2015年5月15日金曜日

★日本>ISRに本腰を入れはじめる 海中ISRにも注目



ISRの重要性を本ブログは一貫して主張してきましたが、いよいよ望ましい方向に向かってきました。ただしこれはまだハードウェアの世界の話であり、情報を分析、評価するソフトウェア=高度の知識を持った専門スタッフをこれからどれだけ多く養成できるかが鍵であり、省庁の壁を崩す情報流通、情報利用が必要ですね。期待したいところです。

Japan Boosts ISR Abilities Across Domains

By Paul Kallender-Umezu12:42 p.m. EDT May 11, 2015

TOKYO — Japan's defense budget for 2015 prioritizes intelligence, surveillance and reconnaissance (ISR) improvements as the Ministry of Defense attempts to bolster, in particular, its ability to protect Japan's far-flung southwestern island chain, Nansei Shoto.
日本は平成27年度防衛予算で情報収集・監視・偵察(ISR)能力の向上を重要視し、防衛省は特に南西諸島で拡充を図る。
  1. 新規ISR事業は一部がまだ企画段階だが空中、宇宙空間でのISR活動の他にあらたに海での活用を加えている。
  2. 「ISR機能拡充はこれまで該当地区で何が起こっているのかよくわからなかったためだ」と日本戦略研究フォーラムのグラント・ニューシャムGrant Newsham 上席研究員は解説する。
  3. ISRへの考え方が大幅に変わったのは1998年に北朝鮮がテポドンミサイルを日本上空を飛翔させ、日本国内に大きなショックを呼んだことで、これが小規模な情報収集・偵察衛星群の整備につながった。
  4. しかし2007年に中国が対衛星攻撃実験を行い、また日本領空・領海への侵入が急上昇して政府国民も改めて衝撃を受けた。
  5. 「中国がこの数年一層強く主張するようになっており、北朝鮮もミサイル開発、核開発を進める中、この地域はこれまでになく危険な状態になっていると日本は見る。そこで情報を明確に把握することが基本となってきた」(ニューシャム)
  6. 南西諸島の監視体制を維持するべく防衛省はグローバルホークUAV調達を発表し、艦船搭載型のUAV導入の検討も開始した。さらに防衛省は与那国島に沿岸監視部隊を新設する。与那国は台湾に隣接する。
  7. 「米国のISRに依存しすぎているとの懸念が日本の一部にあり、自国で能力を整備すべきとの意見があるのは特に中国や北朝鮮を意識してのこと」とニューシャムは言う。「与那国の監視部隊は海上自衛隊、航空自衛隊の支援があってこそ実効性を発揮する」
  8. 同時に宇宙でのISRも増強する。これは1月発表の新宇宙基本計画で出た安全保障関連の戦略方針を反映するもの。情報収集衛星は現在4基だが10年以内に倍増する。また新型複合用途衛星をISRに使うこともも検討中だ。
  9. 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は防衛省と共同して新型偵察衛星だいち3号ALOS-3に弾道ミサイル早期警戒センサーの搭載をめざし、ゆくゆくは宇宙配備早期警戒体制の構築で米国を支援するかもしれない。JAXAは戦術レベルのISRへ転用可能な衛星開発に資金を投入しており、電波傍受情報集衛星の整備も検討課題に入っている。
  10. 「宇宙配備ISRは米国にとっても重要な分野で、米国は全世界での防衛義務を果たすのにこれが不可欠」とスコット・ペイス Scott Pace (ジョージ・ワシントン大エリオット国際関係研究センターで宇宙政策研究長)は言う。
  11. 宇宙空間の状況把握や海洋状況把握が宇宙配備ISRで鍵となると日米で一連の合意ができており、米国は日本に従来より大きな役割を期待しているとペイスは言う。
  12. 日本が強化を狙う分野に海でのISRがあり、川崎P-1哨戒機20機の調達が目立つ。同機は高性能の探知識別能力、飛行性能、情報処理能力、攻撃力を搭載し、既存のP-3Cでも性能改修が実施中。.
  13. また港湾など沿岸の重要インフラの防衛のため「近接型」ISRに注目が集まっているとボブ・ニュージェント Bob Nugent (AMIインターナショナルの提携コンサルタント)は語る。防衛省の研究プロジェクトで少なくとも5案件が無人海中ISRシステムをテーマとしており、中には長距離航行「海中グライダー」、水上艦と水中無人機の協調型通信ネットワークがある。
  14. この一部は横浜で5月に開催のMASTアジア海洋安全保障展示会へ出展される。NECはUUV向け海中無線電気充電ステーションを公開する。
  15. ニュージェントは「日本は高性能長距離音響水中聴音機で光ファイバーを応用する構想を検討している」という。「防衛省のその他研究内容には海中パッシブソナーアレイの感度を向上案件もある。日本が海中でISRを強化しようとしているのは明らか」
  16. ニュージェントは高性能ISR機材には蓄電、充電、放電技術の向上が不可欠と見る。「バッテリーを超えた」エネルギー技術の開発に日本企業が取り組んでいるという。
  17. 日本が次世代装備品で高い要求水準を想定していることでメーカー各社に新しい可能性が生まれる。JSRマイクロ(JSRの米国法人)の社長エリック・ジョンソンEric Johnsonはこう見ている。
  18. 「新しいエネルギー貯蔵技術として高性能コンデンサを開発中で、非常に高いエネルギーバーストを放出し、急速充電が可能で遠隔地点に設置する水中センサーや無人機、無人水中機や衛星に応用が可能です。日本が特に強い関心を示す分野で将来の海のISR装備への応用を想定しています」
  19. 「高度ISRで日米防衛協力に日本から一層高い貢献が可能となり、日本には有望なISRハードウェアがありますが、これまでは一貫したISRネットワークを国内に構築しておらず、今後はすべての情報源を活用し、正しく評価し、分類の上エンドユーザーに配信することが必要でしょう」とニューシャムは語る。■


中国>ジブチに基地設置をめざす>立派な覇権国ではないのか


日中国交回復の際には反覇権主義を唱え、武力に訴えて国力を拡張することは是としないとあれだけ主張していた中国の変わり様はどう説明できるのでしょうか。レトリックに強い中国ですからいくらでも西側には理解のできない説明を繰り出すのでしょうが、恒久的な基地が日米も施設を有するジブチ国内に完成したらややこしい話になりますね。

China Seeks Djibouti Access; Who’s A Hegemon Now?

