2018年1月31日水曜日

黒海上空で(またも)ロシア機が米海軍EP-3に異常接近

Russian Su-27 Fighter Buzzes U.S. Navy EP-3 Aries Over Black Sea

ロシアSu-27戦闘機が米海軍EP-3を黒海上空で嫌がらせ






















A U.S. Navy EP-3E Aries II maritime patrol aircraft. US Navy Photo

 By: Ben Werner
January 29, 2018 1:46 PM

THE PENTAGON — 今週月曜日、黒海上空で米海軍EP-3EエアリーズII電子偵察機がロシアのスホイSu-27戦闘機に極めて近い位置まで接近された。

米第六艦隊は「今回の事案は危険飛行と判断する。Su-27はEP-3の飛行進路前方5フィートに接近し飛行進路前方を横断し、EP-3はSu-27の排気で乱気流の影響を受けた」と声明を発表した。「接近飛行は2時間40分にわたり続いた」

今回の事件を最初に伝えたCNNによればロシア機はEP-3Eに5フィートまで接近したが、海軍報道官は両機の距離は確認しなかった。EP-3EエアリーズIIはミッションを終了して基地に帰投したと報道官は述べている。
黒海では以前から危険な接近事例が発生しており、2014年にロシアはクリミア併合後に黒海地方で軍事力行使を大っぴらに行っている。米偵察機や艦船とロシア機の間で発生が増えている。昨年11月25日にはSu-30フランカーが米海軍P-8Aポセイドンに接近飛行し、ペンタゴンは危険行為と判定した。

5月にはSu-30が別のP-8Aにやはり黒海上空で迎撃してきた。報道ではロシア国防省筋が同機は「歓迎行為」をしただけと発言している。米海軍関係者はこの事案は「安全かつプロとしての仕事」と評していた。

2016年9月には黒海でスホイSu-27フランカーがP-8Aポセイドンの10フィート地点を飛行している。

ロシア戦闘機は米海軍艦船にやはり黒海の国際水域で危険な接近飛行をしている。

昨年2月にロシアSu-24の二機編隊が誘導ミサイル駆逐艦USSポーター(DDG-78)の周囲を飛び、「危険かつプロらしからぬ」行為と米海軍は非難した。2014年4月にもUSSドナルド・クック(DDG-75)にやはりSu-24二機が接近飛行し米軍欧州司令部が「危険かつプロらしからぬロシアの飛行行為に深く憂慮する」と声明を発表していた。

以下は米第六艦隊発表の今回の遭遇事件に関する声明。
2018年1月29日、単機飛行中の米EP-3エアリーズが黒海上空の国際空域でロシアのSU-27一機に迎撃された。この事案は危険飛行と判定する。SU-27機がEP-3の飛行進路に5フィートまで接近して横断したためで、EP-3はSU-27のジェット排気の中を飛行した。迎撃は2時間40分に及んだ。

ロシア軍には国際空域で作戦行動する権利があるが、国際基準に従い行動するべきで安全を第一に事故を防ぐべきで1972年に成立した国際領での危険事態予防合意(INCSEA)も基準の一部だ。危険行為は空中衝突の発生頻度を増す。米軍機は国際法に従い飛行しておりロシアを挑発するようなことはしていなかった。

米軍発表の当時の状況

★北朝鮮崩壊後の対処方法をすでに検討している米国、開戦はあり得ないと信じる韓国

 

予想通り北の方が狡猾な手に出て韓国が手玉に取られる様子が世界にさらけ出されていますが、平和だと錯覚しているのは韓国(政府)だけで世界は依然として北への警戒の念を緩めていません。この記事は韓国にも閲覧されていますが、韓国の読者の意見も聞きたいものです。しかし韓国政権は軍事行動にはすべて反対のようですね。ここまで考え抜いている向きが日本にはないのでは。




What Happens After America Destroys North Korea?

