2018年5月23日水曜日

イスラエルF-35が世界初の実戦デビュー



The F-35 just made its combat debut F-35が実戦デビュー



イスラエルのF-35[アディール」二機編隊が編隊飛行中。2016年。(U.S. Air Force photo by 1st Lt. Erik D. Anthony)

ッキード・マーティンF-35「アディール」が実戦に初投入された。

イスラエル国防軍はイスラエル空軍「アディール」機を実戦投入したとツィッターで発表した。
「アディール各機が作戦投入可能となり実戦で飛行中」とし、イスラエル空軍司令官アミカム・ノーキン少将の言葉を引用している。「F-35の実戦投入は世界初だ」
イスラエル空軍はF-35をシリア空爆に投入したとノーキンは述べたのをイスラエル紙ハーレツが伝えている。
1990年代初頭から開発が始まった同機にとって今回の戦闘投入は大きな一歩。費用超過や遅延による影響が発生し、同機の戦闘能力に疑念を示す筋が激しく攻撃していた。
Syrian downing of F-16I begs question: Why didn’t Israel deploy F-35s?
今回の戦闘デビューは共用打撃戦闘機の追加調達につながるものとみられる。イスラエルはF-35アディール50機導入を決めているが、議会で同型機の追加購入の前に代替策検討を国防省に求める動きがあった。IAFは25機から50機の追加調達を狙うと見られる。
イスラエル発表の前に米海兵隊がF-35Bを日本に配備したのも大きな一歩だった。岩国基地配備は同機初の海外常駐配備となった。
イスラエルのアディール(意味は「強力な存在」)投入は2月に発生したF-16撃墜を受けてのことで、専門家の間ではステルス機をシリア防空網相手にIAFがなぜ投入しないのか疑問に思う声が大きかった。

米空軍がこの動きに続く。F-35Aは早ければ2020年に欧州に展開し、英国のレイクンハース英空軍基地に駐留する予定だ。■

B-1に火器搭載しCAS機に転用する構想をボーイングが準備中

Proposed Cannon Would Turn the B-1 Bomber into a Gunship B-1爆撃機をガンシップに転用する火砲搭載構想について



Diagram from Boeing’s patent (U.S. 9,963,231 B2 ) for a retractable cannon for the B-1B Lancer.
ボーイングが交付を受けた特許 (U.S. 9,963,231 B2 ) に添付されたB-1Bランサーへの機内格納式の火砲の搭載構想図。