By COLIN CLARKon May 12, 2015 at 4:43 PM
WASHINGTON: 中国がフランス旧植民地ジブチで港湾特別使用権や基地設置を強く求めていると判明した。ジブチは特殊作戦基地として米軍、フランス軍の重要拠点。
  1. 同盟国高官が事実を確認した。高官は氏名・国名を伏せる条件で情報提供したのがこの問題の微妙さを示す。
  2. ジブチ大統領イスマイル・オマル・ゲレ Ismail Omar Guelleh はAFP通信に中国との協議が進行中と明かし、対象は記事では「新規軍事基地」としている。
  3. 「フランスのプレゼンスは以前からあり、米軍は地理条件からジブチをテロ対策に最適と判断した」と大統領はAFPに話している。「日本も海賊対策で利用を求め、中国も自国の権益を守りたいという。皆大歓迎だ」
  4. 中国はジブチと協定を昨年結び、PLAN艦船の寄港が可能となった。米国は妨害しようとしたが失敗。米国も昨年の協定でキャンプ・レモニエを20年間租借をしており、テロ対策部隊の基地にしている。フランス外人部隊は大幅縮小ずみ。
  5. 現在の中国労働者や投資活動除き中国が最後にアフリカを訪れたのは15世紀初頭だ。ケニア海岸地帯から中国貨幣や陶器が見つかる。マリンディのDNAテストでは中国と現地人の婚姻によるつながりが確認された。鄭和Zheng Heは1418年にマリンディに到達している。
  6. ヘリテージ財団で中国軍事関係に詳しいディーン・チェンDean Chengによれば中国はジブチとの関係強化に鄭和を引用している。チェンによれば中国の軍事専門家が異口同音に鄭和の死去後海洋航行能力を衰退させたのは戦略的に大きな間違いと認めている。
  7. しかし今回のジブチで協議の対象は軍事基地あるいは港湾設備で、軍民の中国艦船への食料、燃料補給を想定。もし中国が軍事基地を設置すれば当然周辺の防御を固め高性能通信設備その他一式を備えた初の海外基地になる。
  8. 中国へ監視の目を光らすランディ・フォーブス下院議員(軍事委員会シーパワー小委員会委員長)は中国が世界規模で展開しようとしていると警鐘を鳴らした。
  9. 「中国がジブチに恒久的基地設置を決めたのは兵力放射で自国海域をはるかに超えた地点に前方プレゼンスを伸ばす欲求のあらわれだ。西太平洋からインド洋、さらに今回アデン湾まで広がると中国の軍事力が世界規模で展開する可能性がある」「従来の影響圏を超えた地点に恒久的基地を持つ決定をしたことで中国が自国をグローバル大国とみなしていることに米国は気づくべきで、自国の影響力が世界各地で減退しているのに不安を感じない米国人が多い」
  10. これまでも中国からはコロンボ(スリランカ)やグワーダル(パキスタン)のような地点で港湾施設を確保するのは該当国との経済関係を強化し「真珠の首飾り」を形成すると主張してきた。この構想は習近平主席がインドネシア国会で演説した際に登場し「海のシルクロード」を作ると公言した。
  11. ジブチの「基地」がどんな形態で運用するのは誰かで中国の意図は判断できる。またアフリカ以外に世界規模での展開の意図もあきらかになろう。「実現した場合、中国がどんな表現をするかは興味深い」(チェン)
  12. 中国はいわゆる覇権主義に反対し、米国や英国の軍事基地は世界規模の兵力投射で新植民地主義だと非難してきた。反対に中国は抑圧を受けるものを援助し、貿易、経済、外交で関係改善を希求する存在と自ら演じてきた。
  13. 中国は自らを人類文明の中心地で、野蛮人に囲まれていると認識してきた。近隣諸国の域を超えた他国との関係の心配は断続的に発生したに過ぎない。
  14. そこで海外に基地をおいた場合、この中国の伝統が終わるのか、あるいは前例があるのかチェンに尋ねてみた。チェンは海外基地の運用は「覇権国と同様に」なるだろうという。
  15. チェンは中国が第16次までペルシア湾に海軍を派遣したと指摘。初回は補給寄港が認められなかった。そのため中国は派遣方法を変更し、海上補給方法を学び、現在は必要ある場合のみ海外寄港で燃料食料を補給しているという。
  16. ただし拡大をめざす中国の努力全てが実を結んでいるわけではない。昨年10月に中国潜水艦1隻と補給艦1隻がコロンボでドック入りしたのはスリランカ国政選挙前で習近平主席が訪問した。選挙後の新政権は中国関連の協定全般を見直し汚職多数を発見し「中国投資を突き返した」上、中国潜水艦の次回ドック入りは認めない決定をした。
  17. チェンはさらに「インドはジブチ基地設置で不快になるだろう。同国からインドは横腹をさらすことになるからだ」と述べた。またモルディブでも中国が軍事アクセス権を求めているとチェンは指摘する。■

