2021年8月29日日曜日

ブラッドレイ歩兵戦闘車両は攻撃力装甲防御力を向上し、米陸軍はこれからの戦闘でも大きな役割を期待し、敵IFVの駆逐を想定。

 

 

米陸軍はブラッドレイの残存性を高める改良を進めている。

 

M2ブラッドレイ歩兵戦闘車両は歩兵部隊隊員を戦場に輸送するのが任務だが、報道陣は戦車と誤解することが多い。軌道走行式で33トンの車重と装甲を施し、25mmブッシュマスター自動機関砲とTOW対戦車ミサイル発射機で武装しているため無理もないところか。

 

ただし、M2への批判派は火力性能が不足と見ている。機械化歩兵分隊は地形を縫い敵位置を偵察し、あるいは敵を待ち伏せし、防衛線を守る、あるいは敵を建物内から追い出すのが役目だ。

 

ただし、M2の歩兵輸送能力に制約がある。初期型では7名しか搭載できず、やっと9名を運べるよう改良されたにすぎない。となると機械化歩兵小隊の輸送にブラッドレイ4両必要となり、全員が一両に乗ることはできない。

 

M2およびM3ブラッドレイは1,800両近く供用中で米陸軍では二段階で性能改修を行い、ちょうど半分まで来ている。2018年1月にさらに上の性能を狙うM2A5改修の企画が生まれ、搭載兵員数を増やすべく車体の拡大と装甲を強化し、30mm機関砲の搭載を狙う。

 

陸軍の大型かつ強力な歩兵輸送車ブラッドレイはさらに大型化しそうだ。

 

M2A4 性能改修型

 

米陸軍ではブラッドレイが活躍する場面はM1エイブラムズ主力戦車より多い。イラク砂漠戦となった1990-1991年の湾岸戦争でブラッドレイはエイブラムズ以上の敵装甲車両を葬った。

 

敵の犠牲となったブラッドレイはわずか3両で、友軍の誤射で破壊されたほうが多い。だが、その後、長期化したイラクでの対戦闘員作戦中にブラッドレイ数十両の喪失が発生した。装甲防御で改良を受けていたにもかかわらずだ。そもそもブラッドレイでは地雷や即席爆発物(IED)への防御は優先度が低く、これより装甲が薄いストライカー装甲車両より被害事例が多くなっていた。

 

装甲改良とあわせセンサー機能の充実を図ったものの本格的な解決策にならなず、追加重量がエンジン負担につながり、電気系統に不足が生まれ、機動性が犠牲となってしまった。2012年からM2A4仕様への改良が始まり、現在も「技術改良提言」(ECP)を二段階で進めている。

 

このうちECP1がほぼ完了しており、ブラッドレイは設計時の車両性能を回復すべく、大型トーションバーと軌道改修を行い、サスペンションとショックアブソーバーを取り換えた。これにより車両の摩耗が減り、信頼性が高まり、地上クリアランスが増えIED爆発時の残存性が高まった。

 

 

ECP第二段階では電気系統の強化、パワートレインに従来より高出力の電気系統に対応した新型電力管理ソフトウェアを導入する。2018年開始予定だったが、ソフトウェアのバグつぶしと信頼性問題で開始が遅れた。ただし、改修後のブラッドレイは平均281マイルでの故障と想定した400マイルに満たない状態で、電力系の故障とトランスミッションオイル冷却が原因となっている。にもかかわらずECP2の実施は間もなく本格開始される。

 

ブラッドレイ改修でM3騎兵戦闘車両に近くなる。M3は装甲偵察任務に投入されている。M2A4仕様へ改修が終わった車両は従来より高い性能を発揮し、さらに上を狙うM2A5仕様への改修に近づく。

 

M2A5で車体大型化、砲塔が実現

 

M2A5では第三世代の前方監視赤外線(FLIR)センサー、レーザー照準器、カラー外部監視カメラで敵を長距離で捕捉することが可能となる。なお、エイブラムズ主力戦車の装備品と同時に改修を行う。

 

また、ブラッドレイの砲塔、車体がともに大きく変わる予想図が出ており、開発には4-5年かかるとするとの予測がツイッター上に出た。米陸軍は新型車両の開発及び部品調達に6億ドルを計上しているが、さらに増加するとみられる。ペンタゴンが砲塔と車体ともに対象とするかあるいは片方だけを選択するかは不明だ。

