨーロッパ各国が「安堵した」とニューヨーク・タイムズが書いたのはいかにもという感がある。イタリア外交団のひとりが同紙に「従来どおりの政策になるとわかった」とアメリカが各国の権益を今後も守ると示唆して、クリントン当選となれば世界は安心できるという。特にアメリカ軍の奉仕に頼り切った各国は安堵するというのだ。

  1. もちろんドナルド・トランプに反対票を投じる理由は数々ある。だがアメリカ納税者は同候補への一票で世界各国の恩恵を重視する勢力の期待を崩せる。

  1. 当選してもトランプがどんな大統領になるのか今は誰もわからない。同盟各国に防衛費用を請求するのは良い考えではない。米軍は傭兵ではない。にもかかわらずトランプは問題の本質を捉えている。防衛能力を整備できる国や地域はその通り実施すべきだ。全部が米国政府の責任ではない。

  1. バルト海で危険が叫ばれるとなぜいつもまっさきにワシントンが人的資源では困らないヨーロッパ大陸に先駆けて部隊を急派することを期待されるのか。なぜ米国が韓国の防衛に責任を有さなければならないのか。韓国政界は北朝鮮と同等の軍備整備を想定ていない。なぜ日本が攻撃下の米艦船を防御する方針をやっと昨年に決めたのか。もともと日本が攻撃を受ければ真っ先に対応するのが米軍である。中東でも同様でサウジアラビアはじめ湾岸諸国はイランよりはるかに巨額の防衛予算を執行しつつ米軍にはシリア、イエメン内戦に関与させ続けるのか。

  1. 米国民は投票に際して米国権益につながる一票を投じるべきであり、世界のための投票ではない。各国が好む候補があるということ自体その候補に投票しない強い理由になる。ワシントン政界が各国を念頭に置くのは結構だが、そもそも誰のために奉仕すべきか忘れてもらっては困るのである。  ■  
                                                             
Doug Bandow is a Senior Fellow at the Cato Institute and a former Special Assistant to President Ronald Reagan. You can follow him on Twitter: @Doug_Bandow.
Image: Creative Commons/Flickr User Gage Skidmore.



2016年10月27日木曜日

もし戦わば⑧ 日本は中国の侵攻にこう対応する



沖縄では今日も防衛体制整備に反対する住民(沖縄以外の住民含む)がとんでもない行動をしているようですが、現実世界に背を向けているのはちょうど成田闘争に参加した人たちと同じではないでしょうか。法執行のため機動隊員が各地から派遣されているのも成田と同じですが、沖縄では30年間も辛抱強く待っている余裕はないはずです。国家などない方がいいなどと平気で言えるような人は中国や北朝鮮にぜひ旅行してもらいたいものです。