次期海軍作戦部長のリチャードソン大将はこんな人



次期海軍作戦部長(海軍トップ)にリチャードソン大将が内定しました。潜水艦勤務の経歴を中心に直近は原子炉部門長のため今回の人事はやや驚きをもって受け止められているようです。まずUSNI Newsは以下のように伝えています。これは国防長官の発表後の配信です。

Naval Reactors Director Adm. Richardson Named Next CNO

May 13, 2015 10:02 AMUpdated: May 13, 2015 2:23 PM

Chief of Naval Operations Navy Adm. Jonathan Greenert and Navy Adm. John Richardson, director of the Naval Nuclear Propulsion Program. DoD Photo
海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将とジョン・リチャードソン大将(海軍核推進事業部長) DoD Photo

アシュ・カーター国防長官からジョン・リチャードソン大将 Adm. John Richardson(現海軍核推進事業統括責任者)が次の海軍作戦部長(CNO)に就任すると発表した。

  1. 人事はオバマ大統領が承認ずみで、つぎは上院の承認を求めることになる。
  2. リチャードソンはエネルギー省との協同事業である海軍原子炉部門 Naval Reactors(NR)に2012年11月異動となり、8年間の任期を全うすると見られれていた。通常の人事異動が2年から3年であるが、高度の技術内容である事業のため任期が長くなっている。
  3. 原子炉部門出身者が海軍トップに就任する初の事例となる。
  4. 「ジョン・リチャードソン大将は正しい選択だ。果敢に決断するずば抜けたリーダーであり、海軍の多くの厳しい課題で頼りになる人物となっており、オハイオ級後継弾道ミサイル潜水艦問題から内部統制・倫理問題まで幅広く扱ってきた」とカーター長官は評した。「重宝がられる人物でエネルギー省長官から引き抜くのに苦労した」
  5. 現CNOのジョナサン・グリーナート大将も潜水艦部隊出身でオハイオ後継艦事業こそ海軍の最優先事項だと強調していた。同時に最大の予算規模にもなる。リチャードソンは同事業に詳しく優先順位を高くしたまま予算も全額確保するだろう。
  6. リチャードソンは海軍兵学校を1982年卒業し、物理学学士号を取得。USSパーチ Parche (SSN-683)、USSジョージ・C・マーシャル George C. Marshall (SSBN-654)とUSS ソルトレイクシティSalt Lake City (SSN-716)の各潜水艦に勤務した後USSホノルルHonolulu (SSN-718) 艦長として James Bond Stockdale Leadership Awardを受賞している。
  7. また大統領付き海軍補佐官、太平洋艦隊潜水艦部隊で艦長候補の訓練、米合同司令部で戦略政策部長を歴任している。

これに対してBreaking Defenseはやや辛い見方を示しています。この記事は国防長官による発表前に配信されています。


Worries Surface As Carter Picks Submariner As CNO; It’s All About Nuclear Reactors

By COLIN CLARK on May 13, 2015 at 1:11 PM

WASHINGTON: 次期海軍作戦部長に海軍原子炉部門長が抜擢されたことに人事発表前から疑問の声が上がっている。問題は本人の業績ではなく現時点の職責だ。
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  1. ハイマン・リコーヴァー提督が海軍原子炉部門(NR)の長の任期を8年と定めた時は議会と海軍の圧力を遮断する意味があった。
  2. 「リチャードソンについて良いことしか思い浮かばないし、すばらしいCNOになるのは疑いがない。だが先例から上院がすんなりと承認するとは思えない」とある議会スタッフは言う。
  3. 海軍原子炉部長のポストはこう理解されている。重要な職責に8年間も使える。任期中に異動や圧力を心配しなくても良い。裁量権が広く、退任までそのまま。
  4. もうひとりの議員スタッフは先例よりもリチャードソンが水上艦艇や航空部門で経験が乏しいのを気にしている。「CNOとは水中部隊のためだけではない」と本人の指揮経験が潜水艦関連であることに言及している。また海軍内部の各組織からも潜水艦を優遇していないか疑念がかけるはずである。ただ本人が大統領付き補佐官を務めた事実も注目すべきだ。
  5. 海軍にとって最重要議員と言って良いランディ・フォーブス下院議員は声明を発表し、同大将に海軍全般に目を配るよう求めている。
  6. 「リチャードソン大将はこれまで潜水艦部門で抜きんでたリーダーシップを発揮しており、就任は確実と見ているが、新ポストではより広い視野で海軍兵力全体を把握するよう、また水上艦艇の戦力強化に励むとともに海軍航空戦力の方向性を示してもらいたい」
  7. カーター長官はオハイオ級原子力潜水艦の後継艦選定は重要な課題であり、抜群の信用力で強力な推進役が必要だと決めたのかもしれない。SSBN-Xオハイオ後継艦事業(ORP)の単艦費用は49億ドルと最新結果は伝えているがコスト上昇は必至だろう。
  8. リチャードソンはオハイオ後継艦についてこう発言している。「6台のバスが編隊を組んで同じ間隔を明けて高速道路を走行するのと同じで走っている間に6台に同時にペンキを塗るようなものだ」
  9. For a glimpse at Richardson the commander, here’s what Sydney wrote when Richardson took the Nuclear Reactors job, which he was to hold until 2020:
  10. リチャードソンの指揮官の資質については原子炉業務に異動になった際にこう評されている。
  11. リチャードソンはリコーヴァーと同様にまた現NR責任者カークランド・ドナルド大将と同様に潜水艦で経歴を築いてきた人物だが、普通控えめな潜水艦乗りとは一線を画し、ブログを書き、兵学校のカンニング騒動、アブグレイブ刑務所での拷問スキャンダルやプラトンの国家論まで幅広い話題を取り上げている。
  12. 上院での任命承認手続きでは上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン議員(海軍航空士官出身で長く続く海軍軍人の家系)が本人の人格及び職務上の資質を厳しく見ると予想する。マケインがリチャードソンを疑わしく思うだろうか、あるいは神聖なる海軍原子炉での職務またはその両方で疑義を上げるだろうか。まだ予測がつかない。■

