2021年9月10日金曜日

JDAMで対艦攻撃が可能となった。第四世代戦闘機にさらなる攻撃力が生まれる。中国海軍をにらんだ安価な攻撃方法を目指す米空軍。

 


 

GBU-31

F-15Eストライクイーグル三機が第85試験評価飛行隊からQUICKSINK共用性能技術実証テストに投入された。 Aug. 26, 2021. (U.S. Air Force photo by 1st Lt Lindsey Heflin)

 

GBU-31の試射で共用直接攻撃弾を「移動中並びに静止海上目標」に投入する道が開いた。

 

第85試験評価飛行隊のF-15Eストライクイーグル3機が2,000ポンドGBU-31JDAM改修型のテストを2021年8月26日に実施した。

 

実施した第53航空団は空軍研究本部(AFRL)とともにF-15Eで改修型GBU-31運用の戦術、手順を編み出し、移動海上目標、静止海上目標の双方に試した。テストの目的は「空中発射弾を艦船に向け発射し、これまでの対艦攻撃の体系を変えること」だったという。

 

「大型で航行する艦船へ空軍は2,000ポンドレーザー誘導式GBU-24を主に使っている」と同飛行隊のウェポンズシステム士官アンドリュー・スワンソン少佐が説明している。「ただし、同装備は理想的と言えないだけでなく、運用機の生存性を下げてしまう。そこで今回はこれを一新できるか試した」

 

JDAMは誘導式空対地兵器で各種弾頭に変更できる。2,000ポンドのBLU-109/MK 84、1,000ポンドのBLU-110/MK 83あるいは500ポンドのBLU-111/<K 82を装着できる。誘導では尾部の制御機構とGPS式のINSを使う。航法制御では位置、速度ベクトルを機体から与える。

 

米空軍が公表したGBU-31の写真はGBU-31(V)1/BのようでMK-84に誘導キットを装着している。広報資料にある「修正」について興味深い点がある。JDAMで「移動海上目標」を攻撃する方法だ。というのはJDAMはレーザー誘導方式ではないためで、(ただし後で述べるレーザーJDAMは別にある)もともとは固定静止目標を念頭に開発されたからだ。

 

第85試験評価飛行隊は空軍研究本部とともにF-15Eストライクイーグルに改修型2,000ポンドGBU-31JDAMを搭載した。テストの目的は空中投下爆弾で艦船攻撃を可能とし、対水上艦攻撃の体系を一変させることにあった。

(U.S. Air Force photo by 1st Lt Lindsey Heflin)

 

 

LGBs(レーザー誘導爆弾)を水上航行中の目標に投入するシナリオは以前からあるが、LGBのシーカーヘッドは悪天候、霧、煙などに影響を受けやすい。そのため効果が減少しかねない。また内部シーカーで標的を追尾する設計だが、レーザーで照準を合わせる。赤外線が主に使われ、正確な軌跡で目標に向かう。

 

同兵器の飛翔経路は光に沿うもので、標的自体ではない。そのため標的を別光源で照射する必要がある。地上部隊や、攻撃機が搭載するポッド、あるいは別の支援機が必要だ。一部のLGBではバックアップのGPS誘導が使えるが、GBU-31ではGPS座標と標的座標を自動的に参照して誘導する。

 

標的座標は離陸前に機体にロードする。その後乗員が発射前に手動調整する。あるいは機内センサーを介し自動修正する。もっとも正確なモードを使えばJDAMは誤差5メートル以内で命中する。この場合はGPSデータが使えることが条件だ。だがGPSが妨害された状況では誤差が30メートル以内になる。

 

レーザーJDAMはレーザーシーカーを先端につけ、JDAMで移動目標対応を可能とするものだ。GBU-56(V)2/BではMK-84 2,000-lb爆弾とDSU-40/Bセミアクティブレーザー(SAL)とKMU-556/B誘導装置を組み合わせる。

 