 

車体はストレッチして追加装甲の搭載、新型トランスミッション、さらに搭載人員を8名に追加する。車重は40トンへと一気に20パーセント増になる。改良で車内の隊員には従来の二倍から5倍の装甲防御が実現するという。

 

防御面の改良ではアクティブ防御装備(APS)があり、飛来するミサイルやロケット推進手りゅう弾に対抗する。エイブラムズ戦車ではトロフィーAPSが導入されているが、ブラッドレイではイスラエル製アイアンフィストをテスト中だ。

 

砲塔関連では25mm機関砲にかわり30mmのXM813ブッシュマスターII自動機関砲が搭載される。同装備はストライカー装輪歩兵輸送車両にも導入されている。一見、大幅改良に見えないが、30mm弾は25mm弾の二倍の大きさがあり、炸裂効果、装甲貫通効果がともに大きくなる。

 

射程が2マイル近くとなり、装甲貫通能力も30パーセント増えるとの観測がある。ブラッドレイは敵IFVの撃破で実力を発揮するはずで、シリア、イラク、ウクライナなどで存在感を増しているIFVによりよく対応できるようになる。さらに新型砲は空中炸裂へプログラム可能で遮蔽物背後に潜む敵部隊やヘリコプターにも有効に使える。ただし銃弾が大きくなるため、従来の300発搭載が180発に減る。とはいえ、ブッシュマスターIIでも毎分200発発射のまま、精度があがり、火力が増すため、同じ効果を得るため発射弾数は少なくてすむとする。

 

新型砲塔では車長、砲手双方の視野が広がり、イーサネットにより両名の動きが連携でき、レーザー照準器、航法装置の性能がともに上がる効果も期待できる。その他、「5.56mm制圧兵器」の遠隔制御機関銃が敵地上部隊から車両を防御するとの予想がある。

 

当然ながら車体拡大と砲塔の改良でブラッドレイに悪影響も出る。車重が増え操縦性が低下し、価格上昇で世界各地への展開も困難となる。とはいえ、陸軍としてはブラッドレイの残存性を高めるべくロケット推進手りゅう弾やIEDの脅威に悩まされたイラク、アフガニスタン戦訓を念頭に、同時に新型誘導対戦車ミサイルやIFVへの対抗も進めたいとしており、今後の超大国相手の戦闘も視野に入れている。より軽量な車輪走行式のストライカーAPCも新型砲・ミサイルが導入しつつあるが、ブラッドレイでは残存性を確保しつつ攻撃力を最も過酷な戦闘環境でも確保し、戦場に真っ先に投入するとしている。■

 

Could a Bradley Fighting Vehicle Take out a Tank?

by Sebastien Roblin

August 27, 2021  Topic: Bradley Vehicle  Region: Americas  Blog Brand: The Reboot  Tags: BradleyIFVInfantry Fighting VehicleTankArmorMilitaryTechnologyU.S. Army

 

 

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

This article first appeared in February 2018.

Image: Wikimedia Commons.


クアッド四か国海軍部隊のマラバール演習が8月26日スタート。第一段階はフィリピン海で特殊部隊も交え展開中。

 

US Indo-Pacific Command

 

 

ーストラリア、日本、インド、米国が8月26日マラバール2021演習の第一段階をフィリピン海で開始した。

 

マラバールは毎年開催されている海洋演習で、高度の戦術作戦立案能力、訓練能力、配備能力を王立オーストラリア海軍(RAN)、インド海軍(IN)、海上自衛隊(JMSDF)、米海軍の間で磨くもので志を共有する各国で法の支配を基礎におくインド太平洋秩序を維持が目的だ。

 

今年度の演習は米海軍が主宰し、二段階に分かれる。まず四か国でフィリピン海を舞台に合同海軍運用、対潜戦、防空演習、実弾火砲発射、海上補給活動、相互航空運用、海上阻止行動を訓練する。

 

今年の演習では海軍特殊戦部隊が第一段階に加わり、非正規海上脅威への対応とともに通常の海軍部隊との共同運用技術を高める。

 