2015年5月14日木曜日

北朝鮮SLBM発射の真相を探る




北朝鮮が発表したSLBM発射について一番深く分析しているようなのでご紹介します。結論は下にあるとおりですが、韓国はこれから新しい防衛体制の構築を迫られるでしょう。まだ時間はありますが、油断はできません。

North Korean SLBM test leaves more questions than answers

James Hardy, London - IHS Jane's Defence Weekly
12 May 2015

North Korea released images on 9 May of what it said was a successful test launch of a 'Polaris-1' SLBM from a 'strategic submarine'. Source: Via
北朝鮮が5月9日に発表した「水中から朝鮮型強力な戦略潜水艦発射弾道ミサイルの試射」を「戦略級潜水艦」から行ったと発表しているが同国の潜水艦能力の水準からみて疑わしい。
The test-firing of a new SLBM was viewed by North Korean leader Kim Jong Un. (Via KCNA)SLBM試射には金正恩が立ち会った(Via KCNA)
国営労働新聞Rodong Sinmunはミサイル発射の写真数枚を掲載し、同ミサイルにPukgeukseong-1(北極星1)の名称が描かれ、海面から飛び出す光景を見守る金正恩指導者が写っているのがわかる。
ミサイルの形状はR-27 Zyb SS-N-6「サーブ」ソ連製液体燃料潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に類似している。射程は2,400キロメートルでペイロード650キロ。ソ連は1968年から88年にかけ配備していた。
2003年9月には北朝鮮が数発を取得したとの報道があり、これからムスダン(BM-25)地上発射型中距離弾道ミサイルが開発されたとみられる。
今回の「北極星-1」ミサイルが液体燃料式と推定されるのは白煙が見られないため。(白煙は金属化複合固形推進剤の特徴)だが炎はきれいで、茶色の煙が発生しているが、後者は四酸化二窒素または他の酸化窒素系の酸化剤を使っている証拠だ。

発射は潜水艦からあるいは水中発射台から?

写真では金正恩が潜水艦を背景に微笑している。この潜水艦が労働新聞が言う「戦略潜水艦」らしい。
北朝鮮にはソ連時代のプロジェクト633「ロメオ」級ディーゼル電気推進潜水艦20隻があるとみられ、国産のサンオ型も数隻配備されている。写真の潜水艦が後者の場合、35.5 m x 3.8 m x 3.7 mの外寸、260トンという排水量なので弾道ミサイル発射はありえない。
可能性が高いのはジョンズ・ホプキンス大学が衛星画像解析で2014年から2015年にかけ公表した新型潜水艦だろう。日本海側の新浦軍港Sinpo naval baseで建造し、全長65.5 m排水量1,000-1,500トンと推定される。
この新型「シンポ」級には開口部付き司令塔があり、高さは4.25メートル、幅2.25メートルで垂直発射管をおさめられる。R-27の直径は1.5メートルで長さは8.89メートル、重量は14トンと見られる。写真が示しているように発射を傾斜させれば、ペイロード搭載量は減るが船腹の長さを節約できる。.
韓国国防省は野党議員に北朝鮮が保有する同型潜水艦は1隻のみで発射されたミサイルは「ロシアのSLBMを真似てつくったダミー」と説明したと中央日報 Joongang が伝えている。
「北のSLBM開発はまだ初期段階」と国防省報道官キム・ミンソク Kim Min-seokが報道陣に話している。「先進各国を見るとSLBMの水中発射成功から実用化まで4年ないし5年かかるのが通例だ」「試射に使った潜水艦は未完成だ。北がSLBMを完成させ潜水艦に搭載するまで時間がかかる。北はこの段階でただちに開発を中止すべきである」
この国防省見解から韓国もミサイルが潜水艦から発射されたと考えていることがわかるが、、数々の要素から試射が潜行中の発射台から実施された可能性が高い。
まず金正恩は発射地点から極めて近い地点で船舶に乗っている。これではミサイル発射が乗員に与えるリスクがあるはずだが、潜水艦とミサイルへの信頼度が高いことの現れとも言える
さらにミサイルは開発試行の初期段階のようで静止中の水中発射台から設定済みの範囲に発射されたようだ。
IHS Jane's は上記がもっともありえる可能性で、金正恩がここまでミサイルに近い地点に立っていることがその裏付けだと評価した。また写真の一部で潜水艦が写っているがミサイル発射が同潜水艦から行われたとの説明とあわせて虚偽と判定する。

朝鮮半島の安全保障への影響は?

長期的に見ればSLBM実用化で北朝鮮は二次攻撃力を獲得し、開戦時にまず北の地上配備弾道ミサイルを発射前に破壊するという韓国の「Kill Chain」構想実施が困難になる。おそらく作戦構想そのものが実施する前に陳腐化するだろう。
短期的には韓国がミサイル潜水艦を実戦化前に攻撃する決断をすれば戦略的に不安定な状態になる。とはいえ、ソウルが休戦ラインから近距離にあり、北朝鮮の砲兵隊の配備を考えれば韓国が公然と軍事行動を取ることは考えにくい。

