2021年2月6日土曜日

新旧の安全保障担当補佐官参加のイベントで、安全保障の方向性は決定的に違わないとわかり、ひとまず安心。クァド重視は共通、イランをめぐり相違が明白。

 


オーストラリア、インド、日本、米国の艦艇がマラバール2020演習に集結した。2020年11月17日 US Navy Photo

 

 

平洋での米国と同盟国のゆるいつながりを、非公式な安全保障以上の枠組みとしてインド太平洋の四カ国で進展することがバイデン政権の目標、と新しい安全保障担当大統領補佐官が1月29日に語った。

 

ジェイク・サリヴァンは米国平和研究所のオンラインフォーラムで新政権はドナルド・トランプ大統領が始めた動きを「前に進めたいと真剣に考えている」と明らかにした。四カ国とは米国、日本、インド、オーストラリアで、各国はすでに合同演習を展開しており、更に今後頻度を増やす合意ができている。米国はすでに日本、オーストラリアと条約を締結している。

 

いわゆる「クァド」の四カ国外相が顔を合わせ共通課題とあわせ経済、外交、軍事面で中国対抗策を検討している。だが現時点では安全保障面の同盟関係とは程遠い。だが障害になるのが日本の戦後憲法で、軍事活動を本国外では制約している点だ。

 

トランプ政権の安全保障担当補佐官ロバート・オブライエンはクァドが第二次大戦後で「最重要関係になるのは間違いない」と評していた。

 

オブライエンは「米国にとって地政学上の課題トップは中国」と断言していた。また、中国が「国家主義傾向を強める」証左に、香港の民主運動や回教を信仰するウイグル族の弾圧をあげた。また南シナ海から北極海まで「世界支配の野望を隠そうともしていない」と述べた。

 

サリヴァンは、米国モデルは機能しないと中国は公言し、中国政府は「間接民主制度に代わる選択肢を明確に主張している」、自らの経済成長を米大統領選挙をめぐる政治混乱と対比させているという。

 

更にサリヴァンは米国は各同盟国・協力国と歩調をあわせる必要を訴えた。民主主義各国が共通原則で人権侵害や他国主権への侵害をやめない中国に代償を払わせる。

 

米海軍誘導ミサイル駆逐艦USSウィリアム・P・ローレンス (DDG 110)がインド海軍駆逐艦INSコルカタ(D 63)、給油艦 INSシャクティ (A 57)の間に入り航行した。背後に海上自衛隊ヘリコプター空母JSいずも*DDH 183)、フィリピン共和国海軍警備艇BPAアンドレス・ボニファシオが見える。南シナ海で海上自衛隊撮影。

 

 

中国に対抗する米国には人工知能、量子コンピューターで「技術優位性を維持する必要」があるとし、国力とあわせモデルを示すべきとした。.

 

新旧補佐官がともに、今回の政権交代は円滑だったと評するが、両政権の安全保障での姿勢はイランの核ミサイル問題で違いを示した。

 

「イランの核開発は大幅に進展した」とトランプ政権が国際合意枠組みを撤退したあとの状況についてサリヴァンは評している。イランの弾道ミサイル、巡航ミサイルの整備でも同様でバラク・オバマ元大統領の時代から加速している。

 

バイデン政権は核合意復帰をほのめかしているが、同時に交渉再開の場合はイランのミサイル開発ならびにレバノンからイエメンまでテロ集団への支援を止めないイランに強硬な姿勢を示すとする。

 

オブライエンはトランプ政権の「最大限の圧力」によりイスラエルには米国がいかなる場合も同国の側につくと示せたと総括する。大使館のエルサレム移転と、イスラエルの主張どおりゴラン高原でシリアとの国境線を認めたことが大きいとした。

 

米国はアフガニスタン含む中東駐留部隊を縮小中で、東欧などに再展開させる。またイスラエル技術を利用し「中国閉じ込め効果」を追求し、イスラエル承認に動くアラブ各国にもイスラエル技術を提供する。

 

オブライエンは「パレスチナ問題は未解決」とし、パレスチナ住民に選択対象は提示ずみとした。

 

またオブライエンはヨーロッパについてNATO同盟国・協力国との関係は「政権と関係なく多くは継続される」と触れた。サリヴァンも米国はヨーロッパ各国との経済、外交、安全保障上の取り決めで状況変化に対応し条約関係を共有することで分断を解消したいとする。

 