Military.com 17 May 2018 By Oriana Pawlyk

B-1Bランサー爆撃機は他機種より大量の兵装を運用しているが、同機に火砲搭載を追加する案を関係者が検討中だ。
ボーイングは同機に近接航空支援任務に役立つ火砲搭載ので特許を交付された。特許(U.S. 9,963,231 B)では火砲用各種マウントが見えるが、使用しないときは機内に格納される。
同社は各種兵装の搭載を検討している。「機関銃、チェーンガン、火砲、自動化法、レイルガン、発射体投射装置、レーザー兵器を想定する」と特許説明にある。
「兵装を兵装庫内に搭載することで機体は兵装を格納あるいは展開しても超音速飛行が可能となる」との説明があり、「兵装システムの搭載で性能が追加される。例えば爆撃機で近接航空支援や地上部隊支援の効率があがる」
専門家の間には今回提案の追加性能は地上部隊が心から望む、標的を狙った航空支援の実現につながるとの意見が出ている。
「地上部隊に精密誘導弾を信用しない傾向が戻っている」と指摘する国防専門家もいる。
「A-10が地上部隊に人気があるのは標的をちゃんと捕捉して攻撃してくれるから」と同上筋はMilitary.comに説明している。
「精密誘導兵器がリーパー、F-16、B-1やその他から投下されても命中しないと見られています。欲しいのは上空に銃手がいることなんです」
同上筋はアフガニスタンでB-1から500ポンド爆弾二発が米軍5名、アフガン兵1名の頭上に投下された2014年6月9日の事案に言及している。米軍にはグリーンベレー隊員二名が含まれていたが全員死亡している。
「空軍は将来は具体的な座標に兵装を投下する方法を検討しています。地上部隊がそれに信頼を置いていないのが問題です」と同上専門家は述べる。
B-1部隊はCASミッション支援に同機をどう活用できるかを訴えている。「地上の友軍と交信中でこちらのセンサーで確認しているとします....爆弾を7マイル先に投下するのかもっと低高度から投下するのか、もっと近くに投下するのか」と337試験評価飛行隊のドミニク・「ビーヴァー」・ロス中佐が話している。「A-10ほどの低空投下こそできませんが頭上500フィートで力の示威ができます」
Military.comはダイエス空軍基地(テキサス)を訪ね、ロス中佐他グローバル打撃軍団関係者から話を聞くことができた。またB-1Bに搭乗しニューメキシコの演習地で12月に体験飛行した。
そのような状況で各目標の調整にはB-1Bが搭載する統合戦闘ステーションIBSの改修版が役立っており、パイロットはじめ搭乗員は攻撃地点、防御地点をコックピットで確認でき、状況把握を助けてくれる。これにはコックピットのディスプレイの他データや座標の共有が役立つ。
Militry.com記者が体験飛行した12月19日には従来より高密度の通信やデータを共有する状況を見ることができ、軍用座標表示や技術表示からパイロットや搭乗員が即座に標的座標を送信するほか、搭載兵器の情報、高度、速力にくわえ機体コールサインまで送信するのを見た。
火砲の追加搭載で精密誘導爆弾(PGM)の投下を減らせば、空軍の運用経費で節約効果が長期的に生まれる。
「爆撃機機内の砲を使う前提は長時間滞空して必要地点に迅速移動することです」と前出国防専門家は指摘する。「だが同時に同じ機体でPGM投下も期待されます」
.同様のミッションなら新型AC-130Jゴーストライダーガンシップも投入できるが、B-1に砲を追加すれば同機の退役を遅らせる効果も生まれる。
「航続距離、速力で大きな効果が生れます」とTealグループ副社長でアナリストのリチャード・アブラフィアも指摘する。「B-1供用期間が延長できればこの構想のメリットが生まれます」
空軍はB-2スピリットと合わせランサー各機も2030年代に退役させ、B-21長距離打撃爆撃機を主力にする構想に向け作業中だ。ランサー各機は2036年ごろまで供用予定なので、まだ15年間の作戦運用が可能で新規パイロットを養成できる。
ただアブラフィアはB-1に火砲を導入する際は経費が壁と見ている。
実際の金額は不明だが、「B-1の供用期間中の関連経費として逆風効果がある」というのだ。「機体価格をみると実現可能性は低い」という。
ランサーの運用経費は一時間当たり82,777米ドルと2016年度の情報公開資料にある。
にもかかわらずボーイングはコンセプトを実現しようとしている。
「現時点では顧客要望内容を当システムに搭載する予定はありません。ただし、USAFからボーイングに何らかのイノベーションの要望があれば当社も対応いたします」とボーイング広報のロリ・ラスムッセンがMilitary.comに5月14日伝えてきた。「仮に顧客からイノベーションの要望がない場合でも当社は特許申請します」■
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @Oriana0214.

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2018年5月22日火曜日

中国による斬首作戦に台湾はどう対応するのか

中国に台湾を武力侵攻する意図があるのは明白ですが、日本国内の報道しか見ない人はそんな事態を想定もしていないのでしょうね。しかし、台湾はしっかりと備えているようです。PLAが本当に斬首作戦を実施すれば国際社会はすべて中国の敵となるでしょう。

How Taiwan Defends Itself From Decapitation Strikes 

台湾は斬首作戦にこう備えている

Marines and special troops guard the president 


海兵隊と特殊部隊が総統を警護する

How Taiwan Defends Itself From Decapitation Strikes



事用語で「斬首」攻撃というと対象国の指導層を開戦直後に狙い、敵の軍事政治上のリーダーを排除することである。台湾を対象に中国には各種の攻撃方法があり、台湾は脆弱である。
一見発生の可能性がないように聞こえるが、台湾はこの可能性を深刻にとらえ、斬首作戦への防御を「絶対防衛」教義の最優先事項にしている。中国にはこの作戦に備えている節があり、台湾に圧力をかけている。2015年には中国軍は内蒙古に台湾総統府そっくりの施設を作り演習を実施している。
台湾軍にとっては中国が台湾政体を標的にしている中でどんな対策をとっても安心できず、中華民国第66海兵旅団を台北に駐留させ、うち同旅団所属の一個大隊が軍事大学校内に配置されている。
この大隊が台湾国防省が2017年に博愛特区(総統宮殿や政府省庁含む)の防備に当たるものとして発表した部隊と同一なのか不明だ。台湾政府は詳細発表はしていないが、同年7月に斬首作戦への対抗措置演習を公開していた。第66旅団はおよそ3,500名でM-41ウォーカーブルドッグ戦車、M-113装甲兵員輸送車を保有。
軍事大学校内に配備される大隊は総統護衛の予備部隊なのだろう。
「(特区内の)大隊には総統排除あるいは無能力化のたくらみに対応する目的があり、中国の落下傘部隊や車両による強行突破に備えている。また近隣の海兵隊や台北警察部隊とも連携する」とAsia Timesが伝えている。
Above and at top — Taiwanese marines. Photos via Wikimedia


