Aircraft Carrier Watch: 5 New Carriers Being Built Right Now You Need to Check Out 空母情報:世界で建造中の空母は計5隻
世界初の航空母艦HMSハーミーズの建造から100年が経ち、空母は現在でも威力を誇っている。ニューポートニューズから上海まで主要海軍国で空母建造が続いている。ステルス、スタンドオフ兵器や無人機など新型技術をいかにはやく導入し実用化できるかが重要かつ喫緊の課題になっており、空母は災害救助から制海任務まで多様な用途に投入されている。世界各地で建造中の空母5隻の最新状況は以下のとおりだ。
米国、USSジョン・F・ケネディ、USSエンタープライズ。ジェラルド・R・フォード級二番艦のUSSジョン・F・ケネディは第35代大統領の名を冠する二番目の艦となり、全長1,092フィート、飛行甲板は最大幅256フィートだ。満排水量は10万トン、航空要員含む全乗組員は4,450名となる。75機からなる有人機、無人機、ヘリコプターを搭載する。
USSケネディは2015年4月に起工し、現在50パーセント管制している。2019年に命名式を行い、2020年中に就役する。USSエンタープライズの就役は2027年で海軍は今後30年でフォード級12隻を整備する。
USSフォードで電磁航空機発進システムEMALSで問題があり、ケネディ、エンタープライズでは実証済みの蒸気カタパルトに戻す検討もあったが結局予定通りEMALSの採用が決まった。
英国、HMSプリンス・オブ・ウェールズ。クイーン・エリザベス級二号艦がHMSプリンス・オブ・ウェールズだ。艦容は両艦で同じで、全長920フィート、飛行甲板幅は240フィートある。排水量は64千トンだが米空母よりはるかに少ない1,600名が搭乗する。
プリンス・オブ・ウェールズはF-35Bを12機から24機搭載する他、対潜・多用途ヘリコプター14機を運用する。有事には戦闘機を36機まで増強できる。英米両国の合意で英軍向けF-35Bの戦力化まで米海兵隊所属のF-35B飛行隊が両艦から運用される。
プリンス・オブ・ウェールズ建造は2011年にスコットランド・ローサイス造船所で始まり、2017年にエリザベス女王により命名され、現在は艤装中だ。同艦は2019年に海上公試を開始し、2020年就航の予定だ。
中国、003型艦。中国初の空母遼寧が人民解放軍海軍で就役したのは2012年9月だった。二号艦は名称不明だが遼寧を原型に現在海上公試中だ。中国からの報道を見るとさらに二隻が建造中で003型艦となる。
003型艦の情報は少ない。上海で一隻が建造中で、二号艦は大連で建造中だ。近代建造技術を駆使する中国初の大型艦になり、一個が数百トンの「スーパーリフト」と呼ぶモジュールで建造する。中国の原子力推進は潜水艦に限定されており、大型水上艦向けにはシステムを拡大する必要があり、新型空母は通常動力を採用する。
003型空母はスキージャンプ甲板にならないようだ。遼寧、二号艦ではスキージャンプ方式を採用しプロペラ駆動の支援機は運用できない。さらに運用機材では燃料・兵装搭載量で制限がつき、性能を発揮できない。EMALSと同様の発艦装備があれば新型艦は各種機材を運用可能となろう。
003型艦の搭載機数は不明だが、これまでの中国艦より拡大するはずだ。船体規模によるが最大70機を搭載する可能性がある。
インド、INSヴィクラント。インドも海軍航空兵力の運用で長い実績を有しており、これまで旧英海軍空母を保有してきた。だがINSヴィクラントの建造でこの流れに終止符がうたれる。同艦はインド初の国産空母で、最新鋭空母二隻の保有を目指すインドに大事な一歩になる。最終的には三隻の運用を狙っている。
ヴィクラントは国産空母第一号(IAC-1) とも呼ばれ、建造は2008年にコチン造船所で始まった。ヴィクラントは通常型空母としては小型で排水量は45千トンだが、インドの建造史上最大の艦となる。全長860フィート、飛行甲板全幅203フィートだ。インド海軍旗艦INSヴィクラマディティヤと同様にヴィクラントにもスキージャンプが付き、着艦時には拘束ケーブルを使う。この着艦装置はロシアから調達する。
ヴィクラントは30機を搭載し、うち20機がMiG-29K多用途戦闘機でヘリコプターが10基だ。ヴィクラントは2018年就役予定だったが建造とライセンス問題で2020年10月に延期となった。二号艦IAC-2はINSヴィシャルと呼ばれ、設計段階にある。同艦は65千トンとヴィクラントを上回る艦容になり、米空母技術とくにEMALSを導入する見込みだ。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.
Image: Wikimedia Commons
中国の空母戦力について。
返信削除現在、試験中の002型、及び建造中の003型2隻、計3隻が実戦化した場合を考えてみたい。
艦載機を002型、24機、003型、48機と推測すると、計120機となる。交替部隊、訓練及び予備機を含めると200機を超えるだろう。
空母が竣工し、実戦配備まで5~8年と推測すると、2023~2026年頃になる。
艦載機は、J-31になるにしても、ある程度実用化し、200機量産を完了するには10年近くかかるとすれば、早くて2028年に格好だけは実戦的な空母部隊が編成される。空母、及び艦載機の洋上習熟訓練が一応完了するのは2031年頃か。
そうなると早くて2030年頃から、日本に直接的な脅威を与え始めるだろう。しかも、中国はより多くの空母を建造し、その中には原子力推進の艦もあるだろう。
このような空母部隊を作り出し、戦力化するためには何十兆円もの費用が必要になり、維持費も毎年何兆円もかかる。
日本にこのような費用は賄いきれないから、当然のことながら中国の空母部隊の無戦力化のための非対称戦略・戦術を採ることになり、また、採るべきである。
その戦略・戦術は、空、海上、及び海中からの複数の手段があると考える。
日本の軍事戦略は、近い将来、中国の空母戦力にも対応したものに変わる。
また、日本の軍事技術レベルから、戦術手段の開発・実戦化達成はそれほど困難ではないだろう。