流れが変わったと思います。大きければよいという発想ではなく、目的と経費を考えると当然の流れかもしれません。さらに電子装備での技術革新が加わるのでしょう。ボーイングには痛手となりました。737でも大きすぎるということでしょうか。コンパスコールとは搭載装備の名称だったのですね。
It's Official, the USAF's Next Jamming Plane Will Be a Gulfstream BizJet
米空軍次期ジャミング機はガルフストリームのビズジェトが選定された
The US military is finding this type of aircraft increasingly attractive for various specialized missions. 米軍の各種特殊任務機にビジネスジェット機が進出する予感
- 議会・業界の反発を押しのけ米空軍が次期ジャミング機材にガルフストリームG550ビジネスジェットを選定した。老朽化進みながら依然重要な現行機材EC-130Hコンパスコールの後継機へ道が開けたが米各軍で同様の機材を特殊任務に採用する動きにつながる可能性が出てきた。
- 2017年9月7日に空軍がL3と契約成立させコンパスコール搭載機材を新型機に移し替えることになったと発表。契約内容には機材の最終選定権が契約企業に認められ、G550となった。
- 「L3が社内検討と空軍事業推進室との協議を経てガルフストリーム550を空中早期警戒機(AEW)として選定しました」と空軍報道官アン・ステファネックAnn Stefanekが述べている。「次期コンパスコール機はEC-Xと呼称されます」
- 事業経費総額が不明のままなのは、契約はいわゆる「非明確化」方式でL3は直ちに事業に取り掛かりつつ最終価格を空軍と交渉する形のためだ。現時点でコンパスコール機能の抜本的変更は想定されず、機材に焦点が集まっている。
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- G550空中早期警戒機には一体型空中早期警戒Conformal Airborne Early Warning機の名称もついている。
- 米空軍がEC-130H初号機を受領したのは1982年のことでC-130Hハーキュリーズを改装した。以来14機体制を維持し、二回にわたる大規模近代改装のほか小改良を受けている。
- 実際の性能や改修内容は極秘扱いだがコンパスコールのミッションは敵の通信、レーダー、他電子送信を妨害して空と地上双方の作戦を支援することだ。直近ではEC-130H部隊はイラク上空を飛行しISISの無線交信や携帯電話利用を妨害し、即席爆発装置の作動を食い止め小型無人機を墜落させているはずだ。
- コンパスコールの機内装備では妨害のため各種発信源を把握追跡する機能があるため限定的ながら敵の配置や進行方法の情報収集能力も実現している。米軍がISIS作戦を開始した前からEC-130Hはイラク、アフガニスタンで60千飛行時間にわたる活動を展開していた。.
- 残念なことに機体老朽化が進み保守管理が一層困難になっている。空軍も一時はコンパスコール機材半数を廃棄する検討をしたが後継機検討はしていなかった。
- ガルフストリームに単独調達契約を交付することには議会が反対した。2016年にはEC-37Bの名称をついていた。米空軍、海軍、沿岸警備隊は初期型のガルフストリームVやG550をVIP搬送用にC-37AならびにC-37Bとして運航中だ。
- 議員にはとくに選挙区に航空機メーカーがある議員から手続きを競争方式にせよとの圧力がかけられた。空軍はこれに対してL3に委託して近代化改修を行わせ同社に機材を選択させる奇策に出た。空軍は同社に既存EC-130Hの保守管理経費を支払っている。
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EC-130H コンパスコール機
- さらに抗議の声を上げたのはボーイングとカナダのボンバルディアでそれぞれ737とグローバル6000の採用を期待していた。だが空軍は事業を先に進め、2017年8月25日に米会計検査院が両社の抗議を却下している。両社はL3は長年ガルフストリームで仕事しており最初からG550ありきの姿勢で偏向していると非難していた。