「マラバール21は多国間訓練で戦闘技術を磨き、海上保安の技能を高める優れた機会だ。

「米海軍の駆逐艦部隊は各国部隊とともに地域安全保障と安定の基礎を形成し、インド太平洋の各国が恩恵を得るのを助ける」(CTF71司令チャールズ・サージャント大佐)

 

米海軍からは第一段階で太平洋艦隊の対潜艦トップのアーレイ・バーク級駆逐艦USSバリー(DDG 52)以下絵画運特殊戦部隊、海上警備偵察機材、海上輸送司令部(MSC)隷下のヘンリー・J・カイザー級給油補給艦USNSラパハノック (T-AO 204)が加わる。

 

インド海軍からはシバリク級多用途ステルスフリゲート艦INSシバリク(F 47)、カモルタ級対潜コルベットINSカドマット(P 29)が加わり、海上自衛隊はいずも級多用途駆逐艦JSかが(DDH 184)、むらさめ級駆逐艦JSむらさめ(DD 101)、JSしらぬい(DD 120)が、オーストラリアはアンザック級フリゲートHMASワラモンガ(FFH 152)を派遣する。航空機ではインド海軍のP-8、海上自衛隊がP-1、米海軍のP-8Aが加わる。

 

オーストラリア、インド、日本、米国の各海軍部隊はこれまでも定期的にインド太平洋で演習を行っており、悪意ある影響に対抗し域内の安全と安定のため協力を強めている。■

 


Australia, India, Japan, and US Kick-off Exercise MALABAR 2021

Naval News Staff  27 Aug 2021

     By Commander, Task Force 71 Public Affairs


2021年8月28日土曜日

バイデンも覆せなかったトランプの遺産F-15EX。イーグルIIは戦術機材の中でどう位置づけられるのか。最終生産規模が見えてこないが、ボーイングは今後も事業量を確保している。

 

F-15EX rendering

Boeing illustration

 

主党のジョー・バイデン大統領は就任にあたり、先任大統領の決定多数を覆すと誓っていたが、共和党のドナルド・トランプ大統領時代に始まったたF-15EX調達は全面的に進展している。

 

Tealグループ副社長のリチャード・アブラフィアは「トランプの置き土産がF-15調達の復活だ」と述べる。

 

イーグルIIの名称がついたEX型はC型の後継機種の位置づけだが最終調達規模はまだ見えてこない。

 

ボーイングは空軍から12億ドルでロット1契約の交付を昨年受けた。さらに期限機数を特定しない229億ドル契約もある。空軍はこの契約で最大200機調達に向かうとボーイングは解説している。

 

イーグルIIにはフライバイワイヤ機体制御、高性能コックピット装備、BAEシステムズ製AN/ALQ-250イーグルパッシブアクティブ警告生存装備を電子戦に備え搭載している。

 

特に兵装搭載量が大幅強化され、全長22フィート重量7千ポンドの極超音速ミサイルも運用可能となった。ボーイングは高度50千フィートでマッハ2飛行可能とする。

 

同機はペンタゴンがめざすDevSecOps構想の先駆けとなる。これはソフトウェアのアジャイル開発を目指し、オープンミッションシステム想定の機体構成とデジタルエンジニアリングがあいまって従来より迅速かつ平易に性能改修が実現できたとボーイングは説明している。

 

空軍は同機にスカイボーグ事業で開発する無人ウィングマンをつける予定だ。「スカイボーグ担当部門とは毎週ミーティングを行っており、こちらには短期での実証実現を求めてきた」「有人無人機のチームとしてF-15EXがまずこれを実現する」とボーイングは説明。

 

 

トランプ政権が同機の調達を求めたのは2020年度からである。空軍上層部には第五世代機調達に集中したいとの意向があったが、その後イーグルII調達を求める意見に変わった。

 

議会は2020年度8機、2021年度12機の調達予算を承認した。バイデン政権の2022年度予算では12機を上乗せするとある。

 

ボーイングは政権交代があったが同機調達の方向に変化がなかったことに驚く様子がない。

 

「最初はトランプの事業だとしていたが、政争とは無関係にあくまでも要求性能の実現をめざしDoDは検討してきた」ことでペンタゴンは同機調達に進んだとボーイングは見ている。

 

「空軍からは老朽化したF-15Cの代わりが欲しい。迅速かつ運営する州軍航空隊が機種変更の際に実効性を犠牲にしない形で進めたい....しかも早く入手したい。ボーイングはどこまで迅速かつ負担可能な価格を実現できるのか」と聞かれたという。

