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世界最強の五大空軍部隊リスト。意外な国がランク入りしています。

 

世界最強の5大空軍。規模のみならず訓練、装備も優れた部隊とは。

 

ここがポイントHere's What You Need to Remember: 中国空軍が機材近代化を目指す中、中国の航空産業界は新型機を次々に発表している。第五世代戦闘機を2機種同時に開発し、大型J-20戦闘機と小型J-31戦闘爆撃機が生まれた。

 

界最強の5大空軍の定義は容易ではない。規模、訓練、装備で優れた空軍でなければならない。その点でロシアが微妙になる。ロシア空軍機材は多くの国より機齢が高い。プーチンの発言を体現化する存在でNATO・日本の空域を脅かす行為を繰り返している。中国も似たようなものだ。

 

そうなると選定がややこしくなる。弱点が表面に出るのだ。装備、訓練は優れていても予算面が弱く、国防任務をこなす規模がない部隊、装備は素晴らしいが訓練が劣る部隊もある。(中東地区のほぼすべての国がこれにあたる)

 

今回は規模、影響力、ミッション実施効果を基準として選定した。

 

1. 米空軍

 

米空軍(USAF)は航空、宇宙両面を主任務とする。大陸弾道ミサイルからX-37宇宙機、A-10対戦車攻撃機まですべて担当する。軍用宇宙打ち上げの調整機関であり、陸軍部隊を降下させる他、ISISに空爆も行っている。

 

USAFの作戦機材は合計5,600機におよび、F-22ラプター、F-35、F-15、F-16の戦闘機、B-2、B-1、B-52の戦略爆撃機、C-5、C-17、C-130の輸送機がある。米本土以外に英国から日本にかけ分布する海外基地から運用している。

 

現役人員は312千名と人民解放軍空軍に及ばないが、運用機数はPLAAFより多い。

 

USAFは世界初のステルス機を運用し、第五世代戦闘機も初となった。予定ではF-35を1,763機のほか、有人無人操縦切り替え式の長距離打撃爆撃機B-2を100機程度導入する。無人機ではステルス性能と攻撃力を重視しており、今後比重を増やす。

 

USAFは米核兵器三本柱の二つを受け持ち、大陸間弾ミサイル450発と戦略爆撃機部隊を運用している。

 

2. 米海軍・海兵隊

 

米海軍・海兵隊合わせると各型式合計3,700機と世界第二位の規模となり、別項で扱うのが妥当だ。うち戦闘機1,159、攻撃機133、哨戒機172、輸送機247、ヘリコプター1,231という内訳だ。米海軍機材は米艦隊の防空および世界各地の海上から航空作戦を展開する役目を果たしている。海軍、海兵隊の機材は大部分が過酷な艦上運用で、高度な訓練とプロ精神が求められる。

 

空母航空団がまず目立つ存在で、原子力空母11隻で運用する。航空団の機材構成はF/A-18スーパーホーネット60機の三個飛行隊、E-2Cホーク愛空中早期警戒機隊x1、EA-18Gグラウラー電子戦飛行隊x1、ヘリコプター飛行隊x1を標準とする。

 

その他機材に巡洋艦、駆逐艦等の運用するヘリコプター、P-3オライオンおよびP-8ポセイドン海上哨戒機があり、一部P-3は電子情報収集ミッションに投入されている。またTACAMO機で戦略核部隊へ核戦争時の指揮統制機能を提供している。

 

海兵隊機材は海軍機の一部として算入した。海軍艦艇から運用するものの、海兵隊の目指す空地一体作戦に使われ、海兵地上部隊の支援を重視している。

 

3. ロシア

 

ソ連崩壊で空軍機材多数が新生ロシアの手に移り、運用を続けている。

 

ロシアの戦闘機材は1,500機、ヘリコプター400機で、大部分は旧型で改修を受けておらず、整備維持も適当だ。MiG-29、Su-27、MiG-31は冷戦中に登場した機体だ。

 