The National Interest


Japan's Master Plan to Defend Itself from China

October 23, 2016

  1. これまで日本の本土防衛方針は凍結されたままだった。冷戦時にはソ連が北方国土を侵攻する想定で強力な機甲部隊でソ連軍上陸を阻止し、空軍部隊で爆撃機を撃退し、海上部隊がシーレーンを確保し、米軍到着まで持ちこたえる想定だった。
  2. この防衛方針が冷戦終結でゆらめいたがゾンビのように生き残ったのはそれ以上によい案がなかったためだ。だが今や中国の軍事力が増強され北京が尖閣諸島の領有を堂々と主張するにいたり、日本も防衛部隊再編で南方での新しい脅威へ対応せざるを得なくなっている。
  3. 中国の軍事費は毎年10パーセント以上の増額を18年間続けた。2010年に突然中国が尖閣諸島の領有を主張すると中国の脅威が急浮上してきた。
  4. 「動的防衛案」と言われる方針は完全な方向転換で、北海道に代わり尖閣、琉球諸島が焦点となった。以前の構想では戦車中心の防衛体制をおく第七装甲師団が中心的存在だったが、今度は新編成の迅速展開揚陸部隊(旅団規模)が中心だ。
  5. この揚陸旅団が新防衛体制の中核で九州佐世保に駐とんし、日米の揚陸艦艇で迅速な移動を目指す。2017年に初期作戦能力を2千名規模で確立し、後に3千名に拡大される。
  6. 同旅団の核が西部方面普通化連隊という大隊規模の軽歩兵部隊で日本の揚陸作戦の知見を一手に握る部隊だ。同部隊は米海兵隊の揚陸作戦演習アイアンフィスト、ドーン・ブリッツに2000年以来参加しており、ゆっくりだが上陸作戦の知見を蓄えており有事に真価を発揮する存在となった。
  7. 同旅団の編成は揚陸歩兵大隊が3つ、それを支援する新型機動戦闘車両(8x8の車輪装甲車で105ミリ砲で機動火力を提供)が配備される。同旅団を運ぶのは三十両の強襲揚陸車両(AAV)で米海兵隊から購入し、BAEシステムズが改修したもので、同隊は米海兵隊の強襲揚陸中隊並の威力を発揮し、大隊全部を装甲車両で上陸できる。AAVは旧式だが新型揚陸戦闘車両が米国で整備されるまで選択肢は他にない。
  8. またV-22オスプレイが17機配備され、中隊規模の空中機動作戦が可能となる。飛行距離はKC-130給油機(6機)で延長できる。第1空挺団(千葉)はH-60中型輸送ヘリ、CH-47J大型輸送ヘリで移送され、AH-64J攻撃ヘリが必要に応じて支援する。
  9. 海上自衛隊も同旅団の支援体制を強化している。おおすみ級揚陸艦三隻が同旅団を車両と輸送する。甲板は航空対応可能で艦内にLCACホーヴァークラフト二隻を収容する。またAAVの発進も可能で各車両で18名の隊員を海岸線まで運ぶ。
  10. 各国で航空機動運用が揚陸作戦の鍵となるが、自衛隊も例外ではない。海上自衛隊はひゅうが級「ヘリコプター駆逐艦」でヘリコプター兵員輸送艦となる。2015年のドーン・ブリッツ演習ではひゅうががAH-64JおよびCH-47Jヘリを日本からカリフォーニアまで輸送し、洋上ヘリコプター基地となったが、2011年の大津波後の救援作戦でUSSロナルド・レーガンが果たしたのと同じ機能だ。ひゅうがはオスプレイの運用も可能だ。
  11. 動的防衛戦略では日本列島に沿って迅速に部隊を展開する必要がある。6,852を数える日本の島しょすべてで防御を固めるのは不可能だ。そこで監視哨やレーダー基地を南方諸島に展開する。早期警戒体制で侵攻の動きを探知するのだが、琉球諸島のうち陸上自衛隊が駐留するのは与那国、奄美大島、石垣、沖縄の四島だけで残りは事実上無防備だ。
  12. では有事に日本の防衛方針はどう機能するのだろうか。尖閣諸島は小さく居住に適さないといわれる。同地区の防衛には揚陸連隊が迅速に展開すべくオスプレイで上陸するだろう。もっと大規模な部隊は佐世保から20ノットで移動すると28時間で到着する。
  13. 敵対勢力が日本領土を実力占拠した場合は該当地の場所により対応方針が変わる。尖閣諸島に上陸された場合なら小隊規模でも艦艇の火力支援があれば奪回可能だが、琉球諸島となると居住民もあり、一個大隊あるいは揚陸旅団をまるまる派遣する必要が生まれる。
  14. 占領下の島しょは海上封鎖し守備隊への物資補給を阻止する。偵察部隊の上陸の前に海上自衛隊が5インチ砲射撃を行うはずだ。偵察部隊は米海兵隊から攻撃の指示訓練をカタリナ島で受けている。AH-64Jアパッチヘリがひゅうが級ヘリコプター駆逐艦から発進し陸上標的を狙うのは英軍のアパッチがHMSオーシャンから発進したリビア作戦と同一だ。
  15. 最後にAAV7を使って歩兵部隊がLCACが機動戦闘車両を移動させ敵の抵抗のない地点へ揚陸させると島に残る敵部隊との交戦が始まる。島の規模が大きいと支援空中機動強襲作戦が行われるだろう。
  16. 日本の動的防衛戦略は最小限の支出増による安全保証に特徴がある。新規旅団の編成では主力戦車は島しょ防衛には不適として多数を廃棄する。旅団編成では不要となった部隊から隊員を補充し、自衛隊全体で千名未満の増員となる見込みだ。その結果生まれるのは柔軟かつ迅速に展開できる部隊で将来の戦場に対応できる。■
Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.
Image: A Japanese soldier with the Japan Ground Self-Defense Force conducts a beach raid as part of training for Exercise Iron Fist 2016. DVIDSHUB/Public domain