 

アナリストのヘザー・ペニーは空軍退役中将デイヴィッド・デプチュラとミッチェル研究所レポートでボーイングが「要求性能の実現に全くの新型機を提案せず、一種の賭けをした」と記している。

 

同レポートはF-15EX採用を間違った決断とし、ハイエンド戦では生き残れない機体とする。ステルス性能がないからだ。だがボーイングは賭けに勝った。

 

「当社はこの事業に相当の額をつぎ込んでいる。自信がなければこんなことはしない」とボーイング副社長プラット・クマールは述べている。

 

主要議員の間ではイーグルIIへの関心が高い。上院軍事委員会の2022年度国防予算認可法案が7月にまとまったが、バイデン政権が求めた12機にとどまらず、さらに5機調達を認めている。

 

F-15EX契約の成立はボーイングに単なる朗報以上の結果を生んだ。

 

「戦闘機製造は巨大事業です」とクマールは述べ、F-15事業で契約企業400社が全米42州にまたがると述べた。

 

「サプライチェーンに55千名が雇用されており、それぞれの技術基盤を維持し次の事業に活用することが重要なのは単にボーイングのみの問題ではなく、各社にも大切な意味があります」「この技能基盤を喪失すれば、次の事業へのつなぎがなくなります」

 

またボーイングは機体整備事業も伸ばせす効果が生まれた。

 

サターフィールドからはF-15用の支援装備は93パーセントが互換性があり、供用可能な状態にあるとし、旧型から新型への機種展開が楽になったと述べている。

 

「完全新型機ではなくボーイングはF-15系列の供用を選択し、F-15EXが生まれた」とミッチェル研究所報告書にある。「これによりボーイングはごくわずかなコストで長期にわたる機体維持事業の収益を期待できることになった」

 

事業では今年大きな成果を達成した。2月に初号機がボーイングのセントルイス工場で完成し、3月に空軍がエグリン空軍基地でテストを開始した。同社は2号機も製造済みで三号機の生産が始まったところだ。ロット1の残る機材は2023年はじめまでに納入される。

 

ロット1に続きロット2生産が始まるが、「海外発注分の機材も同時に生産する必要があります」とクマールは述べている。

 

ボーイングは今後の需要に応えるべく、生産能力を月産2機に引き上げ、月産3機もオプションとするとクマールは説明。

 

F-15EXは現在生産中の機材で最先端性能を有するカタール向け仕様をもとにしており、10点ある重要技術のすべてが成熟化済みとの政府評価もある。低率初期生産は2022年3月から開始の予定だ。

 

「F-15EXは既存生産ラインを活用することもあり、製造リスクは低いとの評価が出ている」と報告書にあり、「製造工程は実証ずみ」ともある。量産型への設計変更の可能性も低いとの評価も出ている。

 

2021年時点のF-15EXの単純製造価格は88百万ドルほどと空軍の予算書類にある。クマールはロット1機材では臨時コストを除けば一機80百万ドルを割り込むとする。「今後さらに下がるのは間違いない」

 

F-15EXのアピールポイントの中心に運用維持コストがあり、フライト時間あたり運用費を29千ドルと想定しており、F-35Aは33千ドルだ。

 

イーグルIIはじめ四機種を米空軍は2030年時点の使用機材と位置付けているが、空軍が最終的にイーグルIIを何機調達するのだろうか。

 

議会調査局は「F-15EXはつなぎ調達から本格的防衛装備品調達に変わる予想がある。調達事業ベースラインで調達規模が明示されよう」としている。

 

国防総省では戦術機構成について検討を進めており、コスト評価事業評価(CAPE)の部長代行ジョセフ・ノエリアが下院軍事委員会で7月に以下述べていた。

 

「CAPEでは戦術機材の調達価格を中心に性能面のトレードオフを検討しています」「統合参謀本部が戦闘部隊司令部と調整のうえ、将来の戦闘で戦術機をどのように活用すべきかを検討しています」

 

空軍は近未来から中未来を想定した戦術機の投入案を海軍と検討中だ。

 

こうした検討結果がバイデン政権による国防戦略構想、さらに2023年度予算要求に加え今後の防衛事業に反映されると述べた。

 

