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★海上自衛隊>3,900トン新型フリゲート艦建造へ

MHI to build two new multirole frigates for JMSDF 三菱重工が海上自衛隊向け新型多用途フリゲート艦二隻の建造を受注

Kosuke Takahashi, Tokyo - IHS Jane's Defence Weekly
02 November 2018
  
MHIが防衛省から受注したJMSDF向け新型多用途フリゲート艦のコンピュータ・グラフィック。 Source: MHI


菱重工業(MHI)から防衛省(MoD)より海上自衛隊 (JMSDF)向け新型多用途フリゲート艦4隻中最初の二隻建造を受注したと発表が11月1日あった。
MHIは契約金額規模を明らかにしていないが、MoDは2018年度予算で922億円で2隻建造分を計上している。JMSDF引き渡しは2022年3月の予定。
今年8月には995億円で残る二隻建造の概算要求がMoDから出た。こちらは2023年3月引き渡しの想定だが契約は未交付だ。
MHIのフリゲート設計提案は三井造船(MES)およびジャパンマリンユナイテッド案を抑えて採択された。ただしMESがMHIの主契約企業に選定されている。


排水量3,900トン、全長130メートル、全幅13メートルでMHI長崎造船所で一号艦を建造し、二号艦はMESの玉野事業所で建造される。


MoDによれば新型フリゲート艦は日本周辺の海域における監視活動とともに多機能艦として対機雷戦も行う。従来は掃海艇で行ってきた任務だ。


兵装ではヘリコプター1機を搭載し、無人水上・水中機(USV/UUV)も運用する他、海上用に改装した中SAM改中距離対空ミサイル、5インチ(127ミリ)62口径砲一門、垂直発射装備、対艦ミサイル、シーRAM近接攻撃装備も搭載する。

コメント:海上自衛隊では30FFMの名称が使われています。FF=フリゲートにM=対機雷戦能力がつくのは無人機技術があってこそのことですね。コストパフォーマンスに優れた艦になりそうですが、まず4隻建造するのは手直ししながら建造する構想なのでしょうか。乗員100名というのは今後を睨むとあと一段の省人化が必要ではなりですかね。

コメント

  1. 海自が保守的・実務的な志向の海軍だというのはわかりますが、艦艇の乗員削減はもっとゴリゴリいけるのではないかと思います。
    全体の乗員数が減ることで削減できる人員というのも少なくないでしょうし。

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  2. ぼたんのちから2018年11月15日 12:37

    海軍の艦艇は武器の進歩と必要性に応じて常に変化している。現在の世界の潮流は重武装である程度数を揃えられるフリゲートのようだ。今度の多用途フリゲートもその流れにあると考える。
    しかし、駆逐艦クラスに近い重量や武装のフリゲートは本当に必要なのだろうか。対空、対潜、対艦能力に加え、掃海、機雷戦の能力まで付加した艦は、高価で大型になり、動力も強化し、人員もまた必要になる。艦重量を押さえようとすると、速力や航続距離、個々の装備の能力等のどこかが犠牲になる。
    そのように考えると、より安価で、軽量で、省力化し、特化した能力を付与できるフリゲートの原型艦を作った方が良いのではと考える。最小限の武装を行い、余裕を持たせ、艦隊随行、地域防御、海路警備等、用途に応じて対艦、対潜、掃海能力等の装備と航続距離、速力等の能力をそれぞれの艦に付与し、特化する。このようなフリゲートが、近い将来、求められているのではないかと考察します。

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    返信
    1. そのコンセプトはアメリカでLCSとして建造され、見事使えないと判断されましたよ。
      フリーダム級は改修案で大型化、重武装化が提案されているレベルです。
      それと駆逐艦クラスのフリゲートと言っていますが、その国がフリゲートといえばフリゲートになりますから、特に大きさは気にすることはないかと。
      艦載機を運用する巡洋艦やら、巡洋艦を軽く越えるサイズの駆逐艦やらが世界にはいますしね。

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    2. ぼたんのちから2018年11月16日 10:29

      多用途フリゲートはLCSと似た概念で作られていると考えます。
      問題は、多機能であり過ぎることであり、船は複雑になり、高価となり易く、操作する人員も多く必要であることです。
      日本は予算が多くありませんので、多用途フリゲートが比較的安価であっても、数を揃えるには何年もかかります。
      今後、東アジアの軍事的緊張が厳しくなることが予想されていますが、仮想敵国の艦艇の数量が短期間に著しく増加する場合もあるでしょう。実際に仮想敵国は、最新型の駆逐艦を10隻以上同時に建造し、竣工させているとの報道もあります。
      また、将来の無人・AI兵器の進展は、艦艇にこれらの兵器のプラットフォームになることを要求するでしょう。
      それらに対応して、求められれば短期間で量産でき、安価で、改造の余地が十分にあり、機能を特化して省力化可能な船の方がより求められると考える次第です。

      削除
    3. 戦闘艦艇で特化している船というものは往々にして融通が効かなく、使えないものです。
      モジュール化して交換ということに対しても、わざわざ母港でミッションパックの付け替えとかする必要があるなら、その艦艇一隻で各種の任務に対応できるようすれば手間がかからない、となります。
      そもそも多機能護衛艦は二桁護衛隊に回される船になるので、現状一桁護衛隊に回されてる警戒だとか警備だとかの任務を遂行することを求められています。
      護衛艦隊として、プラットフォーム兼司令塔のDDH、頭脳のDDG、何でも屋のDDと艦隊組んで戦闘する護衛艦とは役割が違います。
      それと、将来的な戦闘艦艇となりましたら、有人艦艇をプラットフォームとするのではなく、無人艦艇を艦隊の目や耳、腕として運用することとなるでしょうから、将来的な戦闘艦艇であればあるほど多機能性と指揮通信機能の強化が求められます。
      それと、多機能護衛艦はVLSの増加改造が可能なスペースが設けられています。
      レーザー砲台やらレールガンやら付けるというのなら電力的に改造の余地は欠片もないでしょうが、多機能護衛艦は将来の性能向上を見越した設計であると言えるでしょう。
      そして、更新されるあぶくま型よりは人数が減らされる予定なので、省人数化もされています。
      限られた海上自衛官という制約があるなかでの今回の多機能護衛艦というコンセプトは正しいと思いますよ。
      相手の戦闘艦艇の増加に対応するように潜水艦の高性能化と増勢してますしね。

      削除

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