2015年6月3日水曜日

米海軍>レイルガン技術を既存砲塔にも応用し高速発射弾を先に実用化する


これはすごい。レイルガンとほぼ同様の効果を既存の砲塔から実現できるとは。でもどうやって一度に射撃速度を2倍にできるのか、電磁効果なしで火薬で行えるのか全く説明がありませんし、原理原則が理解できません。

Navy Researching Firing Mach 5 Guided Round from Standard Deck Guns

By: Sam LaGrone
June 1, 2015 10:48 AMUpdated: June 1, 2015 11:25 AM

USS Ross (DDG-71) test fires the MK45 5-inch lightweight gun on April 30, 2015. US Navy Photo
Mk45 5インチ軽量砲の試射。USSロス(DDG-71) 2015年4月30日 US Navy Photo

米海軍の艦載砲に新しい意義が生まれるかもしれない。音速の五倍で発射する砲弾テストが成功した場合は。
  1. もともと海軍が開発中の電磁動力レイルガン用に開発された砲弾を使って、海軍海洋システムズ本部(NAVSEA)は超高速発射弾hyper velocity projectile (HVPs) の初期テストを実施中だ。発射には通常の火薬ベースの艦載砲を使うとNAVSEAがUSNI Newsに明らかにした。
An artist's conception of BAE Systems' Hyper Velocity Projectile. BAE Systems Image
BAEシステムズによる超高速発射弾の想像図 BAE Systems Image

  1. HVPを艦載砲から発射するとレイルガンよりも速度は劣る。レイルガンのマッハ7に対しマッハ5になるが、それでも非誘導式通常弾を海軍の5インチMk 45砲から発射するより2倍の速度になるとNAVSEAは解説。
  2. 艦載砲は海軍艦艇で標準装備だが、誘導ミサイルのような精密着弾ができないため、高度戦では有益度が小さくなっている。
  3. これに対し高速誘導弾が艦載砲で使えれば対空戦や弾道ミサイルへの脅威に対抗できる。その間に海軍はレイルガンを改良できる。
  4. 海軍が発表したレイルガンの想定用途リストでは「多用途レイルガンウェポンシステムで弾道ミサイルならびに航空機および水上艦艇の脅威に対抗する」ことを2025年までに実現するとしている。
  5. 誘導式HVP弾を Mk 45 砲から発射すればレイルガンの性能に近いものを早期に実現できるとUSNI Newsは理解した。
  6. 通常の高性能砲弾と違い、HVPの速度があれば爆発物は不要で、速度のエネルギーだけで目標を破壊できる。
  7. HVPが実用化されればスタンダードミサイルで航空目標に対応する必要がなくなり、艦艇はもっと安価な誘導砲弾を艦載砲から連射すればよい。
  8. NAVSEAは Mk 45 以外の砲でもHVP使用を検討している。.
  9. NAVSEAは詳細を語らないが、USNI Newsの理解では海軍はズムワルト級誘導ミサイル駆逐艦 (DDG-1000).が搭載する高性能主砲システムAdvanced Gun System (AGS) (155mm)で一発40万ドルの誘導ロケット補助方式による長距離陸上攻撃砲弾Long Range Land Attack Projectile (LRLAP)を発射する構想があるが、この代わりになるとみられる。
A range of hyper velocity projectiles from different weapon systems. BAE Systems Image
超高速砲弾も発射するウェポンシステムにより形状は各種想定されている。 BAE Systems Image
.
  1. BAEシステムズジェネラルアトミックスが海軍と共同でレイルガンおよび砲弾改良技術に取り組んでいるが、NAVSEAは本案件に従事する企業名を明らかにしていない。
.
  1. BAEシステム製のレイルガンは来年にも初の海上射撃試験を実施する予定だ。■































































































































































































これはすごい。レイルガンとほぼ同様の効果を既存の砲塔から実現できるとは。でもどうやって一度に射撃速度を2倍にできるのか、電磁効果なしで火薬で行えるのか全く説明がありませんし、原理原則が理解できません。

Navy Researching Firing Mach 5 Guided Round from Standard Deck Guns

By: Sam LaGrone
June 1, 2015 10:48 AMUpdated: June 1, 2015 11:25 AM

USS Ross (DDG-71) test fires the MK45 5-inch lightweight gun on April 30, 2015. US Navy Photo
Mk45 5インチ軽量砲の試射。USSロス(DDG-71) 2015年4月30日 US Navy Photo