「議会ではF-15EX事業予算をどこまで計上すべきかについて空軍やDoDのその他優先事業とのからみで検討している」とCRS報告書にもある。

 

こうした決断では以下の疑問に答える必要がある。F-35Aの予定調達規模の実現にペンタゴンはどこまで真剣なのか。F-15の機材更新は空軍がめざす386個飛行隊構想に合致するのか。戦術航空機メーカーの維持はどこまで国益につながるのか。超大国相手の国防戦略にF-15EXはどこまで合致しているのか。

 

調達の行方を左右しかねないのは無人機だ。

 

「F-15EXに求めるニーズがとこまで無人機で実現するか」と同上報告書は指摘している。■

 

Trump's F-15EX Legacy Lives On in Biden Administration

8/20/2021

By Jon Harper

 

速報 米軍がアフガニスタンのISIS-Kに報復攻撃を実施

  • ISIS-K DRONE STRIKE

USAF

 

ハミド・カルザイ国際空港アビーゲートの自爆攻撃で米軍隊員13名および多数の民間人が殺害されたのをうけ、米中央軍は無人機によりISIS-Kの「パートナー」一名を殺害したと発表した。無人機攻撃が行われたのはナンガハール地方でバイデン大統領が襲撃事件に関与した者への懲罰を公約した翌日のことになった。

 

米中央軍の発表内容を伝える。

 

「米軍部隊がISIS-Kの襲撃立案者を水平線越えで対テロ攻撃した。無人機による空爆がアフガニスタンのナンガハール地方でおこなわれ、初期評価では標的は死亡していることが判明した。民間人の死傷は発生していない」

 

今回殺害した立案者が空港襲撃事件等の立案にも携わっていたのかは不明だし、別の首謀者がいたのかもしれない。また襲撃事件に関与したのが何人だったのかも不明だ。とはいえ、今回の攻撃はバイデンが公約したISIS-K対応で具体的な行動につながったものだ。

 

声明文では「地平線越え」の作戦だったとあり、攻撃に投入した機体はアフガニスタン国外から運用されたことがわかる。この戦術はアフガニスタン撤退後にバイデン政権が活用する構想だが、米国のアフガニスタン完全撤収前に実行されたことに注目する。一部にはテロ活動を引き起こすのではと実施に慎重な動きもあった。

 

攻撃対象が空港襲撃事件の首謀者ではなかった可能性もあるが、今後もこうした攻撃が続きそうだ。


 America Strikes Backs At ISIS-K In Afghanistan


U.S. Executes Revenge Drone Strike On ISIS-K "Planner" In Afghanistan (Updated)

The operation comes just a day after President Biden vowed to make the terror group pay for its heinous suicide bombing at Kabul's Airport.


BY TYLER ROGOWAY AUGUST 27, 2021

055型大型駆逐艦の日本海入りは軍国主義日本への警告...特異な中国共産党の思考。各艦の動きを淡々と監視中の防衛省は頼もしい。

 ご注意 以下は中国共産党の見解を伝える環球時報英語版記事をもとにしています。記事をそのまま転載すると中国の情報戦に加担することになりますのでご注意ください。

   

Photo taken on Jan. 12, 2020 shows the ceremony of the commissioning of the Nanchang, China's first Type 055 guided-missile destroyer, in the port city of Qingdao, east China's Shandong Province. The commission of Nanchang marks the Navy's leap from the third generation to the fourth generation of destroyers, according to a statement from the Navy. (Photo by Li Tang/Xinhua)

2020年1月の南昌就役式典時の写真。055型誘導ミサイル駆逐艦の一号艦となり、山東省青島で行われた。(Photo by Li Tang/Xinhua)

 

 

民解放軍海軍(PLAN)が055型大型駆逐艦以下の強力な艦艇部隊を日本海に展開sている。今年二回目となり、今回は日本の右翼勢力軍国主義者への警告メッセージだと中国軍事専門家は解説している。直前に有力政治家が第二次大戦戦犯を祀る靖国神社を参拝しており、政府は防衛白書を公表し台湾島及び釣魚諸島に関する記述で中国を挑発していた。

 

055型大型駆逐艦の就航が増えており、今回のような航海はこれから増えると軍事アナリスト筋は見ている。

 