米軍が北朝鮮を崩壊させた後に何が起こるか



January 29, 2018

武装した北朝鮮を軍事的にリスク最小で打倒しつつ北朝鮮並びに同盟側の死傷者を低く抑えることは可能だ。だが戦後の朝鮮をどうするのか、また平和の確立という課題が浮上するはずだ。
平和を勝ち取るのと戦闘で勝利することには根本的な違いがある。必要な段取りも心構えも、準備、技量、経験がことごとく異なる。これらはいずれも軍事標準行動では多く語られておらず、占領軍が平和を築けないことはよくある。
ソ連の東欧占領で生まれたのが「ワルシャワ同盟」の抑圧され陰気な「同盟軍」でソ連の支配力が弱まるとばらばらになった各国だ。
ソ連は中国での共産勢力の勝利を助けイデオロギー上の兄弟関係を気づいたが中国(PRC)が核兵器保有するなど20年もしないうちに互角の関係になってしまった。USSRはPRC抑止を目的に1969年から一部核兵力を割き、USSR崩壊の1991年以降は北朝鮮(DPRK)やヴィエトナム支援の手段が枯渇してしまった。
ロシアはG8各国に失望を与え、国境を力で書き換えることは許されないとの共通理解に反する行為をしたため追放された。現在のロシアは非共産国に戻ったが強力な国力を有し西側主要国と互角の存在である。西側は冷戦に勝利しUSSRをバラバラにするのに成功したもののロシアとの平和構築に失敗した。
DPRKを支えようとPRCが介入したが、北朝鮮はむしろソ連に近く、戦闘は大きな代償につき、DPRKは米国の保護を受けた韓国(ROK)、日本に先を行かれてしまった。さらにDPRKはPRCの防波堤として米国に対抗するのではなく、自ら引き金を引いて国連軍の結束を促し、朝鮮半島の非核化を旗印にした戦いの口火を切りそうになっている。
ニクソン大統領が訪中してほぼ50年、中国共産党(CCP)がPRCを導いてきたがイデオロギーや地政学で双方の違いが明らかになりつつある。PRCはCCPによる世界制覇と戦後の自由な国際秩序に代わる体制の実現を助けようとしている。
トランプ政権がこの度発表した国家安全保障、国防、核戦略の核構想では世界を二大勢力の抗争の場ととらえている。ロシア、そしてもっと能力が高い共産中国で、とくにCCPの経済侵略、商業主義戦略と米国とその同盟国の転覆を狙う姿勢は米国にとって高い優性順位が付く課題だ。
同盟各国もロシアもPRCも自由と民主主義を模索していないことを承知している。この関連でPRCをソ連から引き離したことで生まれた1972年から2000年の間のつかの間の優位性はあたかも第一次大戦後のドイツに再軍備を許したのと同様の大きな間違いだったとわかる。
過去事例の教訓から米国や同盟各国はDPRKの非核化は最終的かつ非可逆的な誠実な執行しか受け付けるべきでない。それが無理なら軍事オプションで同じ結果を実現するしかない。前者ならDPRKは存続の可能性が残るが後者はDPRK体制の終焉を意味する。連合軍が軍事行動を実施した場合、PRCがDPRKⅡ型を作るのは認めることはできない。
もしPRCがロシアとともにDPRK非核化を軍事面あるいは陰で阻止しようと試みれば、連合軍は強い反応を示すだろう。そのような試みで限定戦争あるいはDPRKを陰で助けようとすればロシア、中国は世界市場から遮断され、資産凍結、世界金融制度からの締め出しにつながる。その場合、ロシアと中国は経済不況に陥る。
ではDPRK問題で連合国と完全な協力をするとなればPRCとロシアには非武装緩衝地帯となる新しい国家が生まれる。いかなる形であれ両国が干渉すれば連合国にはDPRKをROKが吸収するドイツ方式をとらざるを得なくなる。
韓国統一省からヒントが出ている。ROKは勝利者になる想定はできないようだ。ドイツ統一の教訓は貴重であり朝鮮統一にも応用できるはずだ。
戦後の統一では連合軍が勝利者となっても国内に戦闘員が出現するのを防ぎながら統治効果を最大店にする工夫が必要だ。まず安定させてから変化のスピードを上げていく。
イラク戦争(2003年のイラクの自由作戦)終結後の悲惨な過ちは侵攻軍がイラクを戦闘終了後直ちに占拠しなかったことだ。侵攻軍はイラク軍を打倒したが人口周密地点すべてを占拠できず略奪や妨害行為を発生焦るままにした。政府機関内の略奪行為や職員逃亡で組織機能が崩壊した。政府機能を一から再建する必要が生まれた。
