2022年12月2日金曜日

いよいよ実機公開が12月2日(現地時間)に迫るB-21で採用した最新技術を推理する

 

 

画期的な新ステルス技術なのか?慎重に設計されたコーティングとレーダー吸収材料か? 音響・熱シグネチャーの管理?

 

 

(ワシントンD.C.)新しい米空軍B-21レイダー・ステルス爆撃機の劇的で待望のお披露目の準備が始まっているが、大部分が「ブラック」のプログラムに関する膨大な情報と詳細が謎のままだ。新型B-21に関しては、確かに多くが「未知」だが、それでもいくつかの利用可能な詳細と関連性のある多くの「観察」が出ている。

 慎重に設計されたコーティングとレーダー吸収材料、音響と熱シグネチャ管理システム、クラウドコンピューティングなど画期的な新しいステルス技術は、空軍の革新者と武器開発者で焦点の領域であった。新しいデータ処理とネットワーキング機能、AI対応のデジタル飛行制御、エイビオニクス、センサー、新しい武器や技術が出現したときに対応する「内蔵」能力はすべて、爆撃機の技術的重点分野と思われる。

 

 何年も前だが、空軍の上級兵器開発者はB-21について、「世界中のどんな目標でも、いつでもどこでも危険にさらす」能力で飛行すると力強いコメントを発表していた。開発者はまた、長年にわたって、新しいB-21はパラダイムを変える新世代ステルス技術を組み込むと言い続けてきた。おそらく、最も高度なロシア製のS-400とS-500防空網さえからも突破するのに十分なものなのだろう。

 長年にわたり、B-21プログラムは空軍の指導者たちから、ステルス技術を低観測性の新時代に押し上げる一方で、時間とコストの両面で非常に成功したプログラムであると賞賛されてきた。空軍とノースロップ・グラマンの開発者は、この理由の1つとして、「デジタル・エンジニアリング」技術の活用を挙げている。デジタルエンジニアリングにより、兵器開発者はコンピュータシミュレーションを通じ兵器の主要な性能パラメータを再現でき、実際に「金属を曲げたり」プラットフォームを作ったりせずに、技術の改良、評価、開発を行うことが可能になった。これにより、開発プロセスが合理化され、サプライチェーンと調達プロセスが改善され、新型航空機の製造プロセスでリスクが低減された。

 B-21の広帯域ステルスのコンセプトは、航空機がそこにいるかどうかを識別できる低周波の「監視」レーダーと、実際にターゲットを追跡して航空機に発砲する高周波「交戦」レーダーの両方を回避する能力を目指している。B-21は、敵レーダーから見ると「鳥」のように見え、敵に存在すら気づかれないように設計だ。

 B-21の生産と技術的な詳細のほとんどは、明らかに保安上の理由で公開されていないが、空軍上層部の間では、この新型機がいかに画期的でパラダイムを変えるレベルのステルス技術を組み込んでいるか広く議論されてきた。このことは、ロシアや中国の防空技術の急速な進歩を考えれば、非常に重要だ。ロシアのメディアは、新型のS-400とS-500地対空ミサイルは「ステルス」機でも追跡し撃墜できると主張しているが、ここまでの野心的な主張は、実質的に検証も裏付けもされていないようだ。しかし、わかっているのは、ロシア製の新しい防空ミサイルはネットワーク化され、高速コンピューター処理で、より遠くの目標を見たり探知し、より広い周波数帯で作動できるようになっていることだ。

 しかし、これらのシステムがステルス爆撃機、特にB-21のような高度な爆撃機を「命中」させたり、交戦させたりできるかといえば、そうではない。レーダーや防空システムは、低周波の監視レーダーで、何かが「そこにある」、あるいは一般的な作戦範囲にあると判断することには成功するだろうが、だからといって、そのシステムが実際に移動中のステルス爆撃機の目標軌道を確立し、実際にステルスプラットフォームを「破壊」できるわけではない。このためには、より高い精度、追跡ループ射撃制御、画像忠実度が必要で、B-21には多くの「未公開」ステルス特性が組み込まれているようだ。