海上自衛隊がPLA海軍部隊を発見し、055型誘導ミサイル駆逐艦南昌、052D型誘導ミサイル駆逐艦貴陽、903A型補給艦の三隻が対馬海峡から日本海に入ったのが8月22日だったと防衛省統合幕僚部が23日に発表している。中国からの情報発表はない。

 

055型大型駆逐艦が日本海に入るのは今回が二回目だ。初回は今年3月で南昌が同じような航路で052D誘導ミサイル駆逐艦成都と054A型誘導ミサイルフリゲート艦大慶を伴っていたと日本側防衛筋が明らかにした。日本海進入は3月18日で、日本海から退出したのは3月25日と、周航は8日間に及んだ。

 

日本海での演習で各艦は本国から離れた地点での共同戦闘力を高めることができる。

 

PLANは艦種を替え戦術を試しているようで、今回は903A型大型補給艦を加え遠隔地運用を想定し、前回より長期展開になると中国軍事筋は24日に解説している。

 

日本海入り二回目となった今回の航海は今後こうした訓練が恒常的に展開することを意味していると上記専門家は指摘し、PLANが055型の2番艦、3番艦のラサ、大連が今年就航済みでさらに建造が続いている。

 

ご注意 以下は中国共産党の見解を伝える環球時報英語版記事をもとにしています。記事をそのまま転載すると中国の情報戦に加担することになりますのでご注意ください。

 

PLAN部隊の日本海入り前の8月15日に菅義偉首相は靖国神社に玉串料を奉納した。その他の有力日本政治家が同神社を参拝しており、最新の防衛白書では台湾島の安定が日本に重要とし、釣魚諸島の状況を喧伝している。

 

中国専門家は日本の政治家には第二次大戦の歴史認識が足りないとし、中国軍が戦力を誇示するのは日本の右翼勢力や軍国主義者の動きを止めるための警告にもなると指摘。

 

満載排水量が12千トン近くになる055型は全長180メートルで垂直発射管122門で対空ミサイル、対艦ミサイル、対地攻撃ミサイルや対潜ミサイルを適宜発射可能だ。また良好な状況認識能力しており、世界最強の艦だと解説する向きがある。

 

055型の建造は合計8隻といわれ、3隻が供用を開始している。南昌はこのうち最初の就役を2020年1月に実現した。就役済み三隻では南昌とラサが北方方面司令部海軍に、大連はPLA南方方面隊に配属されている。■

 

Type 055 large destroyer enters Sea of Japan, 'sends warning to militarists'

Voyage 'sends warning to militarists' following Yasukuni Shrine visits

By Liu Xuanzun

Published: Aug 24, 2021 09:48 PM

 

靖国神社を軍国主義復活の象徴とし、小艦隊の日本海航行の正当化にこじつけるなどいかにも共産党の思考方法を反映していますね。日本海は公海なので、どこの国の軍艦が航行してもおかしくないのです。また宗谷海峡も国際海峡ですから同じです。日本としては毅然とした態度を保てばよいわけで、ガキ大将のような中国の行動を冷静に見ていきましょう。

 

防衛省統合幕僚監部は三隻ではなく、情報収集艦含む四隻とし、宗谷海峡を東進したと8月25日に報道発表しています。以下統合幕僚監部発表写真です。

 

 


2021年8月27日金曜日

速報 カブール空港襲撃事件はISIS-Kの仕業。カブール空港撤収作戦の最終段階で保安体制に懸念。自衛隊の邦人等脱出にどんな影響が出る?

 Injured people being carried to a hospital after explosions outside Hamid Karzai International Airport in Kabul, Afghanistan, on August 26, 2021.

ハリド・カルザイ国際空港付近で発生した爆発の被害者が病院へ搬送された。August 26, 2021. ANADOLU AGENCY VIA GETTY IMAGES / SAYED KHODAIBERDI SADAT

  •  

8月26日ハミド・カルザイ国際空港襲撃事件で米軍に12名死亡15名負傷の被害が発生した。

 

ペンタゴンは自爆攻撃とし、アビー検問所の外側とすぐそばのバロンホテルで爆発が二回あった。

 

中央軍司令官の海兵隊フランク・マッケンジー大将は米軍隊員に死傷者が発生したと認め、「人員面の被害規模は調査中で全体を把握できていない」と述べた。

 