米海軍の艦載砲に新しい意義が生まれるかもしれない。音速の五倍で発射する砲弾テストが成功した場合は。
  1. もともと海軍が開発中の電磁動力レイルガン用に開発された砲弾を使って、海軍海洋システムズ本部(NAVSEA)は超高速発射弾hyper velocity projectile (HVPs) の初期テストを実施中だ。発射には通常の火薬ベースの艦載砲を使うとNAVSEAがUSNI Newsに明らかにした。
An artist's conception of BAE Systems' Hyper Velocity Projectile. BAE Systems Image
BAEシステムズによる超高速発射弾の想像図 BAE Systems Image

  1. HVPを艦載砲から発射するとレイルガンよりも速度は劣る。レイルガンのマッハ7に対しマッハ5になるが、それでも非誘導式通常弾を海軍の5インチMk 45砲から発射するより2倍の速度になるとNAVSEAは解説。
  2. 艦載砲は海軍艦艇で標準装備だが、誘導ミサイルのような精密着弾ができないため、高度戦では有益度が小さくなっている。
  3. これに対し高速誘導弾が艦載砲で使えれば対空戦や弾道ミサイルへの脅威に対抗できる。その間に海軍はレイルガンを改良できる。
  4. 海軍が発表したレイルガンの想定用途リストでは「多用途レイルガンウェポンシステムで弾道ミサイルならびに航空機および水上艦艇の脅威に対抗する」ことを2025年までに実現するとしている。
  5. 誘導式HVP弾を Mk 45 砲から発射すればレイルガンの性能に近いものを早期に実現できるとUSNI Newsは理解した。
  6. 通常の高性能砲弾と違い、HVPの速度があれば爆発物は不要で、速度のエネルギーだけで目標を破壊できる。
  7. HVPが実用化されればスタンダードミサイルで航空目標に対応する必要がなくなり、艦艇はもっと安価な誘導砲弾を艦載砲から連射すればよい。
  8. NAVSEAは Mk 45 以外の砲でもHVP使用を検討している。.
  9. NAVSEAは詳細を語らないが、USNI Newsの理解では海軍はズムワルト級誘導ミサイル駆逐艦 (DDG-1000).が搭載する高性能主砲システムAdvanced Gun System (AGS) (155mm)で一発40万ドルの誘導ロケット補助方式による長距離陸上攻撃砲弾Long Range Land Attack Projectile (LRLAP)を発射する構想があるが、この代わりになるとみられる。
A range of hyper velocity projectiles from different weapon systems. BAE Systems Image
超高速砲弾も発射するウェポンシステムにより形状は各種想定されている。 BAE Systems Image
.
  1. BAEシステムズジェネラルアトミックスが海軍と共同でレイルガンおよび砲弾改良技術に取り組んでいるが、NAVSEAは本案件に従事する企業名を明らかにしていない。
.
  1. BAEシステム製のレイルガンは来年にも初の海上射撃試験を実施する予定だ。■


















2015年6月2日火曜日

南シナ海の対立をエネルギー面から見るとこうなる


China’s South China Sea Activity Takes a Page from Early Communist Party Playbook

