2011年5月8日日曜日

ノースロップのファイヤーバードは有人飛行も可能な新型UAS

Exclusive: Northrop Unveils Firebird MALE Aircraft

aviationweek.com May 6, 2011

ノースロップ・グラマンは今月遅くにも極秘開発してきたファイヤーバード公表の準備をしている。ペンタゴンが開催するエンパイヤチャレンジをその機会にする。これはすばやく実用化が可能な情報収集監視偵察技術を実証することが目的の演習。
  1. 中高度長距離(MALE) 性能の無人機市場でプレデター、リーパー、グレイイーグルをもつジェネラルアトミックスはノースロップ・グラマンにとって目障りな存在だった。
  2. そ こでファイヤーバードはオプションで有人操縦も可能な機体(OPV)であり、秘密のうちに同社が12ヶ月で製作したもの。初飛行を2010年2月に完了し ており、昨年10月にペンタゴン関係者が内覧している。プレデター・リーパー連合を上回る受注機数は期待できないものの、同社はOPVはすきま市場と見て いるのは無人機を一般の空路で飛行させる規則をめぐりペンタゴンとFAAが意見の一致をまだみていないためだ。
  3. 尾翼設計はOV-10ブロンコの流用で、ペイロード四種類を同時に搭載でき、無人モードで最長40時間の飛行が可能。飛行速度は最高200ノット。
  4. イー グルチャレンジ演習は5月23日から6月3日までで、同社は同機の搭載組み合わせ例に高解像度フルモーションビデオ、電気光学・赤外線センサー、電子式方 向探査・通信リレーを同時に搭載できる展示をする。同社によるとファイヤーバードは着陸からセンサー類の取替えをして離陸までを一時間で完了できるとい う。イーグルチャレンジはアリゾナ州フォート・フアチュカで実施される。
なお、同機の詳細な解説はAviation Week & Space Technology5月9日号の特集記事を参照されたい。

2011年5月4日水曜日

ファントムレイ初飛行か


Ph

Phantom Ray Under Way In First Flight

aviationweek.com May 3, 2011

秘密のベールに隠されたボーイングのX-45Cファントムレイ無人実証機だが、4月27日にエドワーズ空軍基地で初飛行を実施した模様。
  1. ボーイングは初飛行の実施の事実のみ認め、その他は保安体制解除まで発表できないとしている。ファントムレイは米海軍のUclass無人ステルス艦載攻撃機開発の第一歩と言われる。
  2. X-45Cはファントムレイ実証計画の試作機であり、その他にジェネラルアトミックスのアヴェンジャー(プレデターC)がある。ノースロップ・グラマンのX-47Bも2月4日に29分間の初飛行を同じくエドワーズ基地で実施している。ロッキード・マーティンもポールキャットおよびRQ-170センティネルにより競作に参加する見込みだ。
  3. RQ-170はフルモーションビデオ撮影能力があり、昨年からアフガニスタンに投入されており、オサマ・ビン・ラディン殺害作戦にも参加したと考えられている。
  4. 「今回の成功のもとは2009年のザルカウィ抹殺にむすびついた空中ISRによる情報収集能力の優位性そのものです。遠隔操縦による航空機の存在が今回の作戦に役立った知識ベースの形成につながっています」(元情報機関関係者)
  5. ファ ントムレイについては情報が統制されており、初期テストデータの解析が完了する5月4日以後に解禁される見込み。ファントムレイはボーイングのファントム ワークス製X-45Cの発展形であり、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機と同様の兵装を搭載出来る設計になっている。
  6. 同機はボーイングのセントルイス工場からエドワーズに12月4日にNASAスペースシャトル運搬機により搬送された。その後はドライデンフライト研究センター内に移動していた。

