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C-130が水上機に改装されアジア太平洋で活躍する日が来る....? ハーキュリーズの水陸両用型構想を特殊部隊司令部が検討中

  

MAC C-130

SOCOM

 

 

軍内でC-130ハーキュリーズを水陸両用型へ改装し、沿海部で特殊作戦部隊を運用する構想が再浮上している。MC-130JコマンドーIIの機体下部に大型浮体をつけた図が出ている。MC-130Jは特殊作戦用のハーキュリーズの最新型で敵地に部隊を送り込み、回収し、補給物資を送り、ヘリコプターやティルトローター機に給油も行う。

 

改修案はMC-130J水陸両用機能MACと呼ばれ、米特殊作戦司令部の固定翼機事業統括のケン・キューブラー空軍大佐が本日、特殊作戦部隊業界会議で要旨を発表した。その後に行われたメディア向け説明会でキューブラー大佐は事業の実施可能性検討や作戦検討が進行中であり、司令部は名称非公開の「革新的な事業者」とデジタルデザインを応用し、検討内容をまとめると述べた。これにより研究開発を加速化し、費用を低く抑えるのだという。

 

U.S. AIR FORCE/SENIOR AIRMAN JOHN LINZMEIER

A U.S. Air Force MC-130J Commando II conducts an inflight refueling mission off the coast of Okinawa, Japan.

 

SOCOM

A slide from Colonel Kuebler's briefing that mentions the MAC concept as one of a number of "focus areas" for SOCOM PEO-FW.

 

大佐の発表資料中のコンセプト図を最上段に掲載したが、大型浮体がMC-130Jについているのがわかる。大佐はMACコンセプトでは陸上から、さらに水上から運用可能な機体の実現を目指すと説明。基本形の水上機は陸上運用できないが、浮体部分に車輪を追加して水陸両用とする。その他の可能性として完全な水陸両用機に再設計する案もある。

 

C-130の水上運用案は前からあり、ペンタゴンも検討していた。同機の製造メーカーのロッキードも完全水陸両用型ハーキュリーズを舟艇形態の機体とする案を1960年代にすでに提案したが、採用されていない。ただし、米海軍は無線操縦の縮小モデルで構想をテストしている。同社はその後ロッキード・マーティンになり、C-130Jファミリーを製造しており、MC-130Jもそのひとつだ。

 

LOCKHEED

A model of a C-130 with a boat hull as well as wheeled landing gear.

 

 

 

C-130JにフロートをつけるPEO-FW案は以前からあり、ロッキード・マーティンは1990年代末に提案しており、やはり米海軍がSEALチームの現地展開、撤収用さらに特殊舟艇の輸送用に関心を示した。

 

LOCKHEED MARTIN

Older Lockheed Martin artwork depicting a C-130J floatplane.

 

もちろんハーキュリーズがフロートをつければ抗力と重量が増し性能低下は避けられない。航続距離、搭載量に影響が出るし、大型機でフロートを装着しての運行の事例はない。それでも、水陸両用機の需要を意識して、コンセプト図は従来の水上機の絵を参考にしたもので、実はSOCOMの要求する洋上運用可能なハーキュリーズの姿とは別かもしれない。舟艇同様にした機体構造なら性能低下の度合いも少ないかもしれないが、相当の再設計が必要なはずで、ロッキード・マーティンが実際に作業開始しているとの話はない。

LOCKHEED MARTIN

Another artist's conception of a Hercules floatplane.

 

実際の仕様と別に、水陸両用型MC-130Jが米特殊作戦部門に今までにない特別な能力を実現し、今後の遠征作戦や分散型作戦に効果を上げるかもしれない。米軍は全体として各種作戦構想を検討しており、遠隔かつ未整備地での運用を重視しているのは大型の既存基地が攻撃を受け利用不能となる事態を想定してのことだ。

 

空軍のMC-130J乗員はこうした環境での運用訓練を実際に行っており、コマンドーII以外に旧型MC-130HコンバットタロンIIでもインフラ設備が未整備の地点での運用を試している。同時に米特殊作戦部門は概してハイエンド戦における貢献を再検討しているところで、中国やロシアのような超大国相手の作戦も視野に入れており、とくにアジア太平洋の広大な地域での作戦を重視している。その例としてアジア太平洋の小規模島しょ部分では十分な広さが確保できず飛行施設が整備できないことがある。水陸両用機はこの状況に最適な機材となり、開戦で既存基地施設が敵の脅威下に置かれることを想定している。あるいは第一撃で破壊されてしまうかもしれない。

 

メディア向け説明会でキューブラー大佐は「互角あるいはほぼ互角」の相手との戦闘が発生した場合を想定してMAC事業が急がれていると説明。また太平洋で同機が重宝されるが、同時に水面があればどこでも稼働可能と付け加えた。

 

水陸両用のC-130なら標準型MC-130Jを上回る任務をこなし、MAC機がコマンドーIIと全く同じミッションをこなすのかと聞かれたキューブラー大佐は、「その想定はしていない」と答えた。水上運用可能なハーキュリーズが実現した場合、特殊部隊に限らず米軍の広範な部隊も調達に意欲を示すはずだ。

 

2016年時点の米海兵隊が机上演習の開発にあたり、水上機も利用可能な想定とし、文書には下の図が掲載されていた。フロート装着したセスナ208キャラバン、ボンバルディア(現バイキングエア)のCL-415MP水陸両用機、日本のUS-2水陸両用機を例示し、それぞれの運用行動半径をフィリピンのマニラを起点に示している。

 

U.S. MARINE CORPS

 

海上自衛隊が捜索救難活動用に使うUS-2がここに加わっているのは、太平洋での水上機の枠割が大きいことを強調するものであり、災害救助、捜索救難にも利用可能だからだ。中国も大型水陸用両機AG600の開発を急いでおり、同機は軍用あるいは準軍用用途に投入され、南シナ海各地に建設した拠点設備の支援で大きな役割を果たす。

 

こうしたことを念頭に海軍、海兵隊以外に米沿岸警備隊が水陸両用型ハーキュリーズに関心を示している。沿岸警備隊もC-130を利用しており、水上型機材は長距離捜索救難に投入できれば、洋上条件が許す範囲で生存者を収容し、数千マイル離れていても本土基地に到達できる。沿岸警備隊が1980年代までHU-16アルバトロス水陸両用機を運用していたことに注目すべきだ。

 

ハーキュリーズの水上運用型から森林火災消火用の機材が生まれる可能性があり、州軍航空隊のC-130にもモジュラー式空中消火装備が搭載されているものがある。

 


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Amphibious MC-130J Transport Is On Special Operations Command's Wishlist

There have been proposals for a waterborne C-130 Hercules in the past, but the U.S. special operations community might just make it a reality.

BY THOMAS NEWDICK AND JOSEPH TREVITHICK MAY 19, 2021

コメント

  1. 南西諸島の防衛を考えると足は遅いで
    すがUS-2の輸送型の開発もあります
    少々お高くなります、悪しからず。

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