いずれにせよ、第53航空団が行った昨年テストではB-52HストラトフォートレスがJDAM数発を投下して水上攻撃の効果を試したが、今回のテストはQUICKSINK共用性能技術実証として実施され、低コストで魚雷同様の対艦攻撃能力を実現するのが目的だ。米海軍潜水艦なら魚雷一本で敵艦を撃破する能力があるが、発射により自艦の位置を露呈してしまう。■

 

F-15E Strike Eagles Tested Modified 2,000-pound GBU-31 JDAMs On Maritime Targets

September 2, 2021 Weapons

DAVID CENCIOTTI


2021年9月9日木曜日

環球時報が米国の航行の自由作戦に対し強硬な反論を展開。西側は犯罪者の開き直りの論理とみるだろうが....中国の仕掛ける「思想戦」に対抗できる論理、表現の力が必要ですね。

 真実とは何か。事実とは自分の見たいもののことであり、この論理を使えば世界は自分の価値観で見ることになります。おなじみの環球時報英語版ですが、先にお伝えした米駆逐艦ベンフォールドの南シナ海航行でとうとうこんな主張を展開してしまいました。われわれとしては敵の論理を打破するためにまず相手の言い分を聞くというのが妥当だと思われますが、こちらの価値観をくずされないためにも強い信念が必要と考える次第です。ウイグル問題で中国非難決議を阻止した日本政界の有力者がいますが、今話題の高市候補が自民党総裁、さらに総選挙に勝利し首相の座に就けば、まっさきにこうした中国の論理をつぶしにかかるでしょう。このため、中国としては高市候補の当選はなんとしても阻止しなければなりません。日本の報道陣も理由こそちがいますが、同候補の存在を最小化しようとしていますね。

   

 

 

ご注意 以下はCCPのメディア、環球時報の社説のご紹介です

 

駆逐艦USSベンフォールドが9月8日、南シナ海メイジ礁付近を中国の許可なく航行した。これに対し中国は航空機艦船を動員し、同艦に警告を与え、水域から退去させた。米側は第七艦隊の報道発表でUSSベンフォールドがメイジ礁から12カイリ内を航行したことを認め、航行の自由とともに通行権を主張した。また、メイジ礁は「国際法でいう領海を構成しない」とし、「埋立て、人為的な構築、構造物」を同礁上に作っても「国際法上の要件の変更はできない」と述べていた。

 

中米両国はメイジ礁起点12カイリの定義で意見が食い違っている。世界各地にも異なる見解がある。だが国際法ではいかなる国にも他国の主権に挑戦すべく軍艦を派遣することを許していない。特に米国は国連海洋法を批准しておらず、文句を言う権利はないはずだ。

 

米国の行為はむき出しの挑発行為以外の何物でもない。これはだれの目にも明白だ。メイジ礁には中国国民多数と施設がああり、米軍艦がここまで近くを航行したことで脅威を感じた。中国側も目をつむっているわけにいかず、対抗措置を取る。これは常識だ。

 

南シナ海に波を立ててヴィエトナムやフィリピンを行動させる米国の政策は空回りしている。軍艦を派遣し、いわゆる航行の自由を主張し、中国領の12カイリ以内を航行させたのは米国の焦りの証拠だ。

 

米国は遠隔地から軍艦を派遣し中国領近くで挑発行為を働かせた。これは米国が覇権主義を堂々と主張したのと同じだ。この選択が効果を上げるのは米国政府に必要な力がある場合のみで、中国は従来より国力を強化しており、上述の条件を無力化している。したがって米国が南シナ海で挑発するのは覇権主義を公にするだけでなく、中国を戦略的に圧迫する狙いがあるのだろう。こうした圧力が強まっても中国が国力に裏付けされた対応を取る中で、中米両国の海洋衝突の危険性が高まるだけだ。

 

ご注意 以下はCCPのメディア、環球時報の社説のご紹介です

 

では中国艦艇がアジア太平洋内の米軍基地に接近したらどうなるのか。また米同盟国の沿岸近くで偵察活動を展開したり、航行の自由を主張したらどうなるか。また、南シナ海に領有権を主張する各国も同様に他国の主張する島しょやサンゴ礁付近で作戦を展開すればどうなるか。世界の海洋秩序は好転するのか、悪化するのか。

 

