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AWACS機E-3の廃止がいよいよ迫ってきた。米空軍はE-7ウェッジテイルに注目するが、本命は宇宙配備レーダー衛星群の整備だ。



E-3 セントリーが「タッチアンドゴー」訓練をしている。963空中指揮統制飛行隊の機体。ヒル空軍基地(ユタ)で、2021年8月31日。963飛行隊はアジャイルコンバット演習でヒルAFBに移動してきた。(U.S. Air Force photo by R. Nial Bradshaw).

 

 

空軍の最重要機材は民間エアラインでの運用が終了して久しく、今や老朽化し維持が困難になっている。航空戦闘軍団トップが記者団に明かした。E-3空中早期警戒指揮統制機(AWACS)の原型ボーイング707は米エアラインでの旅客輸送を1983年に終了しており、世界でもイランのサハエアラインズ機が2019年に墜落し運用中の機体は皆無となった。

 

その高機齢707が米軍に重要戦闘情報を提供している。直径30フィートのレーダード-ムを機体上部につけたE-3AWACSは敵味方の機体・艦艇を追尾しながら、地上司令官に情報通信を提供し続ける。だが老兵E-3の運用継続にこれまで以上の手間がかかっている。

 

「だから世界で707を運用するエアラインは皆無なのだ」と航空戦闘軍団司令マーク・ケリー大将が空軍協会主催カンファレンスで語った。ケリー説明では707に搭載するTF33エンジンが難題なのだという。

 

1957年に原型が飛行した707同様にTF33エンジンも相当古く、1959年に初めて飛行に用いられている。AWACSの登場は1975年だ。機体運航を継続できているのは奇跡に近いと同大将は述べた。

 

整備陣が尽力するものの、2011年以来、同機では稼働率目標を達成したことがないと、2020年の米会計検査院(GAO)報告にある。原因の一つに交換部品の在庫がないことがあるという。

 

「規模が少量すぎて部品メーカーも製造再開したくない関係者が言っている。さらにE-3エンジン部品もサプライチェーンが『冷え切り』民間業者での製造も止まったままだ」とGAOはまとめている。

 

ケリー大将もこの点で同じ見解だと席上で述べた。

 

「部品手当に苦労している。6,800機も運航中の737と対照的だ。737部品は各地にあり、フランクフルトでもどこでも要員を派遣すれば手当可能だ」

 

The Air Force flies these planes daily. Here’s why civilian airlines won’tオーストラリア空軍のE-7Aウェッジテイル、イラク上空。 April 2, 2020. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Daniel Snider)

 

 

E-3のほかにも米空軍には長年活躍する機体がある。なかでもB-52ストラトフォートレス爆撃機では最後の完成機は1962年製で、空軍は2050年代までは同機を稼働させるべく、26億ドルで76機にロールスロイス新型エンジンに換装させる。だがE-3には同様の対応はなく、代替策が浮上してきた。

 

ボーイング737の初飛行は1967年で現在も新型機が製造中で、パーツ供給は707より堅固かつベースが広い。米軍でも737は輸送機として空軍が、支援機として海軍が供用している。同機にE-3を交代させる案がある。実際にE-7Aウェッジテイルは737原型の早期警戒統制機で王立オーストラリア空軍が10年近く運用しており、米国でも導入の動きがある。

 

「E-7により空の状況把握が進めば第五世代戦闘機の威力を増強させ、第四世代機はより長く威力を発揮できるようになる」とケリーは見ている。

 

米空軍でE-7を待望するのはケリー大将だけではない。太平洋空軍司令のケネス・ウィルスバック大将もウェッジテイルの早期導入を提唱している。E-7はより新しい機材でスペアパーツ供給でも心配はなく、小型で燃料消費効率も優れながら、E-3のレーダーより進んだレーダーを搭載する。

 

ケリー大将のボス、空軍参謀総長チャールズ・「CQ」ブラウン大将も耳を傾けているようだ。ブラウンからは空軍は「内部検討」をE-7に対して行っており、運用中のオーストラリア、英国と連絡を密にしている。


ただし、米空軍がウェッジテイル導入を決めたとしても、同機はつなぎにすぎず、空軍は宇宙空間での移動目標追尾監視システムの導入をめざしている。

 

宇宙軍トップ、ジョン「ジェイ」レイモンド大将からレーダー衛星群で地上移動目標の追尾をし、空中待機機より広い探知範囲を実現する構想が5月に発表された。レイモンド構想では地上目標の追尾のみを対象にしていたが、ブラウンは空中の監視も可能だと説明している。

 

宇宙配備装備の稼働までは時間がかかりそうだ。またE-7の正式採用の話がいつ出てくるのかも見えない。だがE-3の残り稼働期間はいよいよ終わりが見えてきたようだ。■

 

The Air Force flies these planes daily. Here's why civilian airlines won't


"There’s a reason why zero, exactly zero, airlines on the planet operate the 707."

BY DAVID ROZA | UPDATED SEP 28, 2021 9:26 AM

 

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