2011年9月20日火曜日

F-22飛行運用再開へ

U.S. Air Force Clears F-22 Fleet For Flight  

aviationweek.com Sep 19, 2011

                                 
米空軍はF-22の飛行再開を9月21日付で認め、パイロットへの酸素供給を強化する形で進めると議会に19日に報告した。
  1. ラ プター各機は5月3日以来地上待機となっていた。パイロットに低酸素症の兆候が発見されたため。空軍科学審議会が調査に乗り出したが決定的な原因は見つ かっていないことが議会に報告されている。かわりに搭載する酸素発生器(Obogs)がパイロットに適度の酸素を供給しなかった理由には複数の要因があっ たのではないかと調査を進めている。
  2. この問題により空軍はF-15C部隊の再編成を進めている。また機体の点検を強化し、訓練や防護策でパイロットに生理学的なテストも実施している。
  3. 同審議会は「残る問題の解決」に今も取り組んでおり、最終報告は今秋の末の予定だ。
  4. Obogsの欠陥により2010年11月に発生したアラスカの第525戦闘機中隊のF-22喪失事故が発生したと見られる。同機のパイロットは機体脱出せず死亡。墜落地点に大きな穴ができていることから機体が高速急角度で地面に衝突したことが伺われる。
  5. Obogs はF-22向けは英国のハネウェルが制作したもので、F/A-18は米国のCobham(旧ベンディックス)が納入している。ただし作動原理は共通で、エ ンジンのブリードエアを分子レベルで振るいにかけ酸素を発生させ、窒素他のガスを吸収して、パイロットにはほぼ樹酸素の状態で送風する。
  6. これに対し空軍は口を閉ざしており、今回の地上待機でラプターはリビア作戦にも投入されず、光学な同機の存在が改めてワシントンでは厳しく見られていた。

2011年9月18日日曜日

NRO長官が近況を語る


NRO Chief Protects Tech, Procurement Budgets

aviationweek.com Sep 16, 2011



米国の極秘情報収集衛星群の状態は良好、かつ現在開発中の次世代宇宙機の進捗も良好だと極秘宇宙機を設計、運用する国家偵察局 National Reconnaissance Office (NRO)長官が発言している。

  1. ブ ルース・カールソン空軍大将(退役)Bruce Carlsonは同局の科学技術開発予算規模を「維持」していると強調している。これまで科学技術開発予算は同局予算の8%台であったが、近年は5%近く に下がっていた。この予算で革新的な技術の配備につながる先端的な業務が支えられている。
  2. 予算削減が求まられるのであれば、職員や技術の現行レベルを維持するの使われている業務予算を削減する道を選ぶと同局長は語る。ただし、これによりNROが迅速に対応する能力が損なわれる。
  3. 軌道上にある衛星の多くは旧ソ連の情報データ収集に特化した設計だとカールソン局長は語り、NROは反テロネットワーク活動を支援する方向に大きく方向転換しているという。例としてアフガニスタンの即席爆発物(IED)を作動前に探知することに成功している。
  4. NRO の課題は通信情報・画像情報含む多様な情報を統合して伝達することで、局長は「数分間以内に実施できる」と「レッド・ドット」計画の例を挙げる。名前の由 来は陸上兵士がもつデジタル地図上にIEDの所在地を疑われる地点に赤い点で表示するためだ。これは通信情報データを携帯電話等の発信機に転送するもの。 携帯電話はIED爆破に使用される。
  5. また、現場で使用される通信機器について以前は半径3マイル以内の範囲で捉えていたが、現在は数メートル単位で可能だという。これは敵の通信手段が米国の誘導兵器の目標になるということだ。
  6. 寿命3年から4年といわれる衛星画10年たっても機能しているとカールソン局長は語り、新型衛星の開発調達計画も順調に進捗しているという。