米国に真実だけ伝えればよいと中国は考えているわけではない。中国は直接行動をとり、上記の接近偵察を展開するべく能力整備につとめる。中国の外洋艦隊整備がこれを実行可能とする。米国に苦い薬を飲ませることで米国並びにその同盟国の神経を高ぶらせ、さらに米国が南シナ海でいじめ行為を働いていることを西側世界に知らせることになる。

 

米国は南シナ海で巧妙な挑発行為を働くのなら、逆にPLAの展開する強力な対抗策を甘受すべきだ。両陣営のゲームは極限まで進みそうだ。米国は遠からぬ将来に自国すぐそばにPLA艦艇が現れる事態を経験することになる。中国と米国は制御不可能な事態に直面することになる。両国の艦艇、航空機が海上に展開し、緊張が高まれば、両国は引くに引けなくなる。

 

こうした状況が続けば、南シナ海で中米両国の衝突が遅かれ早かれ発生する。南シナ海の平和で最大の脅威が米国であり、域内の平和が同国により崩される日が来るかもしれない。これは決して大げさに表現して脅かそうとしているわけではない。

 

中国は海上で米国と競い合っているが、両国が事態を制御できなくなった場合に備え、軍事衝突に備えるべきだ。あるいは大規模軍事衝突がその後発生するかもしれない。状況が制御できなくなり、中米両国が軍事衝突の引き金を引けば、本国に近い方が圧倒的に有利となる。戦争に勝つのは中国である。■

 

ご注意 以上はCCPのメディア、環球時報の社説のご紹介です

 

China won't accept US hegemonic acts in the South China Sea: Global Times editorial

By Global Times

Published: Sep 08, 2021 11:39 PM


米空軍の第六世代機NGADのここがわからない。F-3との共同開発の可能性はあるのか。不明点が多すぎる。

 

NGAD試作機が初飛行したとの驚きのローパー発言から1年。高度の保安体制なのか、同機の情報はちっとも聞こえてきません。それとも従来の戦闘機開発と全く違う形態なのか。あるいは実はNGADはまだ存在しないのか。軍民の航空事情に詳しいアブラフィア氏に現時点でわかっていること、わからないことを整理してもらいましょう。Aviation Weekの記事からです。

 

U.S. Air Force’s NGAD program

Credit: Kenneth McNulty/U.S. Air Force

 

空軍が進める次世代制空(NGAD)が大規模な事業になるのはまちがいない。だが二つ不明な点が残る。実機はすでに飛行しているのか、またどの会社が主契約企業なのか。その他にも疑問点が5つある。

まず、昨年9月のこと、当時の空軍調達トップ、ウィル・ローパーが実寸大試作機の存在を明らかにし、飛行テスト中で「記録を数々破っている」とした。NGADをさしているようだったが、もともと同構想は進化系の機体で、試作機の完成度に疑問があったし、同機がNGADの最終目標とどこまで関連するのかは今も不明だ。だがNGADが事業として進展しているのは明らかで、R&D予算だけで2022年度予算要求に15億ドルが計上されている。ちなみに2021年度は9億ドルだった。

次に、試作機はどこが製造したのか。今年第二四半期にロッキード・マーティンが一株当たり0.61ドルを極秘事業収益とし、第一四半期実績で135百万ドルを極秘事業で売り上げたと公表している。同社はスカンクワークスに大型新工場を立ち上げた。同社は極秘偵察機を小規模製造しており、大規模かつ新規工場は不要なはずだ。となると新工場は新型戦闘機関連なのか。だが、ボーイングノースロップ・グラマンも競合企業のはずだ。

こうした点が見えない上に、さらにNGADをめぐり疑問が五点残ったままだ。

1. どんなタイミングになるのか。機体開発しミッションシステムを統合し、その他重要部品も搭載するのはテスト機組立よりはるかに大規模の業務だ。試作機が飛んでも作戦機材の製造は別の次元だ。ロッキード・マーティンYF-22の初飛行からF-22の引き渡しまで12年が経過している。X-35からF-35までも10年近くかかっている。デジタル化が工程を短縮したというが、実際に効果が出ている証拠はない。デジタル時代前のF-15とF-16では初飛行から引き渡し開始までそれぞれ2年、5年しかかかっていない。

