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核、ミサイルより怖い北朝鮮崩壊に備えよ。崩壊プロセスは既に始まっている。

  


もが憎悪する「隠者の王国」たる北朝鮮の行方は現時点では見えない。北朝鮮、またの名を朝鮮民主主義人民共和国は究極のパンドラの箱であり、歴代大統領にとって最悪の悪夢だ。化学兵器、生物兵器、ミサイルで世界に脅威を与え、今や米国も照準に入れてきた。北朝鮮は世界の注目をどうしたら集められるか熟知しており、北東アジアを核兵器実験で振り回してきた。

 

北朝鮮の核装備は大きな話題だというものの、世界はもっと大事な話題に気づいていない。いつの日か、国内騒擾で、あるいは経済破綻で、または戦争で北朝鮮が崩壊したらどうなるか。肥満体の悪漢金正恩が率いる同国を正常の国家に転換させ、洗脳され奴隷同様の扱いを受ける国民数千万に通常の生活を与えるため、資金投入が数兆ドル規模必要だろう。

 

2013年にRANDコーポレーションの報告書がこの問題を取り上げており、ここにきて再度取り上げるのが妥当と判断する。著者ブルース・ベネットは背筋も凍るシナリオを展開し、米国が同盟国とともに備えてるべき事態に触れている。以下、同報告書から5点をとりあげ、論評を加えたい。

 

1. 北朝鮮はどんな形態で崩壊するのか

 

「金正恩体制はどんな状況で崩壊するのか。二つの形があり得る。政権崩壊と統治体制の崩壊だ。政権崩壊では金一族が放逐され新指導者が北朝鮮を支配する。軍内部から指導者が出る可能性が高い。この場合は、国内統治の仕組み、組織はおおむね機能し続けるが、一時的にせよ現体制放逐で混乱が生じるだろう。新指導者は政府内で粛清を断行し、旧政府色の強い関係者を追放し忠実を誓う者に交代させるだろう」

 

だが、次のシナリオはもっと怖い。

 

「もうひとつの崩壊は統治体制の崩壊だ。この場合、金一族の支配は機能不全となるか、放逐される。その後を継ぐ個人・集団が登場しないと、中央政府が成立しない。可能性がもっとも高いのは派閥の登場で、それぞれ国内を部分的に支配しようとするが、支配地域でも統制力が弱い状況が生まれる。中央政府機能の大部分が喪失し、統制が利かなくなる。

 

「政権崩壊が統治体制崩壊につながる可能性に要注意だ。崩壊は過程であり結果でもある。北朝鮮はともに未経験だ。とはいえ、崩壊の過程がすでに始まった兆しがある。このため金政権は『崩壊あるいは消失しつつある独裁体制』に区分するのが最も妥当だ」」

 

2. 内戦勃発

 

「北朝鮮国内の内戦でWMDを使うと韓国への影響は避けられず、深刻な被害が発生する。統制が取れなくなった部隊が重火器や特殊部隊で韓国を報復的に攻撃し、核兵器や化学兵器も投入するかもしれない。絶望的になり韓国攻撃に踏み切る内部勢力があらわれかねない。韓国都市部への弾道ミサイル攻撃で核弾頭や化学兵器を投入すれば韓国国内広範囲に被害が広がる。物的損害で韓国の経済と社会は大きく影響を受ける。この結果、韓国は再統一に一層困難を感じる。韓国の視点から最悪の結果は朝鮮半島全域が不安定地域になることで、犯罪行為や騒擾状態が蔓延すれば、韓国の統治機能も損なわれ、対応不能となる」

 

3. 介入で状況は悪化する

 

「中国が介入すれば再統一はさらに遠のく。韓国、米国、中国の各国部隊が進駐し、米韓軍と中国軍で武力衝突が発生する。その結果、朝鮮半島再統一に暗雲が立ちはだかる」

 

4. 大飢餓

 

「北朝鮮は今でさえ食料供給が十分でない。統治体制が崩壊すれば同国は飢餓に突入するのは確実だ。食品価格は急上昇し、資金に余裕があるものが食料を確保しようと必死になる。食料が消えれば、軍その他武装組織が食料強奪を図り、ただでさえ少ない備蓄がさらに減る。人道援助機関も治安状況の悪化で活動を減少し、関係者の安全が確保できなくなれば活動停止する。今でさえ乏しい国民向け食品供給が飢餓線以下になる」

 

5.国土再建、再統一のコストが膨れ上がる

 

「再統一費用は現時点でも巨額になるとの見方が一般的だ。財政コストだけでも数兆ドル規模になる。とくに崩壊後に再統一した場合の直近五年間があるが、その後も数十年間にわたり巨額資金が必要となる」

「韓国政府の年間予算は2,500億ドル程度だが、再統一費用が2兆ドル(軍事作戦に5,000億ドル、南北で発生した損害の復旧に5,000億ドル、北国内の経済開発に1兆ドル)とすると、政府予算8年分に相当する。再統一費用を10年間負担すれば、韓国政府は予算を急増する必要があり、増税は避けられず、韓国国民は不満をためる。ただし、この試算には人道援助や衛生状態の対策費は入っていない」

 

こうしてみると、北朝鮮がはらむ危険は核兵器にとどまらないのは明白だ。北朝鮮崩壊、または再統一が現実になれば米国やアジア域内同盟国には大きな負担と課題となる。歴史は独裁体制の永続はありえないことを示す。このため、DPRK関連報道ではミサイルや核兵器の見出しに振り回されず、上記報告書 https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR331.html

を読むべきだ。■

 

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The Real North Korea Problem Isn't Missiles or Nukes (But a Collapse)

March 7, 2017  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: WorldU.S.North KoreaMilitaryTechnologyKim Jong-un

by Harry J. Kazianis 

 

Harry Kazianis is Director of Defense Studies at the Center for the National Interest and Executive Editor of The National Interest. 

This was first published in January 2016 and is being reposted due to reader interest. 

Image Credit: Creative Commons. 


コメント

  1. アフリカから押し寄せる難民で、イタリアの海上保安は予算・人員・装備が麻痺状態、というニュースを見たことがあります。
    小舟で渡れる距離の北朝鮮が統治を喪失したら、日本が被る混乱はイタリアの比ではないでしょうね。

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