追加コメント

韓国にとってひとつ救いがあるのは同国が続けている対潜戦(ASW)の増強策だ。浦項Pohang-級コルベット天安Chon An が2010年3月に沈没したことで増備が加速化された。韓国は天安は北朝鮮小型潜水艦の魚雷で沈んだと見ている。
潜水艦部隊のみならず水上艦船や空からのASW能力も拡充している。潜水艦では張保皐級Chang Bogo-class (209型)ディーゼル電気推進式攻撃潜水艦9隻はゆくゆくはKSS-2級(214型)に更改されるはずだ。更に大型のKSS-3(排水量3,000トン)で初の潜水艦国産化を実現する。
韓国海軍の対潜航空部隊にはウェストランドWG.13リンクスMk 99ヘリコプター23機があり、ここにアグスタ・ウェストランドAW119ワイルドキャット8機が加わる。後者は新型仁川 Incheon-級フリゲートに配備され、アクティブディッピングソナー、360度レーダー、電子光学センサーを搭載する。
韓国国防調達庁 (DAPA) は韓国製対潜ロケット(K-ASROC) の精度向上に成功し、本格生産に移ると2014年5月に発表した。韓国海軍は同ロケットの精度に不満を表明していた。
さらにロッキード・マーティンP-3CKオライオン哨戒機16機の増設も検討するだろう。
IHS Jane's naval, missile, and proliferation experts David Ewing, Neil Gibson, Stephen Saunders, Karl Dewey, and Doug Richardson contributed to this report.
The 'Polaris-1' appears to be based on the Soviet R-27 SLBM. (Via KCNA)「北極星-1」はソ連のR-27が原型のようだ。(Via KCNA)
The missile's clean flame and brown fumes suggest it is liquid propelled. (Via KCNA)炎がきれいで茶色の噴煙から液体燃料式とわかる。 (Via KCNA)

2015年5月13日水曜日

★LRS-BあらためB-3はこんな機体になる



LRS-BはB-3と呼ばれるようです。B-3に期待される役割は今までの爆撃機から相当の乖離があるようです。-Bでない機体も早く見たいですね。

What The B-3 Bomber Should Be

By ROBBIN LAIRD on May 12, 2015 at 10:08 AM


Northrop Grumman Long Range Strike Bomber concept LRSBノースロップ・グラマンのLRS-B構想図 
米空軍には前身の陸軍航空隊時代から爆撃機運用で長い実績がある。B-17空の要塞は誕生時こそ物議を呼んだが、ヨーロッパ大陸がナチ・ドイツに占領されると真価を発揮した。
  1. だがB-17への道は平坦でなかった。戦前には戦闘機パイロットと爆撃機支持派の意見が対立し優劣を争った。爆撃機は残ったが、代償も大きかった。B-17は護衛なしでナチ占領地へ飛び、搭乗員多数が死亡した。その後長距離護衛戦闘機が投入されると爆撃機と協調して戦った。
  2. 太平洋戦線に投入さたB-29はは冷戦時代各機種の先駆けとなり、B-52が登場する。空軍爆撃機は「戦略」機材として核三本柱の中核になった。ベトナム戦争では通常型戦闘で効果を発揮し、大量爆弾投下能力が高く評価された。
  3. B-52は今日でも現役だが、B-1とB-2が加わり、B-52が登場した時代では想像もつかない用途に投入されている。現在の爆撃機は近接航空支援含む戦術用途に使用され、精密誘導爆弾やセンサー類により正確に目標に投下できる。
  4. これから登場する長距離打撃爆撃機はB-3と呼称され、戦術・戦略爆撃の定義が変わる時代に生まれる機体となる。
lockheed boeing long range strike bomberボーイング=ロッキードのLRSB構想図
  1. 新型爆撃機には飛躍的な新性能機ではなくB-2の技術を流用するが、単なるB-2後継機ではない。それはオスプレイがCH-46ヘリコプターの後継機種ではないのと同じだ。
  2. B-3はボーイング=ロッキード共同事業あるいはノースロップ・グラマンのいずれかが生産することになるが、空の戦闘で革命的な変化が進むさなかで実戦化される。航空戦力は21世紀のすべての戦場で効果の実現手段となっている。F-35が各国に導入されれば、空軍力の再定義につながり、攻撃・防御をともに効果的に実施する体制が米国及び同盟国で成立し、広範囲の脅威に対応できる。
  3. 最新機はF-35のように情報ネットワークを形成し、単機も全体の一部として運用可能となり、攻撃と防御を同時に実施できる。これが可能となったのはC5ISR(指揮・統制、通信、情報処理、戦闘システム、情報収集監視偵察機能)によるところが大である。
  4. B-3は単に爆弾搭載量を増やし、長距離を飛び戦略ミッションをこなすだけの機体ではない。同機は航空戦闘部隊の効果を増幅する機体だ。航続距離とペイロードは基本性能として重要だが同時に新設計のステルスが効果を上げる。だがそれはまだ基礎部分に過ぎない。
    1. 第一に爆撃機には米国及び同盟国のF-35、無人機、その他ISR機材からのセンサー情報を活用する。第二にC2システムを搭載し戦闘中の各機に個別情報を提供する
    2. 第三に前方に投入される各機の戦闘管理を提供する
    3. 四番目に武器の進歩が加速化しており、各種兵装が多様な機種で利用可能となる。そこでB-3にはセンサー応用の攻撃能力も加えるが、必ずしも戦闘の第一陣に加わる必要はなく、最重要な機材ではなくても中核機材になるのは確かだ。.
    4. 第五にB-3は核兵器運搬用途以外に抑止機能を実現する。たとえば北朝鮮が核ミサイルを発射する前に時間的に効果のある攻撃を行う。
  5. 言い換えればB-3は航空戦力の新定義の一部となり、前方に配備するF-35の効果を引き上げる存在になる。また目標情報を提供し、センサーつき兵装を大量に投下し、核兵器の運用を夢見る新興国家に対する抑止手段となる。
  6. こうしてみるとB-17との共通点はほとんどなく、B-52に近いが、B-2ほどの強力な戦略機材ではない。長距離飛行し高い効果を実現させる。共同作戦や連合空軍部隊で利用されるだろう。
  7. 第五世代戦闘機やミサイル防衛体制が目標を探知すると、B-3が統合航空作戦の調整・統合機能を発揮できる。つまり同機のセンサー類、C2情報管理機能が不可欠になる。
  8. 攻撃・防御一体体制で中心となるのはS3革命である。つまり、センサー、ステルス、スピードの三要素により敵探知、破壊、対応を効果的に多数の脅威対象を相手に行うことだ。
  9. 航空部隊の中心となるB-3により米国は中国に対し優勢な立場を固める。戦闘情報管理機能を有する同機はこれまでなかった存在となる。同盟国と相互運用リンクでむすばれ、米本土や沿海部に展開する米軍部隊も情報を共有できる。米軍は同盟各国と共同作戦を高度な接続状態で実施する必要がある。B-3は必要なときに投入され同盟軍の戦力を増強する存在になる。
  10. 同機により21世紀の米国及び同盟国の空軍力を大きく向上させることが期待される。
筆者ロビン・レアードは国防コンサルタントでBreaking Defense 寄稿者のひとり。自身でSecond Life of Defenseウェブサイトを主宰。