antom Ray Under Way In First Flight

aviationweek.com May 3, 2011

秘密のベールに隠されたボーイングのX-45Cファントムレイ無人実証機だが、4月27日にエドワーズ空軍基地で初飛行を実施した模様。
  1. ボーイングは初飛行の実施の事実のみ認め、その他は保安体制解除まで発表できないとしている。ファントムレイは米海軍のUclass無人ステルス艦載攻撃機開発の第一歩と言われる。
  2. X-45Cはファントムレイ実証計画の試作機であり、その他にジェネラルアトミックスのアヴェンジャー(プレデターC)がある。ノースロップ・グラマンのX-47Bも2月4日に29分間の初飛行を同じくエドワーズ基地で実施している。ロッキード・マーティンもポールキャットおよびRQ-170センティネルにより競作に参加する見込みだ。
  3. RQ-170はフルモーションビデオ撮影能力があり、昨年からアフガニスタンに投入されており、オサマ・ビン・ラディン殺害作戦にも参加したと考えられている。
  4. 「今回の成功のもとは2009年のザルカウィ抹殺にむすびついた空中ISRによる情報収集能力の優位性そのものです。遠隔操縦による航空機の存在が今回の作戦に役立った知識ベースの形成につながっています」(元情報機関関係者)
  5. ファ ントムレイについては情報が統制されており、初期テストデータの解析が完了する5月4日以後に解禁される見込み。ファントムレイはボーイングのファントム ワークス製X-45Cの発展形であり、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機と同様の兵装を搭載出来る設計になっている。
  6. 同機はボーイングのセントルイス工場からエドワーズに12月4日にNASAスペースシャトル運搬機により搬送された。その後はドライデンフライト研究センター内に移動していた。

ビン・ラディン襲撃にステルスヘリが投入されていた

Bin Laden Raid May Have Exposed Stealth Helo

aviationweek.com May 3, 2011


オサマ・ビン・ラディン殺害に成功した米特殊部隊が極秘ステルスヘリコプターを使用していた可能性が浮上している。
  1. 実 際の機種は不明だが、おそらくH-60ブラックホークの改造型だろう。写真および報道記者によると同機にはステルス性を考慮したテールローターとハブフェ アリングがあった他、ローターは5枚ないし6枚でカバーが付いていたという。また外部塗装は赤外線反射を抑えるもので、V-22と類似している。写真は AviationWeek.com/aresで見られる。
  2. 同機はミッション途中で損傷を受け放棄された。ミッションチームが機体大部分を破壊したが、 同機のテール部分は目標地点の壁の外に着地し破壊されなかった。
  3. ステルスヘリの技術は以前からあり、ボーイング/シコルスキーRAH-66コマンチに広く使われていたが、同機は2004年に開発中止になっている。固定翼機の場合と異なるのは騒音と赤外線特徴対策に重点が置かれている点。
  4. このうち騒音を下げるため、メインローター、テイルローターそれぞれ枚数を増やすことが有効だ。空力特性の改善と飛行制御の効率性向上でローター回転数を下げる他、赤外線探知を下げる事が必要だ。コマンチでは排気ダクトと空気取り入れ口で工夫されていた。
  5. レーダー断面積RCSの削減には機体側面を滑らかにし、かつ傾斜をつける、降着装置を引き込み式にする、ローターハブにフェアリングを付けるのが有効だ。固定翼機と同じステルス性はヘリでは実現不可能だが、ヘリは通常は低高度飛行し、地表面の乱反射を利用できる。