2. 何機調達するのか。ローパーはデジタルセンチュリーシリーズとして、比較的小規模の調達で各種機材を連続開発すると言っていた。だが調達規模は時間と関係する。調達に10年もかかるような戦闘機なら少数機調達は著しく非効率となる。また敵も関係する。超大国が相手なら中短期的には現行モデルの生産継続のほうが次の戦闘機の完成を待つよりも賢い選択だ。

3. 各軍共用性をどこまで持たせるのか。海軍のF/A-XX事業はNGADより進展も予算確保も遅れているようだ。歴史を見れば、NGADを海軍仕様にしても要求水準を満足させる可能性は低い。共用打撃戦闘機は空軍、海兵隊が中心の戦闘機だ。海軍はF-35C調達は小規模にとどめる。F-14、F-15、F-16、F/A-18、F-22の各機で「共用運用性」はすべて失敗している。米軍で真の共用機材だったマクダネルF-4はもはや過去の存在で、米空軍は共用機材の実現に乗り気ではない。

4. どこまでグローバルになるのか。F-35には海外発注があり、F-22は政治的かつ経済的な理由で海外発注は皆無だった。F-15はハイエンド戦闘機輸出の成功例となった。NGAD生産が長期にわたり国際的な関心を集めれば、イーグル導入国への売り込みが期待される。その一つが日本で、NGAD共同生産は国産F-3ステルス戦闘機開発に代わる有力な選択肢となりうる

これはあり得るのでしょうか。F-3開発が急にNGAD共同開発になれば一大事です

5. 調達が本格化すればどんな影響が出るか。NGAD調達が拡大すれば予算面でF-35A、F-15EXの調達にしわ寄せが出る。後者は古い機材が原型で、調達ペースもゆっくりしているが、NGADの登場でF-15EXは終了になっておかしくない。また空軍参謀早朝チャールズ・Q・ブラウン大将はここにきてF-22を退役させ、F-35A、F-15、F-16、NGADで戦闘機部隊を構成すると発言している。

これに加え、新型機の性能が見えてこない。同機を配備した場合、中国との力の均衡にどんな影響が出るのか。NGADは無人機とチームを組んで西太平洋における軍事力不足を補えるか。この答えが出るのは数年先だろうが、米国の戦略地図を左右しかねない。■

The views expressed are not necessarily those of Aviation Week.

Opinion: Key Questions About USAF's NGAD Sixth-Gen Aircraft Program

Richard Aboulafia August 19, 2021

Richard Aboulafia

Contributing columnist Richard Aboulafia is vice president of analysis at Teal Group. He is based in Washington.

 


どちらが真実を語っているのか---9月8日USSベンフォールドによるFONOPをめぐる米中両国の主張の違い.判断は読者にお任せします。

 

事実はひとつでも価値観のちがい、主義主張の違いから報道内容が大きく異なることがあります。このたび航行の自由作戦を展開した米駆逐艦について対照的な報道記事が出ましたのでご紹介します。



2021年9月8日USSベンフォールド(DDG-65) が南シナ海で航行の自由作戦を実施した。 US Navy Photo

 

まず、USNI Newsはこう伝えています。

 

 

海軍は航行の自由作戦(FONOP)を実施した米艦艇を南シナ海から追い出したとの中国の主張を否定した。

 

第七艦隊はUSSベンフォールド(DDG-65)がスプラトリー諸島付近を9月8日航行したと発表。人民解放軍(PLA)はFONOPを非難し、米艦を追尾したのち排除したと国営メディアCGTNが伝えている。

 

PLA南方戦域司令部報道官Tian Junilは「高度警戒態勢を維持している」とCGTNが伝えている。

 

米海軍は中国の発表内容を否定し、FONOPを国際法の枠内で実施したと主張している。

 

