2021年5月26日水曜日

韓国によるミサイル開発の制約条件を撤廃した米国の狙いは中国か。でも韓国の想定は....?

 今回の米韓首脳会談でミサイル開発の制約条件が撤廃されたと聞いて心穏やかでない日本人も多いのではないでしょうか。一方で、いきなり条件が緩和されたわけではないことが記事からわかります。問題は韓国に自制心と良識があるかですね。

 

南朝鮮の玄武地対地ミサイルが国軍記念日式典の予行でソウル郊外に姿を現した。射程は180キロ。 Sept. 29, 2003. It has a range of 180 kilometers. (Kim Jae-hwan/AFP via Getty Images)

 

朝鮮で朝鮮半島外の標的へ到達可能な弾道ミサイルの開発が可能となった。米国が42年間守ってきたミサイル開発の制約条件を解除したためだ。

 

両国首脳は1979年から守ってきた制約条件解除を発表した。当時の南朝鮮は米技術でミサイル開発する代りに射程は180キロ、弾頭ペイロードは500キロに制限する条件を受け入れた。

 

北朝鮮の脅威が増大する中で、制約を見直す機会がこれまで4回あった。1997年改訂で500キロ弾頭で最大射程300キロのミサイル開発が可能となった。2012年改訂では500キロ弾頭のまま射程は800キロに伸びた。

 

北朝鮮が2017年に六回目の核実験を強行すると、米国と南朝鮮は弾頭重量の制約を撤廃することで合意し、2020年の改訂で固体燃料方式の宇宙ロケット開発が可能となった。

 

「ミサイル開発ガイドラインの終了を発表でき嬉しい」と文在寅大統領は5月21日ホワイトハウスで米大統領ジョー・バイデンとの首脳会談後の

共同記者会見で発表した。「これはROK-US同盟の堅固さを示す象徴的かつ実質的な意味のある対応で、二国間防衛費用合意もバイデン政権が発足して早々に締結できた」

 

ROKとは南朝鮮の正式国名大韓民国の略称である。

 

ミサイル射程の制約がなくなったことで、南朝鮮が中距離弾道ミサイル開発を優先し、最大射程5千キロとし、朝鮮半島外の標的を狙える装備の実現を目指すとみる外部観測筋が多い。また、同国が長距離潜水艦発射式弾道ミサイルや極超音速兵器開発に向かう可能性もある。

 

「長距離ミサイル開発の技術やノウハウは蓄積してきたが、ミサイルガイドラインのため実際に開発できなかった」と南朝鮮政府国防開発庁のNam Se-gyuが述べた。「大型ミサイル開発にも道が開けた」

 

同庁は玄武Hynmoo弾道・巡航ミサイル開発で北朝鮮への抑止効果を狙ってきた。最新型は玄武-4で南朝鮮のいかなる場所からも北朝鮮のほぼ全土を攻撃できる。ペイロードは2000キロで射程は800キロを超える。

 

玄武-4の試射は2020年に南朝鮮西海岸で行われている。玄武-4はHanwha とLIG Nex1の共同開発で強化地下施設の北朝鮮指揮統制施設を撃破する想定だ。

 

米国がミサイル開発の制約条件を解除したのは中国対抗戦略の一環だと見る向きもある。

 

「ミサイルガイドラインの終了はバイデン政権がROK-US同盟関係を重要視している証拠で、米国が南朝鮮の国力、地位を信頼し非拡散方針を守るモデル国家と見ている証拠でもある」と南朝鮮国防部は5月25日に声明文を発表した。■

 

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US lifts missile restrictions on South Korea, ending range and warhead limits

By: Brian Kim


2021年5月25日火曜日

イスラエル対ハマスの戦いから今後の展望は?戦闘はこれからも続くと平然と見るイスラエルの超現実観は日本人に理解できる? 日本もイスラエル-パレスチナ問題さらに中東の政治地図に関心を示そう。


 

 