 

 確かにその外観構成を見ると、胴体は丸みを帯びた混合翼胴型で、排気口が「見える」ことはない。胴体後部に排気口があるB-2と異なり、B-21には何もないように見える。これは、エンジンの熱を逃がす新しい方法を発見したか、あるいは単に機体後方から放出される熱シグネチャを調節したことを示唆しているのか。ステルス技術の重要な目的は、航空機本体とその周囲の気流をできるだけ周囲の大気と同じ温度に保ち、敵の熱センサーに感知されるような熱の差を少なくすることにあり、これは非常に重要である。

 新型B-21はまた、無人機を制御し、有人-無人チーム編成を大きく前進させる可能性が高いと空軍上級幹部は述べている。

 

 ジーナ・オルティス空軍次官Undersecretary of the Air Force Gina Ortizは、空軍の2023年度予算要求の発表の場で、「より高いレベルの能力を提供するため、B-21に、低コストで補完的な無人航空機を導入する可能性を評価している」と記者団に述べた。

 B-21を「システム・ファミリー」という文脈で呼ぶことが多いが、空軍の上級幹部はかなり以前から、この新型機が無人ミッションに対応できることを期待し議論してきた。この作戦概念は、B-21自体に無人飛行の準備をさせたり、機体のコックピットからネットワーク化されたドローンのグループを操作したりと、いくつかの方法で発展させることができる。「NGADと同様に、手頃な価格の乗員なしの自律戦闘機の使用の可能性を含む、B-21システムファミリーのすべてのコンポーネントを識別する」。"空軍長官フランク・ケンドールは、昨年の空軍報告書で述べている。

 もちろん、急速に進化する航空戦の変数の中でリアルタイムの動的な調整に重要とみなされる人間の認知のユニークな意思決定の属性に代わるものはありませんが、爆撃機と緊密に連携しドローンを使用する前例のない利点もある。このような「忠実なウィングマン」能力は、空軍の試験・開発で急速に進展しており、有人クルーがコックピットから飛行経路とセンサーペイロードを制御することが可能になる。これにより、有人クルーは安全なスタンドオフ・レンジで活動できるだけでなく、前方の「ノード」またはセンサー・プラットフォームから、監視、敵の防空テスト、さらには人間の指示で武器投下を行うことができるようになる。

 

 空軍の無人機「バルキリー」などのプログラムを通じて、F-35やF-22が無人機と一緒に飛行し、操作する能力をすでに実証している。これにより、時間的制約のある監視やターゲティングのデータは地上局を経由する必要がなくなり、待ち時間が大幅に短縮される。

 また、B-21の有人・無人チーム化により、より大きな武器積載量、目標地点での滞空時間の増加、より広い範囲での攻撃など、戦術的可能性が広がる。また、有人B-21が指揮統制の役割を果たすことで、武装した無人機が敵防空網を攻撃したり、EWで妨害したり、あるいは武器を投下することも可能となる。無人機には、ケンドル長官が「帰属的」と呼ぶ、低コストのミッションシステムも組み込むことができる。

 「無人機や無人システムは、様々なセンサーやその他のミッションのペイロード、武器、その他のミッション機器を運搬することができ、また、そうすることで大きな作戦上の利点が得られる場合は、それを帰属させたり犠牲にしたりすることもできる。しかし、有人攻撃能力を補完するため最も費用対効果の高いアプローチと運用コンセプトは、分析され定義されるのを待っている。

 また、B-21が新世代のデータ処理、センシング、武器採用、AI搭載コンピューティングを取り入れることは、合理的な仮定だ。数年前、元空軍の調達幹部ウィリアム・ローパーは、ソフトウェアと任務指揮の主要要素に関するB-21の進歩について、開発者がより高いレベルの情報処理、データ管理、コンピュータによる自律性をもたらすことを意図した、ソフトウェアによる必須のプロセスを完了したと、重要なコメントを発表していた。

