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中ロ合同艦隊の日本周回パトロールを環球時報はこう伝えた。敵を知ることが勝利につながる。CCPの思考方法を理解する一助になれば幸い。

 中ロ合同部隊の10隻が日本海から津軽海峡を通過し、本州沖を航行したのち、東シナ海まで共同行動を取ったのが日本では総選挙の運動中で、日本国民に不安感を抱かせたことが選挙結果にどう影響するのか(しないのか)、見ものです。一方で海上自衛隊がしっかりと各艦を監視追尾したことはさすがですね。そこで、CCPのお抱え新聞である環球時報がこの作戦をどうとらえているのかを見てみましょう。中国が世界秩序を全く違う形で(自分に都合よい形で)理解していることがよくわかります。

   

Chinese PLA navy's destroyer Kunming sails with Russia's large anti-submarine ship Admiral Tributs in the West Pacific on October 19. Photo: Li Tang

人民解放軍海軍の駆逐艦昆明がロシアの大型対潜艦アドミラルトリブツと並行し西太平洋を航行した。 Photo: Li Tang

 

 

ご注意 以下は環球時報英語版の記事を和訳したものです。当ブログの主張ではありません

 

国ロシアそれぞれの国防省が10月23日、両国艦艇部隊による初の西太平洋合同パトロールが完了したと発表した。中核的国家権益への無謀な挑発を自重するよう他国への警告にもなった。

 

今回のパトロールは中国、ロシアが共同海軍演習の終了後に行われた。演習では防空、海上標的への砲撃、共同対潜戦を試した。演習は両国の戦闘調整の幅の広さと深さを実証した。

 

中国は新鋭055型誘導ミサイル駆逐艦をパトロール部隊に供出し、ロシアは最新鋭フリゲート艦二隻を参加させ、改めて両国軍の信頼の高さを印象づけた。演習から直ちにパトロールに切り替えることで平時から有事への迅速な切り替えの潜在能力も示した。

 

中国ロシア合同部隊は津軽海峡を通過し物議をかもしたが、パトロールは国際法を完全順守した。また関連海洋法規も完全順守しつつ各海峡を通過し母港に戻った。

 

日本の防衛省報道官は各艦の海峡通過は日本の領海侵犯でもなく国際法違反でもないと明言した。これが真の「航行の自由」である。

 

他方で米国および同盟各国が「航行の自由」の御旗の元で「乱暴狼藉の自由」を行使している。これこそ国際法の明白な違反であり、中国ロシアの主権の侵犯である。

 

中国ロシアは米国に対し真の「無害航行」と国際秩序の意味を示しているのである。両国は同時に他国の中核的権益を脅かさないよう米国に警告している。

 

海上自衛隊が中ロ艦艇を追尾し、防衛省の声明から日本は不安感を覚えたことがわかる。日本の政界は「右傾化」しており、平和憲法を改正し軍事予算をGDP2%に引き上げることを狙っている。岸田文雄が軍備拡張戦略を公表している。こちらのほうがアジア各国に大きな脅威となる。

 

日本は歴史問題を振り返らず、第二次大戦後の各種取り決めを遵守しないことで非常に悪い印象を残している。中ロ共同行動は戦後秩序を維持する二国の動きの例であり、国連憲章が求める域内平和と安定の実現の一助でもある。

 

ご注意 以下は環球時報英語版の記事を和訳したものです。当ブログの主張ではありません

 

米国は中国ロシア封じ込めの動きを止めていない。バイデン政権の次期中国大使として指名を受けたニコラス・バーンズが中国とロシアにくさびを打ちこみ、両国間の総合戦略パートナーシップの弱体化を狙っている。バーンズは上院聴聞会で10月20日に「長期的には中国がロシアを経済支配する日が来るのをロシアは真剣に心配する必要がある。ロシアから見れば中国が西部で核兵器配備を強化しているのも心配の種だ」と発言した。

 

だがそんな言い方をしても中国ロシア間の強いつながりを揺らすものにはならない。

 

中国ロシアは「非同盟不対立かつ第三国を標的としない」原則を堅持し長期にわたる友好関係を形成してきた。これにより世界平和と開発が促進され既存国際秩序も守られる。両国は新しい形の国際関係の実例を示した。中国ロシアの共同パトロールは二大大国の責任ある姿勢を示したものだ。■

 

 

Beijing-Moscow joint military action serves to stabilize order disturbed by others

By Song Zhongping

Published: Oct 24, 2021 09:07 PM

The author is a Chinese military expert and commentator. opinion@globaltimes.com.cn


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