「車両による強行突破」は2014年発生の事件を指しており、41歳のトラック運転手が総統宮殿に35トントラックを突っ込んだ。実行犯の供述では結婚生活が破綻し政府に不満をぶつけたかったとある。2017年には警察官が日本刀で襲撃された事件もあり、これも総統宮殿突入を狙っていた。このため蔡英文総統には新型装甲付きアウディが準備された。
ただし中国が斬首攻撃を仕掛けると逆効果も発生しそうだ。マーティン・エドモンズはマイケル・サイと共著のTaiwan’s Security and Air Power(2003年)で以下指摘している。「攻撃の兆候がわかればまず指導部は分散退避するが、これが効果を上げるはず」とし、「国民は中国に狙われた指導部の支持にまわりそうで、指導部の弱体化を狙った攻撃で国民感情はむしろ強まるだろう」
斬首攻撃の観測が中国新聞各紙の見出しになっている。最近ではPLA南京軍区の副司令官を務めたWang Hongguangが中国は台湾を三日で制圧できると発言している。
2018年3月に出た環球時報記事で前出Wangは中国軍がヘリコプター特殊部隊あるいは高速ボートで川をさかのぼり総統宮殿を襲撃するとの見方を紹介している。
ただしPLAの公式刊行物ではWangは退役将官であり「誇大解釈」は禁物とくぎをさしている。
米陸軍の軍事研究部門が発行するO.E. Watchはこの記事について「不満を感じる郡関係筋の感情を表しているのか公式メディアで掲載されたことから台湾国民に恐怖と不安感を植え付けさせ台湾独立の動きを進める政府を押しとどめさせようとしている」と評している。
いいかえればこれは心理戦であり、台湾総統宮殿を模した施設での軍事演習もその一部だ。■

2018年5月21日月曜日

F-15は第五世代機をこうして撃墜する----イーグルはいつまで世界最高の戦闘機の座を守れるか

日本のF-15は改修を受けた機材と受けていない機材が混在していますが、米空軍のC型は大きな改修を受けていないようですね。ただしスクランブル回数など日本の機材は酷使されていますので構造強化策は待ったなしなのでは。それにしても長期間の供用に耐える余裕を持たせたF-15の原設計にはすばらしいものがありますね。

How an Old F-15 Just Might Kill Russia's New Stealth Su-57 in a 'Dogfight' 旧型F-15でもロシア新型ステルス機Su-57を「ドッグファイト」で撃破可能



May 18, 2018


ーイングF-15Cは世界最高の制空戦闘機と称賛され、104機撃墜しながら一機も撃墜されていないとの一方的な戦果を誇さすがの同機も供用期間が終わりに近づいているが、それでも有能な戦闘機であることに変わりはない。

米空軍はイーグル改修を先送りにしており、機材を今後も供用する方針が決まってから電子戦能力向上を行うとしている。ただしF-15Cを2020年代以降も供用するためには機体構造の大幅改修が必要であると空軍も認識しているが優先順位が高い事業に予算ねん出のためF-15C保有を断念する必要があると見ている。ただしF-15Eストライクイーグルは今後も供用を続ける。

しかしながら当面の間、F-15Cは空軍の制空戦闘機勢力の半数を占める存在のままだ。と言うのはロッキード・マーティンF-22Aラプターの配備数が予定の半数以下で終わったためだ。今後は新型の侵攻型制空戦闘機(PCA)をF-15CやF-22に代わる主力機として2030年代配備を想定するが、ロシアや中国も新型第五世代機の配備を進めているのは事実でスホイSu-57(PAK FA)はその例だ。

Su-57に新型エンジンが搭載されると速力、操縦性、ステルス、電子戦能力のいずれでも第四世代戦闘機に手ごわい存在になる。だが米空軍も黙って待つ気はなく敵ステルス機を打ち破る作戦があり、すでに作業が進行中だ。

その答えは長波赤外線で、現行ステルス機でには対策がない。対抗措置も今のところなく長距離からの長波赤外線センサーに有効な装置を既存機種に搭載するのは不可能だ。将来は長波赤外線センサーから探知を逃れる対策が生まれるだろうが、機材は設計しなおす必要がある。

ロッキード・マーティンが開発中のリージョンポッドLegion podによりF-15Cは長波赤外線捜索探知 (IRST) 性能を得ることになる。同社はポッドを130セット製造し、やはり同社製のIRST21赤外線センサーと高性能データ処理に組み合わせて長距離での探知追尾能力を実現し、「レーダーが使えない環境」に対応する。ボーイングが主役役企業となりロッキード・マーティンが技術、製造、開発、生産を担当する契約が今年中に成立する見込みだ。