連合軍臨時行政府も悲惨な間違いをしている。イラクの軍、保安部隊、情報部隊やバース党の解体がそれであり、イラク政府の民営化を命じたこともその例だ。無政府状態の市場が生まれ、生活は「厳しく、残虐で、短く」なった
失業し、無休状態の兵士や元政府職員が行ったのは軍装備の盗難で武装集団を作ることで新しく手に入れた自由と無職の身を利用して盗み、強奪、反乱を繰り広げることで、これが今日まで続いている。
イラクと好対照なのが西ドイツで東関係者や軍幹部をうまくたぶらかそうと東ドイツ通貨マルクを好条件で交換した。この取引で組織だった抵抗は東ドイツでは見られなかった。
ROKには豊かな経済があり同様にDPRK関係者にもDPRKウォンの有利な交換率で釣る方法がある。再統一ため交換レートを水増ししても米国がアフガニスタン、イラクで経験した内乱状態が防止できるのなら、わずかな代償にすぎない。
ではDPRK関係者軍当局に現在の職位を多少名前を変えても継承できる保証を与えたらどうなるか。これも多少の負担が生じるが、国内の治安回復には効果が高いだろう。DPRK住民にROKの社会保障制度を享受させるのも経済安定化に重要な対策となろう。
私有財産権がROK対DPRKの決定的な要素になる。新たに自由を手に入れた住民にこれをどう理解させるのか。戦前は使用権しかもっていなかった住民に居住住宅の権利を与える。住宅など保有していなかった住民には建築次第新居を与える証明書を与える。ROKは大規模住宅建築の展開で雇用を創出する経済力がある。
全住民に住宅所有権を与えればROKは簡単に全員を資産保有者にできる。同様に産業界、商業界、農園他を協同組合化し、加盟員を株主にする。行政上は極めて複雑な内容だが、ROK行政組織の能力で十分実施可能なはずだ。
全員を所有者にできれば理論上は素晴らしいが、実践では住民の大部分に教育期間が必要で市場原理や財産をどう守り増やすか教える必要がある。
ロシアの私有財産化での教訓はこうした工程では貧窮した住民が資産を最低価格で売却するのを防ぐ必要を示している。ロシアではこうした売却で寡頭勢力の出現を許し、中産階級の整備を阻害してしまった。
資産所有権の移転を旧DRPK住民に行う際は何らかの制限を課すべきだろう。これで急速な売却処分を防ぎ、物価急騰も避けれるはずだ。
資産を保有しながら一定収入がある階層が生まれるまで教育が必要でこれには時間がかかる。市場原理の導入はあくまでもゆっくりと進める必要がある。時間がたつのは早く感じられるが、中産階級が出現すれば民主主義の基盤となる。
DPRK住民をROK政治体制に組み込むのが難題だ。現時点でROKではDPRKから脱出した住民に市民権を与え、政治参加に何ら制限を加えていないようだ。統一で新たな有権者が出現して特定政党に全員が同調すればROK政治体制を崩壊させかねない。
移行期間中に各政党に「割り当て」を設定しながら旧DPRK住民を組織化するのいい案だろう。つまりDPRK住民をROK政治体制の安定化につなげるよう急に全員を有権者にするのを避けるのである。70年待ったのだから10年くらい待っても問題ないだろう。米国史ではユタ州の事例が政治体制を不安定化させない工夫として参考になるだろう。
地政学も深刻だ。PRCとロシアが安全保障上で心配になるのは当然だ。ROK軍部隊を現在の軍事境界線以北へ進駐させない対応が必要になるかも知れない。ロシアとPRCとの国境線に小規模の警戒部隊を配備するのは合理的な条件になろう。ただし米国、日本、ロシア、PRCがROK国境線を保障する必要が生まれる。
ROKに潘基文(前国連事務総長)のような優秀な人物があれば、自らの手で有望な解決策で各国にも満足のいく方法が見つからるはずだ。
最後に、DPRK内の「ロケット科学者」、核工学、生物化学兵器専門家はROKで雇用する必要が生まれるだろう。ただ厳しく監視し兵器拡散を回避する必要がある。
平和を勝ち取るため連合軍各国はROKとともに軍事オプションを真剣に検討する必要がある。米国はアフガニスタン、イラク、シリアの再来は望まない。連合国は朝鮮半島再建は住民の手にまかすべきである
鮮戦争は恐ろしい悲劇だった。今度こそ朝鮮半島の住民の手による成功を支援し事態を終結させよう。国際社会は一世紀後にこの効果を評価するはずだ。
Danny Lam is a Senior Contributor to Warrior Maven
This article originally appeared on Warrior Maven.