2011年5月2日月曜日

電子戦で米国は一層の努力が必要, F-35は重要なEW機材

Pentagon Taps EW For Second Wind

aviationweek.com Apr 27, 2011

  1. 米国は電子戦に遅れを取っている。しかも20年前から。
  2. これがオバマ政権が国防予算の削減を求める中で電子戦(EW)にその他ごくわずかの分野とともに予算増加を認める根拠だとフランク・ケンドール国防次官補(国防装備調達・技術担当)は説明する。
  3. 「EWへの支出を増強する必要があります。今後はEWを重視します」とし、国防予算からの資金捻出を図る動きだ。
  4. 米 空軍はEF-111EW兼戦術ジャミング機を1998年に退役させており、これがEW実戦力の退潮のはじめだったとされる。その後わずか数ヶ月でイラク北 部上空を飛行中のU-2はイラク防空網の脅威に直面している。同国の防空網の改善は海軍が指摘していたが、空軍にそれが伝わらなかったのは空軍のEW部門 が分散してしまいEWの効能を説得できる高位の将官がいなかったためと言われる。
  5. EF-111退役とEW任務の海軍移管は表裏一体だが、ケンドール次官補はそれだけが理由ではないという。
  6. 「これまで我が国はEWでこれまでよりも実戦力があると信じてきましたが、能力面でも優位性でも衰退しています。これを脱するためにも現実の直視が必要です」
  7. 「80 年代90年代からEW部門が国防総省にあり、開発中の技術は豊富にありましたが、戦闘の様相が変化を示す中、われわれも進歩を続ける必要があるのですが、 唯我独尊になっていました。その理由の一つに国防力の統合再編成があったのかもしれません。今やEWを再活性化するべき時期です。」
  8. 指向性エネルギー兵器として高密度レーザーや高出力マイクロ波があるが近い将来に実戦レベルになるとは見られていない。
  9. 「指 向性エネルギーはいつも5年先の技術です。80年代には私は陸軍でミサイル防衛に携わっておりましたが、当時すでに指向性エネルギーは話題になっており、 数年先に実用化となると見ていました。たしかに研究は大きく進歩しましたが、実用的な兵器にするためには研究課題が残っています。EWの再活性化案は情報 監視偵察(ISR)、指向性エネルギー、サイバー作戦、電磁戦場管理EMBMが交差するところで出てきた構想です。バクダッドの例ですが、電子汚染は相当 のもので、ある装置の電源を入れると他の装置で必ず誤動作が起きるほどです。アフガニスタンも改善はありますが基本的に同じ状況です。」
  10. 「電 子干渉の問題ではバグダッドで作戦開始した2003年当時からは相当の進展があります。サイバーは作戦立案の一部であり、サイバー空間上の各組織の作戦で も干渉を防止する必要があります。過去はこのような運用の統合は避ける傾向がありました。今や各組織とも電子的に溝を埋める動きに出ており、アフガニスタ ンで兵力を構築する際は状況は改善されていました。」と語るのはデイブ・デプチュラ空軍中将(退役)、米空軍情報収集ISR担当(当時)だ。
  11. 空軍が進めようとしているのは既存の航空宇宙システムをリンクさせて新しい効果を生むこと。このリンクにより各機体のもつ技術を統合させることができ、特化した機体を多数使う運用形態を回避できる。
  12. 「低 視認性の第五世代機に高性能ISR機能を装備すれば今まで不可能だった任務が可能となります。たとえば各機のネットワーク化で一部の機体を喪失しても全体 の戦力は維持できます。サイバー作戦が戦闘司令官の通常手段になれば、中央軍の指揮命令系統から離れれば、技術の応用の巾が大きく広がります。」(デプ チュラ)