By TIM DAISS on June 01, 2015 at 12:30 PM

south china sea
  1. 中国が南シナ海(SCS)スプラトリー諸島の環礁、入江を埋め立て2,000エーカーの土地造成をしていることで言葉の応酬が四週間目に入った。米衛星写真で人工島の建設現場がフィリピンが領有を主張する部分であることも判明した。中国はSCSの約9割が自国領土だとし、九段線と呼称し、U字の形で領有権を主張している。フィリピン、台湾、ベトナム、マレーシア、ブルネイもそれぞれSCSで領有権を主張している。このうちスプラトリー諸島は中国最南端からおよそ800カイリの距離にあり、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内に位置する。
  2. 新しい衛星画像を公表した米国は改めて中国の埋め立て工事を中止させるとの立場を明確にしたが、中国は自国の主権の範囲として工事を続けており一歩も譲る気配がない。画像公表の一週間後に米海軍のP-8哨戒機にCNN取材陣が同乗し工事現場付近を飛行した。その際の中国軍からの無線交信は報道のとおりだが、同機は最終的に飛行を断念している。
  3. この米軍機飛行へ中国は素早くかつ強力に反応し無責任な行動を許したと米政府を非難する一方、自国権利を主張している。米国はメディアを利用し中国の大規模埋立へ関心を高めようとした。すると計算されたかのように中国国防省が白書を公表し、これまで沿岸抑止力を主眼においた整備をしてきた海軍兵力を遠隔領土の防護に専念できる形に変えると説明している。
  4. 恒例の防衛問題シャングリラ対話でも言葉の応酬は続き、両側とも引き下がる気配はない。米国防長官アシュトン・カーターからは中国政府は国際規範から「はずれている」と批判。「SCS上空の飛行は長年に渡り実施しており、これからも続ける。航行、作戦でも同様。したがって何ら新しい話ではない」とし、中国に埋立工事の即時中止を求めた。中国は米要求を一蹴し、自国主権を行使しているだけ、監視哨は国際義務を果たすために利用すると反論している。
  5. 最大の地政学的脅威と呼ぶ今回の事態に双方ともけんか腰だが、背景に争点が2つある。航行の自由および炭化水素資源だ。中国は埋立工事は自国の地政学的な拡張、経済力の伸張の延長だと捉える。また米国と肩を並べる超大国であると自国をなぞらえている。
  6. 米国および域内同盟各国は埋め立て工事を航行の自由への明白な脅威ととらえ、世界有数の重要通商路として年間5兆ドルの貿易量がSCSを通過している事を重視する。天然ガスや原油の輸送もあり、日本や韓国が仕向地だ。中国がSCSで自国の力を誇示し、問題地の環礁や小島を人工島に変えれば、国際常識のすべてに反することとなり、国際法にも触れる。
  7. さらに中国は1982年の国連海洋法条約を認めていないが、同年に中国も署名し1996年に批准している。その理由としてSCSは適用外だとしてきた。だが中国は米国等に埋め立て海域では12カイリ領海原則の遵守を求めており、中国が国際法に違反していると指摘する向きを非難しているが、これは見え透いたダブルスタンダードというものだ。
  8. Grenatec研究所が最新報告を発表した。同研究所はアジア大のエネルギーインフラストラクチャーを専門としており、航行の自由原則を米海軍がSCS内で誇示する航路を提案している。それによるとリード堆、スビ環礁、ミスチーフ環礁を結ぶ弧となっており、中国、フィリピンがそれぞれ領有を主張する地帯を含む。Grenatecによればこの案で「先例を作り」「抗議してくるのは中国だけのはずだから中国の外交的孤立感を浮き彫りにする」というのだ。
  9. 報告書ではリード堆にはSCSで一番有望かつ未採掘の石油ガス資源があると指摘。ただしSCS内の石油ガスの推定埋蔵量は大きくばらついている。中国の試算では2,130億バレルの原油があるとし、一方で1993年94年のの米地質研究所(USGS) 報告書では280億バレル相当としている。後者はすでに相当前の考察で低めに推定を出しており、中国の試算は過剰に見積もっている可能性がある。
  10. ただし今回の対立がどう展開するかは予測できない。新興大国が従来からの大国に挑戦する形だが中国が使おうとする筋書きが見えない。今日の中国は中国共産党(CCP)創設時の想定を現実に移しており、国連軍に対抗した朝鮮戦争初期の動きでもある。また北朝鮮が使っている戦略でもある。大胆に動いて掛け金を引き上げ、敵がついてこれなくするのだ。現在の中国の行動は大胆かつ計算の上だが極めて危険な動きで裏目に出かねなず、その場合は悲惨な結果になるだろう。■

2015年5月31日日曜日

シャングリラ対話>カーター発言へ中国が反論した内容とは



論理には論理で対抗するのが国際社会の意見の主張の仕方です。中国は中国の見方をあくまでも主張するでしょうが、だれが見てもおかしい主張であると露呈してしまうでしょうね。ただし既成事実の積み上げというのが中国の狙いであれば、それを阻止しなくてはいけません。そのためには南シナ海での安全保障は日米豪主導で各国が参加する多国間枠組みに今後進展するのではないでしょうか。埋め立て工事は即時に中止してもらうか、今後続けても意味のないようにしていかねばなりませんね。

