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ハマスのミサイル大攻勢はイスラエルの防衛兵器を早く打ち尽くさせるための策略か。現実は記事より先に進み、イスラエル民間人に死亡例が発生してしまいました。

  

Hamas Rockets

イスラエル独立69周年の日に、イスラエル空軍はアイアンドーム発射装置を

ラマト・ダビデAFBで公開した。

 

 

5月10日夜間、ハマス戦闘員が南方のイスラエルに向けロケット弾をガザ地区から繰り返し発射した。サイレンが鳴り響き、イスラエルのアイアンドームミサイル迎撃システムがロケット弾を撃破した。テッド・クルーズ上院議員の安全保障補佐官、オムリ・セレンは「弾丸で弾丸を撃ち落とすのと同じ」とツイッター寄稿した。イスラエル装備が技術的に驚異の存在でこれまで技術陣が不可能と言ってきた迎撃をしているというセレンの説明は正しい。ただし、イスラエルが迎撃に成功したと喜ぶと重要な点を見過ごすことになる。イランが自らが支援するテロ集団と一緒に運用する攻撃手段のコストと迎撃弾のコストの差だ。

 

アイアンドーム部隊装備は一式で1億ドルで、迎撃弾は一発40千ドルから80千ドル以上になる。これでも一発3百万ドルというペイトリオットより相当低くい。とはいえカチューシャミサイルやハマスお気に入りの手製ロケット弾はそれより二桁も安い価格だ。

 

そこで困難な問題になる。イスラエルはハマス発射のロケットを大部分排除できるが、一部はもれて民間人を直撃する。ハマスを支援するトルコ、イラン国内の勢力はハマスのロケット攻撃では軍事目的は実現できないことを承知している。だが、ハマスはまぐれ当たりを期待して発射を続けており、このままだとイスラエル一般市民の犠牲が実際に生まれるかもしれない。

 

ハマス内部主流派さらにトルコ、イランの戦略はイスラエルに消耗戦を挑むことにある。トルコ、イランが提供する資金でハマスはイスラエルに莫大な経済負担をさせながら自らは負担が実質的にない形にできる。アイアンドームはこれまで2,500発超のロケットを迎撃したが、その経費は100百万ドルを超えている。ヒズボラにイスラエルを狙うロケットが100千発あり、ハマスはそれ以上を保有しているとしたら、対応費用はうなぎのぼりとなる。いかに積極防衛費用のほうが、攻撃されるのを甘受する受動的防衛より安くつくとはいえ。

 

状況はさらに悪化する。4月20日、米中央軍司令官ケネス・マッケンジー大将はイランの無人機部隊の数量及び性能の拡充でペルシア湾岸地区で米国は制空権を無条件で確保できなくなったと発言して、見出しを飾った。イランは以前からUAVに重点をおいてきたが、米国がこれまで対策をとってこなかったのは戦略的に失策であり、歴代政権の失敗である。イラン無人機部隊は一夜にして生まれたわけではない。中東地区ではもっとも初期に開発をはじめ、かれこれ35年間になる。

 

マッケンジー大将の発言から数日して、イラン軍は新型無人機を陸軍記念日に発表した。新型機は敵無人機を探知し妨害する能力が特徴で、イラン軍のジハード組織は「自殺攻撃用にもなり、250マイル内の友軍機10機と共同作戦を実施できる」「このUAVは人工知能を搭載し、情報をネットワークで送信する。また各機に中継する」と解説していた。

 

イランは代理勢力とともにイエメンで無人機の大群を運用し、イスラエルの防御態勢を試してきた。他方でハマスは風船に焼夷弾をつけて飛ばす戦法の戦術効果に気づき、ミサイルより効果が大きいとする。イスラエルには新しい形の課題となる。低空飛行で無人機多数が進入すればアイアンドームでも対処は困難となるし、消耗戦となればミサイル弾のほうが安価なだけ有利だし、初歩的な無人機にイスラエルは対ミサイル防衛装備品を使い果たし、今は好調な経済も一気に活力を失いかねない。

 

いかなる戦略にも外交、情報、軍事、経済の各方面の構成要素がある。ジャーナリスト、政府関係者がともにハマスのロケット攻撃で軍事側面に焦点を合わせる中、ミサイルは広義の戦略の一部であることに気づいていない。アイアンドームは対応戦略の一例である。ハマスあるいはヒズボラの攻撃があって初めて作動するからだ。イスラエルがハマスのミサイル攻撃すべてからの防衛を目指すこと、さらにイランの無人機の脅威がそこまで来ていることから、イスラエルはもっと積極的になる必要がある。■

 

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格

 

Hamas Rockets and Iranian Drones: A War of Economic Attrition Against Israel?

ByMichael RubinPublished35 seconds ago

 

Michael Rubin is a senior fellow at the American Enterprise Institute and a 19FortyFive Contributing Editor. 


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