  13. ただ技術各種をうまく組み合わせるのは大きな課題だ。米海軍は空対空戦闘の場合と同じように電子戦を成立させるEMBMを研究中だ。
  14. 「EMBM には複雑な構造は必要ありません。必要なことを実施する、ただし一定の構造を成立させるためにも航空作戦の中心となる考え方をもう一度見直す必要がありま す。すでに20年以上が経過しています。従来型の大規模、中央統制型施設を分散させた指揮命令系統に分解してより柔軟かつ利用可能な装備を有効利用する仕 組みを作る必要があるのです」(デプチュラ)
  15. 「すべての構成要素を調整することになり、実現したい効果を生むために統合も必要です。F-22のような航空機はセンサーと電子戦装備の搭載で利用価値が大きい機種です。第五世代機は全部リンクして各機の機能を蜂の巣状に組み合わせる必要があります」(デプチュラ)
  16. 情報科学とロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機は、ともに国防予算削減の標的になっており政治論争を呼ぶ対象になるのは必至だ。
  17. 「購入規模は縮小しています。どれを断念すべきなのかという点で、厳しい決断を迫られる局面にあり、受け入れるべきリスク、今後実行を縮小するミッションはどれか、世界規模の作戦展開で何をすべきかを考えねばなりません」(ケンドール)
  18. F-35については大規模な範囲でその見直しが近日中に予定されており、その結果次第で国防予算並びに部隊編成全般に影響がでるだろう。
  19. ケ ンドールは会計検査院と話し合いをもち、費用上昇を同評価するかを議論したいという。ケンドールは会計検査院の初期発注内容分析は大雑把な数量把握に基づ いていると考える。予算規模そのものが議論を呼んでしまったが、その後の会計検査院自身による評価結果は無視されているという。
  20. 「ある計画がつまずくと非難攻撃の対象になりやすいものです。だからといってその価値がなくなるわけではありません。」(ケンドール)
  21. JSFには問題があったことをケンドールも認める。短距離離陸垂直着陸(Stovl)型が問題の中心であるが、ミッションソフトウェアも同じく問題なのだ。ただしケンドールは同機は最高度の優先順位であることも強調する。
  22. そこで選択手段としては性能を低くした機体として受容するかどうかで、その場合運用上のリスクは増える。計画中止はこれまでの投資を無駄にして再度やり直しを意味するだけだ。
  23. 「F- 35では進展もありますが、期待していたほどではありません。Stovl型には大きな疑問があり、設計構造に問題があると見ています。ただ計画全体は成熟 度をあげています。実際に飛行も開始していますが、楽観視は許されないでしょう。とはいえ、F-35の全体をまとめきれていないのが現状です」
  24. 情報科学分野には費用見積もりで問題がある。
  25. 「着任して省内で各種システムを理解している者を探したのですが、古典的な問題でものごとを効率的にこなせる専門性が不足しているのです。また規模の経済にも限界があることがわかりました。ある程度の規模になるとどうしても複雑性も産んでしまいます。」
  26. 政 府による規制事項も複雑さを生んでいるという。「ITシステムひとつに17万事項の要求がありソフトウェアに反映する必要があります。出来合いの製品を 持ってきて使うのは不可能です。最大の問題は一度にあまりにも多くのことをあまりにも短期間にしようとすることであり、業務を管理できない規模のままでコ ストは管理しろ、というのでは性格な予測は不可能だという。