 

芝生刈り戦略:イスラエルはパレスチナとの戦いは終わりがないと見ている。

スラエルは政治的な解決に幻想を持たず、「芝生刈り」は永遠に続くと見ている。これは正しいだろう。しかし、芝刈りは単純に永続させるものではなく、それ自体が永続するのだ。

2021年5月21日、イスラエル対ハマスの戦いは11日目にして停戦となった。ハマスはガザ地区を事実上統治し、4,300発ものロケットがイスラエルに発射されたが、ガザには精密誘導爆弾が投下され、高層ビルや地下トンネルが破壊された。

停戦前にイスラエル政府筋からイスラエル首相ベンジャミン・ネタニヤフが攻勢を長引かせようとしているとの話があった。空爆を毎日続ければハマスの行政組織や軍事施設を破壊できるからで、ハマスは2014年の前回の対決後に仕組みを整備してきた。

 

ジェルサレムポスト紙にEfraim Inbar・Eitan Shami両名が2014年書いた記事にあるように、イスラエルの戦略専門家は戦争を「伸びた芝を刈る」と表現しており、長期消耗戦を覚悟し、政治解決は不可能と見る傾向がある。ハマスのロケット攻撃はエルサレムで発生した事件に対応したもので、イスラエル国防軍(IDF)にとって同集団の指導層含む構成要員を排除する好機となり、同時に同集団の資産や施設を排除できると、2014年、2008年の事例を思い起こしていただろう。

 

このことを下敷きにするとイスラエルにとってパレスチナ勢力との唯一の解決策は戦闘の永続だ。

 

 

30年で3回の戦争

 

ハマスが発射したロケットの大部分は目的地に到達できず、あるいはイスラエルのアイアンドーム防衛システムで迎撃されたものの、イスラエル市民に12名の死者が発生し、イスラエル国内のインフラにも被害があちこちに生まれた。ガザ郊外でIDF隊員一名が対戦車ミサイルがジープに命中し死亡した。

 

一方でF-16やF-35が投下した精密爆弾でハマスの地下トンネル網が広範に破壊された。海上突撃隊が舟艇と合わせ撃滅された。ハマス内務省も破壊された。だが、ハマスが保有するといわれる14千発ものロケット弾備蓄がどれだけIDFにより減ったかは不明だ。

 

誘導ミサイルがハマス首脳部の邸宅を粉砕し、家族ともども殺害した。ガザ唯一の新型コロナ検査ワクチンセンターも破壊されたほか、重要な塩水淡水化プラントも破壊され、下水道系統や病院数か所も破壊された。合計243名がガザで死亡し、うち100名が女性、こどもだった。

 

今回の対決はイスラエルにとっては対ハマス戦として12年で三回目となり、あるいはパレスチナ勢力とは2000年9月に発生した第二インティファーダ以来5回目の戦役となった。

 

2006年から2007年にかけ、米国がテロ集団と認定したハマスはガザ地区の支配を強め、選挙に勝利し、中道派ファテ党を権力闘争で排除した。

 

人口密度が世界で三番目に高い同地には200万人を超えるパレスチナ住民が暮らし、うち7割はイスラエルからの難民だ。イスラエルはガザの封鎖を実施し、ロボット技術を応用した警備銃まで投入した。これでユダヤ人居住区を狙う襲撃事件や誘拐案件は減ったが、ガザ住民は就業機会を失い、ヘルスケアも悪化し、貧困と生活水準悪化が発生した。

 

2008年から2009年にかけての冬にIDFは空爆作戦を開始し、限定地上侵攻をガザにかけ、ハマスのロケット発射とトンネル構築に対抗した。戦闘は三週間続き、ガザ住民1,100ないし1,400名(ほぼ半数が一般住民)、イスラエル側に13名(うち3名が一般市民)が死亡した。

 

