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敗戦から76年経過し、日本が空母運用国に復帰。いずも、かがの空母化で変わる日本の安全保障。

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防衛省

 

本が固定翼機による空母運用の世界に戻ってきた。米海兵隊のF-35Bがヘリコプター空母いずもから発着艦を行った。今回の実証で海上自衛隊に新時代が開いた。

 

防衛省は米海兵隊所属F-35B二機がいずも艦上での運用に成功したと本日発表し、写真映像を公表した。四国沖だったという。防衛省からは海兵隊機材を使い10月3日から7日の間に太平洋で実証を行うとの発表が先に出ていた。いずもをヘリコプター空母から真の空母に改装した効果を実証するのが目的だ。実証に先立ち、いずもは岩国に回航されていた。

 

今回投入された機材は海兵戦闘攻撃飛行隊242「バッツ」のもので岩国海兵隊航空基地に2020年投入され、先月に初期作戦能力(IOC)獲得宣言を受けたばかりだ。

 

「バッツ」とともにVMFA-121「グリーンナイツ」が岩国基地に配備されており、同隊は2015年7月にIOC宣言を受け、2017年1月に同基地に移動してきた。

 

いずもは今後さらに固定翼機運用を想定した改修を受けながら、通常の運用を続けていく。まず、耐熱塗装を飛行甲板に施し、F-35Bの高温排熱に対応する。その他照明、甲板上のマーキングが変更された。

 

防衛省

VMFA-242所属の F-35Bがいずもに垂直着艦をした。 

 

長期的には同艦の飛行甲板は大幅に改装される。現在は末端がすぼまって台形になっており、艦載機の運用に充てる面積が減っている。いずも艦上のF-35B運用映像を見ると、機体は極めて短い発艦によりこの制約を克服しているようだ。改修後の同艦は飛行甲板が四角形になり、米海軍の大型強襲揚陸艦に似た外形になる。

 

いずもの次に姉妹艦かがが同様の改修を受けるが、予定では改修を一度に完了する。

 

F-35B運用を想定し両艦は飛行甲板の下で各種の改修を受け、機体整備が楽になり、弾薬類や航空燃料の貯蔵部分が生まれる。

 

改修は日本がF-35B調達を進めるタイミングで行われている。日本が調達するF-35全147機中、42機がSTOVL型F-35Bだ。 

 

いずもの改修は2026年に完了する予定で、それまでは海兵隊機材が同艦から運用する姿が見られるはずだ。海兵隊は同機を英空母HMSクィーンエリザベス、イタリア海軍空母カヴールでもF-35Bの運用を試行している。

 

日本の空母運用復帰まで時間がかかった。太平洋戦争の1945年が最後の空母運用実績だった。戦後になり日本の憲法は防衛を旨とする精神は本格的空母の保有を認めてこなかった。ただし、遠からぬ将来に日本は自国の固定翼戦術航空戦力を海上から展開する能力を手に入れることで、海上自衛隊の戦力を増強し、アジア太平洋のみならずその先にまで展開することが可能となる。■

 

F-35B Stealth Fighters Operate From A Japanese Aircraft Carrier For The First Time

The U.S. Marine Corps jets are the first fixed-wing aircraft to fly from a Japanese warship since World War II.

BY THOMAS NEWDICK OCTOBER 5, 2021


 

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