ntagon Taps EW For Second Wind

aviationweek.com Apr 27, 2011

  1. 米国は電子戦に遅れを取っている。しかも20年前から。
  2. これがオバマ政権が国防予算の削減を求める中で電子戦(EW)にその他ごくわずかの分野とともに予算増加を認める根拠だとフランク・ケンドール国防次官補(国防装備調達・技術担当)は説明する。
  3. 「EWへの支出を増強する必要があります。今後はEWを重視します」とし、国防予算からの資金捻出を図る動きだ。
  4. 米 空軍はEF-111EW兼戦術ジャミング機を1998年に退役させており、これがEW実戦力の退潮のはじめだったとされる。その後わずか数ヶ月でイラク北 部上空を飛行中のU-2はイラク防空網の脅威に直面している。同国の防空網の改善は海軍が指摘していたが、空軍にそれが伝わらなかったのは空軍のEW部門 が分散してしまいEWの効能を説得できる高位の将官がいなかったためと言われる。
  5. EF-111退役とEW任務の海軍移管は表裏一体だが、ケンドール次官補はそれだけが理由ではないという。
  6. 「これまで我が国はEWでこれまでよりも実戦力があると信じてきましたが、能力面でも優位性でも衰退しています。これを脱するためにも現実の直視が必要です」
  7. 「80 年代90年代からEW部門が国防総省にあり、開発中の技術は豊富にありましたが、戦闘の様相が変化を示す中、われわれも進歩を続ける必要があるのですが、 唯我独尊になっていました。その理由の一つに国防力の統合再編成があったのかもしれません。今やEWを再活性化するべき時期です。」
  8. 指向性エネルギー兵器として高密度レーザーや高出力マイクロ波があるが近い将来に実戦レベルになるとは見られていない。
  9. 「指 向性エネルギーはいつも5年先の技術です。80年代には私は陸軍でミサイル防衛に携わっておりましたが、当時すでに指向性エネルギーは話題になっており、 数年先に実用化となると見ていました。たしかに研究は大きく進歩しましたが、実用的な兵器にするためには研究課題が残っています。EWの再活性化案は情報 監視偵察(ISR)、指向性エネルギー、サイバー作戦、電磁戦場管理EMBMが交差するところで出てきた構想です。バクダッドの例ですが、電子汚染は相当 のもので、ある装置の電源を入れると他の装置で必ず誤動作が起きるほどです。アフガニスタンも改善はありますが基本的に同じ状況です。」
  10. 「電 子干渉の問題ではバグダッドで作戦開始した2003年当時からは相当の進展があります。サイバーは作戦立案の一部であり、サイバー空間上の各組織の作戦で も干渉を防止する必要があります。過去はこのような運用の統合は避ける傾向がありました。今や各組織とも電子的に溝を埋める動きに出ており、アフガニスタ ンで兵力を構築する際は状況は改善されていました。」と語るのはデイブ・デプチュラ空軍中将(退役)、米空軍情報収集ISR担当(当時)だ。
  11. 空軍が進めようとしているのは既存の航空宇宙システムをリンクさせて新しい効果を生むこと。このリンクにより各機体のもつ技術を統合させることができ、特化した機体を多数使う運用形態を回避できる。
  12. 「低 視認性の第五世代機に高性能ISR機能を装備すれば今まで不可能だった任務が可能となります。たとえば各機のネットワーク化で一部の機体を喪失しても全体 の戦力は維持できます。サイバー作戦が戦闘司令官の通常手段になれば、中央軍の指揮命令系統から離れれば、技術の応用の巾が大きく広がります。」(デプ チュラ)
  13. ただ技術各種をうまく組み合わせるのは大きな課題だ。米海軍は空対空戦闘の場合と同じように電子戦を成立させるEMBMを研究中だ。
  14. 「EMBM には複雑な構造は必要ありません。必要なことを実施する、ただし一定の構造を成立させるためにも航空作戦の中心となる考え方をもう一度見直す必要がありま す。すでに20年以上が経過しています。従来型の大規模、中央統制型施設を分散させた指揮命令系統に分解してより柔軟かつ利用可能な装備を有効利用する仕 組みを作る必要があるのです」(デプチュラ)
  15. 「すべての構成要素を調整することになり、実現したい効果を生むために統合も必要です。F-22のような航空機はセンサーと電子戦装備の搭載で利用価値が大きい機種です。第五世代機は全部リンクして各機の機能を蜂の巣状に組み合わせる必要があります」(デプチュラ)
  16. 情報科学とロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機は、ともに国防予算削減の標的になっており政治論争を呼ぶ対象になるのは必至だ。
  17. 「購入規模は縮小しています。どれを断念すべきなのかという点で、厳しい決断を迫られる局面にあり、受け入れるべきリスク、今後実行を縮小するミッションはどれか、世界規模の作戦展開で何をすべきかを考えねばなりません」(ケンドール)
  18. F-35については大規模な範囲でその見直しが近日中に予定されており、その結果次第で国防予算並びに部隊編成全般に影響がでるだろう。
  19. ケ ンドールは会計検査院と話し合いをもち、費用上昇を同評価するかを議論したいという。ケンドールは会計検査院の初期発注内容分析は大雑把な数量把握に基づ いていると考える。予算規模そのものが議論を呼んでしまったが、その後の会計検査院自身による評価結果は無視されているという。
  20. 「ある計画がつまずくと非難攻撃の対象になりやすいものです。だからといってその価値がなくなるわけではありません。」(ケンドール)
  21. JSFには問題があったことをケンドールも認める。短距離離陸垂直着陸(Stovl)型が問題の中心であるが、ミッションソフトウェアも同じく問題なのだ。ただしケンドールは同機は最高度の優先順位であることも強調する。
  22. そこで選択手段としては性能を低くした機体として受容するかどうかで、その場合運用上のリスクは増える。計画中止はこれまでの投資を無駄にして再度やり直しを意味するだけだ。
  23. 「F- 35では進展もありますが、期待していたほどではありません。Stovl型には大きな疑問があり、設計構造に問題があると見ています。ただ計画全体は成熟 度をあげています。実際に飛行も開始していますが、楽観視は許されないでしょう。とはいえ、F-35の全体をまとめきれていないのが現状です」
  24. 情報科学分野には費用見積もりで問題がある。
  25. 「着任して省内で各種システムを理解している者を探したのですが、古典的な問題でものごとを効率的にこなせる専門性が不足しているのです。また規模の経済にも限界があることがわかりました。ある程度の規模になるとどうしても複雑性も産んでしまいます。」
  26. 政 府による規制事項も複雑さを生んでいるという。「ITシステムひとつに17万事項の要求がありソフトウェアに反映する必要があります。出来合いの製品を 持ってきて使うのは不可能です。最大の問題は一度にあまりにも多くのことをあまりにも短期間にしようとすることであり、業務を管理できない規模のままでコ ストは管理しろ、というのでは性格な予測は不可能だという。