2016年10月26日水曜日

B-21選定理由を公開した米会計検査院


LRSBの選定結果発表からもう一年ですか。ボーイング箱の発表で納得するのでしょうか。それはともかくちょっと気になるのはノースロップ、ボーイングともに相当低価格を提示してきていたということで、固定価格による調達を理解した上での提示とすれば新型設計機はファミリー構造となるので将来にかけて十分利益を計上するつもりだったのでしょうか。それだけにボーイングとしては収益源が手元に残らないことが我慢できなかったのでしょうか。次代戦闘航空機が大型化するという予想も出てきた中で、B-21がどんな機材に進化していくのか、興味をそそられるところではあります。

Aerospace Daily & Defense Report

USAF’s Bomber Decision Came Down To Cost

Oct 25, 2016 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report
http://aviationweek.com/defense/usaf-s-bomber-decision-came-down-cost

USAF

米空軍が先に選定した次世代ステルス爆撃機案でノースロップ・グラマン案を採択し、ボーイング主導のロッキード・マーティンを退けた理由はノースロップが提示した価格が相当に低かったためと判明した。米会計検査院(GAO)が発表した。

ノースロップが提示した技術・製造・開発(EMD)段階の価格水準は「同社の社内資金投入決定」によりボーイング案より「相当低い水準」だったとこのたびGAOが公表した大幅編集済み資料にある。これはボーイング、ロッキード・マーティンによる異議申し立てでGAOが開示した資料の一部だ。ノースロップがEMDで低価格を提示し同社自己資金ならびに労務費および労務費の値上げ分を吸収する構造を提示したとGAOはしており、いずれもボーイング提示水準を下回っていたという。実際の金額は編集され見れない。

両陣営ともに政府想定水準を下回る金額を提示し、空軍は最終提示額は新型ステルス爆撃機製造の設計、技術開発費用として「非現実的」と判定している。

「両提示案ともに最低評価価格を実現すべく意欲的な努力をした内容と思われる」との選定決定根拠文書にあるとGAOは紹介。「両提示案ともに提示EMD価格では必要なEMD作業を実施できるとは確約していない」

だが空軍はリスク覚悟でコストと日程案を了解したうえで先行価格を重視した。両陣営のEMD提案は当初は「受け入れがたい」内容とされたが、交渉の結果、両提案内容ともに最終的には受理されたものの、弱い点とリスクは残ったままだった。空軍はボーイング最終案で4点、ノースロップ案で10点の弱点を指摘している。

空軍はその中で低価格提案を採択するリスクは十分承知しており、ノースロップB-21「レイダー」が予定通りの開発製造ができないことも理解しているとGAOは説明。

「空軍には開発日程が途中で狂う可能性をある程度想定している」とGAOはまとめている。「ただし、空軍はそれでもノースロップ案の方が同社の(削除)的な手法で(削除)により実施可能と結論づけ、契約内容が実現しないリスクは増えないと結論づけた」