 仮想化とソフトウェア・ハードウェアの相乗効果により、B-21のセンサー、コンピュータ、電子機器は、エイビオニクス仕様のチェック、高度と速度の測定、異種センサー情報の統合など手続き機能を拡張、展開、合理化できるはずだ。事実上、敏感なセンサー、標的、航法データは、コンピューターによって管理、組織化される。これにより、パイロットはより速く、より多くの情報に基づいた戦闘上の決断を下すことができるようになる。

 「コンテナ化ソフトウェア」とは、コンピュータのオペレーティングシステムをプログラムすることで、異なる機能を同時に効率化・区分けし、しかも各アプリのためにマシン全体を起動させず実現する能力を指すと「Kubernetes」ウェブサイトが述べている。ローパーは、「アプリケーションの展開、スケーリング、管理を自動化する」コンピューターシステムである「Kubernetes」を挙げた。ローパーが挙げたこの多くは、アプリケーションのコンテナ化で実現される。Techtarget.comによれば、これはOSレベルの「分散アプリケーションの展開と実行に用いられる仮想化手法」と定義される。コンテナ化によって、複数の「分離されたアプリケーションやサービスを1つのホスト上で実行し、同じオペレーティングシステムにアクセスする」ことが可能になる。

2023年は、新型爆撃機が低速初期生産に入る年となり、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地では数カ月前から最終テストと準備が進められてきた。■

 

The World Awaits the "Secretive" B-21 .. What Might Its Technologies Include?

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN - CENTER FOR MILITARY MODERNIZATION

https://warriormaven.com/air/b-21-technologies

 

 

Kris Osborn is the President of Warrior Maven - Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.

 


2022年12月1日木曜日

バイデンは中国、イランのデモ勢力になぜ発言を控えているのか。(これは岸田政権についても同様)当たり前のことを当たり前と認める機会が来ている。

  

 

Joe Biden

2022年11月18日(金)、ホワイトハウスのアイゼンハワー行政府ビルのサウスコート講堂で行われた経済に関する企業・労働者リーダーとの円卓会議に参加し、発言を行うジョーバイデン大統領 (Official White House Photo by Erin Scott)

 

2022年11月18日(金)、ホワイトハウスのアイゼンハワー行政府ビルのサウスコート講堂で行われた経済に関する企業・労働者リーダーとの円卓会議に参加し、発言を行うジョーバイデン大統領(ホワイトハウス公式写真:Erin Scott)。

 

イデンは中国とイランのデモ参加者に向け力強く発言すべきだ。中国のデモは、ホワイトハウスを驚かせた。アメリカの「ほぼ同業者」であり、最大の軍事的脅威である中国が、少なくとも一時的に、抗議行動で足止めされたことは、国務省や情報機関のトップの中国担当者でも予想していなかった。

 

 

バイデン政権の反応は弱かった。「我々は長い間、米国や世界中で、誰もが平和的に抗議する権利を持っていると言ってきた。これにはPRC(中華人民共和国)も含まれる」と国家安全保障会議の声明にある。

 今回もまた、政治任用者と職業外交官は、米国が置かれているイデオロギーの戦い、その結果が今世紀の残りのルールに基づく秩序の運命を形作ることになるということを理解しているというよりも、まるでコンピューターアルゴリズムで反応したかのようであった。このように、声明が持つ意味も、温和さで損なわれている。

 バイデン政権の反応が鈍いのは不思議ではない。とバイデン大統領の側近の多くは、2009年にイランで起きた抗議行動でも、オバマ政権で国家安全保障や外交の要職に就いていた人物だからだ。当時デモ参加者は「オバマ、オバマ、ヤ・バ・オ・ナ・ヤ・バ・マ」(「オバマ、オバマ、君は我々と共にあるか、我々に敵対するか」)と唱えていたが、ホワイトハウスは沈黙したままであった。