「リージョンポッドは迅速な供給計画とともに他に比類のない性能で戦闘部隊の作戦能力を引き上げ、パッシブ攻撃能力の穴を埋めます」とロッキード・マーティンでミサイル火器管制・特殊部隊作戦サービスを担当する副社長ポール・レモが語る。「ボーイングとの共同作業は実績の裏付けがあり、米海軍向けF/A-18E/FのIRST21や海外のF-15用のIRSTの先例から米空軍F-15C用のリージョンポッドも成功はまちがいありません」

米海軍と業界関係者によると長波IRSTと高速データネットワークを組み合わせればステルス機の追尾が可能だという。IRST搭載機は追尾データの共有ができる。「これが海軍のステルス機対策」と業界関係者が述べていた。

リージョンポッドを搭載したF-15CならSu-57のようなステルス機の優位性を簡単に打ち消せる。Su-57を探知するとイーグルは強力なレイセオンAN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーでスキャンの焦点をあわせてロシア機の所在を把握することも可能だ。いずれにせよF-15CはSu-57追尾を続け長距離対応のレイセオンAIM-120D AMRAAMミサイルを発射する。

Su-57をAMRAAMで仕留められないとF-15Cが不利になる。ロシア機の操縦性は通常の域を超えているからだ。ただし、F-15C部隊は同様に操縦性が高いF-22相手に訓練を受けており、不利とは言えイーグルのパイロットはラプター相手のドッグファイトで勝利を収めることもある。さらに共用ヘルメット装着目標捕捉システムとレイセオンAIM-9XサイドワインダーでF-15Cには視程外対応つまりパイロットの頭の方向の敵機を撃墜することが優秀な性能が演習で実証ずみだ。

こうしてみると機体保守管理経費以外に機体構造改修のコストも必要だが、F-15C供用を続けることに価値がありそうだ。ただし機体の経年変化と敵脅威の深化を考えると次世代機材のPCAに資金投入するのが分別ある行動だろう。ただ議会がA-10退役を認めなかったことを考えるとF-15Cでも同様の事態が起こりそうだ。■

Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

Image: Wikimedia Commons

2018年5月20日日曜日

V-280ティルトローター新型機のテストを順調に進めるベル

 

Bell V-280 Valor Conducts First Cruise Mode Test Flight as Program Advances ベルV-280ヴァラーが初の巡航モードテストを実施。テストは順調に進展中


May 16 2018
By Tom Demerly


のV-280ヴァラー軽量ティルトローター機がティルトローターによる水平飛行を初めて実施した。速力は190ノット(約350キロ)に達した。

V-280は中型戦術ティルトローター機として米陸軍が目指す共用多用途技術実証機 (JMR-TD) での採択を目指す。JMR-TDは陸軍がその先にねらう次世代垂直離着陸機(FVL)に繋がり、現行の回転翼機5機種の後継機となる。V-280ヴァラーはJMR-中型攻撃多用途ヘリコプターとしてUH-60ブラックホークとAH-64アパッチ攻撃ヘリの後継機として提案されている。

ベルV-280は最大速度280ノット(約520キロ)といわれ、「V-280」の名称はそこから来ている。UH-60の最高速度が192ノットなので相当早くなり、海面上最大速度が305ノット(560キロ)のMV-22オスプレイに相当する。

V-280は14名までの武装兵を搭乗員4名(飛行要員2名、銃手・ロードマスター2名)で運ぶほか、攻撃ヘリの機能も実現し、各種兵装を搭載する。高温高地飛行条件「ハイアンドホット」は回転翼機には厳しい環境だがV-280はこの条件に最適化されている。

外観上はV-22オスプレイに似るが、V-280のエンジンは固定式でティルトローターの重心が移動する。このためV-280はエンジン単発でも運航可能だ。だがV-22ではエンジンナセル左右が垂直飛行から水平飛行への切り替え時に回転する仕組みで各エンジンは完全に独立しながら、複雑なギアボックスで連結されているので片方のエンジンで飛行可能となる。
V-280の主翼は一枚構造の複合材になっているのがユニークな点だ (Photo: Bell Helicopters)

V-280でもう一つ特徴的なのは主翼でカーボンファイバー複合材一体構造になっていることだ。この複合材には大型セルカーボンコア技術が利用され、V-22の主翼よりコストで3割も下がっている。一枚構造のため片方のエンジンだけでも双発ティルトローター機として十分に機能出来る。