2011年5月1日日曜日

中国の軍事力整備で戦略バランスはどう変わるのか

Chinese Buildup Upsets Strategic Balance
aviationweek.com Apr 29, 2011

対艦弾道ミサイル開発に成功し、海軍力を増強している中国を改めて軍事大国とみなすべきであるとの点で軍事アナリストと米海軍は一致している。
1. 中国の意向は軍事バランスそのものに影響を与えるのは必至で、米国のアジア太平洋における長期的軍事・地政学的政策は見直しを迫られるだろう。
2. ただし中国の軍拡の加熱に対する意見は分かれている。ひとつだけ確かなのは次回台湾海峡で危機状況が発生した場合、米国は直ちに1996年のように空母戦闘群を派遣する可能性は少ないということだ。
3. ただし中国に本当に米海軍空母戦闘群を駆逐する能力あるいは意図があるのかと問われると自信をもって回答できるものは皆無だ。また軍事力増強で中国が何をめざしているのかも測りかねているのが現状だ。中国がアジアのリーダーとして旧ソ連圏のように各地に影響力を行使のではと見る向きがある。あるいは軍事力は中国の領土保全、通商交通路確保また領土主張の裏付けとして使われるのではないかと見る向きもある。
4. たしかに中国は自国領土を守り、政治的対立を回避する決意があるようだ。その鍵は対艦弾道ミサイル(ASBM)通称空母キラーのDF-21Dの開発だ。
5. 数カ月前に同ミサイルは米国流では初期作戦能力獲得の段階に達している。ペンタゴンはこれに対して同ミサイルはまだ実戦想定の試験を実施しておらずとしこの状況を直視していないが、アナリストの中にも同ミサイルの実際の性能を測りかねるのが現状だ。
6. 「ASBMの実際の性能はJ-20と同じく中国の情報収集・監視・偵察能力の実力、ネットワーク能力がわからないと判断は不可能です。兵器体系は目標情報を入力できなければ役に立ちません」(国防コンサルタント)
7. 「最終突入段階の誘導システムで疑問があります。空母が移動目標であることも一因で、予め範囲を想定して発射しても最終誘導が必要です。そのため誘導システムの精度が重要なのです」(海軍力・海洋安全保障専門のアナリスト)
8. ペンタゴンは最新報告の中で中国の軍事力について言及している。「中国海軍は水平線を超えた目標捕捉能力をスカイウェーブ、サーフェスウェーブ両OTHレーダーで向上させている。OTHレーダーは画像レーダーに連携して沿岸沖の目標を捕捉し、長距離精密攻撃を支援することが可能。」 一方、中国の海軍力、 ASBMの数が少ないことから対抗する米軍部隊は十分対処できると見る向きもある。ただ米海軍部隊は中国の軍事装備増強と目標捕捉能力向上により今後はリスクが増えることになろう。
9. ただ本質的な疑問は本当に中国は空母を排除する攻撃という賭けに出るのだろうか、という点だ。議会調査局は最新の報告書で中国は米国とあまりに多くの金融面はじめとする相互関係があり戦闘を開始するのは不可能と分析している。
10. 弾道ミサイルの使用目的として中国の海上通商交通路にとって脅威となりうる艦船ににらみを利かせる事のほうが可能性が高い、と見るアナリストもいる。
11. これに関連して議会調査局報告書では「中国がインド洋に海軍他軍事施設の建設をしている、あるいは求め、ペルシア湾岸から中国に至る海上通商路に沿って展開する海軍作戦の支援をするだろう」と記述している。
12. この場合中国が台湾含む広範囲な領海主張をしていることから現在は海軍、ミサイル基地等防衛的な性格の軍事力を展開としても、冷戦時のソ連の例から攻撃的な軍事力展開に変質するのではないかと米国、同盟国は懸念を示している。
13. 旧ソ連と異なり中国のイデオロギー上の米国への対立軸は強くないので、かつてのソ連関係と異なるものの、戦略上の競争相手となり近い将来に米政府は冷戦後最大の政策課題として中国を見ることになる、というのがアナリストの見方だ。
14. 議会調査局の報告書がいみじくも「中国海軍力が太平洋諸国の政治状況の進展に影響力を及ぼす可能性があり、そのために米国は各種政策に関連して国益を追求sる能力にも影響が出てくる事になる」と表現している。

