米空軍はサウスダコタ州のエルスワース空軍基地内にB-21爆撃機用の臨時シェルターを構築した。同基地はB-21の試験評価に使われ、B-21運用基地の知見を集める目的がある。空軍の報道資料写真から同機の外寸が推定できる。B-21の寸法等はこれまで一切公表されていない。
写真からエルスワース基地内に完成した臨時シェルターの全体像がわかる。シェルターの横にはフォードF-150あるいはシェヴィ・シルバラードと思しき車輛がある。両型車とも全長20フィートほどだ。コンクリートの区切り線も20フィートほどなのでシェルターの全長は150フィートほどで、奥行き80フィートとわかる。空軍は報道資料でシェルターが機体全体を覆うと発表している。
B-2爆撃機が翼幅172フィート、全長約70フィートである。B-2用の臨時シェルターは空気膨張式で250フィートx126フィートの大きさがあり、余裕をもたせている。
こうした数字からB-21は翼幅約140フィート、全長50フィート程度だろう。
Graphics: Dash Parham/staff; Illustration: Mike Tsukamoto/staff
空軍からはシェルター外寸についてコメントはまだない。シェルターは格納庫外での機体作業を容易にし、機体を守りながら、飛行を迅速に開始する意義がある。
また太陽の紫外線から機体を守り、長期間供用を可能にする意義もある。積雪があっても解氷作業を省略できる。格納庫への移動を減らす効果も期待される。
重整備作業は格納庫内で行うが、B-21レイダーでは通常の保守整備はフライトラインでも実施可能な設計になっている。
今回のシェルターは完成形ではなく、実地使用で適なシェリター形状を今後決定していくという。B-21はエルスワースの他、ホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)、ダイエス空軍基地(テキサス州)にも配備されるが、シェルターのテストにエルスワースが選ばれたのは、同基地の天候条件が基地3箇所で最も過酷なためだ。
B-2スピリット各機に専用格納庫がホワイトマン基地にあり、空軍は膨張式シェルターも同基地に配備している。ディエゴ・ガルシア、グアムでも同様で、B-2の低視認性を実現する機体表面は必要に応じ展開中でも補修する体制ができている。B-21がB-2より小型になると、B-2用シェルターもそのままB-21に使えるはずだ。
B-21統合システム室は空軍の迅速性能室(RCO)内のB-21事業室と連携し、運用部隊と調達部門の密接な協同作業を目指していくと空軍は述べている。
RCO室長のランドール・G・ウォルデンはAir Force Magazine取材でB-21爆撃機の整備部門は設計開発部門からあらゆる面で参加しており、機体が円滑に運用開始できる体制にあると述べている。
「技術製造開発段階を通じ、整備部門要員が設計内容の決定に加わっており、同機配備が始まっても技術問題が発生しないよう今から対応している」とB-21システム事業調達を透過するジェイソン・ヴーテイス大佐が発言し、「設計段階で機体の整備、維持上の要求内容を反映している」という。
ダイエス、エルスワース、ホワイトマンの各基地がB-21の配備先に選定されたが、今夏まで正式な配備基地は発表されない。環境影響研究結果が出ていないためだ。が、各基地は現時点も爆撃機の運用基地になっており、支障を与える新要素が出るとは思われない。エルスワースが真っ先にB-21の初飛行隊の本拠地になり、次の飛行隊はダイエスに配備される。空軍は各基地所属のB-1爆撃機の一部で退役を開始したところだ。■
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B-21 Bomber Shelter May Reveal Size of Secret Jet
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March 3, 2021 | By John A. Tirpak
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