2011年9月17日土曜日

米上院の動き 国防予算削減へ対応し勘定を潜りこませる 



Senators Shift Billions in Defense Off Budget

aviationweek.com Sep 16, 2011

上院歳出委員会の2012年度国防予算の調達削減規模は予想より三分の一程度少ないもの。同委員会が9月15日に可決した案では基本調達を60億ドル削減し、29億ドルを予備費に編入しアフガニスタンでの戦闘活動の支出に充当する。
  1. 同案の予算項目合計22点には国防総省でも最高度の優先順位がついているMQ-1Aグレイイーグル、MQ-8ファイヤースカウト、MQ-9リーパーといったUAV各機が含まれている。
  2. その他調達にめどが付いた装備には陸軍向け155-mm軽量榴弾砲、ロケット対抗迫撃砲、ハンビーの仕様強化が含まれる。
  3. 22 件合計で33億ドルとなるが、2012年度予算編成の当初は全てが基本予算でゼロ査定となっていた。同委員会は調達規模を削減したものの、9割相当の予算 を臨時戦闘勘定に潜り込ませ、戦闘運用及び保守活動でも同じように本予算から米中央軍の広報、隊員家族支援その他の予算を財源に切り替えている。
  4. 9 月13日に上院国防歳出小委員会はペンタゴンは不要予算50億ドルがあり、兵員数削減によるものだと発表。それに対し歳出委員会による法案はオバマ政権が 求める総額1,170億ドル戦闘継続予算にはほとんど手をつけていない一方で260億ドルを基本予算から削減し、予算管理法が求める赤字削減に対応しよう としている。
  5. 計上された予算は一見アフガニスタン国内の戦闘活動に関連しているように見えるが、戦端を切ってからワシントンの予算専門家たちは戦闘継続に必要な支出を見極め、その結果基本予算に残る規模はいくらあるべきかを巡り議論を続けてきた。
  6. 2006 年10月に国防副長官(当時)ゴードン・イングランドGordon Englandは議論の種となったメモを発表し、戦闘勘定に「対テロ世界戦争」に必要な経費のすべてを盛り込み、戦闘中に喪失した装備の改修・修理も可能 とすべきと主張した。その結果、戦闘活動を理由とした支出は4割増加し、その中にロッキード・マーティン共用打撃戦闘機開発予算も計上された。
  7. 補正国防支出には伝統的に本予算要求と同程度の議会による精査は必要としないもので、補正支出そのものが緊急性があるためとされてきた。その反面民主党はジョージ・W・分ブッシュ前政権の予算管理の不備を攻めてきた。
  8. この結果戦闘活動支出にいっそう厳しい定義が導入されることになり、オバマ大統領の選挙公約がこれを求めてきた内容と同じだ。そうなるとオバマ政権が上院の動きに同調すれば、公約の後退と受け止められるおそれがある。

2011年9月10日土曜日

T-50を世界各国に売り込もうとするロシア




Russia Sees 1,000 T-50 Sales

aviationweek.com Sep 9, 2011
  1. ロシアはT-50戦闘機の需要は1,000機にのぼるものがあると見込んでいる。
  2. 同機導入を契約済みのロシア、インドに加え、10カ国以上で274機から388機の商談があるとロシア国防省関連団体のTsamto分析センターは見ている。
  3. 輸 出先にまず想定されるのが、アルジェリア、シリアで、販売が成立するのは早くて2025年の予想。ラテンアメリカではブラジル、ヴェネズエラ、アルゼンチ ンが先陣を切ると見られ、この中ではヴェネズエラがまず2027年以降に導入する予測だ。同国には中国も戦闘機を売却している。
  4. その中国にも同期販売の可能性は排除しないが危険性があると指摘する。そのひとつが同機の知的所有権をロシアが守ることができるかで、スホイSu-27を過去売却した結果、見事にコピーされた苦い経験がある。
  5. その他にアジアではインドネシア、マレーシア、ベトナムが輸出先として有望だ。
  6. Tsamtoは西側ヨーロッパも同機の購入可能性はあると予測している。