2014年7月にIDFはガザ空爆と地上侵攻を開始した。これはロケット発射とあわせイスラエル青年3名の誘拐殺害に呼応したもので、ハマスはトンネルを使う移動戦術を巧みに使いイスラエル軍に多大な損害を与えた.(戦死67名)しかし、ガザ住民は2,100名から2,300名が死亡し、そのうち三分の一ないし三分の二が一般住民だった。イスラエルのアイアンドームはハマスが発射したロケット1,700発の威力を減じたが、イスラエル市民6名が死亡した。

 

IDFの芝刈り作戦による人的被害は(ハマスのロケット攻撃、自殺爆発事件、誘拐事案に対する)自衛権を根拠としており、概して受容されている。ハマスの原理主義的反抗傾向、長年にわたるテロ暴力、反ユダヤ主義もこうした自衛権の根拠となる。

 

だからといって紛争につきものの倫理問題を回避できるだろうか。ハマスによるイスラエル住民への無差別攻撃は非難されるべきだ。だが、IDFの精密誘導爆弾がハマス首脳部の居住住宅を攻撃し家族を巻き込み殺害しているが、ハマスのロケット攻撃とどちらが一般市民を多く殺しているのだろうか。

 

都市部に本拠地をおく戦闘員組織は民間人に紛れて敵軍の攻撃を回避するが、無事に生き延びようとしているわけではない。IDFは報復攻撃の際に一般市民を巻き込まずに攻撃を実施しようとする。

 

IDFは「芝刈り作戦」をハマス等相手に無限に続けられる、政治解決に頼るの不要と自信を有しているとすれば正確さを欠く。芝刈りは単純に永続させるものではなく、それ自体が永続するのだ。

 

58千人ともいわれるガザ住民が2021年5月の戦役で住処を失った。この記憶はイスラエルによる迫害として残り、ハマスの暴力戦術を正当化する心情をつよめそうだ。報復を誓う新たな世代のハマス戦闘員が生まれるのには十分な土壌となる。

 

戦闘技術は常に進化しており、優勢な武力にいつまでも安住するのは誤りといえる。IDFの敵対勢力は1973年以来、1982-85年、2006年、2014年とIDFに敗れたものの新戦術を採用する能力があることを実証している。

 

さらに、戦闘が再発することで不安定な状況が副次的に生まれた。今回の衝突の背景にイスラエル国内のアラブ住民があり、イスラエル社会に統合されているものの、抗議の声をあげ、暴動し、街頭で騒動を起こしたのは右派イスラエル国民に対していてであり、ロディでは二名が死亡し、シナゴーグ三か所が放火された。国益を優先し、武力行使を前提としたことで今まで平穏だったイスラエル社会が崩壊してしまった。

 

イスラエルの対外関係にもひびが入った。イスラエル外交はバーレーン、モロッコ、アラブ首長国連邦との平和条約により高まっている。経済ビジネス上の機会が生まれ、パレスチナ住民の重要性は減じた。しかし、この変換点が可能となったのはあくまでも上記三国がイランへの憎悪で共通しているからであり、トランプ政権が鼻の先につるした高性能軍事装備品や外交上の贈り物の効果でもある。

 

現実を見ると、平和条約が成立したといってもアラブ世界の大部分が反対しており、極めて脆弱な存在だ。つまり、イスラエルの行動いかんにでは正常化した関係もアラブ指導層の逆鱗に触れ消えてもおかしくない。

 

二国家共存構想の先にあるもの

 

イスラエル、パレスチナ間にはこの十年で「平和プロセス」が存在しなかった。イスラエル政治家はパレスチナ地区での入植拡大を支援し、ナショナリスト基盤を意識することが多い。パレスチナ側は分断されたままで、パレスチナの指導者マームド・アバスのような中道派は政治的に無力にされている反面、ハマスのような過激主義勢力が対イスラエル戦をうたい、支持を集めている。その結果がいかに不毛であっても関係ないのだ。

 