「PRCが今回のミッションについて発表した内容は虚偽だ。USSベンフォールドはFONOPを国際法に準拠して実施した。この実施は航行の自由と海域の合法的な活用を進めるに対するわが国の姿勢を反映したものだ。米国は今後も飛行、航行、運用を国際法の許す範囲で継続する。USSベンフォールドはその模範を示した。PRCの主張内容のいかんにかかわらずわが方はこのまま進む」(第七艦隊発表)

 

「PLA発表はPRCによる米海上活動の合法性を曲解しながら、南シナ海域の東南アジア各国に波紋を拡げる過剰かつ根拠のない領有主張の最新例に過ぎない。米国が国際法に則り、自由で開かれたインド太平洋の展望を堅持するのと対照的なのがPRCの行動だ。大小を問わずあらゆる国家の主権を尊重すべきであり、力の脅しに屈せず、経済成長を各国合意の国際ルールや規範の元で追及することが可能としなければならない」

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ベンフォールドは7月にもパラセル諸島付近でFONOPを実施し、この際も中国は同艦を南シナ海で追尾し追いだしたと発表しており、やはり米海軍はこの主張を一蹴していた。■

 

Destroyer Performs FONOP, US Navy Disputes Chinese Claim That It Ousted Warship - USNI News

By: Mallory Shelbourne

September 8, 2021 12:32 PM

 

では、おなじみ環球時報英語版の記事はこれをどう報じているかを見てみましょう

 

民解放軍南方戦域司令部は9月8日高度警戒態勢に入り中国の主権、安全を守り、南シナ海の安全安定を維持すると発表しt。これは米駆逐艦が中国領海に侵入したのに対し警告を与えたことを受けてのこと。数日前も米空母が同地域で挑発的な展開を示していた。

 

9月8日、米誘導ミサイル駆逐艦USSベンフォールドが南シナ海メイジ礁隣接部を中国の許可なく通航したため、PLA南方戦域司令部は同艦の追尾、監視を展開し、警告を与えたのち同水域から排除したと同司令部は発表。

 

報道官空軍上級大佐Tian Junliは米側の行動は中国主権の侵害と指摘し、米国が目指す海洋覇権と南シナ海軍事化の動きを示す証拠だとした。

 

「米国こそリスクを作り出している側との証拠が次々に出ており、域内の安全安定を損なっているのは米国だ」(Tian大佐)

 

同報道官発表の声明文では中国は島しょ部及び近隣水域に主権を有し、PLA南方戦域司令部は高度警戒態勢にあると述べている。

 

北京のシンクタンク、南シナ海戦略状況調査事業 (SCSPI)によれば空母USSカール・ビンソンがバシー海峡から南シナ海に9月6日に移動しており、

米空母の南シナ海への移動は今年に入り六回目だとSCSPIは述べている。

 

中国在住の軍事専門家Fu Qianshaoは米駆逐艦が中国領海を通過航行したこと、米空母が南シナ海入りしたことは中国をにらんだ挑発行為であり、日本近海に展開する英空母HMSクイーン・エリザベスと連携しているとGlobal Timesに指摘。

 

USSカール・ビンソンには米海軍初のF-35C戦闘機とCMV-22Bティルトローターで編成の航空団が搭載されており、海外への展開はこれが初と米海軍協会が伝えている。

 

そのUSSカール・ビンソンが南シナ海へ直行しているのは中国封じ込めが目的だが、中国には対ステルスレーダーがあり、F-35Cの探知は可能とFuは指摘。またCMV-22Bに島しょ部へ着陸できる性能があるが、中国には対抗策がるとも述べた。

 

こうした挑発行為へ中国は余裕を持って対応できるとFuは述べる。「第二列島線内部でPLAは負けない」■

 

PLA on alert amid US' provocative destroyer, carrier activities in South China Sea

 

By Leng Shumei and Liu Xuanzun

Published: Sep 08, 2021 07:59 PM

   


2021年9月8日水曜日

ファイブアイズはナインアイズへ。日本、インド、ドイツ、南朝鮮の加盟へ。

 



「ファイブアイズ」サミットがカリフォーニアで2019年に開かれた(Photo: Rights reserved).


