ここがポイント:日本の現有地上配備装備は沿岸防備用であり、中国の拠点を直接攻撃できない。中国が海洋進出を狙い東シナ海、南シナ海で我が物顔で展開してきた事態に対し、日本は極超音速ミサイルで対抗する。
日本軍は極超音速対艦ミサイルに特殊弾頭を搭載し中国の航空母艦への攻撃を想定する。
防衛省は「超高速度滑空発射体」HVGPの開発を進めており、2026年より本土配備を目指す。
日本側による呼称には誤解を招きかねない要素がある。米国式に言えば誘導ミサイルでマッハ5超の速力で飛翔するものが「極超音速」兵器となる。米国では「超高速」は被誘導型火砲弾につく名称だ。
いずれにせよ日本はHVGPで中国軍の撃破を狙う。2026年としているのは「日本周辺部の島しょ部に敵軍が侵攻してくる可能性を想定してのこと」と毎日新聞は報じた。「第二段階として、改修型を開発し2028年度以降の配備を狙い、ペイロードさらに飛翔速度と有効射程を上げ、複雑な弾道とする」。
毎日新聞は2026年以降には「空母飛行甲板を貫通可能なペイロード」が加わると伝えた。
HVGPは加速後に滑空する想定の装備だ。ロケットで打ち上げ、ブースターから切り離し、GPS誘導で極超音速滑空し標的に向かい、途中で飛翔経路を微調整する。
日本がどんな「ペイロード」で中国空母を狙うつもりなのか不明だ。極超音速飛翔体の運動エナジーだけでほとんどの標的を使用不能あるいは破壊できる。
これまでの開発が功を奏し、極超音速兵器の第一線配備が近づいてきた。ロシア国防省は2019年末にアヴァンガード地対地極超音速ミサイルの配備を開始したと発表し、ロシアは極超音速ミサイルの実戦配備で初の国となった。
中国は二型式の極超音速地対地ミサイルを開発中と同国メディアが伝えた。DF-17が2019年の建国70周年式典で登場した。これに対しXingkong星空-2はDF-17と細部が異なるといわれる。
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米空軍は独自の空中発射式迅速対応兵器の飛行テストを2019年6月に開始した。この極超音速ALRRWは早ければ2023年に実戦配備される。B-1、B-52で運用する。
米海軍・海兵隊はマッハ5超のミサイルと滑空体を共通化し極超音速兵器の第二段に使う意向だ。海軍はブロックV仕様のヴァージニア級攻撃型潜水艦で新型ミサイル運用を狙う。
日本の極超音速ミサイルは長年にわたる中国の海洋進出や拠点強化に直接対応するものだ。「中国政府の艦艇が尖閣諸島に頻繁に出現しており、日本領海への侵入も続いている」(毎日新聞)
日本軍が供用中の陸王配備兵器を日本国内から発射しても中国の軍事拠点に届かない。「沖縄本島から尖閣諸島までは420キロあり、現有のミサイル射程は100キロ程度しかない」(毎日新聞)
「そこで長距離滑空ミサイルで南西諸島を防備すれば、海上自衛隊艦艇や航空機を投入せずに中国に対抗できる。
防衛省は2018年度2019年度であわせて185億円をHVGP研究開発に計上し、さらに250億円を2020年度に投入すると毎日新聞は伝えていた。
新型ミサイルが第一線に配備されるまで数年かかるが、すでに物議を醸しだしていると毎日新聞は伝えている。「この性能だと自衛隊が直接敵国を攻撃することになり、専守防衛方針から外れると指摘する国会議員が現れている」。■
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Japanese Hypersonic Missiles? Oh God Yes.
May 18, 2021 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Reboot Tags: JapanChinaJSDFMissilesTechnologyMilitary
by David Axe
David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels War Fix, War Is Boring and Machete Squad. This article first appeared in February 2020.
Image: Reuters
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