双方で反対勢力対策に労力を費やすより戦闘に次ぐ戦闘が手っ取り早い解決方法になっている。

 

多分、イスラエル-パレスチナ平和共存構想以外の選択肢を検討すべきときなのだろう。イスラエル入植地の拡大とわせパレスチナ側の統治機能の弱体化により同構想はすでに破綻したとみる専門家も一部に出てきた。ではどんな構想があるのか。イスラエルを多民族国家として再出発させ、パレスチナ住民に市民権、投票権を与える、あるいは自治政府を認め連邦制度にする案がある。

 

イスラエル=パレスチナ間の憎悪の深さをみれば、こんな措置は非現実的といわれそうだが、妥協と共存が不可能にみえてきたのが原因だ。であれば基本戦略は芝刈りに戻り、戦争は永遠に続きそうだ。■


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Mow the Lawn: Israel’s Strategy For Perpetual War With the Palestinians

 

May 22, 2021  Topic: Israel  Region: Middle East  Blog Brand: The Buzz  Tags: IsraelPalestineHamasGazaWarMilitary

by Sebastien Roblin

 

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

Image: Reuters.


芝生はいつも刈らないと無茶苦茶になります。あまりにも我々はイスラエル、パレスチナの絡み合った現状、その背景を知らないまま、暴力反対と言っているだけではないでしょうか。しかしながら我々ももう少し勉強したり、関心を持つことでこの地区の未来をデザインする一助ができるのではないでしょうか。一方が善、他方が悪という単純な構造ではないはずです。やたらとイスラエルを乱暴な国と非難しがちな傾向が日本では見られますが、その論理や行動を知れば知るほど感銘を受けるところが大きいです。イスラエルが強いことで秩序が保たれるのではないでしょうか。

 

2021年5月24日月曜日

C-130が水上機に改装されアジア太平洋で活躍する日が来る....? ハーキュリーズの水陸両用型構想を特殊部隊司令部が検討中

  

MAC C-130

SOCOM

 

 

軍内でC-130ハーキュリーズを水陸両用型へ改装し、沿海部で特殊作戦部隊を運用する構想が再浮上している。MC-130JコマンドーIIの機体下部に大型浮体をつけた図が出ている。MC-130Jは特殊作戦用のハーキュリーズの最新型で敵地に部隊を送り込み、回収し、補給物資を送り、ヘリコプターやティルトローター機に給油も行う。

 

改修案はMC-130J水陸両用機能MACと呼ばれ、米特殊作戦司令部の固定翼機事業統括のケン・キューブラー空軍大佐が本日、特殊作戦部隊業界会議で要旨を発表した。その後に行われたメディア向け説明会でキューブラー大佐は事業の実施可能性検討や作戦検討が進行中であり、司令部は名称非公開の「革新的な事業者」とデジタルデザインを応用し、検討内容をまとめると述べた。これにより研究開発を加速化し、費用を低く抑えるのだという。

 

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOHN LINZMEIER

A U.S. Air Force MC-130J Commando II conducts an inflight refueling mission off the coast of Okinawa, Japan.

 

SOCOM

A slide from Colonel Kuebler's briefing that mentions the MAC concept as one of a number of "focus areas" for SOCOM PEO-FW.

 

大佐の発表資料中のコンセプト図を最上段に掲載したが、大型浮体がMC-130Jについているのがわかる。大佐はMACコンセプトでは陸上から、さらに水上から運用可能な機体の実現を目指すと説明。基本形の水上機は陸上運用できないが、浮体部分に車輪を追加して水陸両用とする。その他の可能性として完全な水陸両用機に再設計する案もある。

 

C-130の水上運用案は前からあり、ペンタゴンも検討していた。同機の製造メーカーのロッキードも完全水陸両用型ハーキュリーズを舟艇形態の機体とする案を1960年代にすでに提案したが、採用されていない。ただし、米海軍は無線操縦の縮小モデルで構想をテストしている。同社はその後ロッキード・マーティンになり、C-130Jファミリーを製造しており、MC-130Jもそのひとつだ。

 

LOCKHEED

A model of a C-130 with a boat hull as well as wheeled landing gear.