2011年4月30日土曜日

F-X選定 震災被害が追い風になる可能性

F-X Bidders Could Gain From Tsunami Damage
aviationweek.com Apr 29, 2011

F-Xの調達数を拡大案が検討されている。三菱重工業製F-2B練習機18機が3月11日の東日本大震災で被害を受けておりその修復は困難との見方が広がっているためだ。

1. 防衛省はこのうち三機が修復完了出来れば運がよい方だと見ており、これがF-X選定を急ぐ理由にもなっている。18機の修復費用は136億円相当と見積もられる。
2. 震災前に運用していたF-2Bは合計33機でこのうち18機が海水につかってしまい残存運用機数は15機となる。
3. そこで日本の選択は以下の四点だ。①運用機数の減少をそのまま甘んじる ②F-2Bの追加生産を行う ③米国よりボーイングF-15D在庫機を取得する ④F-X取得機数を増やす
4. このうち最初の二つは可能性が少ない。
5. 損傷を受けたのは全部が複座機なので、訓練部隊に大きな打撃で機数の回復は高い優先事項となる。
6. 三菱重工業は今年内の最終納入をもってF-2生産ラインを閉鎖する予定だが、部品メーカーはすでに生産を中止している。
7. そこで追加発注をすると非常に高額な発注となる。ましてや同機は1990年代の機体でありそこにあえて大金をつぎこむのか、という議論になろう。
8. 防衛省も部品生産を再スタートするコストを考慮して、むしろ予備部品を活用して損傷機の修理をする可能性がある。
9. 防衛省はF-15DJを運用しており、F-15Dと類似したこの練習機でF-15Jへの機種変更訓練を実施しているのだが、F-15Dを取得するとしても在庫機数、機体寿命以外に-2Bの代替機としての適性が問題になる。F-2BはF-2A以外にF-4EJパイロットの訓練に使用されている。
10. では第四番目の選択はどうか。防衛省は各入札社にF-2B交代分の調達数上乗せの可能性について説明していないといわれるが、損傷機のうち何機が回復可能かがわかっていたら調達数増加は当然ありえるはずだ。
11. 塩水に浸かった戦闘機の回復は実現性なしと言われるが、90年代にギリシャ空軍がミラージュ2000EGの修復に成功している事例がある。同機は最終進入で海面に突入してしまったもので、事故の三日後に海から回収されその後運用可能となっている。