2015年5月12日火曜日

★中国の武器輸出の動向は要注意



中国がどんどん武器輸出を伸ばしています。しかも相手国は西側が相手にできない国も含まれています。さらに価格が安いためこれではまるでダンピングで各国の軍拡を後押しするようなものですね。米海軍協会があまり知られていない中国の武器輸出の実態をまとめてくれましたので見てみましょう。

A Look at China’s Growing International Arms Trade

By: Kyle Mizokami
May 7, 2015 9:42 AM

ロシアが中国人民解放軍海軍PLANのタイプ054Aフリゲート艦の購入を検討中だ。一年前には考えられない事態だが、中国の軍事産業が西側の武器禁輸を尻目にどこまで伸長しているかを象徴している。

  1. 国内軍需産業を育成してきた中国の努力が実を結ぼうとしている。中国製艦船、航空機、レーダー、ミサイルが求めやすい価格で西側各国の製品の代わりに購入されている。中国製品の水準は西側より劣るものの、とにかく安いので大量に購入でき、納期が短く、政治的にも面倒がない。
  2. 1980年代はじめに中国は政治、経済両面で世界に開放した。短期間ながら中国の防衛産業は西側と相当の協力を展開したのは人民解放軍への装備が大需要と見られたためだった。
  3. ところが天安門事件(1989年)の惨劇で禁輸措置がとられ協力ブームは終わる。中国は産業基盤を自国で整備し解放軍の装備を供給せざるを得なくなった。このため、中国は相当の力を投入して西側装備品の改修や、諜報活動を西側防衛産業に向け展開し、ロシア製技術を改良し、新世代装備品を開発するなどポスト天安門時代を模索してきた。
  4. ストックホルム国際平和研究所によれば中国の武器輸出はこの5年で143%の増加している。今や中国は軍事輸出で米国、ロシアに次ぐ世界三番目だ。
  5. 安価だが高技術の中国製兵器が拡散普及すると西側は問題視するだろう。とくに英米両国が課題に直面する。高性能艦艇、ミサイルや航空機がアルゼンチンに輸出されると英国はフォークランド諸島の防衛対策で見直しを迫られそうだ。以下各国別に展望する。

アルジェリア

A Chinese-built Algerian corvette. Photo via mil.huanqiu.com
中国製のアルジェリア海軍コルベット艦 Photo via mil.huanqiu.com

  1. アルジェリアは2012年に中国へC-28Aコルベット艦三隻を発注した。パキスタン向けに製造したP-22ズルフィクア型フリゲートの船型をもとに上海の浦東中華造船Hudong Zhonghua が建造した。
  2. C-28A級は全長123メートル排水量2,800トンで武装はNJ-16 76ミリ複合多用途砲1門、C-802 対空ミサイル4基、FM-90N防空装備8基でHQ-7対空ミサイルを発射できる。タイプ730B近接防空システム2基、対潜魚雷発射装置6基、対ミサイル囮発射装置も備える。
  3. C-28A級も飛行甲板と格納庫を備える。中国建造の艦艇設計と異なり、アルジェリア向けコルベットにはタレス製レーダーを搭載し、指揮命令通信機能もタレス製にする。
  4. 一号艦は2014年8月に進水しており、今月にアルジェリアに引き渡す予定。さらに3隻を商談中。

アルゼンチン

A Chinese Type 056 corvette
タイプ056コルベット艦 

  1. マルビナス級はP-18輸出仕様フリゲート艦の派生型であり、もともとはタイプ056コルベット艦である。PLAN仕様のタイプ056は排水量1,400トン、H/PJ-26 76mm複合用途砲1基、AJK-10対空ミサイル発射機1にHQ-10ミサイル8発を搭載、YJ-83対艦ミサイル4発、30mm遠隔操作機関砲2基、324mm三連装対潜魚雷発射装置2基を積む。ヘリコプター発着甲板があるが、格納庫はない。曳航式ソナーアレイも追加装備している。
  2. P-18(排水量1,800トン)は中国船舶重工集団China Shipbuilding Industry Corporationが建造し、タイプ056よりわずかに大きい。マルビナス級の模型にはヘリコプター格納庫があり、ブラジルのウェブサイトNaval Powerは「アルゼンチンは機体重量10トンのシーキングヘリコプター運用のため飛行甲板の大型化を求めている。曳航式ソナーも利用し対潜能力を強化する」と伝えている。
  3. またアルゼンチンは中国製戦闘機の導入を検討中と伝えられている。数十年間放置した戦闘機部隊は劣化が進み、稼働可能な機体はミラージュ20機以下だという。アルゼンチンが検討しているのはFC-1 梟龍 および J-10 猛龍だ。
  4. このうちFC-1はパキスタンとの共同開発(パキスタン型式名はJF-17)で2004年に初飛行している。RD-93ターボファン一基を搭載し最高速度はマッハ1.6、戦闘行動半径は1,350キロ(840マイル)と言われる。
  5. FC-1の武装にはGSh-23-2機関砲を内蔵し、武装搭載用のハードポイントは7箇所ある。短距離対空ミサイルのPL-5、-7,-8,-9を搭載できる他、中距離対空ミサイルPL-12も運用できる。C-902対艦ミサイル2発を搭載し、対レーダーミサイル2発、誘導(非誘導)爆弾を2トンまで運用する。
  6. これに対してJ-10はJF-17より大型かつ高性能戦闘機で、ロシア製AL-3FNエンジン一基で推力は50%増えるが、戦闘行動半径は 1,000キロと逆に短い。エイビオニクスはJF-17よりすぐれ、高性能電子スキャン式アレイ(AESA)レーダーを搭載。J-10もGsh-23機関砲を内部に搭載し、ハードポイント11箇所で空対空あるいは空対地兵器を装着できる。