2011年9月4日日曜日

MALDの新しい作戦用途

Old Weapons, New Tricks 

aviationweek.com Sep 1, 2011

                                               
ISR(情報収集・偵察・監視ミッション)に電磁スペクトルの領域が加わり、新しい性能が浮上してきた。サイバー戦、電子・情報戦能力だ。

  1. そ の中で2つの兵器体系が注目を集める。ひとつが高速対放射線ミサイル(HARM)により地対空うミサイル(SAM)陣地を運動学敵に破壊する策とミニチュ ア上空発射おとり miniature air-launched decoy(MALD)でSAMを惹きつけてその位置を電子的に探知する方法だ。電子ネットワーク攻撃でこの2つが重要となり今後はその性能が拡充 されるだろう。
  2. MALDは各種航空機の特性をシミュレートすることで おとり目標となる。2010年にF-16とB-52仁搭載されて実戦化された。
  3. 「B- 52機内でMALDはSmart1760バスに接続され操作員あるいは情報部員が飛行中にプログラムを変更できます。発射後のMALDは特定の機体として 認識され、SAMやレーダー基地を目標とすることができます。その情報から敵のIAD(統合防空網)の種別や位置を割り出すことが可能です。または HARMを使って敵施設を破壊することができます」(レイセオンのMALD-Jプロジェクト責任者).
  4. 米 海軍もMALDに関心を示し、F/A-18E/Fスーパーホーネットに装備する可能性が高い。作戦立案では攻撃ジャミング装置の検討をしており、MALD は独立したミッションを近接範囲出実施可能であるので有望な候補だ。MALDの重量は300ポンドを下回り、ここに80ポンドの燃料が入っている。これで 2時間以上の飛行が可能で500マイルの有効距離がある。空軍、海軍が着目しているのは電子ジャミング機能を搭載した派生型MALD-Jで空軍が2012 年に配備を開始する。
  5. レ イセオンはMALD-Vの採用を期待する。これは弾頭部分に任意のペイロードを搭載できる設計だ。同社はここに電子攻撃・通信ペイロードの搭載を検討中 で、高出力マイクロウェーブまたは無線周波数バースト装置を組み込む。このため同社はその分野ヲ専門とする企業を買収している。
  6. MALD は外寸が小さいことから探知は難しく、目標に接近できる点で有人機や大型無人機よりも優位性がある。これにより多くのミッションに最適と考えられており、 電磁パルスによる電子攻撃への応用も想定される。これにより無動力誘導爆弾と長距離巡航ミサイルの間のギャップを埋めることができる。運用は上空 35,000フィート上限で可能で、飛行速度はマッハ0.2から0.9の間になる。
  7. こ れに対しHARMに非運動性志向エネルギー弾頭を搭載することで、対電子兵器とする検討も進むだろう。HARMコントロールセクション改修の製作が進行中 だ。GPSと性能向上型IMU(慣性測定装置)を組み合わせて命中精度を上げるのが目標。付随被害、自軍攻撃を減らすのも期待できる。

2011年8月28日日曜日

米海軍もF-35の行方に疑問視

Navy Official Questions Need For JSF Variants

aviationweek.com Aug 25, 2011

ロ バート・ワーク米海軍次官U.S. Navy Undersecretary Robert Work は海軍・海兵隊関係者に対して海軍が進めている戦術機開発で低コスト代替手段を検討すべきだ、さらにF-35B短距離離陸垂直着陸機または空母運用型F- 35Cの計画中止の影響について検討すべきだと7月に伝えている。同次官は2013年度予算案提出を睨んで内部検討を模索している。
  1. あわせてワーク次官は海軍・海兵隊が計画している合計40飛行隊680機のJSF運用規模が縮小する際の検討も求めており、無人機による代替策の開発促進の可能性も検討するように求めている。F-35B、F-35Cの発注取消の可能性はまだ認識されていない。
  2. こ れらの指示は同次官から海軍調達部門の責任者ショーン・スタッキーSean Stackley、海軍作戦副部長ジョナサン・グリーナート大将Vice Chief Of Naval Operations Adm. Jonathan Greenertおよび海兵隊副司令官ジョセフ・ダンフォード大将assistant Marine Commandant Gen. Joseph Dunfordに送られた7月7日付けメモの内容だ。ワーク次官は検討チームを編成し戦術機代替策を三案作成し、それぞれ50億ドル、75億ドル、100 億ドルを今後の国防予算から削減する方法を求めている。その結果から同次官は「費用と効果の双方で最適の代替策」を決定したいとしている。
  3. 「今 回の見直しはすべての計画局面でおこなわれるべきだ。たとえ長期計画で購入するはずだったJSFでも調達削減効果を検討するべし」と同メモはまとめてい る。「ブロック2のF/A-18E/Fと同機の改修計画、F-35BとF-35C各機の中核的性能でどこが違うのかを明らかにすることをチームに求める」 ともしている。
  4. 同メモでは比較分析を短時間でメモの日付の三週間後以内に完了することをもとめており、それによれば7月28日だったが、その内容は公表されていない。

コメント:これはF-35が米国においても疑問視されている証です。コストの大幅な上昇で調達すればその後の維持費で、取消にすれば大幅な違約金、どちらにころんでも国防予算削減の流れの中で棘の存在になるのが同機の運命なのでしょうか。

2011年8月27日土曜日

浮かび上がってきた新型爆撃機構想はISRと表裏一体

New Bomber Brings ISR Surprises
aviaonweek.com Aug 26, 2011 By David A. Fulghum, Bill Sweetman,Washington