大規模戦闘の課題に準備を開始した米陸軍は長期戦を覚悟

アフガニスタン、イラク等への展開が16年も続いており、米陸軍の戦力が小規模治安維持作戦に特化してしまったことに警鐘を鳴らしているのですね。


Chief: The Army has to start preparing for 'the big war'「大規模戦」対応を開始した米陸軍



101空挺師団第二旅団戦闘チームの隊員がフォートブリス(テキサス州)で演習中。, July 15th. (Army)



 By: Meghann Myers
陸軍は30年を要する大変身の途中にある。参謀総長マーク・ミレイ大将はこう語り、中心を治安維持作戦から米軍と戦力が互角の相手との長期地上戦に移す。
 陸軍は地上装甲車両、ヘリコプター、通信機器から各隊員の個人装備まで装備を一新させると大将と陸軍協会主催のイベントで語った。
 「この変革は文字通り抜本的で今この瞬間も続いており、戦争の性質の変化への対応します」
 陸軍が立ち上げた近代化本部にはパズルの各ピースを迅速かつ効果的に集める任務が課せられている。
 だが陸軍は戦闘時にまず必要となる装備の整備に最高優先度を与える必要があるとも述べた。
 「わが軍の隊員が最良の装備を受けて、訓練を受け、リーダーシップを強化してきたのはすべて人間中心だから可能であり、さらに我が国の経済が最強だからこそ可能なのだ。一人一人に至るまで世界最高だ」
 米国に匹敵する戦力を有した相手との「大規模戦闘」では長期戦を覚悟する必要があると述べた。「将来の戦闘環境、作戦環境では各隊員への要求が厳しくなりそうだ」
 エクソスケルトン状のボディアーマーを陸軍は長期地上戦で戦う隊員に導入する。もう一つは認識訓練 cognitive training で過酷状況に対処できるようにするという。
 さらに合成訓練 synthetic training で各部隊は実際の配備前に繰り返し訓練を受けるので費用対効果が高くなる。
 「シミュレーションで真の恐怖は再現できないのでどうしても限界がある。だが戦闘指揮官には意思決定が基本だ」
 仮想訓練で地形、天候、その他条件を変えて従来の演習地での訓練より多様な状態に備えることが可能となり、将来いかなる条件が生まれても対応可能となる。
 「あらゆる条件や環境、地形でも陸軍の現場指揮官は正しい戦術を元にした決定が可能となる。この技術がすでに実用化されている。これを繰り返し繰り返し実施していく」
 すべてが完璧な世界の想定では各部隊の訓練を最適化できる。
 「三時間から三時間半の体力トレーニングで最高の状態にする」とミレイ大将は一日の始め方を述べ、その後食事、繰り返し訓練、食事、そして訓練を行う。
将来への投資
 近代化に必要な予算について分かりやすく説明するべく、ミレイ大将はディック・コディ大将(退役)の話を持ち出した。砂漠の嵐作戦の開幕でAH-64アパッチ攻撃ヘリを操縦し、その後参謀本部次長を務めた。
 「ここまでやり遂げられたのは長年の訓練のたまものであり、70年代に『新型攻撃ヘリが欲しい。AH-1コブラの代替機材が欲しい』と声を上げてくれたためだ」
 同様にこれからの脅威への対応が今から必要だというのだ。「今にしがみつくと将来を失うことになり、10年15年後の世界で苦しむことになる」
 近いところでは政府予算の継続問題があり、長期的には陸軍には治安維持作戦と大規模戦闘の両方をこなすだけの兵員数がしかるべき訓練を受けていることが必要だ。
 「そのためには常時地上部隊の66パーセントを戦闘可能な状態に保つ必要がある」「その目標に向け全力を尽くす」
 ただし、ミレイ将軍は具体的に何名の規模が必要なのかに触れなかった。ジム・マティス国防長官が国家防衛戦略でこれから明らかにする前には口にできないのだろう。
 「正しい方向に向かっているし、そう言っておきたい」とだけ述べている。■

2018年1月30日火曜日

中国空軍ボーイング737(?)が墜落 貴州省



Date:
Monday 29 January 2018
機種:
Silhouette image of generic B738 model; specific model in this crash may look slightly different
運航者:
機体登録番号:
registration unknown
C/n / msn:

First flight:

乗員:
Fatalities: / Occupants:
乗客:
Fatalities: / Occupants:
合計:
Fatalities: / Occupants:
機体損傷度:
Destroyed
機体処分:
Written off (damaged beyond repair)
発生地点:
Zhengchang, Suiyang County, Guizhou Province (   China)
事故時の状況:
En route (ENR)
種別:
Military
出発地空港:
?
目的地空港:
?


