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太平洋の島しょを移動しながら作戦を行い、中国の攻撃を免れようとするアジャイル戦闘展開構想を試行したコープノース演習

 Two F-35A Lightning IIs fly over the Atlantic Ocean in 2018.

Two F-35A Lightning IIs fly over the Atlantic Ocean in 2018. U.S. AIR FORCE PHOTO BY AIRMAN 1ST CLASS ALEXANDER COOK

 


ジェット2機が同日内で別の飛行施設から発進し、別々のミッションを展開し、攻撃を狙う中国を混乱させる...

太平洋空軍(PACAF)は遠隔島しょ部基地多数からの攻撃を統合し、中国軍の標的になる前に迅速に作戦を展開しようと必死で、このたびコープノース演習でこのコンセプトを試行した。

 

「アラスカのエイルソン空軍基地のF-35の2機をグアムのアンダーセン空軍基地まで展開し、翌日に2機を出動させ、パラウに着陸させた」と太平洋空軍司令官ケネス・S・ウィルバック大将が空軍協会主催イベントで述べた。「C-130を地上給油用に1機派遣し、2機が地上にいたのは一時間未満で、そのまま離陸し、別のミッションをこなしてからアンダーセンへ帰投した」


今回試されたのはアジャイル戦闘展開ACEで指揮命令系統似従来より機動性を持たせるのが狙いだ。ウィルバック大将は中国を念頭に強力な敵軍と対峙を想定すれば必要な新機軸だと説明している。「アジャイル戦闘展開では出発地に戻らないことが多くなる...それだけ敵にとっては出発地点が見つけにくくなるし、何時間展開しているのか、どこから出発したのかがわかりにくくなり、敵としては標的の策定が困難になる」

 

欧州の米空軍部隊も同じコンセプトを試行している。しかし、ヨーロッパの基地の防御はずっと簡単だとウィルバック大将は指摘する。「各基地には道路網が接続しているが、こちらにはない。そのためこちらでは補給活動の難易度が高い。ということはこちらの基地防御も極めて薄く、艦船機材も絶えず移動させておく必要がある」

 

PACAFでは空軍隊員の訓練を進め広範な任務を実施する能力を確保することがアジャイルにつながる。これをコープノース演習でも行っている。警備担当の隊員が給油作業について、さらに通信について学ぶといった格好だ。「これで少ない人数でも一定の機能を実施できるし、補給活動そのものも減らせる」とウィルバック大将は述べた。

 

5月には2回目の演習をアラスカで行う。ウィルバック大将は「さらに大規模になる」とし、海軍、陸軍も参加するという。■


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Island-Hopping F-35s Test Pacific Air Forces’ Agility Concept

BY PATRICK TUCKER

TECHNOLOGY EDITOR

FEBRUARY 24, 2021


コメント

  1. ぼたんのちから2021年3月5日 10:25

    アジャイル戦闘展開構想は上手く達成することが可能なのだろうか。記事は空軍版であるが、直ぐに限界が明らかになるだろう。
    先ず、日本や台湾を除き、西太平洋で使える拠点が多くなく、数千発のPLA対地ミサイルで今ある拠点のほとんど全てが攻撃される。上記のC-130を発進させた基地も攻撃されるだろう。次にミサイル探知・警報網が維持できるだろうか。これらは、宇宙を含め開戦とともに最初の攻撃目標になるだろう。さらに攻撃された滑走路等は誰が補修するのだろうか。戦闘に参加した航空機の整備はそれなりの施設が必要になる。等々、悩ましい問題がいくつでも出てきそうだ。
    とは言え、この演習の目的である基地が破壊された場合の代替策は不可欠であり、また、分散は被害を少なくするために必要なことであるから、推し進めるしか手立てがないのかもしれない。しかし、このような想定は、今までの米空軍による戦闘方法を踏襲しようとするからであり、発想を変えて、陸軍や海兵隊のアジャイルな打撃力を前面に押し出すべきなのだろう。

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