 バラク・オバマ大統領は、3つの理由で抑制的な反応を望んだ。第一に、米国にできることはほとんどない。さらに、側近の多くは、デモ参加者を支持する発言をすれば、最高指導者ハメネイが「彼らは外国のスパイだ」と非難し、デモ参加者を委縮させかねないと考えていた。最後に、オバマはハメネイに密かに接触し、イラン最高指導者が自国の政権に反対する発言を交渉しない口実にすることを望まなかった。

 いずれも、オバマの判断は間違っていた。残念ながら、バイデン政権のオバマOBは今日、同じ過ちを繰り返している。

 まず(そして最も重要なことだが)、米国は平和的抗議の権利を超えた原則を代弁できる。今日の戦いは、リベラルな秩序をめぐるものだ。例えばホワイトハウスは、民主主義、政府の説明責任、自由の美徳について話す。中国全土の問題は、単に国民の抗議する権利ではなく、むしろ中国国民をこの道に導く権力の乱用である。個人の自由についてである。中国共産党は、自分たちの体制が西側の民主主義より優れていると繰り返し主張してきた。長年にわたり、彼らはトム・フリードマンやジェフリー・サックスなど、そうした主張を増幅させるようなコラムや発言をするジャーナリストや学者を探し出してきた。

 今こそバイデンは、西欧の民主主義が優れていることを示すべき時である。COVID-19対応に関し民主党と共和党が内紛を起こしたとしても、西側のリベラリズムと中国共産党の独裁主義との間の競争とは比べものにならない。中国国民は感じている。バイデンは、民主党と共和党の政策対応が、習近平主席が現在押し付けているものよりいかに優れていたかを語るべきだ。民主主義国家は、一人の男のエゴで社会を曲げるのではなく、失敗から学ぶ。ドナルド・トランプ大統領のような男のエゴに脅かされても、アメリカでは法の支配が優先される。バイデンはさらに、中国は偉大な文明であり、誇るべきものがたくさんあるが、中国共産党はその頂点を代表しているわけではないと説明するべきだ。台湾も、また以前は香港も、民主主義と中国文化が相容れないことはないことを示している。イランとイスラム共和国についても同じことが言える。この2国は同義語ではないし、これまでもそうだった。イラン人は自由を得るに値する。彼らはその準備ができている。アメリカ人が彼らの自由を応援していることを理解するべきだ。

 そうなると、デモ参加者に道義的支援を提供すると委縮させることになる。だが、これは間違っている。世界中のデモ参加者が英語の看板を掲げているのは、外の世界とコミュニケーションを取り、その認識を得たいからだ。同時に、独裁者たちは、彼らが支援を受けるかどうかにかかわらず、外国からの支援という非難を浴びせようとする。支援を否定すれば、北京とテヘランが抗議行動を孤立させるのを助けることになり、独裁者の手の内に入ることである。

 オバマのイランへの働きかけは常にナイーブなものだった。ヒラリー・クリントン国務長官の補佐官として活動を始めたジェイク・サリバンは、いわゆる体制改革派の誠意と、関与すればイランの選挙で内部バランスを強硬派から改革派に変えられるという考えの両方を信じるナイーブさを持っていた。実際には、イラン側は、「良い警官と悪い警官」という手の込んだゲームで、彼を操るように動いた。今日、ロブ・マリー特使とジョン・ケリー気候変動担当相は、人権やイランや中国の人々の自由への熱望よりも独裁者との外交を優先させ、オバマ大統領の過去の誤りを繰り返している。