Carter: China "Out of Step" With Pacific

By Aaron Mehta 10:39 p.m. EDT May 29, 2015
SINGAPORE — アシュ・カーター国防長官は米国には太平洋における自由航行の権利があることを再度主張し、中国の行動を糾弾した。IISS主催シャングリラ対話の基調講演で各国が享受してきた域内バランスにとって中国は脅威になっていると指摘。
  1. 中国が2,000エーカー相当の埋め立てを続けており、中国は土地造成で領有権を主張しているが、米国は全く認めていない。
  2. 「中国は国際ルール規範を踏み外しており、アジア太平洋で守られてきた安全保障の枠組みに反している。また域内各国は外交による解決を優先することで意見は一致しており、力による解決には反対だ」と長官は原稿を読み上げた。
  3. 長官は域内国も監視施設など埋め立て工事で造成を行っている事実を認めつつ、中国による工事は前例のないほどの規模になっていると指摘。
  4. 「南シナ海で領有権を主張する国家のほぼ全部が監視哨を建設してきたのは事実で、スプラトリー諸島ではベトナムは48か所、フィリピンは8か所、マレーシア5か所、台湾も一か所を有する」「だがはるかに大規模かつ迅速に行動している国がある。中国だ」
  5. 講演内容はその前にハワイ真珠湾で行った演説と共通している。ハワイでは「合衆国は国際法が許す限り飛行、航行、作戦を実施する」と確約し、今回も再度言及した。
  6. 狙いが中国に向いているのは明らかだが、中国自身は埋め立て工事で主権主張が国際法で許されると信じている。
  7. 「すべての国家に自由航行の権利、上空飛行の権利があるからこそ世界の通商は中断されることなく維持されている。そのためすべての国家は自国の安全保障、経済活動を力の威圧を受けることなく自国で取捨選択すべきだ」
  8. 「この原則はすべての国家に共通の権利であり、単なる抽象概念ではなく、一国の好き勝手にまかされるものでもない。またある国に与えられた特権でもなく、勝手に解釈できるものでもない」
  9. 講演は明らかに中国を意識したもので、長官は域内連携の強化を謳った。
  10. そのために人道援助策と経済援助が役立っていると機長官は述べた。同時に中国とは軍同士の交流が重要との認識も示した。
  11. 「これこそ将来の安全保障を強化する道へつながる。将来とはすべての国が繁栄を享受できる姿のことだ」
  12. このくだりも中国へのメッセージである。ベトナム、マレーシア、フィリピンの海洋安全保障能力構築を強調するが、各国とも中国の南シナ海でのプレゼンスを警戒している。
  13. カーターはオバマ政権の一部として中国ときわどい線でやりあおうとしている。一方で域内友好国に対してアメリカの太平洋での役割を保証しつつ、他方で中国を追い詰めすぎて対立がエスカレートしないようにしているのだ。カーター発言はこの二項対立を背景にしたものだと専門家は分析している。
  14. 上海交通大学 Jiao Tong Universityで国家戦略研究所の副所長庄建中Zhuang Jianzhongはカーターのハワイ演説を「実に好戦的」としつつ、示威の意味が強いと見る。
  15. 「カーターは国内向けに強いことばを口にし、同盟国友好国も意識している」「美辞麗句だが行動は別。双方ともに行動に移る前にもう一度よく考えるべきだ」
  16. 一方で台湾のROC戦略研究学会の研究員Ching Changからは双方の意思疎通には一貫性が必要であり、飴と鞭を交えて対応する姿勢を見せるカーターはいつかしっぺ返しを食うとみる。米国の信用力が低下するか、米国のほうが問題児に見えてしまうというのだ。
  17. この意思疎通の問題が講演後の質疑応答で明らかになった。長官は中国の南シナ海観についての質問への回答を避け、同地区へ力づくで進出する国への米国がどう対応する方針なのかは回答しなかった。
  18. 会場は司会が中国人民解放軍代表を指名するとざわついた。同代表は「上級大佐」"Senior Colonel Zhao."とのことだった。
  19. は予想通りカーターによる中国の行動への言及を取り上げ、中国が視点を短時間で説明した。
  20. 「これまで同地域が平和安定な状態にあったのは中国の自制があってのことだ。したがって中国による活動はご合法的、合理的かつ正当なものだ」
  21. さらに米国による「厳しい批判」が南シナ海の「対立問題を解決するのに役立つ」はずがないと述べた。
  22. カーターは当然このような質問が出るのを予期し、中国による埋め立て工事は「前例のない」規模であるとし、工事の中止を求める姿勢だ。また長官は南シナ海政策方針に変化はないと繰り返し声明している。
  23. 「米国は南シナ海上空の飛行、航行をこれまで数十年実施しており、いかなるかたちでもこれを継続する。これは従来と何ら変更はない」■