「ドイツはいつもその他ヨーロッパ各国と微妙に異なる」傾向があるとサリヴァンは指摘した。オブライエンはドイツがロシア、中国と「こちらの希望以上に」近い関係を保っているとも指摘。ドイツが「大きな影響力をヨーロッパに」及ぼしているとし、バイデン政権で大問題になると指摘した。

 

ロシアについて、サリヴァンは新戦略兵器合意の拡大が対ロ安全保障問題のトップと発言。

 

オブライエンと同じくサリヴァンもヨーロッパ内同盟国には米国が同じ側に立ち、ロシアとの戦略兵器交渉に臨むと理解してもらいたいと発言。サリヴァンは米ロ間には、政府民間のネットワークを狙ったマルウェアのソーラーウィンド事例、野党指導者アレクセイ・ナワルニを化学兵器で襲撃した事案、アフガニスタンのタリバンに米軍兵士殺害の賞金を提供したこと、米選挙への介入といった問題が山積していると述べた。

 

冒頭発言で就任8日目のサリヴァンは、「最も根深い課題は我が国の民主体制を機能させること」と述べた。課題リストの最上位はコロナウィルスの大流行を抑えることで、つぎが経済の立て直しだとした。また1月はじめの議事堂襲撃事件で浮かび上がった「憲政への深刻な脅威」の解決が必要とした。■

   

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Biden Administration Wants to Expand Pacific 'Quad' Relationship, National Security Advisor Sullivan Says - USNI News

By: John Grady

January 29, 2021 5:45 PM


海上自衛隊がLHDを新規要求し、水陸機動団の運用能力向上を実現する日が来る? 「空母」にばかり目を向けないで、日本の安全保障に目をそむけず知識情報を強化しましょう。

 


Photo: JMU

 

 

 

 

本の造船メーカーが新型ドック型強襲揚陸艦建造を売り込んでおり、水陸機動団やMV-22の収容能力をアピールしている。

 

ジャパンマリンユナイテッド株式会社(JMU)は2019年の防衛展示会でヘリコプター搭載揚陸ドック艦LHD構想を発表した。

 

排水量19千トンで通水可能ウェルデッキでLCACエアクッション揚陸艇2隻、AAV7A1強襲揚陸車を20両搭載する。全通飛行甲板に5機のヘリコプターまたはティルトローターを同時運用できる。さらに5機を艦内に収納できる。

 

 

乗員は500名とある。戦闘要員を何人収納するかは不明だが、他国が供用中の同程度艦では長距離ミッションで500名、短距離で1,000名というところだ。

 

海上自衛隊にLHD建造の要求はないが、艦艇構成を見れば当然あって良い存在だ。日本は水陸機動団を展開するべくMV-22を17機、AAV7を52両、LCAC7隻を整備する。だが、上陸舟艇、車両、回転翼機には現場まで運搬手段が必要だ。

 

日本にはいずも級大型強襲揚陸艦2隻があるが、軽空母に改装されF-35Bジャンプジェット運用に投入される。これ以外の揚陸艦としてひゅうが級ヘリコプター空母2隻および、おおすみ級揚陸艦LSTが3隻ある。

 

このうちLST3隻にV-22およびAAV7運用能力を付与する改装が進行中だ。だがLSTで収納できる戦闘要員は長距離任務では330名しかないが、水陸機動団は3千名だ。このため旅団全体の移動には輸送艦がもっと必要だ。そこでLHDを取得すれば、海上自衛隊も他国なみの能力を獲得できる。米海軍にはLHDは10隻あり、うち1隻は日本に前方配備されている。オーストラリアには2隻が就役中、韓国は3隻を建造中だ。中国海軍も2019年から独自にLHDを整備している。

 

「日本にLHDが数隻あるだけで水陸機動団が東アジア全域で存在感を増し、太平洋も活動範囲に収められる。太平洋では安全保障の懸念が高まっている」とThe War Zoneでジョー・トレヴィシックが評している。

 

日本にとって喫緊の脅威が北朝鮮であるのは確かで、日本は防衛能力の整備を強化してきた。また中国が南シナ海で大部分を領海と主張する動きに日本は積極的に対抗する動きを示しており、日本の広義の外交政策の目標に資するため日本から遠隔地点でも海上軍事活動の展開能力を整備する可能性がある。

 

この点で水陸機動団の誕生は大きな意味があり、太平洋地区で共同演習に参加することが増えている。2019年10月にはフィリピンで米国もまじえた恒例のカマンダグ演習に加わった。

