ここがポイント:この空中給油機が対中戦の勝敗を分けるといっても過言ではない
数年前は単なる構想だったものが、数々の試作作業、実証を経て現実になった。米海軍の新型空母搭載無人機が空中給油に成功し、無人給油機開発に向けた海軍の努力が実り、空母搭載機材の航続距離が大幅に伸びる可能性が出てきた。空母は従来よりも後方からスタンドオフ兵力投射が可能となる。
今回有人機に空中給油を行ったのはボーイングMQ-25スティングレイ無人機だ。
「今回の飛行では受け手の海軍所属F/A-18スーパーホーネットがボーイング所有のMQ-25テスト機T1に接近し、編隊飛行を評価し、ドローグを伸ばし、その後接続させた。T1はその後燃料を航空給油貯蔵ポッドからF/A-18に移送した」と海軍は発表した。
海軍はテストデータを集め、誘導技術、逝去機構の基本から必要となるソフトウェア改良の情報を得る。海軍で無人空母搭載機材開発を進めるチャド・リード大佐が語っている。
「T1テストは今後数カ月続け、飛行性能限界を徐々に伸ばしていく。エンジンテスト以外に空母艦上の取り回し実証を今年後半に行う」という。
無人給油機が実現すれば海軍の作戦立案に戦略戦術両面で大きな利点が生まれ、急速に変化している脅威内容への対応が可能となる。この給油機が中国との戦闘で勝敗のカギを握るといっても過言ではない。
その理由として中国の「空母キラー」対艦ミサイルのDF-21DおよびDF-26がある。1000カイリあるいは2000カイリ先の空母を精密攻撃する能力があると伝えられる。F/A-18あるいはF-35の戦闘行動半径は300カイリなので、現状では空母はDF-26の射程内に入らないと兵力投射や対地攻撃任務が実施できない。
だが、MQ-25スティングレイが稼働し、戦闘行動半径を倍増できれば 空母は安全な距離を維持できる。空母に搭載される防空能力の強化にも関心が集まっており、安全を確保したまま、さらに遠距離地点から航空機を発進させられる。空母から無人機を発進させれば、大型非ステルス有人給油機を展開するリスクを減らせる。無人機から給油を受けた戦闘機は攻撃対象上空での滞空時間を延ばし、別の地点の攻撃に移動するか、情報データを受けて再度攻撃を加えることが可能となる。■
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China's Aircraft Carrier Killer Missiles Just Lost Their Edge (Thanks to This)
June 9, 2021 Topic: MQ-25 Update Blog Brand: The Buzz Tags: ChinaMQ-25 StingrayDronesU.S. NavyAircraft CarrierMilitary
by Kris Osborn
Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master's Degree in Comparative Literature from Columbia University.
紆余曲折を経て、艦載固定翼無人機は給油機でのスタートとなりましたが、同機の運用により蓄積されるノウハウは、艦載UCAVにとってこの上ない土台となることは間違いないでしょう。対中国をリアルに考えるなら、空母からの第一撃で敵防空システムに突入するのは、有人F-35Cより爆装UCAVにしたくなりますよね。それとも、そんなの空母の仕事じゃねえ!と言い続けるのか…
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