2015年5月29日金曜日

★対中戦で米陸軍に期待される沿岸からのミサイル抑止力



エアシーバトルのころから米陸軍が太平洋で任務があるのかわからなくなっていましたが、ハイテク沿岸ミサイル砲兵隊への転換と積極的な役割を想定し、防御より抑止力を重視するというのが今回の議会から提案の構想のポイントでしょうね。ロールモデルの変換に陸軍の内部で抵抗があるのでしょうか。

SASC Pushes Bigger Army Role In Pacific Vs. China

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on May 27, 2015 at 4:17 PM

CSBA graphicCSBA graphic
  1. WASHINGTON:  上院軍事委員会も太平洋で米陸軍の役割拡大を太平洋で求める動きに賛同している。だが皮肉にも陸軍はその気になっていない
  2. なぜ陸軍が太平洋で役割を拡大すべきなのか。太平洋はこれまで空軍、海兵隊、海軍の独壇場であった。太平洋は広大な海洋であるが、島嶼も多数ある中で大規模な島嶼国家(日本、フィリピン、台湾)と米国は条約を取り交わしている。陸軍のミサイル防衛レーダー(レイセオンAN/TPY-2)は日本に配備済みで、韓国にTHAAD弾道弾迎撃ミサイルを導入する可能性もある。
  3. だがなぜ防衛装備にとどめるのかと議員連は疑問を呈する。その中には下院のシーパワー小委員会委員長ランディ・フォーブスがあり、中国の第二砲兵隊へ米国本土を攻撃可能な長距離陸上配備ミサイルがすでに導入されており、米海軍艦船の攻撃も可能だという。であれば米国と同盟国も陸上配備の対艦ミサイルを配備すればよいとの主張だ。実現すれば中国が尖閣諸島やスプラトリー環礁の奪取に向かってくるのを抑止あるいは撃退できるというのだ。
  4. フォーブス議員に押される形で下院版の国防予算執行認可法案ではペンタゴンに「対艦攻撃用の移動式陸上配備装備の導入可能性、有益性、選択肢を」報告させることにしている。チャック・ヘイゲル前国防長官もこの発想を同意していた。
  5. だが上院法案はもっと先に行っている。米陸軍部隊が西太平洋の島嶼部分で将来的に担うべき任務の総合作戦評価を行い、接近阻止領域拒否l(A2/AD) 能力を受入国と共同で実現し、該当領土への侵攻を抑止挫折させる任務を想定する。以下想定する装備の一覧。(イタリックは編集部のコメント)
  6. 「(A) 対艦機雷および移動式ミサイルを敵海軍部隊の威力減衰手段として想定し、敵揚陸部隊の移動を封じ、受入国沿岸および友好国海軍部隊と補給活動を守ること (米海軍は第二次大戦で機雷により日本の海運に致命的被害を与えたのは事実だが、その後この機能をほぼ停止している
  7. 「(B) 移動式防空監視およびミサイル発射システムで受入国の領空、領土、海軍及び空軍部隊を守る。ならびに防空圏への敵勢力侵入を認めないこと」(海軍のイージス艦のミサイル防衛任務が拡大しているが、海軍としては陸上に防衛手段が展開されるのであれば、艦隊をわざわざ連携させて友好国の領土を防衛することに及び腰となる。
  8. 「(C)電子戦能力で航空作戦、海軍作戦を支援すること」(海軍の電子戦能力は陸軍より相当先を行っているが、海軍作戦部長は陸上装備のほうが規模、出力ともに大きくできると発言している。)
  9. 「(D)強化型陸上設置通信能力を受入国の防衛体制に設置し、陸海空間並びに衛星を介した通信を拡充すること」(無線通信の妨害や傍受がハイテク型戦闘で大きな懸念材料で旧式ながら埋設型の通信線が有力代替手段として注目されている。)
  10. 「(E) 部隊展開で受入国の防衛を支援するとともに、敵勢力の移動を封じ、空海の部隊展開を安全に進める」(この項目だけが古典的な陸軍部隊の投入効果である領土保全活動である
  11. 上院版は著名な総合評価局Office of Net Assessment および四軍それぞれの大学校含む専門家による研究評価を求める点が下院版と異なる。
  12. 「比較的小規模の予算で米アジア戦略を格段に向上させる構想です」とある上院スタッフが記者に説明している。「低コストでアジア太平洋で対応する中国に高い代償を与え、ジレンマを感じさせる案が必要です。移動式、陸上配備、制海権確保、防空能力はそれぞれ簡単な解決策です」
  13. 「共和民主両党のスタッフで検討し、結論を共有しています」「超党派合意ができ、各シンクタンクも陸軍はこの方向に進むべきと考えていますが、陸軍が食指を動かしていません」
  14. 「米地上軍は現状にこだわるよりもこの方向性に向かって装備能力を整備すべきです」と下院スタッフも意見は同じだ。「陸軍には大きな機会になり、陸上部隊固有の能力を整備し、西太平洋で新しい任務にあたることができます。どうして陸軍内部で関心度が低いのか理解に苦しみます」
  15. 沿岸砲兵隊とは第二次大戦以前は陸軍の主流であり花形部隊だった。21世紀は対艦ミサイルを沿岸に配備して復活するわけだ。最新の陸軍の作戦実施要領でも「将来の陸軍部隊は陸上から海上に、空に、宇宙に、さらにサイバー空間に向け兵力投射をする」とまで書いてある。
  16. だが「ドメイン横断型シナジー効果」や「アジア重視」は戦略上の議論であり、予算管理法は現実だ。陸軍が沿岸配備ミサイル部隊を編成する予算を確保できないとすれば、別の部隊を削減する必要が生まれる。「陸軍沿岸砲兵隊とは面白いが、創設するのであればどこを犠牲にするのだろうか。歩兵部隊なのか、野戦砲兵部隊なのか、それとも短距離防空部隊なのか」
  17. 陸軍は他軍より苦しい状況にあり、そこで全く新しい部隊の創設にはおじけづいてしまう。だが陸軍に新任務ができれば、予新しい財源も出てくるはずだ。■