「ファイブアイズ」通信傍受追尾集団を率いる米国はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国とともに新規加盟国を加えたいとする。


1941年の大西洋憲章調印後に英米両国は枢軸国の通信傍受の仕組みづくりに動いた。1946年のUKUSA合意に発展し、1948年にカナダを加え、その後オーストラリア、ニュージーランドが1956年に加入し、「ファイブアイズ」(FVEY)が生まれた。


その後、第二陣として発足五か国と同等ではないが、デンマーク、フランス、ノルウェー、オランダ加わり、さらにその後ドイツ、ベルギー、スペイン、イタリア、スウェーデンも加わった。今回は第四次加盟国として南朝鮮、イスラエル、日本、シンガポールが加わる。


下院軍事委員会はドイツ、南朝鮮、インド、日本の地位を高めるべきとの構想を練っている。


ファイブアイズの全貌は2013年にエドワード・スノーデンがすっぱ抜くまで誰も知らなかった。この「内部告発」によりファイブアイズは外国勢力のみならず加盟国国民も監視対象にしていることが判明した。スノーデンは現在ロシアに亡命中だが、以下の監視事業五種類を暴露した。

  • プリズムは主要インターネットプロバイダー各社上のインターネット通信を不法に監視するもの

  • テンポラは潜水艦ケーブルを介しての通信傍受

  • マスキュラーは国際間のデータベースのやり取りを傍受する

  • ステイトルーム(ウィーン条約に違反し大使館、領事館の現地通信を傍受する)

  •  Xキースコアは世界規模のデータ処理


ファイブアイズは国家が運用するというよりむしろ国家の域を超える存在だ。各国の憲法や基本法を違反することもある。加盟国の元首や政府が集まった姿よりも強力を誇る。「世界で最も監視されてるのはファイブアイズ」国の市民で、中国やロシア国民よりもその監視の強さは大きい。■


"Five Eyes" about to become "Nine Eyes"

VOLTAIRE NETWORK | 6 SEPTEMBER 2021


2021年9月7日火曜日

フィリピン上空を通過した謎の機体の正体を推測する。RQ-180か。そもそも同機の姿は今のところ不明なのだが....

 Mystery flying wing over the Philippines RQ-180

FUGNIT 

ィリピンは南シナ海、フィリピン海に囲まれ、ともに中国、米国の軍事活動が活発になっている場所だ。爆撃機から無人機まで各種装備が上空を飛ぶのが普通になっているが、9月2日現地時間午前6時15分ころ風景写真家マイケル・フグニットが異様な姿をレンズに捉えた。全翼機のようでダイヤモンド形の機体で長い主翼、双発のようで排気はひとつにまとめてあり、機体に膨らみがついている。

 

フグニットは日の出を捉えるつもりでサナンマグダレーニャへ出かけたものの、上空を通過する航空機に気づいたので撮影したとThe War Zoneに語った。その写真を見ると通常の民間機や軍用機と異なる機体が空を横切るのがわかる。

 

MICHAEL FUGNIT

マイケルの写真がこれ。本人は"Fujifilmxt2 +50-200mm"で撮影し、早朝の陽光のため画質が粗くなったと説明。

 

現時点では写真が本物である裏付けが取れていないことを明記しておく。フォトショップで点検したが何も不審な点はなかった。本人が写真を偽造したと信じる理由もないが、写真データは操作可能であることは確かだ。今後、別のツールを使い、さらに専門家の意見も聞き、真贋を確かめる。

 

一見すると写真の機体はRQ-180センティネルと通常呼ばれる機体に似ているようだ。高高度長時間飛行可能のステルス無人機で、極めて限定的に供用され、極秘作戦との関連が言われる。同地上空を飛行していたのであれば説明がつく。なんといっても同機の運用想定に符合する場所であるからだが、同時に他地区への移動経路にもあたり、米本土への帰還途中だった可能性もある。

 

また日の出という時間帯で人口稠密地帯上空を横断し太平洋に抜けるフライトも説明がつく。同機はネヴァダのエリア51を本拠地に活動しているといわれ、超長距離ミッションに投入されているが、インド洋のディエゴガルシア島も運用基地になっている。同地の特別施設はB-2スピリットステルス爆撃機の支援も可能で、RQ-180への対応も可能なはずだ。その他極秘機材の運用地としてグアムのアンダーセン空軍基地もあるが、同機運用を展開するのはあまりにも目立つ場所になる。