このベルV-280ヴァラーの競合相手がシコースキー-ボーイングSB-1デファイアントで、反転回転ローター二枚と「プッシャー」型のテイルローターを持つ、従来型のヘリコプター形状に近い機体構造であると言える。

V-280はフライトテストで先行し、飛行時間は27時間に達し、地上でのローター回転は計90時間に達している。同機は地上タキシーとホバリング能力を既に実証しており、低高度機体取り扱い性の津推して360度ペダル回転や前進・後退での取り回しを行っている。

V-280の次の段階は最大速度による飛行で90日以内に実施する。ベルの執行副社長ジェフリー・シュロッサーは今夏中に要求性能の確認を大部分終えるとの見通しをAviation Weekに述べている。

同機テストで興味深いのはエアロL-39ジェット機がチェイス機で随行していることで、V-280の飛行速度が順次引き上げられているための措置だ。■

2018年5月19日土曜日

北朝鮮を一隻で壊滅可能なオハイオ級ミサイル原潜の現況と今後

北朝鮮が本来の不良ぶりを堂々と示すようになり、米国も軍事オプションが現実になる事態を想定しているようですが、姿の見えないミサイル原潜とくにSSGNを使っての北朝鮮軍事目標の同時攻撃の可能性が増えるのではないでしょうか。SSBNも一次攻撃に投入可能と言うのはちょっと驚きですが。



The Navy Has 1 Nuclear Missile Submarine That Could Destroy North Korea 一隻で北朝鮮を壊滅可能な米海軍核ミサイル潜水艦



May 16, 2018


島、長崎への原爆投下から9年後に封切られた映画「ゴジラ」は深海から目覚めた怪物が日本を襲う筋書きだったが、火を噴く爬虫類よりも恐ろしい怪物がその後登場した。現実の野獣が同時に海中に登場しそれぞれ複数都市の破壊能力を秘めていた。米海軍用語で「ブーマー」と呼ぶ弾道ミサイル潜水艦部隊のことだ。

現在海中に潜むのはオハイオ級弾道ミサイル潜水艦14隻で米国の核兵器の半分以上を搭載している。

オハイオ級各艦は人類史上最大の破壊兵器を搭載している。各艦が24発のトライデントII潜水艦発射弾道ミサイル(SLBMs)を海中発射し最大7千マイル以上先の標的を攻撃できる。

トライデントIIが大気圏再突入すると速度は最大マッハ24で独立再突入体8つに分離し、各100から475キロトンの弾頭になる。オハイオ級潜水艦一隻が全弾発射すればわずか一分間で最高192発の核弾頭で24都市が地図の上から消えることになる。まさに黙示録級の悪夢の兵器だ。

このオハイオ級に一番近い存在がロシアが一隻だけ温存するタイフーン級潜水艦で、艦体は大きく24本の弾道ミサイル発射管を有する。中国、ロシア、インド、英国、フランスの各国が弾道ミサイル潜水艦複数を運用し搭載ミサイルはそれぞれ異なるが、先進国の主要都市なら数隻で完全に破壊できる。

一国をまるまる破壊可能なこのような怪物の存在はどう正当化できるのだろうか。

核抑止力理論では初回攻撃で地上配備ミサイルや各爆撃機部隊が消滅しても、音もたてずに深海を遊弋している弾道ミサイル潜水艦の追尾は極めて困難なため、潜水艦まで全滅するとは考えにくいとする。弾道ミサイル潜水艦による核報復攻撃は阻止されないため、まともな国家なら第一次攻撃や核兵器投入をためらうはずだ。少なくともそういう期待がある。

トライデント搭載のオハイオ級潜水艦はこれまで一回も怒りに任せた発射をしないことで任務を成功裏に進めてきたのだ。

オハイオ級の供用開始は1980年代で5型式あった弾道ミサイル潜水艦41隻の代替だった。潜航時18千トンとなった新型ブーマーは現在でも米海軍で最大規模の潜水艦だ。また世界で三番目に大きな艦体を誇る。USSヘンリー・M・ジャクソン除き各艦には州名がつくが、これは過去の大型水上戦闘艦の命名方式を踏襲したものだ。

核兵器の応酬となれば超低周波通信でブーマーに発射命令が入る。各艦のミサイルは事前に目標設定されているが、座標再入力で攻撃目標を迅速に変更できる。オハイオ級の最初の8隻はトライデントI C4弾道ミサイル発射の想定だったがこれは先のポセイドンSLBMの改良版だった。ただし今日ではブーマー全艦により高性能のトライデントII D5が搭載され、射程が5割伸びて命中率が極めて高く、第一攻撃手段としても軍事施設を正確に撃破できる。