バングラデシュ

Durjoy-class patrol boat. Photo via Wikipedia
Durjoy-class patrol boat. Photo via Wikipedia
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  1. バングラデシュは艦艇近代化に乗り出しており、中国から6隻を2009年以降に導入し、潜水艦購入の商談も進行中。
  2. 2012年にバングラデシュは中古フリゲート艦2隻を中国から購入した。ソ連時代のリガ級をもとにしたタイプ053H2で、37mm機関砲2門、100mm連装砲2門、YJ-81対艦ミサイル4発と対潜水艦ロケット発射機を備える。現代の水準ではぎりぎりの線だが両艦は巡視任務についており、バングラデシュ海軍の示威的存在だ。
  3. また少なくとも2隻のShadhinota(「独立」)級コルベットも中国から購入している。発注は2012年で今年1月に二隻が引き渡された。このコルベットもマルビナス級と同様にH/P-26 76mm 複合用途砲1門、30mm遠隔操作機関砲2門、FL-3000N港湾防衛用ミサイルいシステム一基、C-803対艦ミサイルを搭載する。またタイプ730近接防衛システムやタイプ3200対潜ロケット発射機2門を搭載しているようだ。ヘリコプター発着甲板はあるが格納庫はない。
  4. さらにバングラデシュはダージョイ級警備艇2隻を購入している。武昌船舶重工Wuchang Shipyardが建造し、タイプ056に類似しているが長さは211フィートで排水量は650トンと小さい。沿岸警備用途に特化した設計で、対艦および対潜能力はほどほどだが2013年に2隻とも引き渡された。
  5. 中国とバングラデシュは2013年に総額240百万ドルで、タイプ035G改良型明級ディーゼル潜水艦2隻の売却を発表した。中古セ販売で以前はPLAN南海艦隊所属だったようだ。支払いは2018年で納入は2019年になる。
  6. 同艦の排水量は浮上時1,584トンで航続距離8,000マイルで、533mm魚雷発射管8門に魚雷18本を搭載する。バングラデシュの国防ウェブサイトでは同艦を改装してC-802あるいはC-803対艦ミサイルを搭載するとしている。
  7. バングラデシュ空軍も南昌 Hongdu K-8ジェット練習機9機を調達している。これはF-7BGI多用途戦闘機16機の導入に備えるものだ。F-7BGIは旧型F-7にない視認距離外での交戦能力があり、精密誘導爆弾も運用できる。

ミャンマー

A Chinese built Type 53H frigate. DoD Photo
タイプ53Hフリゲート艦  DoD Photo

  1. ミャンマー海軍は旧PLAN所属のタイプ053Hフリゲート艦2隻を2012年に受領している。排水量1,700トンで対水上戦に特化しており、100mm砲2門、37mm砲4門、対潜ロケット発射機2基等を搭載する。

ナイジェリア

An undated photo of a F-7Ni.
An undated photo of a F-7Ni.

  1. ナイジェリアはP-18輸出仕様コルベット艦2隻を発注しており、中国船舶重工集団が2012年に受注した。一号艦NNSセンテナリは今年2月に納入されている。二号艦は中国船舶重工が支援してナイジェリア海軍工廠が建造する。
  2. ナイジェリアのコルベット艦の戦闘行動半径は時速14ノットで3,000カイリで、通常のP-18より武装が軽い。H/PJ-26 76mm複合砲1門、30mm遠隔操作機関砲2門、20mm機関銃2門に減らされている。対潜兵器はソナー含め搭載されていない。
  3. ナイジェリア空軍は2008年にF-7NI防空戦闘機12機、FT-7NI練習機3機を受領しており、旧式MiG-21の代替とした。総額252百万ドルで、機体220百万ドル、弾薬類32百万ドルだった。

パキスタン

An undated photo of a JF-17, jointly built between China and Pakistan
中国とパキスタンが共同開発したJF-17 