 

 

 

C-130JにフロートをつけるPEO-FW案は以前からあり、ロッキード・マーティンは1990年代末に提案しており、やはり米海軍がSEALチームの現地展開、撤収用さらに特殊舟艇の輸送用に関心を示した。

 

LOCKHEED MARTIN

Older Lockheed Martin artwork depicting a C-130J floatplane.

 

もちろんハーキュリーズがフロートをつければ抗力と重量が増し性能低下は避けられない。航続距離、搭載量に影響が出るし、大型機でフロートを装着しての運行の事例はない。それでも、水陸両用機の需要を意識して、コンセプト図は従来の水上機の絵を参考にしたもので、実はSOCOMの要求する洋上運用可能なハーキュリーズの姿とは別かもしれない。舟艇同様にした機体構造なら性能低下の度合いも少ないかもしれないが、相当の再設計が必要なはずで、ロッキード・マーティンが実際に作業開始しているとの話はない。

LOCKHEED MARTIN

Another artist's conception of a Hercules floatplane.

 

実際の仕様と別に、水陸両用型MC-130Jが米特殊作戦部門に今までにない特別な能力を実現し、今後の遠征作戦や分散型作戦に効果を上げるかもしれない。米軍は全体として各種作戦構想を検討しており、遠隔かつ未整備地での運用を重視しているのは大型の既存基地が攻撃を受け利用不能となる事態を想定してのことだ。

 

空軍のMC-130J乗員はこうした環境での運用訓練を実際に行っており、コマンドーII以外に旧型MC-130HコンバットタロンIIでもインフラ設備が未整備の地点での運用を試している。同時に米特殊作戦部門は概してハイエンド戦における貢献を再検討しているところで、中国やロシアのような超大国相手の作戦も視野に入れており、とくにアジア太平洋の広大な地域での作戦を重視している。その例としてアジア太平洋の小規模島しょ部分では十分な広さが確保できず飛行施設が整備できないことがある。水陸両用機はこの状況に最適な機材となり、開戦で既存基地施設が敵の脅威下に置かれることを想定している。あるいは第一撃で破壊されてしまうかもしれない。

 

メディア向け説明会でキューブラー大佐は「互角あるいはほぼ互角」の相手との戦闘が発生した場合を想定してMAC事業が急がれていると説明。また太平洋で同機が重宝されるが、同時に水面があればどこでも稼働可能と付け加えた。

 

水陸両用のC-130なら標準型MC-130Jを上回る任務をこなし、MAC機がコマンドーIIと全く同じミッションをこなすのかと聞かれたキューブラー大佐は、「その想定はしていない」と答えた。水上運用可能なハーキュリーズが実現した場合、特殊部隊に限らず米軍の広範な部隊も調達に意欲を示すはずだ。

 

2016年時点の米海兵隊が机上演習の開発にあたり、水上機も利用可能な想定とし、文書には下の図が掲載されていた。フロート装着したセスナ208キャラバン、ボンバルディア(現バイキングエア)のCL-415MP水陸両用機、日本のUS-2水陸両用機を例示し、それぞれの運用行動半径をフィリピンのマニラを起点に示している。

 

U.S. MARINE CORPS

 

海上自衛隊が捜索救難活動用に使うUS-2がここに加わっているのは、太平洋での水上機の枠割が大きいことを強調するものであり、災害救助、捜索救難にも利用可能だからだ。中国も大型水陸用両機AG600の開発を急いでおり、同機は軍用あるいは準軍用用途に投入され、南シナ海各地に建設した拠点設備の支援で大きな役割を果たす。

 