- もちろんガルフストリーム550やほかのビジネスジェット機で早期警戒管制や情報収集といった各種ミッションを行わせる構想は前からある。ガルフストリームも独自に特殊ミッション部がありイスラエル航空宇宙工業(IAI)と共同でこうした用途用の機材をイスラエル軍に提供しており、一体型空中早期警戒Conformal Airborne Early Warning (CAEW) 機と呼んでいる。これが空軍のEC-Xの原型になるはずだ。イタリア、シンガポールも独自にCAEW機を運用しており、オーストラリアもG550原型の電子戦機材の調達に向かっている。
- 手順が適正かは別にして今回の決定内容で今後の特殊任務機材に大きな意味が生まれた。G550のような比較的小型機材でコスト効果が大きくなっているのはジェットエンジン技術の改善効果が大きい。
- コンパスコールの次期機材更新は米海軍のNP-3D「ビルボード」機の更新案に続くものだ。ここでもガルフストリームG550を特殊用途に改装し、NC-37Bと呼称している。この機材はミサイルテストの監視の他各種研究調査にも投入し、あわせてテスト現場に望ましくない訪問者が来ないか監視の任務にも就く。
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米海軍のNC-37B想像図
- 同時にL3とガルフストリームはノースロップ・グラマンと合同で空軍の求めるE-8C共用監視標的攻撃レーダーシステム(JSTARS)レーダー機の後継機事業にも提案している。共同事業体はここでもG550を提案しているが機体上部に「カヌー」と呼ぶ強力なレーダーを搭載しCAEWがレドームを付けているのと対照的だ。二機種で共通性があることからノースロップ・グラマン案には大きな訴求力がある。
- EC-Xと合わせてオーストラリアが前述のようにG550を電子攻撃装備で調達するのも大きな要素だ。ペンタゴンは海外軍事販売制度で進めようとしており、米軍が機材調達すればコストを下げる要因になる。空軍他も機材運営のシステム共通化に関心を示す中で有事対応を簡素かつ安全に合同実施したいとしている。
- 今後もビジネスジェット機を原型にした機材が空軍のE-11A戦場空中通信中継 Battlefield Airborne Communications Node (BACN)通信機材といsてボンバルディアのグローバル6000を原型に搭乗するはずだ。さらにVIP用機材は各軍で広がっており、先述したC-37以外にC-20Cを大統領も使っている。
- ビジネスジェット機がもっと多くの任務をこなすことになりそうだ。機体サイズからコスト面で現存の情報収集監視機材より有利となる。大型爆撃機を簡単な偵察任務に投入しているが、はるかに合理的な活用方法となる。
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米空軍の E-11A BACN機
- 現時点で米陸軍は中古のボンバルディアダッシュ-8双発ターボプロップ機を低機能偵察機に転用する余地絵でRO-6Aとして2023年に稼働開始する。だが陸軍の使用機材ではすでに生産終了しているものがあり、G550のような機材に必要な装備を移したいと考えているのは米空軍のコンパスコール事例同様だ。
- 米特殊作戦司令部SOCOMも新型有人情報収集機材を調達して現状のU-28Aおよびビーチクラフト・キングエア原型のスパイ機の補助に充てる検討中だ。空軍の第645航空システムズ集団(特殊プロジェクト担当部門でビッグサファリの名称の方が知られている)と共同でSOCOMはドルニエDo-328ターボプロプ双発機をクーガーの名称で新型センサー他の装備試験用に飛ばしている。そのほかにも機密性の高い有人機装備があり、早晩後継機の検討に迫られるだろう。.
- G550をCAEWとして運用すればSOCOMにも情報集機材の選択肢が生まれそうだ。空軍特殊作戦軍団が供用中の機材は民間機原型でありビジネスジェットの投入はさらに訴求力を増すはずだ。
- 新型EC-Xは今後の米軍機材のトレンドの一部でビジネスジェットの大きさの機材がこれから特殊任務をより多くこなすことになりそうだ。■
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今回の記事は誤字が多いですが大丈夫ですか?
返信削除適度にお休みをとって下さい