 

JMUは海上自衛隊がLHDを最低1隻、正式要求してくると見ているとJane’sに述べており、いつでも対応できるよう設計をしているとのことだ。

 

だが揚陸部隊の整備には別の方法もある。「おおすみ級後継艦として小型ドック艦艇を建造するほうが費用対効果は高い。いずも級、ひゅうが級と連携して運用すれば良い」とトレビシックは指摘している。■

 

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Japan’s Marines Could Be Due for a New Amphibious Assault Ship

February 5, 2021  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: JapanJSDFChinaMilitaryTechnologyMarines

by David Axe 

 

David Axe served as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.


速報 フランス海軍強襲揚陸艦トネールが日本に派遣

 

French Mistral-class helicopter carrier Tonnerre heading to Japan

http://alert5.com/2021/02/05/french-mistral-class-helicopter-carrier-tonnerre-heading-to-japan/

https://www.nicematin.com/vie-locale/le-porte-avions-charles-de-gaulle-va-appareiller-de-toulon-a-la-mi-fevrier-640612

フランス海軍のミストラル級強襲揚陸艦トネールが日本派遣のため今月移動を開始する。随行刷るのはラファイエット級フリゲート艦シュルコフ。両艦は2月18日本国を出港し、7月に帰還する。帰途の途中で北朝鮮制裁の海上実施に加わる予定。

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National Museum of the U.S. Navy, Public domain, via Wikimedia Commons



2021年2月5日金曜日

2021年は日英米の防衛協力が新次元に移行する年になる。クイーンエリザベス空母打撃群と海自の共同演習。いずもへの海兵隊機材搭載の話など。

USNI Newsの記事からです。日本がいずもでも米海兵隊F-35B運用を打診しているのは初めて知りました。実現すれば、クイーン・エリザベス方式と同様ですね。また例の筋が猛反対するでしょう。

HMSクイーン・エリザベス Royal Navy Photo

海軍旗艦HMSクイーン・エリザベス (R08) は海上自衛隊と今春太平洋で共同演習を実施する。英国防省が2021年2月3日発表した。

日英の外務防衛当局の電話会談で英空母打撃群CSG21の展開中に海上自衛隊部隊と共同作戦を行う英海軍案が取り上げられた。

「両国は国防安全保障分野で密接な協力関係を構築し、今年は新たな水準へ引き上げるべく、英空母打撃群をインド太平洋に回航する」との声明を英国防相ベン・ウォーレスが発表した。電話会談にはドミニク・ラーブ外相も加わった。

「日英の安全保障国防面の協力を高いレベルに引き上げる」と茂木敏充外務大臣も電話会談の後で発表している。会談には岸信夫防衛相も加わった。

両国海軍部隊の共同演習を改めて確認したのは日英両国の防衛協力の強化の一環で、東シナ海、南シナ海で強硬な態度を強める中国の海上活動拡大を横目に演習を行う。中国の軍事力拡張が続く中で日本も平和憲法の下で多国間防衛協力が可能となり、米国、オーストラリア、英国との距離が縮まった。

VIDEO: Marine F-35Bs Underway on U.K. Aircraft Carrier

クイーン・エリザベスには海兵戦闘攻撃飛行隊(VMFA)211「ウェイクアイランドアヴェンジャーズ」と英空軍617飛行隊「ダムバスターズ」のF-35BライトニングII共用打撃戦闘機が搭載される。日本も24千トンのいずも級ヘリコプター駆逐艦の改装をはじめており、F-35Bの運用をめざす。同時に海兵隊にいずも級での運用を要請している。

英米両国は2021年1月にCSG 21での共同運用の合意書に調印している。なお、同打撃群には海兵隊機材の他に駆逐艦USSサリバンズ(DDG-68) も加わる。

CSG 21で英海軍は固定翼機を搭載した空母を10年の空隙のあと復活することになる。■

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Carrier HMS Queen Elizabeth Will Drill with Japanese in Pacific During Deployment - USNI News

By: Sam LaGrone

February 3, 2021 5:45 PM


 

2021年2月4日木曜日

今度は実現するか、米空軍の軽空母構想。垂直離着陸無人機を搭載する前提で、アメリカ級強襲揚陸艦の転用、フォード級の小型版を主に検討している模様。

 The amphibious assault ship USS America.