こうしたことを念頭に海軍、海兵隊以外に米沿岸警備隊が水陸両用型ハーキュリーズに関心を示している。沿岸警備隊もC-130を利用しており、水上型機材は長距離捜索救難に投入できれば、洋上条件が許す範囲で生存者を収容し、数千マイル離れていても本土基地に到達できる。沿岸警備隊が1980年代までHU-16アルバトロス水陸両用機を運用していたことに注目すべきだ。

 

ハーキュリーズの水上運用型から森林火災消火用の機材が生まれる可能性があり、州軍航空隊のC-130にもモジュラー式空中消火装備が搭載されているものがある。

 


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Amphibious MC-130J Transport Is On Special Operations Command's Wishlist

There have been proposals for a waterborne C-130 Hercules in the past, but the U.S. special operations community might just make it a reality.

BY THOMAS NEWDICK AND JOSEPH TREVITHICK MAY 19, 2021

2021年5月23日日曜日

新興企業エーヴァムに注目。大型UAVのレイヴンXで衛星打ち上げ、貨物輸送、ISRと無人機運用が大きく変わる予感。

 



昨年末に一回ご紹介した新興企業は着実に事業を推進しているようです。大型無人機という姿にも魅力を感じますが、衛星打ち上げビジネスを着実に変える潜在性もあるようですね。以前ご紹介した同社の記事は以下をご参照ください

https://aviation-space-business.blogspot.com/2020/12/uas.html



エーヴァム創設者にしてCEOのジェイ・スカイラスがRavn X 大型無人機の前に立つ。同機は小型ペイロードを低地球周回軌道に発射する。(Aevum)



ーヴァムAevum の大型無人機レイヴンX Ravn X は小型ロケットを空中発射し、情報収集偵察監視用ペイロードを搭載するほか貨物輸送にも使える。


同社は2016年創設でRavn X 無人機(全長80フィート)で低地球周回軌道に小型ペイロードを投入する構想を最近公表するまではステルス企業だった。レイヴンXは世界最大級の無人機で離陸重量55千ポンドと同社は発表。特許取得ずみで同機を簡単に別用途に変更でき、貨物輸送や偵察ペイロード搭載が可能とする。


「当社の提供するサービスはロジスティクス部門です。貨物以外にデータも対象です」と同社を立ち上げたCEOジェイ・スカイラスは説明。


A depiction of the different modules Aevum can use with Ravn X, including including one that can carry 264 smaller drones, which can then fly out and provide personal deliveries. (Aevum)

エーヴァムのレイヴンXで対応可能な各種モジュール。小型無人機264機の運用も可能で、放出後に個別に荷物配達する。 (Aevum)



多用途無人機レイヴンXにより軍に大きな変化が生まれる。従来は単一用途無人機を整備してきた。レイヴンXをRQ-4グローバルホークと比較すると、グローバルホークは各種センサーを搭載するがISR専用なのに対し、レイヴンXもセンサーを搭載するが、その他任務に簡単に変更できる点が異なり、着陸には1マイル長の滑走路あるいは平坦な農地で十分なので、前方基地向け貨物輸送の可能性を高める。


さらにレイヴンXの最大ペイロードは15千ポンドだが、グローバルホークは3千ポンドだ。エーヴァムはレイヴンXが現在供用中の各種専用無人機すべての代替手段になるとは期待しないものの、ロジスティクス上の課題解決手段として従来にない選択肢になるとする。


スカイラスは国防総省契約の内容に詳しく触れないが、同社は軍向けの衛星打ち上げ業務の契約交付をすでに受けている。


レイヴンXの初ミッションは米宇宙軍向けASLON-45(契約金額5百万ドル)でペイロードの24時間以内打ち上げ能力を試す。エーヴァムはその他7社と並び国防総省のOrbital Services Program-4の契約(総額986百万ドル)企業となっており、民間による小型ペイロードの軌道打ち上げ事業に参画する。エーヴァムはフェーズII小型ビジネスイノベーション研究契約ならびに非公開契約一件も獲得ずみと発表している。■