中国人民解放軍空軍(PLAAF)所属のジェット輸送’(機機種未確認)が貴州省綏陽近くで山地に墜落した。


中国国防関係筋から情報はほとんど出ていない。機種も発表されていないが、映像でボーイング737または類似した機体が低高度で飛行しているのが見える。


PLAAFはボーイング737-300、-700、-800を、VIP輸送から空中指揮命令所まで多様に運用している。

米核戦力の基礎知識(1)オハイオ級SSBN/巡航ミサイル運用艦SSGN

 

The Navy Has 1 Submarine That Could Destroy North Korea (On Its Own) 

北朝鮮はこの潜水艦一隻で破壊可能





January 24, 2018


島、長崎への原爆投下から9年後の映画「ゴジラ」が深海から目覚めた怪獣が日本を襲う状況を描いた。ただしもっと恐ろしい怪物がその後海中に展開した。つまり弾道ミサイル潜水艦、米海軍用語で「ブーマー」である。
 中でも一番恐ろしい海の怪獣がオハイオ級弾道ミサイル潜水艦で米国の核兵力半分以上を搭載する。
 計算すれば、オハイオ級が人類史上最大の破壊力を有しているのがわかる。全長170メートルの各艦で24本のトライデントII潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載し、水中から発射し最大7千マイル先の標的を狙う。
 トライデントIIは大気圏再突入後にマッハ24まで加速し独立再突入体8つに分離し各100-475キロトン核弾頭を搭載する。オハイオ級の一斉発射は1分未満で完了し、弾頭192発で24都市が地図から消える。悪夢の兵器と言ってよい。
 オハイオ級に一番近い競争相手はロシアで一隻のみ残る大型で24本のミサイル発射菅を有するタイフーン級潜水艦だ。中国、ロシア、英国、フランスがそれぞれ弾道ミサイル潜水艦を運用中だがオハイオ級並みの威力はない。
 国家そのものを消滅させかねないこれだけ大規模な兵器を運用する理由は何か。
 核抑止力の論理では先制攻撃で陸上配備ミサイルや爆撃機が全滅しても弾道ミサイル潜水艦が海中深くに潜んでいれば追尾探知が困難で残存性があることになる。このため弾道ミサイル潜水艦は核報復攻撃で誰も止められない手段となり、まともな相手なら第一撃の核攻撃をためらうことになる。少なくともそれが期待される。
 そのためトライデント搭載オハイオ級潜水艦にとって一発も発射しなければ任務は成功したことになる。
 オハイオ級の就役開始は1980年代で各艦潜航時の排水量は18千トンで米海軍最大の潜水艦だ。ヘンリー・M・ジャクソンを除き、各艦は州名がつき、かつての戦艦の伝統を引き継ぐ。
 核兵器が飛び交う事態になればブーマーには超低周波無線で発射命令が入る。ミサイルが目標設定してない場合は迅速に座標を入れる。オハイオ級初期建造の8隻はトライデントI C4弾道ミサイル運用の設計だったが現時点では全艦がトラインデントII D5運用可能となり、射程が50%伸び、精密攻撃が可能となったので第一次攻撃でも軍事施設を標的にできる。
 オハイオ級には21インチ発射菅4本もあり、マーク48魚雷を運用する。ただし、魚雷は防御用とされ、弾道ミサイル潜水艦の仕事は敵艦船攻撃ではなく可能な限り動きをせず静かに待機し探知を逃れることだ。原子炉により無制限の海中待機が可能で20ノット巡航でもノイズはごくわずかしか出ない。  
 危機が発生しても、原子力潜水艦は哨戒を続け交信は最小限とし可能な限りステルス性を維持する。オハイオ級は乗組員154名の2チームに、ゴールド、ブルーの名称がつけ、交互に哨戒にあたる。一回出港すると70日から90日潜航したままで、USSペンシルヴェイニアが140日の最長記録を樹立している。哨戒前後に一か月を置き、補給を受ける。
 ワシントン州バンゴーにブーマー9隻が配備され太平洋での哨戒にあたる。ジョージア州キングスベイには5隻があり大西洋で活動する。冷戦終結に伴い戦略兵器削減条約STARTで米核戦力は縮小された。当初は艦齢の高い艦から退役の予定だったが、海軍はオハイオ級18隻の4隻を改修し地上・海上目標に通常巡航ミサイル運用艦として活用することとした。USSオハイオがまず選ばれた。
 2011年に発効した新START条約に核兵器の数量制限が追加された。現在はオハイオ級12隻を現役運用し各トライデントII20本を搭載する。二隻は大修理に入り、常時ミサイル240本弾頭1,090個を戦力とする構想だ。これだけあれば世界を数回破壊できる威力があるので、タカ派の皆さんも心配は不要だ。
ハイオ級は2020年代末まで供用しつつステルス性を向上する改修も受ける予定だ。後継艦はコロンビア級と呼称され、単価40億から60億ドルで隻数は減るが新型原子炉の採用で途中の大修理燃料交換が不要となる。同級は2085年まで供用される予定だ。■
Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