米空軍の次世代長距離爆撃機計画から驚くべき話題が出てくるはずだ。海軍の無人艦載攻撃機にも関連するだろう。
  1. 低 視認性かつ有人運航がオプションとなる同機構想ではノースロップ・グラマン案とボーイング案が競合しており、各陣営からあわせてより小型、低視認性、無人 亜音速偵察任務支援機の提案が出る見込みだ。あわせて4案の設計の源泉はX-47BとX-45C実証機だ。ロッキード・マーティンからは高速飛行可能な情 報収集・偵察・監視(ISR)用派生機への技術提供が期待されている。
  2. 各 機の狙いは米国にとって最大の脅威となりつつある「接近拒絶戦術、地域ぐるみの接近否定」に対抗するものと国防副長官ウィリアム・リンDeputy Defense Secretary William Lynnは解説する。「弾道ミサイル配備により我が方の部隊を戦場より遥か後方に封じ込めようと画策している国があります」と同副長官は中国のDF-21 対艦ミサイルを念頭に発言。「精密攻撃技術が普及して向上すると世界の遠隔地に軍事力を展開する我が方の軍事能力に対する課題となるでしょう」
  3. この他の非対称戦略、兵器体系には地上基地や駐機中の航空機に対して発射され最終段階で誘導される子爆弾erminally guided submunitionsがある。
  4. 新 型ステルス爆撃機の価格は100機編成で一機あたり5.5億ドルと見られるが、ペンタゴンの装備価格部門の責任者シェイ・アサドShay Assadはその観測は設計仕様が未確定で費用試算方法が定義されていないので非常におおざっぱな推定だという。さらに議会が定めた新しい予算管理により この計画も固定価格になってしまうかもしれない。そうなると予算に「要求水準の方を合わせる」事になろうとアサドは見る。新型爆撃機の要求性能が定まるの は今年末ごろと見られる、とアサドは下院軍事委員会およびレキシントン研究所主催の電子攻撃セミナーで発言している。
  5. そ の開発戦略には「大規模予算で長距離攻撃システムのファミリーを作り、敵防衛網を突破して世界中いかなる場所にも爆弾を投下する能力を確保すること」があ るとリンは言う。「ファミリーには電子攻撃任務、高性能の情報収集偵察機、新型長距離爆撃機で無人有人運営可能な機体が含まれます」
  6. 実際には各任務を同一の機体にもりこむと非常に高価となるため、計画上は比較的少数の爆撃機型とそれよりも多い数の小型無人型の派生機で防御支援、目標捕捉、その他特殊攻撃としての電子攻撃や指向性エネルギー攻撃のオプションを実施することが想定されている。
  7. こ の案は次期爆撃機(長距離攻撃機体LRSP)が長距離センサーや重い強化目標攻撃用兵器を搭載したらとても高価になり調達不可能になるのではという懸念に 答えるものだ。そこで新計画では目標の一部は他のシステムに任せ、空中電子攻撃airborne electronic attack (AEA) 、偵察任務をLRSPに残すことにした。同機編隊は情報リンクで結ばれ、広範囲に展開する編隊が情報戦やサイバー攻撃能力を実施する。
  8. 「サイバー攻撃の絶対効果はどんどん大きくなっています。サイバーツールで物理的な損害を発生させる段階に入ろうとしています。そこで、サイバー戦では敵方が技術を獲得する前に我が方の攻撃が大きな効果を与えられる機会に恵まれているわけです」(リン)
  9. こ れは次の航空機、兵装、電子装備で大きな競争分野になる。「今後これだけの規模の航空機開発の機会はなくなるでしょう」と内部知識に明るい航空宇宙関係者 は言う。「成功か失敗かで大きな分かれ目になります。次世代爆撃機では企業連携が規模を拡大するでしょう。ただし、各軍共用の構想ではありませんので、同 機開発の結果、海軍のUclass(無人空母発着空中監視攻撃システム)のミッションにどこまで応用できるかはわかりません。」
  10. 少 数の有人機と多数の小型無人支援機を組み合わせた編成は攻撃威力が増え、より迅速かつより複雑な対応ができることで、その原型はオサマ・ビンラディンを追 い詰める際に証明済みだ。その際はステルス性のあるRQ-170無人ISR機にフルモーションのビデオ送信をさせて隠れ家の動きを逐一監視しており、長期 間これを継続したがついに発見sれることはなかった。