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Aevum announces all-in-one drone for satellite launches, cargo delivery and surveillance

Nathan Strout


2021年5月22日土曜日

テロ組織ハマスのロケット大量発射の裏に北朝鮮の武器輸出があることをなぜ誰も指摘しないのか。武器、麻薬、偽札の輸出が貴重な外貨収入源の北朝鮮の悪行に目をつぶるな

 

ここがポイント:米国、同盟国は北朝鮮製装備品の拡散を各地で止められず、北朝鮮軍事装備品が米国の国益上で脅威となっており、ここから得た収益が北朝鮮軍事機構および特権階級を肥やしている。

 

週間のうちにハマスがロケット弾数千発をイスラエルに発射し、イスラエルのアイアンドームが大部分を撃破したが死傷者や損害が発生した。識者にはロケット弾を供給したとイランを非難する向きが多い。しかし、この裏には別の勢力がいる証拠があがっている。

 

The Telegraphの2014年7月記事によれば、北朝鮮がテロ集団ハマスへのロケット弾および通信装備売却を成立している。数十万ドル規模の売却にはロケット数千発を含む。表向きはレバノン企業との取引で、同企業はハマスとつながるベイルートの会社だ。同記事が出た時点で、頭金が支払いずみで、ロケット弾通信機器は2014年末に出荷された。

 

2014年に北朝鮮がハマスに売却したロケットは122mmあるいは107mmのいずれかか両方の可能性がある。これは北朝鮮の国産装備品で、製造原価が極めて低いため販売単価も安い。このため北朝鮮は量産しており在庫は豊富だ。ハマスが入手したロケット弾は数千発単位となる。

 

ハマスは同年夏にイスラエルとの対決で4,500発ものロケット弾を発射して補充が必要だった。北朝鮮にはハマスの需要を満たす好機となり、ハマスは次のイスラエル戦の準備ができた。

 

だがハマスへの北朝鮮支援はこれにとどまらなかった。その一部は今回の衝突とも関連している。2014年にガザ作戦に従事したイスラエル軍関係者はハマスが構築した大規模トンネル網掘削には北朝鮮の支援があったと評価している。あまりにも大規模なためイスラエル側は「地下鉄」と呼ぶほどだ。

 

北朝鮮はヒズボラにも地下トンネル網構築を手助けしており、ヒズボラは2006年の対イスラエル戦で活用した。最近の作戦でもイスラエル軍はハマスのトンネル網を攻撃対象に選んだ。

 

画像その他の報道内容から北朝鮮がロシア製9K111ファゴットをブルサン-2としてハマスに対戦車兵器として売却していることがわかる。この際は北朝鮮はイランを介して売却しており、写真ではハマスのイズ・アド-ディン・アル-カサム旅団が同装備品を使用しているのがわかる。イスラエル軍はいまのところガザに侵攻していないが、この装備がイスラエルに脅威になるのは間違いない。

 

北朝鮮からの武器輸出はイラン、シリアを中心にヒズボラ、ハマス、フーシの代理勢力へも及んでおり、米国の国益への脅威となっている。この二年間で二度にわたり北朝鮮製装備品が米軍、米国同盟国軍へ脅威となった事例が発生している。2020年1月7日にイランがイラク国内の米軍基地に向け連続発射した弾道ミサイルがこのひとつだ。

 

その際の「キアム」型ミサイルは北朝鮮製スカッドCが原型で、北朝鮮の支援で性能向上している。米国、同盟国は世界各地で北朝鮮軍事装備品の拡散を止められないままで、北朝鮮の軍事装備品販売が米国の国益上で脅威となっており、北朝鮮は貴重な外貨収入で軍事力と国内エリート層を養っている。■

 

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Are The Rockets Fired by Hamas into Israel Coming from North Korea?


