スキップしてメイン コンテンツに移動

F-35での最新の問題の状況....解決の行方は?


つぎからつぎと問題が出てくるF-35はいつになったら所期の性能を発揮できるのでしょう。三菱重工で組立てた機体は本来なら米国製の機体と同じはずなのですがなにか工程内に致命的な不良があった(ある?)のでしょうか。これはこれで気になるのですが。いろいろ考えさせられる事態が進行中のようです。F-35に過大な期待はできないのでしょうか。

The Real F-35 Problem That Needs Fixing 解決を求められるF-35の問題点とは

And it might not be so easy.一筋縄ではいかないようだ
May 11, 2019  Topic: Security  Region: Americas  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35AF-35 Lightning IIStealthSpare PartsCrash LandingALIS

月9日、日本で完成したF-35Aライトニング一号機が訓練飛行中に太平洋上空で行方不明となった。パイロットはF-35でも60時間操縦のベテランでにミッションを中止するとの連絡を入れたあと姿を消した。
日米両国が艦艇、調査潜水艇で一ヶ月に渡り捜索しロシア、中国より先に発見しようとした。米海軍だけでも駆逐艦1隻、P-8哨戒機2機さらにU-2スパイ機も動員した。その結果機体の破片とフライトレコーダーは発見したが後者は「メモリー破損」状態という。5月に入り米海軍は捜索を終了したが海上自衛隊艦艇はパイロット遺体の回収をあきらめず捜索している。
事故原因は謎のままだが事故後に日本で供用中のF-35A13機中5機でが計7回も緊急着陸していたと判明した。うち一回はパイロットの判断ミスだったが岩屋毅防衛相はその他の事例は「燃料、油圧、その他のシステム関連」が原因と述べ、即座に改修作業を行ったと発表。
事故機でも冷却系統、航法装置の異常が見つかっていた。三菱重工のF-35生産ラインにシステム不良があった可能性も否定できない。
別の可能性にF-35の過去トラブルがある。機内酸素発生装置(OBOGS)の原因でパイロットが低酸素症で気を失い飛行制御できなくなった事例が発生した。OBOGではF-22で2010年に墜落事故が1件あったがF-35では2018年までに少なくとも29件の低酸素症事故が報告されている。
ライトニングの機体全損事故が2018年9月28日にあり、海兵隊のF-35Bがサウスカロライナで墜落した。パイロットは射出脱出した。その二週間後に各国向けF-35が数週間にわたり飛行停止措置となった。F135エンジンの燃料チューブに欠陥がみつかったためだ。ほぼ半数の機体で交換された。
墜落事例二件から高い目標水準の新型ステルス機であらたに故障の可能性が見つかるたびに部品交換や補修が必要となっていることがわかる。
だが作業を妨げているのは補修部品数千点の不足だ。政府検査院(GAO)もを新しい報告書でこの点指摘している。このためF-35の半数しか戦闘任務に投入できず、運用部隊でも部品の共食いをしつつ部品到着を待っている。
ペンタゴンも部品不足の解消をめざしてきたがGAO報告によれば根本解決でなく一方で機体は次々と生産されている。
不思議の国のALIS
この問題に関係するとみられるのがF-35で導入した自動化補給活動情報システム(ALIS)で本来はF-35整備の予定を組み部品要求を補給処に送る機能だが、問題の原因と見られたまま数年が経過している。
GAO報告書ではF-35運用部隊は「時間を食う手動対応で部品管理を迫られている」と指摘し年間45千時間相当の追加作業が発生しているという。「補修部品の電子データの消失や破損」が生まれ、「ALISでの相互連絡がないままの整備補給作業」になっているという。
ペンタゴンが戦車やジェット機等の目に見える装備調達を優先し予算支出で融通が効かないこと、ソフトウェアのコード一行の変更でさえ内部手続きが必要なためALISの修正は長時間作業になっている。
ソフトウェア改修は世界規模で同時並行の作業となり既存予算の流用では全く足りない。このため国防総省の調達担当次官補は議会に対しソフトウェア予算の扱いを別方式にして「アジャイル開発方式」の実行とし、スピードと結果を重視し、コードの行数などの定量的評価指標より優先するよう求めている。
影響はグローバルに
部品の補給体制では別問題がある。F-35用部品はヨーロッパ、アジアのメーカーが製造し、全て一度米国に集積する形としており、各地域のハブに直送できない。この非効率的な方法のため海外のF-35運用部隊は部品入手に平均10日待たされており、28パーセントの部品では30日以上となっている。
このため部品の取り合いとなり海外で不満のたねだ。運用上の優先順位より発注順を重視する「ビジネス原則」に疑問が持たれている。
最終的に部品供給拠点拡大すれば現在のストレスも減少するはずだが、各補給処に必要な部品ストックを常備する目標から3ないし5年遅れているという。
さらにGAO報告書ではペンタゴンがF-35部品補給に2016年以降20億ドルを費やしたにもかかわらず予算の支出内容が説明がつかない、調達部品数も不明、さらに部品の所在も説明できないとある。部品管理の係官は一名しかおらず、2018年12月時点で部品データーペースにデータがまったくはいっていなかったという。
民間契約企業とペンタゴンはこの問題を前から認識しているものの増大する一方のF-35生産に対策が追いついていない。国防総省の対応策は契約企業の対策と一貫性がなく、対応方針が調整できていないことを示している。
GAO報告書はサプライチェーンのトラブルにペンタゴンがもっと直接関与することを示唆している。
F-35のサプライチェーンの悩みは時間をかければ解決可能であり、よく調整した戦略があれば必要部品の備蓄が各地に実現しそうだ。ハブを各地に確立した配送ネットワークを実現し、アジャイルでソフトウェア改修し、初期生産のF-35機材が段階的に消えればの話だ。ただし、このためには機材を多数完成させるのを最優先するのではなくむしろ納入済み機材が半分しか稼働できない状況の改善に努力すべきだろう。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

コメント

  1. どうやらF-35の一通りの問題の対策を完了するまでには、なお時間がかかりそうですね。日本がF-3の独自開発を今から始めれば、F-35が完成するころには、試作機ができているかも?というくらい長引きそうな気がします、

    返信削除
  2. F-35はアップデートを続けていく永遠に完成しない機体と言われてるけど、運用上仕様が確定しないというのは不安要素しかないな~

    未完成でも勝てればいいんだけとさ

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM