2020年1月12日に青島港で開かれた055型誘導ミサイル駆逐艦一号艦南昌の就役式典。中国海軍は南昌は中国駆逐艦が第三世代から第四世代に飛躍する重要な一歩と伝えた。 (Photo by Li Tang/Xinhua)
(以下は環球時報が伝えた内容です)
人民解放軍海軍(PLAN)の055型大型駆逐艦含む艦艇部隊が3月18日、対馬海峡を通過し、日本海に入った。米日両国が「2プラス2」共同宣言で中国を大きく挑発した数日後となった。
今回の運用は通常の訓練として実施され、055型の戦闘対応を遠海域で実証し、防空、対潜任務も訓練する。
日本の海上自衛隊がPLAN部隊三隻を発見し、055型誘導ミサイル駆逐艦南昌、052D型誘導ミサイル駆逐艦成都、054型誘導ミサイルフリゲート艦大慶が対馬海峡を通行し、日本海に入るのを木曜日に確認し、防衛省統合幕僚監部が翌日発表した。発表では海自が055型駆逐艦を視認したのは今回が初とある。現時点で中国から公式発表は出ていない。
日本海進出で055型に遠海部航行能力がついたことはPLANにとって大きな進展と、中国軍事評論家Song Zhongpingは環球時報に語った。
PLAN部隊が日本の別の海峡を通行し西太平洋に進入するか注目される。
055型は空母に随行し、中国がめざす遠距離展開戦闘任務部隊の編成で重要な存在となるといわれる。
「2プラス2」会合では中国の「強圧的かつ不安定をもたらす行為」に警戒する発表が出たが、いわゆる中国の行為とは中国の国家主権の延長である、または中核的権益にかかわるものであり、摩擦の大部分は米国あるいはその同盟国の挑発行動が原因だと専門家は指摘している。
同上のSongは今回の航海は通常の形と繰り返し、訓練は日本や米国を意識したものではなく、日米両国は中国を仮想敵国とみているため警戒心を隠せないと解説した。
PLANは遠隔地での戦闘能力を増強し、主権を守り、不確実・不安定な世界情勢の中で米国主導のもと一部国による脅威から国家権益や開発権益を守る必要がある、とSongは続けた。
最大排水量が12,000トンに届く055型は誘導ミサイル駆逐艦で全長180メートル、全幅22メートルで垂直ミサイル発射112セルで対空ミサイル、対艦ミサイル、対地攻撃ミサイル、対潜ミサイルを自由に発射できる。また、強力な探知能力を有すると伝えられる。055型は世界有数の威力を誇る艦艇とされる。
055型は合計8隻が建造され、うち2隻が就役ずみだ。一号艦が南昌で、2020年1月12日に、二号艦拉薩(ラサ)は2021年初頭に就役した。■
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PLA's Type 055 destroyer enters Sea of Japan for 1st time
By Liu Xuanzun
Published: Mar 19, 2021 11:12 PM
(ご参考 統合幕僚監部が3月19日に公表した今回の中国部隊の各艦艇写真)
今回の中国海軍(PLAN)艦艇の日本海派遣は前もって計画されたものでなく、急遽、行き先を日本海に向けた可能性が高いのではなかろうか。
返信削除3隻の艦隊で最も航続距離が短いのはフリゲートであり、行動半径は3,000km程度であり、補給艦の随伴無しに日本周回は困難だろう。もちろん、補給艦は別行動かもしれないが、防衛省で補給艦の情報はなかった。
また、055型駆逐艦の派遣も意外である。今回の航海により、この新鋭の駆逐艦の様々な情報を取得できる機会を与えてくれたことになる。
このように考えると、日米2+2協議で、中国を名指しで非難したCCPの衝撃の大きさが推測できるだろう。また、その後の米中高官協議での中国側の威圧的な米国非難の伏線でもあるだろう。
お粗末なPLAN艦艇派遣による日本への威嚇は、逆にCCP/PLAの狼狽えぶりを示しているのかもしれない。
追伸
削除最近の様々なメディア報道で3月18日の米中外相会談での中国側外交担当者、楊と王の米国に対する挑戦的な態度が異例と報じているが、これは根本的な間違いか、理解不足である。
中国での外交担当者の地位は驚くほど低く、楊は常務委員でなく25人の政治局員の一人、王は200人以上の中央委員の一人でしかない。
このように高い地位でないものが、他国と対立する状況を生み出せるはずがなく、それを個人で行えば、即落馬するだろう。
つまり、米中対立は習の指示によるものと考えるべきです。