May 21, 2021  Topic: North Korean Arms Sales  Blog Brand: Korea Watch  Tags: HamasNorth KoreaIsraelMilitaryNorth Korea Arms Sales

by Bruce E. Bechtol

 

 

Dr. Bruce E. Bechtol Jr. is a professor of Political Science at Angelo State University. He is also the president of the International Council on Korean Studies and a fellow at the Institute for Corean American Studies. The author of five books dealing with North Korea, his latest work is entitled North Korean Military Proliferation in the Middle East and Africa.


【環球時報】台湾海峡の中央線を超えた飛行で台湾を威嚇するPLAは米国は勝利できないと豪語している。この精神構造には欠陥がある。

再び環球時報の報道です。予想通り、台湾の存在を認めない論調で、とかく「島」と繰り返しているのは大陸国家としての観点でしょうね。米駆逐艦の航行の自由作戦での台湾海峡入りに神経を逆なでされているPRCの同様ぶりが逆に感じられるのですが、皆さんはどう思われますか。

 

ご注意:以下の記事では環球時報の使う表現を極力そのままお伝えしています。記事の主張は本ブログの意見ではありません。

   

Fighter jets attached to an aviation brigade with the navy under the PLA Southern Theater Command take off for a round-the-clock training exercise on April 20, 2021. Photo: China Military Online

PLA南方戦域司令部隷下の海軍航空旅団所属の戦闘爆撃機が全日連続訓練に加わるべく離陸した。April 20, 2021. Photo: China Military Online

 

 

海軍艦艇の二日前の台湾海峡通行から台湾の分離主義勢力が誤った勇気づけられないよう、人民解放軍の戦闘爆撃機が台湾海峡のいわゆる中間線を超える飛行を5月20日に実施した。

 

PLAのJH-7戦闘爆撃機2機、Y-8電子戦機、Y-8対潜機が台湾島が勝手に設定した南西部防空識別圏に進入したと同島の防衛当局が同日声明を発表した。

 

同地区でPLAはここ数カ月演習を展開してきたが、JH-7戦闘場爆撃機の二機がいわゆる中間線を突破したと台湾島メディアが同日伝えており、報道では同島の防衛当局の発言も引用している。

 

そもそも「中間線」なるものは存在せず、同島が勝手に台湾海峡を大陸側、台湾島側に分けたものすぎない。中国本土がこの線を認めていないのは、両側とも中国であるからだ。

 

台湾海峡をUSSカーティス・ウィルバーが通過し二日たったが、JH-7戦闘爆撃機編隊の演習は強力な警告となり、台湾分離主義勢力への強力な抑止効果を生むと北京在住の軍事専門家が匿名を条件に環球時報に語った。

 

JH-7戦闘爆撃機は対艦、対地攻撃に特化しており、演習に投入されて「中間線」を超えた飛行をしたことは戦闘準備態勢が高くなっていることの表れだと同上専門家は指摘している。

 

米国は駆逐艦を海峡に派遣したことで誤った信号を「台湾分離主義者」勢力に送り、PLA東部戦域司令部が部隊を編成し、米艦の動向を一貫して監視したと同司令部の広報官上級大佐Zhang Chunhuiが5月19日に声明を発表した。

 

台湾の分離主義勢力は時々実施される米艦艇の海峡通航などPLAが毎日のように展開する演習の前には意味がないことを理解すべきである。このことは米国は中国の玄関口でPLAN相手の戦争に勝利を収めることはままならないことを意味する。また、米国は台湾支援に向かえば厳しい状況に直面する、と専門家陣は見ている。

 

米艦艇が挑発的な航行をおこなったことに対応して、中国国防部報道官上級大佐Tan Kefeiは5月20日、PLAは必要な措置すべてをとり、あらゆる脅威や挑発行動に対応するとともに、中国の主権と領土保全を守り通すとの声明文を発表した。■

 

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PLA fighter bombers cross Taiwan Straits 'middle line,' deter secessionists following US warship transit: analysts

By Liu Xuanzun

Published: May 21, 2021 04:58 PM