 選挙期間中、誰も予想しなかった危機が、ほとんどすべての政権の外交政策の遺産を形成している。ロナルド・レーガンにとって、それは冷戦の終結であった。ジョージ・H・W・ブッシュはクウェート問題。ビル・クリントンにはバルカン半島、ジョージ・W・ブッシュには9.11、バラク・オバマにはシリアとリビア、そしてドナルド・トランプにはCOVID-19があった。バイデンの出番は今だ。選択しなければならない。ルールに基づく秩序を解体したい者たちを擁護するのか、それとも、世界中の自由と解放を守り前進させる機会を本質的に放棄するのか。

 

Why Isn't Joe Biden Supporting Protests in China and Iran? - 19FortyFive

 

ByMichael Rubin

 

Now a 1945 Contributing Editor, Dr. Michael Rubin is a Senior Fellow at the American Enterprise Institute (AEI). Dr. Rubin is the author, coauthor, and coeditor of several books exploring diplomacy, Iranian history, Arab culture, Kurdish studies, and Shi’ite politics, including “Seven Pillars: What Really Causes Instability in the Middle East?” (AEI Press, 2019); “Kurdistan Rising” (AEI Press, 2016); “Dancing with the Devil: The Perils of Engaging Rogue Regimes” (Encounter Books, 2014); and “Eternal Iran: Continuity and Chaos” (Palgrave, 2005).

In this article:China, featured, Iran, Joe Biden, Protests

WRITTEN BYMichael Rubin

Now a 1945 Contributing Editor, Dr. Michael Rubin is a Senior Fellow at the American Enterprise Institute (AEI). Dr. Rubin is the author, coauthor, and coeditor of several books exploring diplomacy, Iranian history, Arab culture, Kurdish studies, and Shi’ite politics, including “Seven Pillars: What Really Causes Instability in the Middle East?” (AEI Press, 2019); “Kurdistan Rising” (AEI Press, 2016); “Dancing with the Devil: The Perils of Engaging Rogue Regimes” (Encounter Books, 2014); and “Eternal Iran: Continuity and Chaos” (Palgrave, 2005).


リバティリフター構想:アジア太平洋の距離の暴虐を克服できるか。DARPAが画期的な大型輸送用水上機コンセプトでジェネラルアトミックス案を採択。

 

DARPAの未来型機材「Liberty Lifter」のコンセプトアート。(Image provided by DARPA.)



DARPAがGeneral Atomicsの低空飛行水上機Liberty Lifterのコンセプトを採用


バティリフタープログラムは、よく知られているが使いにくい物理学のトリックで、国防総省が航空輸送と海上輸送に取り組む方法を一変させるのがねらいだ



米国防総省の主要な研究開発機関の1つは、軍の空輸・海上輸送能力変革を目的とする新構想「リバティリフター」プログラムにジェネラル・アトミクスASI社案を採用した。

 国防総省の11月25日付契約発表によると、国防高等研究計画局DARPAからの契約は800万ドル相当。国防総省の声明では、契約に含まれる作業の種類の説明はないが、交付分のうち620万ドルは「2022年度の研究開発費」から得られると述べている。

 Breaking Defenseは、DARPAにコメントを求めている。ジェネラル・アトミクスASI広報はコメントを拒否している。

 今年初めに発表されたリバティリフタープログラムは、「長距離で低コストの、海上での戦略的・戦術的揚力が可能なXプレーン」を目指していると、DARPAはその時点で述べていた。C-17グローブマスターに近い大きさで、重量は50万から60万ポンド、1機あたりのコストはおよそ340百万ドルと想定されている。

 このプログラムを監督するDARPAのアレクサンダー・ウォランは、5月にBreaking Defenseのインタビューで、「ウィング・イン・グラウンド」WIG効果と呼ばれるコンセプトが設計上重要であると語っている。

 「737型機の着陸では接近し、その後、ほとんどホバリングするようになる」。低空で上昇気流が発生している間は、航空機の抵抗が少なくなり、残りの高度を維持しやすくなる。「超長距離飛行の場合、数パーセントの揚力増加と抗力減少が、燃料効率の点で、実際に加算され始めるのです」。