 

HANGAR B PRODUCTIONS

RQ-180の公開情報から作成した想像図。

 

今回とらえられた機体の姿は我々が理解している米ステルス機HALE(高高度長時間飛行)無人機RQ-180の形状に似ているが可能性は別にもある。中国には無人機開発案件が多数があり、なH-20ステルス爆撃機以外の無人機開発も進展中だ。RQ-180におおむね近い形のCH-7レインボーもある。またスターシャドーの開発も判明しており、機体形状は今回の画像のものと近い。中国の無人機では存在が判明しているものとしていないものがあり、今回の画像に符合するものもある。

 

今回の機体の飛行高度が不明のため、機体が戦略機材で中高度でも長時間飛行可能な性能だったのかも判明しない。とはいえ、中国製無人機の飛行が同地区で日常茶飯事になるのは数年先のことのはずで、今回のフライトが秘密のうちに実施されたテストだった可能性もある。偵察機材に領有権をめぐり対立する諸国の上空を飛行させ、重要情報を中国が入手するのはありうる事態だ。

 

機体がH-20ステルス爆撃機だった可能性は極めて低い。まず、同機が完成済みで飛行テストを開始しているとの情報はない。ではB-2スピリットが移動飛行した可能性はどうか。

 

写真ではB-2の特徴と異なる形状に見える。また撮影時点の無線交信やフライト追跡データにはB-2が同地上空を飛んだ痕跡はない。RQ-170という別の可能性もある。同機が海上監視用に改良されていることが判明しており、アジアに投入されているのも事実だが、主翼形状が異なる。ただし、可能性としては残しておく。

 

ということだと、推論にふたつの問題がある。まず、米英インド日本オーストラリアの各国がフィリピン海で最大規模の海軍演習を展開した。これは中国にとって大きな関心事項のはずだ。演習は8月末に閉幕となったが、同機が飛行した時点で艦艇がまだ残っていた。逆も真であり、中国艦艇も同地区で活動を展開しており、米国が大きな関心を示す対象であるのも確かだ。

 

南シナ海、フィリピン海はともに世界中で最も頻繁に監視を受けており、米中のみならずその他の国の偵察機多数が毎日飛び回っている。

 

次にこの仮説に関連するか関連しないかわからないが次の事実がある。フィリピン現地報道機関には同日に謎の機体に向け戦闘機スクランブルがあったとの記事が出ている。時間も写真撮影時とほぼ合致する。そのひとつInquirer.netの記事は以下の通りだ。

フィリピン空軍(PAF) は「スクランブル出撃」でFA-50軽戦闘機の二機を発進させ、「正体不明の航空機」に向かわせた。この機体はフィリピン領空に9月2日接近したもの。

PAF発表ではフィリピン防空指揮所が未確認機がパンガシナン州ボリナオ北西120カイリのフィリピン防空識別圏へ接近するのを探知した。

「未確認機は高度21千フィート、265ノットで北東に向かっていた」

「FA-50編隊は最大速力で未確認機へ向かうと、4分後に未確認機は北へ方向を変え、400ノットに加速しフィリピン領空から離れた。迎撃は9:45AMで終了した」とPAFは述べている。

空軍報道官メイナード・マリアノ中佐は同機の飛行意図は不明で無線交信への返答もなかったと記者団に語った。

 

ここで最大の相違点は時間だ。空軍の迎撃が終了したのは写真撮影時間から3.5時間後のことだ。ステルス機は写真撮影後に上空に滞空していたのか。ステルス偵察機はそもそもその機能を有する。高度もHALEにしては低すぎるが、戦術機にはあり得る話だ。またこういう種類の機体には高度の電子戦装備が搭載され自機防御を行い、実際の高度の確定は困難になることがある。

 

今回は基本的な背景情報を整理してから記事掲載をした。映像のさらなる解析や事実解明が進めば別途お伝えする。最後になるが、映像そのものが真実でない可能性もあるので、今回の記事はすべて速報であるとお断りしておく。■


この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。

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Mystery Flying Wing Aircraft Photographed Over The Philippines

The aircraft resembles the one seen in an image taken in California a year ago that is thought to be of the elusive RQ-180 stealth spy aircraft. 

BY TYLER ROGOWAY SEPTEMBER 4, 2021

2021年9月6日月曜日

NATOが加盟国に求める防衛費GDP2%目標を達成している国、していない国。日本の1%上限がいかに低いかがよくわかる。

 


年3月、NATOが国防支出に関する年次報告書を発表した。北大西洋条約機構では加盟29か国に最低でも国内総生産GDP2パーセント相当の国防支出を求めている。


大したことがない数字に見えるが、実現できている加盟国ではわずかで、NATO内部で論議を呼んでいる。


2020年のNATO全体の支出規模は1.028兆ドルで、うち米国が7,170億ドルと最大だった。2019年は1.001兆ドルでやはり米国が7,020億ドルと最大規模だった。


2019年から2020年にかけNATO加盟国はコロナウィルス流行にもかかわらず国防支出を実質3.9パーセント増加させている。


NATO事務局は加盟各国が提出する国防支出の現況と見通しの報告に加え、経済協力開発機構(OECD)、ヨーロッパ委員会の経済財政局による経済国勢情報からの報告を取りまとめている。


各国の国防支出は人件費、作戦維持費、組織維持費、主要装備費の四分類で成り立つ。


まず、次の5か国がGDP比で国防支出水準が多い上位国だ。

  • 米国 (3.73%)

  • ギリシア (2.68%)

  • エストニア (2.33%)

  • 英国 (2.32%)

  • ボーランド (2.31%)

それに対し、次の5か国が底辺に位置する。

  • 北マケドニア (1.27%)

  • スペイン (1.17%)

  • スロヴェニア (1.10%)

  • ベルギー (1.07%)

  • ルクセンブルグ (0.57%)


なお、フランスは第9位の2.04パーセント、ドイツは第11位の1.56パーセント、イタリアは1.39パーセントで21位だった。


ただしNATOではこうした数字では各国ごとに国防支出の定義が統一されていないため解釈に注意が必要としている。例として装備費があり、NATOでは新型装備の研究開発費も含めている。同様に人件費には年金費も含めている。


ブリンケン国務長官も同席した記者会見でNATO事務局長イェンス・ストルテンベルグからNATOはテロ、サイバー攻撃、中国の台頭、ロシアの不穏な動き等に常時対応を迫られている他、核兵器の拡散、気候変動もここに含まれると発言した。


「この数年、機構内部の議論でで加盟国に若干の相違があることがわかったが、あらためて機構を強力に維持する重要性が浮き彫りになった。


「状況に合わせていく必要性を訴えてきたが、軍事力の養成のみらずすべての問題へ対応が必要だ。そのため加盟国が団結し、中国の台頭ならびに強気で強硬なロシアに対応していく。これこそNATOの存在意義だ」


ストルテンベルグ事務局長は世論調査結果を引用し、各国国民のNATO観を説明した。NATO加盟を続けるべきかとの問いに加盟国全体の62パーセントが賛成しており、79パーセントは北米欧州間のつながりの強化に賛成である。


識者や政治家がNATOの意義、必要性へ疑問を呈することが多い。機構自体が時代遅れになっており、本来ソ連崩壊とともに解散すべきだったとの意見さえある。


1949年のNATO創設の理由に米国欧州をソ連侵攻から防衛することがあった。条約機構自体は当時のままではないものの、今も健在だ。脅威がなくなったわけではない。ロシアの再興、中国の台頭、テロ活動に終息の兆候がない。こうした脅威に対応すべく、機構は今後も変化し続け、加盟国は共通の目的の下に動く必要がある。29か国にとってこれは容易な命題ではない。■


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How much does each NATO nation spend on defense?

HOW MUCH DOES EACH NATO NATION SPEND ON DEFENSE?

Stavros Atlamazoglou | April 16, 2021