2011年4月29日金曜日

F-X選定 政治的なリスクも

Three Contenders Remain For Japan F-X
aviationweek.com Apr 28, 2011

今年中にF-2最終機が三菱重工業から引き渡されると戦後日本の戦闘機生産は45年で一旦終了となり、戦闘機の生産技術が継承の機会を失う。
■ このことはF-X選定に携わる関係者には重い事実で、選定が早ければそれだけ早く戦闘機生産の産業基盤が再活性化されるのだ。
■  防衛省によるとBAEシステムズ住友商事とともにユーロファイター・タイフーンを、ロッキード・マーティンはF-35、ボーイングはF/A-18E/Fでそれぞれ応じてきたという。
■ 同省によると昨年の時点でロッキード・マーティンF-22、ボーイングF-15、ダッソー・ラファールも候補にあがっていたが、F-22輸出の可能性がなくなり、F-15については防衛省が完全な新型機を採択する方向になったため選にもれたとのことで、ダッソーからはコメントは出ていない。
■ 平成24年度予算にF-X調達を盛り込むタイミングで今回の公募となり、来年度予算の都合上、提案各社は9月までに応募をする必要がある。その後、選考過程を経て12月末までに内閣に選考結果を提言する運びだ。したがって選定には三ヶ月しか時間がない。
■  防衛大綱でF-Xは40機ないし50機調達するとしており、最初の12機の納入を平成28年度末までに実現するとしている。機体開発の成熟度で見ればF- 35はF/A-18E/Fおよびユーロファイター・タイフーンに遅れをとっているので、後者ニ機種は選定過程の締切りに間に合う。ただロッキード・マーティンも平成28年度内の納入は可能と見ている。
■ 早期納入は重要な要素となる。F-XはF-4の後継機種と言う位置づけでF-4の機齢は30年を越えている。F-4の退役は飛行時間累計に左右されるが、 10年以内に避けて通れない予測だ。そうなると三菱重工業はF-X国内生産を急速に立ち上げる必要がある。業界には早期納入の日程および防衛省が費用面で厳しい要求をしていることからF-Xの初期ロットは輸入に頼らざるをえないのではとの見方がある。
■ 日本は防衛装備の国内生産を求めており、一部部品・システムも国内開発が望ましいとしてきた。しかし、ライセンス生産は高価になると分かっている。また日本には機体設計にも変更を加える傾向があり、F-2についてみればF-16と比較すると完全な新型機と言ってもよい内容だった。これについても業界には費用面、納入時期で不利となるので大規模な設計変更の可能性は少ないと見る向きがある。
■  一方で日本国内の戦闘機生産基盤の維持に意外な追い風が出現している。東日本大震災で水没したF-2が18機あり、4月17日に各機の復旧作業が開始された。エンジン、電子装備等が交換となる見込みだ。
■ F-X選定に話をもどすとタイフーンとF/A-18E/Fは単価面でF-35よりも有利となる見込みだが、ロッキード・マーティンはF-15代替機としてのF-XXにはF-35が候補となると見ており、長い目で見れば生産コストは不利な条件にならないと主張する。
■  最新鋭のF-35には第五世代戦闘機技術の優位性があるとはいえ、これ以上に遅延と費用上昇が発生すると、防衛省の採用は困難になる。防衛予算は制約を受けており、調達予算は今後削減となる見込みだと業界は見ている。
■ その一方で本当にF-X選定の結論が今年中に出るのか懐疑的な業界関係者もいる。なによりも震災復興予算が必要な中で新型戦闘機に予算を計上するのは政治的な決断が必要だ。また福島原発への対応を巡り菅総理、北沢防衛相への不満が高まるのも政治的なリスク要因で、防衛相が交代となればF-Xの選定手順の見直しもありうる。