  1. 習近平主席が先月パキスタンを公式訪問したのを受け、中国からタイプ039B/041元級潜水艦8隻の売却が発表された。総額20億から40億ドルになり、引渡し時期は発表されていない。
  2. 米海軍協会の『世界の戦闘艦艇』によればタイプ041は排水量3,600トンのディーゼル電気推進攻撃型潜水艦で大気非依存型推進装置(AIP).を搭載する。元級はロシアのキロ級に酷似している。元級はYJ-82対艦巡航ミサイル、Yu-4パッシブホーミング魚雷、Yu-8アクティブパッシブ両用ホーミング魚雷を搭載する。PLANで12隻が稼働中と見られ、最終的には20隻まで増強されるとある。.
  3. 元級が配備されるとパキスタン潜水艦部隊は相当の戦力アップになる。現在はアゴスタ70型2隻とアゴスタ90型3隻が在籍中で、アゴスタ90型は艦齢20年未満でAIPも搭載するが、70型2隻は老朽化している。
  4. 8隻の潜水艦の総額は不明だが、Jane’sは退役パキスタン陸軍将官が「5億ドル未満だろう」と発言しているのを引用。Defense Newsはパキスタン国防関係者がより求めやすい250から325百万ドルになると発言しているのを聞いている。参考までにベトナムはロシアから改良型キロ/タイプ636 1潜水艦6隻を総額18億ドルで購入している。
  5. パキスタンが新型潜水艦の導入に向かうはインドが戦略核抑止戦力を整備しているのが理由だろう。インド初の戦略弾道ミサイル潜水艦アンハントは海上公試を2014年12月に開始し、同型艦4隻が2023年までに整備されると見られる。
  6. またパキスタン空軍がJF-17戦闘機110機を中国から受領するとの発表があった。中国パキスタン共同事業のJF-17はパキスタンで生産中だが、現地メーカーでは短期に多数の機体を生産できなす、中国から納入されることになった。

タイ

Chinese Yuan-class submarine
元級潜水艦

  1. 2014年の軍事クーデターでタイは民主制各国との関係が悪化した。その機会を利用した中国が関係改善に成功し、タイへの軍事装備品販売を提示した。
  2. タイ海軍は長い間潜水艦の導入を希望しており、16百万ドルで潜水艦司令部を先に作っている。総額10億ドルで通常型潜水艦1ないし3隻の調達を希望しているといわれる。
  3. 国営の中国船舶重工集団はS-26Tをタイ向け潜水艦案として提示しており、元級を輸出仕様として「タイ海軍向けに設計した」と称している。

ヴェネズエラ

A Chinese-built K-8 jet trainer at the Zhuzhai Airshow in 2010. Photo via Wikipedia
中国製K-8ジェット練習機 Photo via Wikipedia


  1. ヴェネズエラの政治姿勢により従来の調達先スペインや米国からの導入は考えにくい。中国は同国と関係を強化し、ベネズエラ海軍に販売の商機を見出した。
  2. ヴェネズエラ海軍の潜水艦部隊は老朽化しており、交代が必要だ。タイプ209潜水艦2隻は1970年代製で高性能な元級が後継艦になる。また6隻あるマンスカル・スクレ級フリゲート艦もP-18で置き換える事が可能だ。.
  3. また対潜ヘリコプターとしてZ-9が9機ハルビン航空製造へ発注されており、1号機の引き渡しは2015年の予定だ。
  4. また36機のK-8ジェット練習機を総額82百万ドルで36機発注している。K-8は機体外部にガンポッドや1,000kgまでの空対地ロケット弾や非誘導式爆弾あるいは赤外線誘導方式の空対空みさいるを搭載できる。
  5. これとは別に24機の南昌L-15高等練習機も発注している。L-15のエンジンはアフターバーナー使用が可能で超音速で飛行できる。3トンまでとK-8より大きなペイロードが搭載できる。引き渡し予定は公表されていない。■


2015年5月11日月曜日

日比共同海軍演習の実施が迫る 海上自衛隊からは発表なし


新ガイドラインの想定する日本の作戦の延長線に南シナ海での海上自衛隊によるパトロールもありますが、今回のフィリピン演習がこの構想にどうつながっていくのか興味津々というところですね。中国は黙っていないでしょう。

Philippines, Japan To Hold Joint Naval Exercise In S. China Sea

Agence France-Presse 12:54 p.m. EDT May 10, 2015
MANILA, Philippines — フィリピン海軍トップが日本と共同海軍演習を南シナ海で実施すると5月10日発表したが、中国による同海域内での埋立工事とは無関係と強調している。
  1. 海上自衛隊から2隻、フィリピン海軍は1隻を派遣し、今月中に艦船がフィリピンに寄港するとジーザス・ミラン海軍中将Vice Adm. Jesus Millanが述べた。
  2. 「海上自衛隊は定期的にフィリピンへ寄港しており、その機会に海上衝突回避演習を実施したい」
  3. 演習場所は旧米海軍のスービック基地の外側海域だという。
  4. 訓練シナリオでは海上自衛隊艦船がスービックを出発し、フィリピン艦艇が同地に向かう。
  5. ミラン中将によれば日比演習は中国と領有権をめぐり紛糾していることとは無関係とする。
  6. フィリピンは同盟各国との防衛面での連携を強めつつあり、領土問題での中国の高圧的な態度を問題視している。
  7. 資源に恵まれた同海域はブルネイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾も領有をめぐり見解が対立している。
  8. ミラン中将は海上自衛隊との演習で装備が貧弱で域内でも最弱といわれるフィリピン軍の近代化にはずみがつくことを期待している。
  9. 中国と日本は東シナ海で尖閣諸島をめぐり対立があり、同諸島付近では両国の艦船や航空機のにらみ合いが常態化している。
  10. 今月はじめには日比の沿岸警備隊が海賊対策演習をフィリピンで実施している。コレも第二次大戦後初の出来事だ。
  11. 米政府関係者によれば急速に作成中の中国が人工島嶼は延べ面積800ヘクタールで直近5ヶ月で工事は75%が完成している。
  12. 米国の観察では中国の工事は浚渫からインフラ建設段階に移行しており、港湾設備、通信監視機能、補給兵站の各設備のほか、すくなくとも一箇所の滑走路が含まれているという。
  13. フィリピン側は中国のエスカレートする進展はフィリピン航空機を海域上空から締め出す意図があり、危険な対立につながりかねないと懸念している。
  14. 日本は国際法による解決を求めつつ、フィリピン艦艇の近代化では援助を約束している。■