今回の米韓首脳会談でミサイル開発の制約条件が撤廃されたと聞いて心穏やかでない日本人も多いのではないでしょうか。一方で、いきなり条件が緩和されたわけではないことが記事からわかります。問題は韓国に自制心と良識があるかですね。
南朝鮮の玄武地対地ミサイルが国軍記念日式典の予行でソウル郊外に姿を現した。射程は180キロ。 Sept. 29, 2003. It has a range of 180 kilometers. (Kim Jae-hwan/AFP via Getty Images)
南朝鮮で朝鮮半島外の標的へ到達可能な弾道ミサイルの開発が可能となった。米国が42年間守ってきたミサイル開発の制約条件を解除したためだ。
両国首脳は1979年から守ってきた制約条件解除を発表した。当時の南朝鮮は米技術でミサイル開発する代りに射程は180キロ、弾頭ペイロードは500キロに制限する条件を受け入れた。
北朝鮮の脅威が増大する中で、制約を見直す機会がこれまで4回あった。1997年改訂で500キロ弾頭で最大射程300キロのミサイル開発が可能となった。2012年改訂では500キロ弾頭のまま射程は800キロに伸びた。
北朝鮮が2017年に六回目の核実験を強行すると、米国と南朝鮮は弾頭重量の制約を撤廃することで合意し、2020年の改訂で固体燃料方式の宇宙ロケット開発が可能となった。
「ミサイル開発ガイドラインの終了を発表でき嬉しい」と文在寅大統領は5月21日ホワイトハウスで米大統領ジョー・バイデンとの首脳会談後の
共同記者会見で発表した。「これはROK-US同盟の堅固さを示す象徴的かつ実質的な意味のある対応で、二国間防衛費用合意もバイデン政権が発足して早々に締結できた」
ROKとは南朝鮮の正式国名大韓民国の略称である。
ミサイル射程の制約がなくなったことで、南朝鮮が中距離弾道ミサイル開発を優先し、最大射程5千キロとし、朝鮮半島外の標的を狙える装備の実現を目指すとみる外部観測筋が多い。また、同国が長距離潜水艦発射式弾道ミサイルや極超音速兵器開発に向かう可能性もある。
「長距離ミサイル開発の技術やノウハウは蓄積してきたが、ミサイルガイドラインのため実際に開発できなかった」と南朝鮮政府国防開発庁のNam Se-gyuが述べた。「大型ミサイル開発にも道が開けた」
同庁は玄武Hynmoo弾道・巡航ミサイル開発で北朝鮮への抑止効果を狙ってきた。最新型は玄武-4で南朝鮮のいかなる場所からも北朝鮮のほぼ全土を攻撃できる。ペイロードは2000キロで射程は800キロを超える。
玄武-4の試射は2020年に南朝鮮西海岸で行われている。玄武-4はHanwha とLIG Nex1の共同開発で強化地下施設の北朝鮮指揮統制施設を撃破する想定だ。
米国がミサイル開発の制約条件を解除したのは中国対抗戦略の一環だと見る向きもある。
「ミサイルガイドラインの終了はバイデン政権がROK-US同盟関係を重要視している証拠で、米国が南朝鮮の国力、地位を信頼し非拡散方針を守るモデル国家と見ている証拠でもある」と南朝鮮国防部は5月25日に声明文を発表した。■
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US lifts missile restrictions on South Korea, ending range and warhead limits
By: Brian Kim
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