ノースロップ提示案は「コスト・価格双方で相当有利」なため空軍は最終的に同社案を採択したとGAOは結論。

GAOからはさらにボーイングによる不服申立てを酷評している。GAOは公式に同社不服を今年2月に却下した。ボーイングの主張では空軍はノースロップ案に潜むリスクを正しく評価セず、本来ならばノースロップ案を採択すべきではなかったと主張。GAO箱の主張に対し根拠が無いと反論。さらにボーイングから空軍が同社のコスト削減策を正当に評価せず、かわりに間違った過去データで提案内容を評価したと主張した。GAO箱の主張に対しても根拠なしと判定した。

ボーイングからは同社提案が不当に扱われたとの不服が出たが、同社提示価格も通常の新型機提案の価格水準を下回っていたとGAOは指摘している。ボーイング提示は近年の新型機案件では二番目に低い水準で、B-1、B-2やB-22より低く、唯一C-17だけyリ高い水準だkったとGAOは特記している。

「ノースロップ提案には構造上の利点が顕著である他、労務費面や社内投資相当分を吸収する決定があったことが結論に大きく響いた」とGAOはまとめた。「ノースロップが(低率初期生産)段階で大きく低い価格を提示したことでボーイング案では費用効果面出最良の結果は望めそうになくなり、ボーイングからコスト面の評価で先入観があるとの不服が出たが覆すことは不可能となった」

B-21の調達は二部に分かれる。EMD段階ではインセンティブ付きで実費プラス費用を対象とする契約内容であり、固定価格制度で初期生産分5ロットを賄う。空軍は100機調達予定であるが、機体価格上限を一機あたり550百万ドルと定めている。

「GAOによる裁定には選定評価の詳しい内容分析があり、B-21契約がノースロップ・グラマンに2015年10月に下った理由がわかり、空軍が慎重かつ統制のとれた過程を経て納税者に納得の行く裁量の価値を生む決定をしたことがわかる」と米空軍は報道官マイケル・ハーツォグ大尉が述べている。

ノースロップ広報のランディ・ベロートもGAOの結論で空軍が正しい決断をしたことが裏付けられたと述べた。「今回公表の資料では極秘部分や機微情報を削除した上でGAOが厳密かつ慎重に米空軍が行った異例の完璧を目指した選定過程を検証しており、最高性能にして負担できる価格帯の機体を選定したことがわかる」■


北朝鮮の動きに韓国は核武装に進むのか、目が離せない朝鮮半島情勢にもっと敏感になるべき日本


韓国がいろいろな意味で危険な状況に入りつつあります。さんざん嫌な目にあった日本ですが、今こそ安全保障の観点から韓国、朝鮮半島を注視し積極的に関与していくべきです。世界でここまで危険に溢れた地域の近隣に位置する日本は不幸とは言え、避けることのできない事情です。それにしてもオバマ政権が非核化を訴えた結果、歴史上まれに見る失態を北朝鮮で発生させ、しかも何もしないまま退陣するとすれば言うことばがありません。8年間が空転したと言われても仕方ありません。トランプ候補が日本、韓国の核武装を口にしてその時点では騒ぎとなりましたが、結果としてタブーではなくなりつつあるのは面白い事実です。偏見でしょうか。

The National Interest


Why North Korea's September Nuclear Test Is Different

South Korean missiles. Flickr/Creative Commons/Daniel Foster
Pyongyang may have completed its long and tumultuous path to nuclear missile development.
October 23, 2016