USN 

海軍が軽空母CVL構想を再び検討している。アメリカ級強襲揚陸艦を航空運用に特化する案と新鋭フォード級超大型空母の小型版の2つが検討対象とされる。

海軍海上システムズ本部(NAVSEA)の艦艇設計部次長ジェイソン・ロイド海軍少将が軽空母構想の現状を先週の海軍技術学会のオンライン会合で紹介した。海軍でCVL導入構想はこれまで何度となく現れては消えていた。

ロイド少将は「10年前の結論が今でも正しいとは限らない」とCVL構想が再び検討対象になっている現状について触れ、「沿海域での戦闘と大国間戦闘では全く違う相手の戦いとなり、必要になる装備も異なるのは当然だ」

さらにロイドはアメリカ級、フォード級以外も検討対象とし、「各種選択肢を比較し、コストと戦力を検討している」と述べた。

航空運用を想定した現行艦からCVLを実現しようというのは当然とも言える。軽空母実現が早まり、既存設計の利用で建造費も節約できるからだ。

USN

強襲揚陸艦USSアメリカとニミッツ級USSセオドア・ロウズヴェルト

 

アメリカ級のCVL転用構想は以前からあり、有望な結果が想定されている。USSアメリカ、姉妹艦USSトリポリは強襲揚陸艦だが、従来の同種艦にあったホーバークラフト等の発進回収に使うウェルデッキがない。ただし、三号艦のUSSブーゲンビルでウェルデッキが復活する。

海軍は海兵隊と共同で排水量46千トンのアメリカと合わせ旧型のワスプ級強襲揚陸艦を「ライトニング空母」としてF-35B共用打撃戦闘機の運用試験に使っている。

USN

USSアメリカにF-35Bを13機搭載し、「ライトニング空母」構想の実証を2019年に行った。

 

アメリカにはカタパルト、拘束装置がなく、斜め甲板もないので、固定翼機の発艦、着艦を同時に処理できず、出撃回数も増やせない。

NAVASEAの水上艦設計・システムズエンジニアリング局を率いるケイリー・フィリングも軽空母構想検討に加わっており、ロイド少将に同席し、USSアメリカを原型とした通常動力CVLでは原子力空母と同程度の航続距離は実現不可能と述べた。正規空母は強襲揚陸艦より高速航行可能だ。このため、排水量10万トンのフォード級の「軽量化」版の検討がされているという。

「フォードの出撃回数に対抗するのは無理とわかった。フォードは航空機発進を短時間で多数実現するよう最適化されているので、これに匹敵する性能は実現できないのです。原子力空母の航続距離と高速航行も対抗できない性能です」とフィリングは述べた。

ロイド少将も近年の航空機材特に無人機の分野で垂直離着陸性能の開発があり、将来のCVL運用を大きく変える可能性に触れた。空母は有人機の運用を主眼に発展してきた。

USN

米海軍が2030年の空母航空戦力を想定した図では有人機が依然として中心になっている。

では将来のCVLの航空団構成はどうなるか。小型無人機が多数を占めれば艦への影響は大きい。ロッキード・マーティンが提唱のステルス無人垂直離着陸機(VTOL)構想の高性能偵察侵入用無人装備システム(VARIOUS*)は艦上運用を想定し、各種任務を担わせる構想で発表から10年がたっている。

*Vertical Takeoff and Landing (VTOL) Advanced Reconnaissance Insertion Organic Unmanned System,

LOCKHEED MARTIN

VARIOUS無人機の想像図

 

その他にも垂直離着陸機の構想があり、国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)は戦術利用偵察ノード(TERN)およびXV-24Aライトニングストライク構想を発表している。もっと最近でも海兵隊がベルV-247ヴィジラント・ティルトローター無人機の利用を模索している。

DARPA

DARPAの戦術利用偵察ノード(TERN)機の想像図。

DARPA

XV-24Aライトニングストライク無人機でMV-22オスプレイを護衛する想像図。 

BELL

V-247 ヴィジラント無人ティルトローター機がヘルファイヤーを発射する想像図。

将来のCVLも高性能無人戦闘航空機材 (UCAV) を通常の離着陸機として活用しそうだ。海軍で開発が進むMQ-25Aスティングレイ艦載無人機に空中級以外の任務を与える動きがあり、実際に情報収集監視偵察(ISR)機能が二次的任務に想定されている。

