Capella Spaceによる直近のレーダー衛星画像で003型空母の建造中の姿が確認できた。
海南島で建造が進むドックは003型空母に対応する大きさだ。ここから今後建造する空母もこの大きさとなることがわかる。
中国海軍拡張の象徴が航空母艦だ。建造中の超大型空母の姿が上海郊外でみられる。レーダー衛星画像から同艦の規模が判明した。
中国海軍の拡張ぶりは信じられないほどだ。PLANはわずか20年前には取るに足らない存在だった。その増勢の中で最も重要なのが航空母艦だ。
国防アナリスト陣がオープンソース情報(OSINT)を駆使している。だが衛星画像では空母建造施設に雲という自然条件が立ちふさがる。そこでNaval Newsは雲を貫通した画像を新型商用衛星から入手した。
カペラスペースCapella SpaceのSAR(合成開口レーダー)衛星で、空母建造の進捗がわかる。レーダー画像なら雲、夜間関係なく地上を見ることができる。
10年前にロシア技術を導入したことから始まり、中国の最新設計は米海軍の超大型空母に匹敵するまでに成長した。PLANはロシア設計をもとにした空母二隻を供用中だ。三隻目が003型で上海近郊で建造が進んでいる。その大きさは米海軍の最新鋭フォード級とほぼ等しい。
SAR画像で艦上にカタパルト三基あることがわかった。既存艦から大きな変化で、スキージャンプ式の既存艦ではJ-15フランカー戦闘機を発艦させてもKJ-600AWE&C機(空中早期警戒統制機)の運営は不可能だ。KJ-600はE-2ホークアイに匹敵する大きさがあり、E-2最新型並みの性能があるといわれる。
新型空母にはEMALS(電磁航空機発艦システム)が搭載される。同じ技術を米海軍はフォード級で初めて導入する。これによりKJ-600運用が可能となる。また新型ステルス機運用が想定される。
進捗状況はどうか。乾ドックには別の艦が見えたが、移動している。乾ドックの入り口をふさいでいたためで、空母の進水が近づいている証拠だ。
ただし、進水が近づいているわけではない。画像を見ると飛行甲板はまだ空いたままだ。艦内アクセス用に二つの大きな穴が見える。空母建造では通常のことで米艦艇でも同じ工程を経る。
一つ興味を惹かれるのが他に例のないセイルなし潜水艦が見られないことだ。アナリスト陣はひきつづきこの潜水艦を追っており、就航が近づいているのか、あるいは研究開発部門へ回航されたとみている。
さらに1,900 km南には海南島の三亚 Sanya で巨大な空母用乾ドック建造が続いている。南シナ海へのアクセスで戦略的な立地条件だ。002型空母山東が同地を母港にしており、原子力潜水艦部隊も同地を本拠地としている。
ドックは大きさから見て003型空母の利用が可能だ。
新造ドックの幅が80メートルあり、003型空母建造所のドック幅と同じなのが重要だ。003型の全幅はほぼ80メートルと推定されており、ドックは003型運用を前提としている、または今後建造する空母も全幅80メートル以内になる、ことが考えられる。
そうなると003型が中国が当面建造する空母として最大サイズとなのか。今後の空母が全長が伸びる、排水量が増えても今以上の全幅にはならないのだろう。より幅広の艦体を採用すれば別の施設が必要となる。
今後整備する空母部隊は中国海軍の大幅な戦力向上につながる。中国が目指す外洋作戦部隊の出現の一部となる。■
China's Massive New Aircraft Carrier Is As Big As It Can Be
H I Sutton 27 Oct 2021
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