  1. それはあっけない展開で北朝鮮が核爆弾を点火し、米国がより強硬な制裁を求める。何度も繰り返される応酬には「緊急ニュース」と呼べるのか疑問が生まれているだろう。
  2. だが今回は事情が異なる。北朝鮮の最新の核実験は9月9日で広島型原爆を上回る威力と伝えられている。また同国の国営通信の発表では核兵器小型化に成功しミサイル搭載が可能となったとしている。真実ならば北朝鮮の核ミサイル配備に道が開けたことになる。
  3. さらに事態を悪化させるのが北朝鮮の核実験には別の憂慮すべき挑発行為が先行していたことだ。8月24日に同国は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験に成功し、飛翔性能1,000キロを実証したことで韓国、日本、及び域内米軍基地が射程に入る。さらに9月5日には新型地上発射式弾道ミサイル(GBLM)三発を日本海に向け発射している。うち少なくなとも一発はミサイル防衛を突破できる技術があり、韓国に配備予定の終末段階高高度広域防衛システムTHAADに対抗しようとしている。
  4. 総合すると、北朝鮮が三段階で挑戦していることがあきらかだ。それでも今のところ米国、韓国から引き出せたのは僅かな反応にすぎず、制裁強化と防衛協力の強化ぐらいだ。
  5. 北朝鮮の脅威の増加により米国もこれまでの「戦略的忍耐力」の継続だけではすまなくなってきた。これはオバマ政権が北朝鮮問題で採用した政策だ。反対に米国は三段階政策で対応を求めらている。北朝鮮による強硬策を食い止めるだけでなく、域内各国を巻き込んで行動させることだ。
  6. まず日本、韓国との3国間情報共有合意の強化があげられる。同合意は2014年12月に締結済みで、現在は北朝鮮のミサイルだけが対象となっている。日韓の緊張で内容は総合的になっていないが日韓関係が雪解けとなる一方で北朝鮮の脅威が増大する中で、3国間関係の拡大で時期が熟しており、2014年合意内容は拡大されよう。
  7. 第二にワシントンは韓国のミサイル防衛のみならずミサイル攻撃能力整備を前倒しで行うべきだ。THAAD配備が目前に迫り、韓国は多重的かつ実効性のあるミサイル防衛体制を整備しつつある。だが北朝鮮の兵力規模とミサイル技術の進歩を見るとTHAADだけでは不十分だ。韓国防衛の強化に加えてワシントンは韓国政府と協議の上、韓国の弾道ミサイル能力整備での制限を緩和し、北朝鮮への抑止力とすべきだ。
  8. 現時点で韓国の弾道ミサイル保有は射程800キロ未満でペイロード500キロまでに制限されている。(短距離ならペイロード増加は可能) 北朝鮮ミサイル施設は大多数が北部に集中しており、韓国が北朝鮮ミサイル脅威を無力化することは困難だ。そこで韓国の攻撃能力を引き上げれば北朝鮮には米国が韓国防衛に真剣であり、開戦となれば米側の勝利が確実だと理解させることになるはずだ。
  9. 三番目の方策は議論を呼ぶだろう。韓国内に米戦術核兵器を再配備させることだ。韓国では北朝鮮核実験の継続を見て、再び開戦の事態が生まれることへ懸念が増えている。そのため非核国家としての韓国で与党セヌリ党内に米核兵器の再配備を求める声が上がっている。1991年に一旦撤去されたが韓国には核兵器の国産開発を求める動きもある。今のところは核不拡散条約への違反や対米関係の悪化の可能性は韓国では真剣に議論されていない。ただし北朝鮮の動きを止めることができなければ、韓国としても国産核兵器開発の誘惑にかられ、結果として域内の安定が損なわれかねない。この防止策として韓国に戦術核兵器配備を提示する可能性がワシントンで真剣に検討されはじめている。
  10. 同じく重要なのは中国に与える意味だ。中国は北朝鮮の最重要同盟国で長年に渡り中国は北朝鮮の動きに積極対応をしない方策を取っており、決定的な制裁より政治解決の道を好んできた。戦術核兵器配備の話題が浮上すれば北朝鮮脅威が米政府にどれだけ真剣に写っているかが北京にも見えて取れ、中国から迅速対応が生まれ、北朝鮮の核脅威問題への関与が期待できるかもしれない。
  11. 詳細は別にしても、北朝鮮の挑発に対して米国に新戦略方針が必要なのは明らかだ。北朝鮮が好戦的態度を増し戦略兵力も整備している中で受け身姿勢のままでは許されない。ワシントンには平壌への対抗策が必要であり、域内同盟各国へは北朝鮮侵攻への防御体制を再保証する必要があるのだ。しかも早急に。■
Alexander Kim is a researcher at the American Foreign Policy Council in Washington, DC.
Image: South Korean missiles. Flickr/Creative Commons/Daniel Foster


2016年10月25日火曜日

米海軍>強襲揚陸艦ワスプの佐世保配備、F-35Bの岩国配備とセットで大幅に上がる海兵隊作戦能力


2017年は大きな変化の年になります。F-35Bの初の海外配備が岩国で、同機を運行できるワスプが佐世保に来る、これは中国への抑止力として大きな効果がある動きです。なんでも反対派・平和国家日本を願望する向きはF-35B、ワスプ双方に反対されるおつもりなのでしょうか。


USS Wasp to Japan Next Year in Support of Marine F-35B Squadron Next Year; USS Bonhomme Richard to San Diego

October 24, 2016 6:56 PM

Sailors celebrate the U.S. Navy's 241st birthday aboard the amphibious assault ship USS Wasp (LHD-1) on Oct. 12, 2016. US Navy Photo
米海軍発足241周年を艦上の人文字で示すUSSワスプ(LHD-1)乗組員。2016年10月j12日。US Navy Photo

米海軍は大型強襲揚陸艦USSワスプ(LHD-1)の母港をノーフォークから佐世保に来年変更することがわかった。

ワスプはUSSボナムリチャード(LHD-6)と交代し、前方配備部隊となる。なおボナムリチャードはサンディエゴを母港にする。


「USSワスプは改修工事を終えて海兵隊が運用するF-35B、短距離離陸垂直着陸機を運用できることで広範な作戦範囲が実現する」と米海軍艦隊司令部が発表。

An F-35B Lightning II takes off from the flight deck of the amphibious assault ship USS Wasp (LHD-1) on May 25, 2015. US Navy Photo
F-35BライトニングIIが強襲揚陸艦USSワスプから離陸する。2015年5月25日撮影。 US Navy Photo

今年始めに海兵隊から第211海兵戦闘攻撃飛行隊(VMFA-211)「グリーンナイツ」を岩国海兵隊航空基地に移動させ前方配備中の第31海兵遠征部隊(MEU)の支援に当たらせるとの発表があった。


「F-35B初の配備は西太平洋に展開中の第31MEUで17年秋になる」と第三海兵隊航空部隊司令官マイケル・ロッコ少将がUSNI Newsに今年5月語っていた。

「同地に飛行隊を移動させ、まず2017年1月に10機、さらに同年夏に6機追加し、秋に艦が使用可能となる」とワスプへの機材搭載を言及した。

ワスプの日本配備はこれで二回目となり、前回は戦闘システムの不備のためほぼ10年近く運用できなかった経緯がある。

そこで同艦の戦闘システム全体の改良が大幅に行われてきた。

「ワスプには戦闘システム装備一式の改良としてMK 2個艦防御システム、SPQ-9B水平線探査レーダー、MK 57NATOシースパロウミサイル、艦載LAN・データリンクの性能向上が実施ずみ」と報道発表にある。

Sam LaGrone

About Sam LaGrone

Sam LaGrone is the editor of USNI News. He was formerly the U.S. Maritime Correspondent for the Washington D.C. bureau of Jane’s Defence Weekly and Jane’s Navy International. He has covered legislation, acquisition and operations for the Sea Services and spent time underway with the U.S. Navy, U.S. Marine Corps and the Canadian Navy.