BAE提案の高機動装甲火力構想車両 Image Credit: BAE.
米陸軍の機動性防御火力事業 Mobile Protected Firepower Program (MPF) の選定業者は軽量かつ航空移動可能な装甲車両を納入することになる。
機動性防御火力事業は軽量戦車の実現を目指し、限定的な試験段階を経て評価を下すもので、テストには陸軍戦車部隊が加わり試作車両二型式の改良をめざす。
MPF構想とは
MPFがめざすのは歩兵旅団戦闘チーム(IBCT)で顕著となっている能力ギャップの解消だ。IBCTには専属戦闘車両がなく、高機動、装甲つきかつ攻撃力を備えた車両が必要だ。とくに敵の強力な陣地、軽車両への対抗手段が必要と陸軍自身が説明している。
MPFは軽戦車をめざし、重装甲旅団に配属されない存在となる。MPFは軽歩兵部隊や空挺部隊向けとなる。
MPF車両は装甲と車体重量の二つを両立しながら航空移動を可能とする。これは言うほど簡単なことではない。軌道付き車両で航空移動可能だった陸軍車両は問題の多かったM551シェリダン以降なく、軽戦車としてはM41ウォーカーブルドッグがあたtが、車両重量が大きく、航空輸送はできなかった。
ジェネラルダイナミクス案
ジェネラルダイナミクスがMPFに提案する車両は同社の長年の戦車づくりの経験(GDはM1エイブラムズ主力戦車のメーカー)を生かすとある。さらに電子系統や火力制御はM1に近く、乗員訓練が楽になる。
同社提案では同社が英陸軍に供給するエイジャックス車両の部品も流用する目論みがある。ただ同車両は問題が多く、振動の多さとのため英陸軍では医療処置を求める隊員が続出している。また高騒音のため難聴を訴えるケースも出ている。このままGDのMPF提案に組み入れるかは不明だ。
GD提案では105mm主砲(NATO主力戦車では120mmが主流)を搭載し、車体は小型とはいいがたく、試作車は30から50トンとなっており、機動性について早くも疑問が出ている。
BAEシステムズ案
他方でBAE提案ははるかに小型かつ軽量となっている。装甲車両ながら、試作車両ではエンジン脱着が簡単で戦場での修理点検を考慮している。
BAEは自社のシェリダン後継を狙いながら失敗作となったM8装甲主砲装備の知見も活用している。今回は車体下部の防御並びに電子系統、エンジンをともに改良しているが、軽量はいいとしてもエンジン出力が比較的低いことから制約が生まれそうだ。
両社提案ではともに長所短所があり、優位性が明確にあるとは言えない。ただし、運用部隊の評価次第ではどちらかが優位に立つことはありえる。■
The U.S. Army Could Soon Have a New Light Tank
By Caleb LarsonPublished21 hours ago
Caleb Larson is a multimedia journalist and Defense Writer with The National Interest. He lives in Berlin and covers the intersection of conflict, security, and technology, focusing on American foreign policy, European security, and German society.
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シェリダンについては以前ご紹介しておりました。https://aviation-space-business.blogspot.com/2021/03/1m551_5.html
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