ただし、海軍が現行の空母設計に近く超大型空母より小型の艦を検討対象にする可能性もある。フォード級以外にニミッツ級も対象になりうる。小型空母が実現すれば作戦運用が柔軟になるとの主張がある。また運用コスト維持コストが下がりながら航空戦力を運用出来る利点も明白だ。現行の空母部隊にストレスがかかっている現状を考えると、こうした利点の意味は大きい。

「第二次大戦中の空母と今日のニミッツ級空母は全く違うと言えます。発艦、着艦を同時進行す能力などこれまでの実績と経験から導いた解決方法です」とロイド少将は述べ、「そこでCVLですが、大幅に価格が低下すると言ってきましたが、たしかに超高価にはなりませんが、反面で断念すべき内容もあります」

今回の新研究の結果からCVLが実現する保証はない。海軍がすすめるバトルフォース2045構想は正式承認を受けていないが、政権交代もあり内部作業が止まっている。バイデン大統領の国家安全保障チームに国防長官ロイド・オースティンも加わり、国防安全保障問題を新鮮な視点で検討しているところだ。

ここしばらくは海軍は軽空母含む新規艦種含む将来の艦隊構成の検討を続けるはずだ。■


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Navy Looking At America And Ford Class Derivatives In New Light Aircraft Carrier Studies


Greater emphasis on unmanned aircraft, including ones that take off and land vertically, could also impact light aircraft carrier proposals.

BY JOSEPH TREVITHICK FEBRUARY 2, 2021


2021年2月3日水曜日

F-15EXが初飛行。米空軍向けF-15生産の再開でC/D型の更新へ。さらにE型との交代が取り沙汰され、生産規模は拡大しそう。

 

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VIKING AERO IMAGES

 

 

空軍向け新規製造のボーイングF-15EXイーグル初号機が2021年2月2日初飛行した。同期はF-15史上最高性能機体といわれ、ミズーリ州セントルイスから離陸し、F-15A試作機の初飛行から50周年を祝い「ヴァイキングテイクオフ」を行った。F-15EX取得の動きは2018年7月に The War Zoneが真っ先にお伝えしている。

 

今回はアレックス・ファーウェルによる素晴らしい画像を掲載したのでご覧頂きたい。

 

機体番号20-0001が空軍が取得する一号機で昨年度の調達を示している。ボーイングは230億ドル近くの契約を交付され、新規製造戦闘機を納入する。

 

VIKING AERO IMAGES

F-15EX roars over the runway at Lambert Field before executing a near-vertical climb on its first flight.

 

 

230億ドルは総額で、このうち2020年7月13日に空軍は12億ドルで初回ロット8機取得を明らかにし、議会が2020年度国防予算で承認した。

 

空軍はさらに12機を2021年度予算で要求しており、5カ年で76機を調達するが、最終的に144機とし、F-15C/D型の陳腐化に対応する。空軍が低視認性機材と高性能第4世代機のバランスをはかる中で調達規模が増える可能性もある。非公式ながらF-15Eの後継機としても取り沙汰されている。

VIKING AERO IMAGES

F-15EX serial 20-0001 screams into the vertical. 

 

2020年6月30日に空軍はジェネラル・エレクトリックにF110-GE-219エンジン(数量非公表)で契約交付しており、初期生産のF-15EX用としている。プラットアンドホイットニーもF100-PW-229エンジンを代替策として提示すると見られる。

 

「F-15EXは導入しやすい価格かつ即投入できる機材で老朽化してきたF-15C/D部隊を一新する」と航空戦闘軍団司令のマイク・ホームズ大将が述べている。「F-15EXは配備されれればすぐ戦力となる」

 

ホームズ大将はF-15C/Dを運用中の各基地は「数ヶ月でEX運用可能となる」と述べており、ボーイングも搭乗員、整備員ともに「数日で機種転換できる」としている。

V

 

ただし、第一線部隊への配備前にエグリン空軍基地(フロリダ)できびしい試験過程が待っている。8機が同基地に配備される。このうち、まず2機が2021年度第2四半期に到着する。残る機材も2023年度中に加わる。

 

その後、EXはまずF-15C/D訓練部隊の173戦闘飛行団があるキングスレーフィールド基地(オレゴン)に届けられ、実戦部隊としてはオレゴン州ポートランドの142戦闘飛行団123飛行隊「レッドホークス」が初となる。その後、マサチューセッツ、ルイジアナ、カリフォーニアのF-15C/Dと順次交代する。ただし、各飛行隊にはF-35Aの配備も選択肢として残っている。

 

F-15EXが導入されるとF-15C/Dと比較してどんな変化が空軍に生まれるのだろうか。大きな相違点は機体内部にある。オープンミッションシステムズ(OMS)で最新の航空技術を迅速搭載できる。EXはフライ・バイ・ワイヤ飛行制御、新型電子戦装備、高性能コックピットも搭載しており、このうちF−15QA(カタール向け)で開発した低プロファイルHUDが目立つ。またミッションシステム系も新型とする。

 

F-15C/Dの更新機材以外に空軍はF-15EXの性能向上に大きな余地があることから「航空優勢の確立及び維持」効果に期待している。ひとつが「兵装トラック」として第5世代機を上回る搭載量を実現することで、大型極超音速兵器が開発中だが第5世代機の機内にはおさまらない。

 

またF-15EXがゆくゆくはF-15Eストライクイーグルの後継機になる可能性もある。ただし、この実現は物議をかもしだしそうだ。空軍はこれまで一貫してF-35Aの1,763機調達方針を維持してきたからだ。ただし、F-15EXがF-15Eと同等の装備で納入されることに注目している。レイセオンのAN/APG-82(V)1アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダー、新型高性能ディスプレイコアプロセッサー(ADCP) II、EPAWSS防御装備だ。

 

ボーイングはF-15EXの輸出も提示しており、想定するのはインド空軍の新型戦闘機構想だが、同国の機材選定は多様な選択肢から決定する事が多く、ボーイングもF/A-18E/Fスーパーホーネットも候補で、F-15EXと競合しかねない。

 

米空軍での活用の行方、他国での採用の可能性もあるが、50年前のF-15A初号機からイーグルの新型が姿を表してきたことの意義は大きい。F-15EXの設計寿命は2万時間もあり、今後50年間にわたる供用は確実だろう。■

 


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The Air Force's New F-15EX Eagle Just Took To The Sky For The First Time (Updated)

The flight comes nearly 50 years after the F-15A first flew. This latest Eagle iteration is set to replace the USAF's F-15C/D fleet, and maybe more.

BY THOMAS NEWDICK FEBRUARY 2, 2021


ニミッツ打撃群に帰国命令。海上展開は240日超。米海軍は空母の作戦体制を長期間海上で維持することで世界情勢の変化に対応している。

 

USS Nimitz (CVN-68) steams in the Indian Ocean on Jan. 6. US Navy Photo

 

 

USSニミッツ(CVN-68)が八ヶ月にわたる海上展開を終了し、米西海岸に向かう。これはロイド・オースティン国防長官の命令によるもので、米政府関係者二名がUSNI Newsに確認した。

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このまま米本国へ戻れば、ニミッツ打撃群は2月末までに帰港するが、2月1日時点で240日にわたる展開となっていた。これは昨年USSエイブラハム・リンカーン(CVN-72)の294日に次ぐ長さだ。

 

米海軍最古参となったニミッツと随行艦は6ヶ月にわたり中東を中心に展開し、イランとの緊張が高まる中で米軍プレゼンスを2019年5月から示してきた。

 

クリス・ミラー長官代行(当時)から同打撃群は大晦日に帰国命令が出たが、トランプ政権は1月はじめにイランがカセム・ソレイマニ殺害一周年に不穏な動きに出るのを警戒し、帰国命令を取り消していた。

 

ニミッツの母港はワシントン州ブレマートン、その他打撃群はサンディエゴが母港で家族との再会は久しぶりとなる。ニミッツは定期点検を終え、乗組員はCOVID-19感染を予防するため二週間の措置期間に入っている。

 

同打撃群はソマリア沖への展開、インド海軍との共同訓練を経て、昨年7月からオマーン湾、北アラビア海で作戦展開していた。

 

海軍作戦部長マイク・ギルデイ大将はニミッツに交代する打撃群は未定とした。アイゼンハワー空母打撃群は東海岸で配備前訓練中で、ソマリア沖にはマキンアイランド揚陸即応集団が海兵隊F-35BライトニングII共用打撃戦闘機一個飛行隊を搭載し展開中だ。■

 

この記事は以下を再構成したものです。


USS Nimitz Heading to West Coast After SECDEF Orders Strike Group Home - USNI News

By: Sam LaGrone

February 1, 2021 12:23 PMUpdated: February 2, 2021 6:56 AM