オハイオ級は21インチ魚雷発射管4門でマーク48魚雷も発射できる。だがあくまでも自艦防御用であり、弾道ミサイル潜水艦の役目は敵艦撃破ではなく、可能な限り深く静かに潜航して敵探知を逃れることだ。原子炉によりほぼ無限大の潜航が可能で20ノット巡航潜航してもノイズはほぼ出ない。

各軍ではその時の状況に応じ活動を展開することが多いが、原子力弾道ミサイル潜水艦は通常通りの哨戒活動を一貫して行い通信連絡も最小限にとどめ可能な限りステルスに徹している。オハイオ級各艦には154名からなる士官、下士官の乗組員チームがゴールド、ブルーの名称で交代で艦を70日から90日に及ぶ潜航哨戒に出す。最長記録はUSSペンシルヴェイニアの140日だ。平均一か月を哨戒にあて、物資再補給には艦にある大型補給用ハッチ三か所を活用する。       

太平洋方面にはワシントン州バンゴーを母港の9隻、大西洋にはジョージア州キングスベイを拠点に5隻のブーマーがそれぞれ展開する。冷戦終結後の戦略兵器削減条約で米核戦力は縮小されたが、初期建造艦4隻は巡航ミサイル搭載艦に改装され通常型兵器で陸上水上の標的を攻撃することとなった。まずUSSオハイオが改装された。

他方で新START条約が2011年発効し、核兵器がさらに削減される。現行案ではオハイオ級は12隻とし、各艦にトライデントIIミサイル20発を搭載し、残るブーマーのうち2隻をオーバーホールすることとし合計240本のミサイルで弾頭1,090発を投入可能とする。これを聞いて心穏やかでなくなるタカ派も心配無用だ。これでも世界を数回破壊できる威力があるからだ。

オハイオ級は2020年代末まで供用され、それまでに追加音響ステルス改修を受けるが、最終的に後継艦コロンビア級に座を明け渡す。次期ミサイル原潜は単価40億-60億ドルとみられ、建造隻数は少なくなるが新型原子炉を採用し供用期間途中での高額なオーバーホールや燃料交換が不要となる。2085年までの供用が可能となる。■

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

2018年5月18日金曜日

在韓米軍の撤退、縮小は可能なのだろうか

日本にとっても状況に踊らされない冷徹な地政学的思考が必要です。冷戦が終わるのかどうかは別としていつも考えたくない事態も考えておく必要があり、北朝鮮が存続し続ける事態が現実になる可能性も受け入れなければなりません。(これは以前も指摘しています。悪の体制でも受け入れるかは道徳の問題ではありません)その一方で北朝鮮指導部はこうした思考を叩き込まれていますので平和ボケした日本がだまされないように思考を鍛える必要があると思いませんか。

 