南シナ海>カーター長官が中国へ強い警告を出した


国防長官が中国に対して強いメッセージを出しましたが、中国は無視するでしょう。中国は国際社会のルールをどう考えているのでしょうか。長官はE-4で飛んでいるようですね。

Carter: China Isolating Itself in Pacific

By Aaron Mehta 4:02 p.m. EDT May 27, 2015
Secretary of Defense Ash Carter arrives in Honolulu, Hawaii(Photo: Joint Combat Camera Center)
JOINT BASE PEARL HARBOR, Honolulu – 5月27日、米国防長官アシュ・カーターは南シナ海で影響力拡大を試みる中国に対して結果的に中国自身の孤立につながると警告した。
ペンタゴンは中国の埋立工事の造成面積を2,000エーカー(約8平方キロ)と推定している。うち、1,500エーカーは今年1月以降の造成工事で形成されており工事の加速ぶりが伺える。
「すべての紛争では平和的な解決方法を求める。埋立工事を直ちに中止し今後も再開しないよう求める」とカーターは発言。「また該当地区の軍事基地化にも反対する」
「以上を間違いなく実施を求める。米国は国際法の範囲内で飛行、航行、作戦を実施するが、世界いかなる場所でも同じ扱いだ」(カーター)
最後の部分は中国による主権主張へ対抗する長官として最も強力なコメントだ。
「中国はアジア太平洋の安全保障の枠組みで重要とされてきた国際規範を踏み外した他、力による解決は避けるとの地域内コンセンサスにも反している」とし、米国は「アジア太平洋での安全保障を実現する主要国であり、今後もあり続ける」と加えた。
カーター長官はこのあとシンガポールでシャングリラ対話に参加し、さらにインド、ベトナムを訪問する。各地で長官は同盟国の実力整備に焦点を当てた対応をする。
「中国の行動で域内各国は新しい連帯を始めている。さらに米国の介在を求める勢いが強まっている。要望には応えていく」
ある国防高官は報道陣に対し上記スピーチ前に今回の各国訪問は「開かれた、包括的な域内安全保障の枠組みづくりに焦点を当て、その整備状況ならびに今後の方向性を確認するのが目的」と説明している。
ペンタゴンはすでに域内同盟各国の防衛力整備こそ太平洋の安全の要と理解している。先月は米国と日本が防衛協力の新しい枠組みで合意に達している。さらに国務省はベトナム向け輸出ルールを見直し、海上警備装備を引き渡せるようにした。
カーター発言はハリー・ハリス大将がサミュエル・ロックリア大将に交代し米太平洋司令長官に就任する式典で出た。USSアリゾナ記念館を会場にカーター長官はロックリア大将のこれまでの防衛協力整備の成果を賞賛した。
ハリス新司令官は中国による太平洋での行動は「非常識だ」とコメントしている。■