死亡した12名のうち11名は海兵隊員、一名は海軍所属で空港へ入ろうとする避難民の選別を行っているところで爆発が発生したとマッケンジーがペンタゴン記者団に中東からリモートで述べた。

 

襲撃ではISIS戦闘員一名も銃撃を加えたと同大将は述べ、ゲートでの爆発で「空港内の駐屯地への被害はなかった」とした。

 

マッケンジー大将は今回の襲撃を多重攻撃と表現した。「ISIS-Kの脅威が今回現実になってしまった。こうした襲撃は今後も続くとみている。考えられる対策をすべて取っている。タリバンが空港の外縁部警備にあたっており、必要な防護措置を取ると当方に連絡してきた」

 

マッケンジーは現時点の推測として自爆テロ要員はタリバン検問所を通過し米軍が空港に入ろうとする避難民をチェックする中に紛れ込んだとする。

 

タリバンは空港へ向かう群衆のチェックを行っているが、「チェックがうまくいく場合といかない場合がある」とし、米軍もチェック機能を改善していることを強調した。

 

マッケンジー大将は米軍が「ひきょうな」攻撃の主犯を探し出し、反応の「準備ができている」と述べた。

 

カブールに展開する米軍部隊には自衛能力があるとし、AH-64攻撃ヘリコプター、MQ-9無人機が同空港を拠点に飛行し、F-15やAC-130ガンシップが周辺部の警戒にあたり、対ロケット弾・迫撃砲弾装備も配備済みと述べた。またトラックによる襲撃も入口で阻止する体制にあり、タリバンには保安体制の強化や近隣道路の閉鎖を要請しているとも述べた。

 

また、航空機への射撃が発生したと認めた。「わが方の航空機に時折射撃が加えられているが被害は皆無だ。軍用機には自衛用装備があるが、チャーター機などが脆弱だ」

 

「切れ目なく航空機を離発着させることが最重要事項だ。一機で450名もの避難民が乗っており、ISISが狙っている」

 

今回の襲撃事件の数時間前に米大使館から残留米国人に緊急連絡があり、空港検問ゲートに近づかないよう求めていた。また英国からもゲート付近の群衆がイラク-シリア-コラサンのイスラム国(ISIS-K)の標的になっているとの警告も出ていた。

 

カブール撤収作戦は急速に最終段階に入りつつあり、8月26日時点で陸軍海兵隊部隊5千名近くが展開していた。カブール空港内には5千名近くの避難民が残っており、マッケンジー大将は「空港外へ退去させる」としている。

 

大規模空輸作戦で8月26日時点で計104千名の米国人等を移送させた。

 

まだ1千名の米国人が国内に残るが全員が国外脱出を希望しているわけではないとマッケンジーは述べた。

 

マッケンジー大将は米軍部隊によるカブール空港入り口での避難民選別作業を賞賛し,「避難民の息がかかるほど密で危険な作業だが着実にこなしている」とした。

 

ロイド・オースティン国防長官はツイッターで「テロリストは自爆したが、その瞬間も米軍隊員は他者の生命を救おうとしていた。その損失を悔やむ。負傷した隊員を救う。また深い悲しみにある隊員の家族を支える。だからと言って進行中の任務を放棄するわけにいかない」と述べた。


同日に空港敷地内で別の爆発もあったが、これは米軍による「制御爆発」で撤収の準備作業だったと国防関係者が同日遅く解説している。■


11 Marines, 1 Sailor Killed in Terrorist Attack at Kabul Airport

Service members were securing one of the last gates open for Afghans, Americans to escape.

By TARA COPP and ELIZABETH HOWE

AUGUST 26, 2021 03:44 PM ET


米軍の死傷者には言及があってもアフガニスタン人の被害に触れていないのが気になります。米軍はタリバンと意思疎通があり、役割分担をしている様子がわかります。さて、自衛隊機はカブールに到着しましたが、対象となる日本人等が一人も空港に到達できておらず空のままパキスタンに戻ったようです。現行法では空港外での自衛隊の活動はできないようです。一人も脱出させられないのであれば、作戦が失敗したことになり、揚げ足を取る向きが出てくるでしょう。むしろ、軍隊として機能できない制約を受けている自衛隊の地位を替えるべく憲法改正に向かわなければならないのですが。