  11. 「敵 の防空網内で長期間の作戦を展開する必要性が急速に増えています」とデイブ・デプチュラ中将(退役)は語る。空軍情報部長を務めていた。新型爆撃機、海軍 のUclassとボーイングのファントムアイ構想の組み合わせは「分散型センサー構成の一部」となるという。同中将によると爆弾投下は今日では二次的な意 味しかないという。それよりも情報戦能力特にコンピュータネットワーク侵入や電子戦の発展が目覚しい。
  12. た だしデプチュラ中将が一点警句を発しているのは、ネットワーク機能拡充への官僚的かたくなな反対姿勢だ。「最大の障害は上位文官の頭の中に高性能センサー でパイロットにしかデータが提供されないと刷り込まれていることです。国防総省がF-22やF-35へのデータリンク導入に抵抗していることにこれが現れ ています。このため新型爆撃機の要求性能の決定も遅れているのです。」
  13. ボーイングはファントム・レイ(X-45C派生型)を二機一組で支援無人機システムとして提案する。ノースロップ・グラマンはすでにステルス長距離UAV開発を開始しており、X-47設計を元にしていると言われる。
  14. そ れよりも小型の無人機は「高高度(約60,000フィート)、ペイロード組み合わせ多数、長距離滞空して電子攻撃、電子戦を爆撃機支援に実施できます」と ボーイング社の関係者は語る。「ノースロップ・グラマンはX-47を拡大してISRを加えたものを爆撃機計画から流用する考えです。ま、当然でしょう。爆 撃機型はISR機よりも寸法は大きくなるものです。ファントム・レイがX-45を利用しようとしているのはプレデターやボーイングの新型ファントム・アイ では生存率が高くできないのです。爆撃機の派生型なら爆撃機と同様に生存する可能性がありますね」
  15. 「大 手メーカーなら全社が新型爆撃機計画に参画したいと考えています」とノースロップ・グラマン関係者は語る。「ボーイングもF-15SEサイレントイーグル だけ生産しているわけにいきません。X-45派生型でファントム・レイのような機体には相当の投資をしていますね。」 しかし、ノースロップ・グラマンは 秘密資金で極秘爆撃機開発中と以前はアナリストは見ていたが、今やこれはX-47に類似したISR機であると考えられている。
  16. ロッキード・マーティンではF-35に資金が予想以上に必要となっているため、新型爆撃機設計は提示できないとみられる。
  17. 「新 型機購入予算の約6割がF-35に流れています。このため、ペンタゴン調達活動責任者のアシュトン・カーターの目標は要求性能を満たして購入可能な金額の 爆撃機とすることでほう。今のところ要求内容は抽象的で調整の余地は大きくなっています。今後のやり取りで中身が決まればどの社と組むかを決めることにな ると思います。」(前出ノースロップ・グラマン社関係者)
  18. 「ロッキード・マーティンはF-35で手一杯ですから、次期爆撃機計画に参画するとしてもプライムでなくても構わない姿勢でしょう。肝心なのはニッチプレイヤーでいることなのですがどんなニッチを同社がめざしているかは謎です」
  19. 「ロッ キード・マーティンは高速ISR機の開発に相当の時間を使っていますが、高速ISR機では上空滞空時間が不足します」と上記ボーイング関係者は解説する。 「F-35が資金を使っているので、同社は新型爆撃機・ISR機の技術開発にまわす余裕がありません。同社が新型爆撃機を今から開発すると1億ドルは必要 でしょう。同社には大金です。高速ISR機開発の成果を投入しても爆撃、ISR、情報戦を分散して実施するミッションに不適となるでしょう」
  20. 高 高度飛行も生存性を高める助けにはならない、と航空宇宙技術関係者は言う。機体探知性を下げて、超高速で飛行するのは助けになる。ただし、高速飛行では目 標地点上空の飛行時間が短くなってしまう。そこで新型爆撃機の設計ではステルス性が最大の考慮点となる。「強固な敵防空網の中を自律飛行するのは不可能で す。協調して飛行する支援機からの電子戦がなければ飛行するも不可能です。EW装備の一部を爆撃機に搭載するとしてもEWは無人操縦と連携していなければなりませ ん。有人無人を問わず敵の強固な防衛体制の中で飛行が必要となります」(ボーイング関係者)
  21. この協調支援こそボーイングがファントム・レイで提唱するものだ。ノースロップ・グラマンもX-47で同様の運用を検討する。