Could America Pull Troops Out of South Korea If It Wanted? 在韓米軍の撤退は可能なのか



May 11, 2018


界はひたすら待ち続け見守ろうとしている。強硬な制裁措置、瀬戸際外交、核の「レッドボタン」の脅かしが金正恩による核兵器放棄につながるのかを。少なくともこうした米政策が金正恩とトランプ大統領の頂上会談に繋がったことは確かなようだ。
前例はある。核兵器開発を自主的に放棄した国がある。南アフリカ、ブラジルだがそれぞれ民主政体が生まれたのが核放棄の引き金となったのであり、外交包囲を受け制裁の恐怖から放棄したわけではない。ソ連解体でウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンも核兵器を放棄したが、すべてロシアへ返却している。(ウクライナはこの決定を今になって後悔しているはずだ)
一方でイランに対しては厳しい目が向けられている。合意事項では10年間凍結とあり、核兵器開発を永遠に断念させる内容ではない。米国が合意から脱退すると発表したことでイランが核兵器開発を目指すのか断念するかが見えにくくなっている。
開戦は選択肢に残ったままだが、いったん戦闘となれば壊滅的被害が発生すると承知する米政府があえてこの選択肢をとるとは思えない。歴史では戦闘で核兵器廃絶を目指した例は少ない。2002年に米国はサダム・フセインのイラクに核含む大量破壊兵器廃棄を求めたものの結局同国内に対象兵器はなかったと判明した。ただしイラク侵攻作戦で生まれた前向きな副産物はリビアのカダフィに核兵器の自主的放棄をさせたことでこれは米国の次の標的が自国だと恐れたためだ。この前例で生まれた効果も米国がカダフィ放逐を支援したことで肝心の核兵器自主廃絶が途中で止まり見えにくくなった。残る二例がイラクとシリアでともにイスラエル空軍が核施設を空爆したことで兵器開発に移ることができなくなった。
これらからわかるのは核兵器を自主的に廃絶させるよう独裁政権を説得するのは容易ではなく、開発が進行する前なら軍事攻撃も有効な手段であることだ。米国は北朝鮮に制裁措置をほぼ60年間にわたり課してきた。強硬外交、制裁の後で行う頂上会議は成功につながる可能性もあるが逆の側面も見ておく必要がある。
重要な問題が残ったままだ。これだけの外交圧力や制裁をものともせず金正恩が自信たっぷりだったり、頂上会談が不調に終わる場合、あるいは開戦以外の選択肢を迫られる事態になった場合、米国に何ができるのだろうか。
歴史をみれば1953年の朝鮮戦争休戦協定が重要だ。当時の韓国は世界有数の貧困国で国民所得は一人当たり64ドルでアフリカ最貧国並みだった。戦闘で経済は崩壊し、数百万人が死亡し家族は離散の辛苦を味わった。韓国軍の実力では北朝鮮の侵攻が再度あった場合に国土防衛は全く不可能だった。
米国が手を差し伸べ韓国を侵略から守る盾を提供する必要があった。68年にわたりこの盾は数世代にわたる米駐留軍により永続的存在となり、韓国軍も米軍組織と考え方に倣い整備されてきた。
ただし同時に韓国は経済上の奇跡を実現し、最貧国から世界有数の富裕国へ変身した。2017年の韓国経済は世界11位の規模でIMF調べではGDPは1.5兆ドルとある。北朝鮮経済は暗黒時代といってよくGDPは韓国よりはるかに小規模の250億ドル。人口でも北はかなわなず54百万人に対して韓国は二倍の人口だ。.
冷戦時代は在韓米軍は75千名から44千名の間を保っていた。今日の在韓米軍は司令部をDMZ近くにおき、23千名が韓国国内に常駐し強力な装備を誇る。米陸軍の第二歩兵師団の航空旅団はAH-64アパッチ・ロングボウヘリコプターがあり、北朝鮮侵攻に対し第一防衛線として砲兵旅団も待機している。米軍ではドイツに次いで世界三番目の戦力が韓国に駐留する。
経済同様に韓国軍も1953年から大変化を遂げてきた。常備軍は625千名をこえ、さらに高度訓練を受けた予備役が520万名ある。韓国軍は世界第七位の戦力と位置付けられ、韓国陸軍の56万名は米陸軍正規兵が合計475千名なので規模の上で凌駕している。
米陸軍が世界各地で任務にあたるのに対し韓国陸軍の対象は一か所に集中できる。北朝鮮侵攻を160マイルに及ぶ国境線で撃退することだ。このため韓国には400機におよぶ高性能戦闘機があり、F-15やF-16に加えF-35も加わる。さらに戦車2,600両、戦闘装甲車両3,400両、火砲5千門がある。韓国製のK-2黒豹戦車、K-21歩兵戦闘車両、K-9自走迫撃砲で構成する機械化歩兵もある。さらに韓国陸軍は厳しい訓練で北朝鮮の通常型奇襲攻撃に備えている。
では65年も経過した今、米軍23千名の韓国駐留で初期防衛にあたらせることは絶対必要なのだろうか。過去60年間で状況は大きく変化しているが、大規模軍事プレゼンスを韓国国内に維持するのは米安全保障政策上で不動の原則とされてきた。純粋に軍事的観点で韓国には米通常戦能力が必要と主張する向きがあるが、こうした能力は韓国軍に短期間で段階的に肩代わりさせるべきだ。