This first appeared in 2016.

2018年1月29日月曜日

平壌核攻撃で150万人死亡、金正恩はこの事態を回避できるのか

Bloggerが次々に仕様を変えているようで、以前の記事の画像が見えなくなるトラブルが発生しています。今回から画像のアップロード方法を変えますので解決になるはずですが、引き続きご指摘ください。


1.5 Million Dead: This Is What Would Happen If America Nuked North Korea's Capitol

北朝鮮首都を米核攻撃すれば死亡150万人








November 24, 2017


情報機関にとって北朝鮮は最も手ごわい情報収集対象だ。情報の収集解析は時間がかかり危険な作業で、現地協力者の確保には数か月数か年もかかる。中央情報局、国家安全保障庁、国家情報局も北朝鮮国内の情報源は極めて乏しい。ワシントンがあてにできるのは衛星画像や電子信号傍受だが国家情報局長ダン・コーツ Dan Coats も上院情報委員会で「成果は極めて限られている」と述べていた。
ただし、一つ確実なことがある。金正恩が核ICBMを米本土内の都市に向け発射命令を出す狂気のシナリオ(米攻撃すれば米国が折れると金正恩が信じるという前提)ではドナルド・トランプ大統領は躊躇せず「怒りと炎」の核報復攻撃を命令する。実施の可否は議論とならず、北朝鮮のどこを狙うかが議論対象だろう。
核報復攻撃では首都平壌が標的になるのはあきらかだ。金正恩は一族や軍高官と地下退避壕に隠れているはずだが、それでなにも違いは生まれない。米報復攻撃の目的は北朝鮮軍の指揮命令機能を崩壊させ、経済体制や統治機構を抹殺し、国家として金正恩が核攻撃を継続できなくすることにある。発射可能な核が残らないのが理想的だ。
アレックス・ウェラーステイン Alex Wellerstein の主宰するNukeMapウェブサイトを使い、米国が平壌中心部に750キロトン核兵器を投下した場合の人的被害を推定してみた。なお、米国で最大威力の核兵器はB83で1.2メガトンである。平壌は高密度都市のため150万人が死亡すると分かった。国連人口統計では北朝鮮人口は25.3百万人で、750キロトン核爆発一回で人口の6パーセントが消滅することになる。これを米国に当てはめれば19.3百万人が一度に死亡するのと同じ意味を有する。
推定負傷者855千名をくわえると合計死傷者は2.3百万人になる。
では平壌で消える地点、残る建造物はどこか。戦勝祖国解放戦争博物館が平壌北東部にあり、訪問中の人たちは50ないし90パーセントが死亡する。ケソン青少年公園では建物の崩壊で死亡するものが多数発生するだろう。大同江をはさむ模範労働者施設でも悲惨なん光景が展開する。熱と放射能の範囲内の住民は第三度の火傷で四肢切断しか生き残る手段がなくなる。その範囲は11.1キロ四方に広がる。金正恩の肝いりで生まれた高層建築物は無駄な投資になる。
もちろんこのような人の手による大災害の発生を望むものはない。人命をここまで簡単に消失させるのはそれぞれの人生の可能性を否定し全くの無駄であり、道義上も問題がある。世界のいかなる地点であれ核攻撃は人類文明の進展を止め、医学が進歩したといえども21世紀の住民は穴居人並みに原始的であることが判明する。
朝鮮は幻想をいだくべきではない。米本土を核攻撃する常軌を逸した決断をすれば、自国の消滅を覚悟せねばならない。ドナルド・トランプには強力な核報復攻撃しか選択がないはずだ。■
Daniel DePetris is a fellow at Defense Priorities.