ロシア空軍はICBM運用を任されていないが、戦略爆撃機のTu-95ベア、Tu-22バックファイヤ、Tu-160ブラックジャックの各型を運用する。

 

そのロシア空軍も近代化を継続実施できるようになり、新型戦闘機の投入や開発が進んでいる。一例がSu-35で、長年活躍してきたSu-27フランカーに最新技術を導入し高い操縦性を実現した。ただし、導入規模は限定される。

 

ロシアの国防産業はT-50/PAK-FA戦闘機の開発に取り組んでおり、ロシア初の第五世代戦闘機実現を目指している。ロシアは同時に新型戦略爆撃機PAK-DA開発も目指しているとの報道がある。

 

ロシア空軍はウラジミール・プーチン大統領の強硬政策の最前線に立ち、NATO、スウェーデン、日本の領空付近で大規模作戦を展開しており、ロシア軍事力を誇示している。

 

4. 中国

 

人民解放軍のうち、人民解放軍空軍(PLAAF)と人民解放軍海軍航空部隊(PLANAF)が航空部隊を構成している。

 

合計すると戦闘攻撃機1,321、重爆撃・給油機134、早期警戒機20の規模となる。またヘリコプター700機の大半は中型機だ。

 

相当の規模に聞こえるが、機体の大部分は旧式機材だ。近代機と呼べるのは502機で、1980年代のロシアSu-27フランカーの派生型、国産のJ-10多任務戦闘機が中心だ。残る戦闘機819機は1970年代までさかのぼる機体で大きな脅威にはならない。

 

ただし、機材更新は続いており、中国航空産業界は新型機を次々に発表している。第五世代戦闘機2機種を同時開発し、大型J-20と小型のJ-31がある。またY-20戦略輸送機の開発に成功し、噂では西安H-6の後継機となる戦略爆撃機も開発中だ。米軍と同様に各種無人機の戦闘投入をめざしている。

 

その中で海軍航空部隊は急成長分野だ。初の空母遼寧に続き空母建造が続く。空母搭載機材の中心はSu-27派生型J-15戦闘機で、J-31が米海軍F-35Cに並び空母へ導入されるとの報道もある。

 

5. 日本

 

ダークホースが日本の航空自衛隊(JASDF)で、制空・多任務戦闘機300超が防空任務に特化して整備されており、空、陸、海の脅威に対応している。

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専守防衛方針を反映しJASDFは防空戦闘任務に特化している。防空が第一かつ最大の任務だ。日本は本土上空の制空権を喪失した結果を骨身に染みて理解している。

 

パイロットは日本領土への敵侵攻に備え地上攻撃も訓練しており、敵上陸部隊艦船攻撃も視野に入れる。ただし、長距離攻撃の訓練はない。

 

JASDFパイロットの練度は高く、各国もこれを認めている。USAF主催のレッドフラッグ演習に派遣されることも多く、日本領空に接近するロシア、中国機へのスクランブル出撃が増えて技量を維持している。

 

日本は最優秀水準を誇る制空戦闘機を米国から導入し、1980年代にF-15J、F-15DJ複座型合わせ223機を調達した。後継機としてF-22ラプター導入を期待していたが、米国がF-22輸出を禁じ実現を断念した。

 

そこでF-35A導入に切り替え、機数が順次増えている。また国産F-3開発でF-15の後継機にあてる予定で、今後登場する米製最新鋭戦闘機も調達不可能と想定している。一方で、F-15JとF-2で空対空戦能力増強の改修を行う。

 

早期警戒、指揮統制用には米製機材を導入しており、E-767早期警戒機x4、E-2Cホークアイx13がある。ここに最新のE-2Dを加え、防空任務の増加に対応する。■

 

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These 5 Air Forces Have Complete Control Over Earth’s Air Space

May 1, 2021  Topic: Air Force  Blog Brand: The Reboot  Tags: Air ForceRussiaChinaIndiaMilitaryTechnologyWorld

by Kyle Mizokami

 

 

Kyle Mizokami is a writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami. This piece was originally featured in 2014 and is being republished due to readers interest. 

Media: Flickr.


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