紙の上では北朝鮮の常備軍百万名は強力に見えるが、北が韓国を短期間で制圧できるかは仮に米軍が現行の軍事力を朝鮮半島に維持しなくても疑問だ。装備が旧式で補給能力も限定される中で北朝鮮軍内部にも飢餓状態があり、農家に押し入り食物を探すというのでは無敵軍の印象と程遠い。北朝鮮が1950年同様の侵攻作戦を再現できる可能性は限りなく低く、在韓米軍が現行の23千名体制を下回っても勝利を収められないだろう。
米軍のプレゼンスを維持する軍事上の必要性は十年前とはいかずも数年前に消滅していたのだろうが、米外交政策が半面でそれだけ進化しておらず力の均衡の現実を反映していない。皮肉にも米国は韓国に大規模通常兵力を維持することを当然と思い込んできたが、必ずしも軍事上の必要からそう思ってきたのではなく、むしろ自国の信用度の維持が目的となってしまっていたのだ。この場合は韓国に向けてというよりもアジア全体に対して太平洋国家として示してきたといってよい。
米国が孤立主義に回帰するのではと見られる中で在韓米軍が撤退すればアジアからの戦略的撤退と受け止められかねず、逆に北朝鮮外交の勝利とみなされる。米国は戦略上で動きがとれなくなっている。対立の構図が変化してしまった。北朝鮮と米国が核対決を経た中で韓国に米軍プレゼンスを置く理由が忘れられがちだ。もともとは北朝鮮による通常型攻撃に備えるのが目的だったはずだ。米政権は北に非核化を求め、従わない場合は「すべての選択肢」がテーブルの上にあると警告している。皮肉にも在韓米軍のプレゼンスの基礎条件が核対立の前にかすんでしまったのである。
ただし現在進行中の力学で朝鮮半島の意義について再評価する機会が米国に生まれ、従来より現実的に軍事バランスを見直すことが可能となっている。そこには韓国軍の実力向上と中国の台頭も変化の一部としてとらえるべきだ。  
中国が米国と連携して北朝鮮に核兵器を平和的に放棄させるべきと考える向きが多い。中国は静かに圧力をかけて北朝鮮向け制裁措置を課しているが、中国の協力は絶対条件ではない。中国が米国に外交圧力をかけているのは疑う余地がないものの、これは中国にとって米国が東アジアで最大の競合国だからだ。中国からすれば米国があまりにも各地に国力を割いている状況を利用しない手はないのであり、冷戦時代と比べても米国の経済、軍事影響力の低下を把握している。
中国からすれば現在の米国は戦略的に勢力を分散させすぎており、朝鮮半島以外でもアフガニスタンからイラン、ロシア、アフリカ、南シナ海・東シナ海と各地で軍事的挑戦に晒されていると映る。また米国の財政赤字が増える中で世界各地での軍事コミットメントが減っておらず、中国はこれを横目に朝鮮半島戦略では米国に圧力をかけ続け、米国に一層の負担をさせることをねらう。中国も朝鮮半島での核戦争は望まないものの、米国に朝鮮半島問題に当たらせることで中国の外交政策上の目標は達成できると見ている。
戦争一歩手前で、あるいは北朝鮮に核兵器開発の選択肢を断念させる圧力をかけるため、米国には北朝鮮と言う国を1950年代より広範囲の戦略課題として位置付ける現実的な見方の政策が必要だ。1950年代は通常戦侵攻シナリオが主流で以後これが維持されて相当の時間が経過している。核抑止力が北朝鮮に今後も有効に機能すると想定するが、これは中国やロシアに対しても同様であり、北朝鮮が未来永劫に米国への脅威のままであるはずがない。現行の政策は厳しい国連の貿易制裁と核抑止力が中心だが、このまま無期限に維持すれば財政負担を生み、米国の財源を使い切る事態にもなりかねない。
核の傘の下で米国は条約上の義務を履行しながらも強力で富裕国になった韓国に北朝鮮による通常攻撃を食い止める主力の座を期待し、自らは縮小した米軍司令部が後方支援する形でその後到着する米軍戦力の展開を調整すればよい。
この見方をすれば北朝鮮は直接の脅威というよりも戦略上の要注意対象と言った存在になるが、一連のもつれをほどくのは単純な作業ではない。とくに米国の信用度を維持する課題を考慮すれば。現政権が在韓米軍の見直しをしていることには戦略上の意味が大きいが実際に一部にせよ撤兵を実施すれば微妙な均衡の確保が必要となり、かつ米国力の退潮の現れ、アジアからの撤退と受け止められない工夫が必要だ。このため米韓両国政府では今後も米戦術核の朝鮮半島再配備問題が議題として残るはずで、実際に昨年北朝鮮が水爆実験をした直後に検討内容に取り上げられている。
米軍の韓国撤退は交渉材料となるのか、あるいは核をめぐる頂上会談で議題に上らないのかもしれないが、戦略上は大きな話題であることは間違いない。米陸軍は数十年に及ぶ朝鮮半島駐留を終えて第二歩兵師団を本国に送還することになるのかもしれない。利用可能となる重要装備は将来の緊急事態への対応で使えるはずで、これは朝鮮半島に限らず世界各地が対象となる。巧妙に取り扱えば、在韓米軍の撤退は孤立主義への回帰ではなく戦力配備の戦略的再検討として米軍が将来の地球大での課題に対応する能力の裏付けとなり、過去65年ずっと変わらなかった凍り付いたシナリオから解放されるのだ。■
Ramon Marks is a retired New York international lawyer.
This article originally appeared on Real Clear Defense.

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