 国防総省の目的に関し、この物理的なトリックで、従来型貨物機よりも効率的に運用可能な航空機や、滑走路ではなく水域に着水できる航空機が生まれるとDARPAは考えている。

 しかし、リバティリフターのコンセプトを実現するためには、課題が残っている。例えば、波が荒いと機体に乱れが生じ、「翼を地面につける」効果で得られる燃費が損なわれる可能性がある。

 WIGコンセプトは以前から知られていたが、その実現は困難であった。ソビエト連邦は、このような機体に何度も挑戦したが、大量生産の実現には至らなかった。

 「ソ連邦は、多くの事例同様に、やってはいけないことを示してくれた」。とウォランはBreaking Defenseに語った。

 ソ連の間違いの1つは、「ウィング・イン・グラウンド」効果だけで飛行する飛行機を設計したことだ。ウォランは、DARPAは同じ過ちを犯さないと述べ、リバティリフターは必要なら従来の高度でも飛行可能な性能を想定していると語った。■

DARPA taps General Atomics for low-flying seaplane Liberty Lifter concept


By   JUSTIN KATZ

on November 30, 2022 at 12:08 PM


2022年11月30日水曜日

一般公開が12月2日と迫る中、プロトタイプ機が量産型に極めて近いB-21の開発は今後の新型機開発にも影響を与えそう。

 First B-21 Raider Test Jet Aims To More Closely Mirror Production Examples

Northrop Grumman

公式発表に先立ち、ノースロップ・グラマンは、ほぼ量産型のB-21プロトタイプでテストを効率化すると自信たっぷりだ

週金曜日の新型ステルス爆撃機B-21の公開を前に興奮が高まる中、ノースロップ・グラマンの航空システム部門社長トム・ジョーンズTom Jonesは、試作機の生産型と近い設計を称賛している。米空軍にとって30年以上ぶりの新型爆撃機となるB-21には確かに多く期待が寄せられているが、ジョーンズは、この機体が今後のプログラムの取得スケジュールの短縮を達成する上で重要な役割を果たすと主張している。

Defense Newsの取材に応じたジョーンズは、2015年にB-21の開発契約を獲得したノースロップ・グラマンが、実験モデルではなく、生産仕様の爆撃機で飛行試験を行うという空軍の希望を優先させたと語っている。この包括的な目標は、今年10月に空軍調達チーフのアンドリュー・ハンターが、B-21の飛行試験に生産仕様型機を使用することで 「初飛行に向けた配当が得られる 」と説明したときにも繰り返されていた。基本的に、空軍はこの方法論により、生産仕様と異なる試験機で通常必要とする長大な試験期間が短縮できると期待している。

12月2日に公開されるB-21レイダーのレンダリング画像。 Credit: U.S. Air Force

 

テストを、未成熟のプロトタイプ機で行うと、見つかった障害がプロジェクトの開発スケジュールに悪影響を与える可能性がある。例えば、先行するB-2プログラムの6機の量産前試作機は、運用開始が決まってから運用基準に合わせるため比較的大規模改造を施さなければならなかった。他の多くの開発機材も、前線に出ることなく、多くの手直しが必要で、結局は限られた能力しか発揮できない。

1988年に初めて一般公開されたB-2スピリット。Credit: Goretexguy/Wikimedia Commons

それ以上に、これらの機体で行われる試験の忠実度は、生産仕様の後継機から大きく逸脱している場合、効果が低くなる。これはまた、後々、より生産に近い機体でより多くのテストを行うことを意味する。したがって、ジョーンズは、最終的に完成する設計とほぼ同じB-21プロトタイプを使用することで、迅速かつ効率的な調達の未来への流れを作ることができると楽観視している。

Defense Newsのインタビューで、ジョーンズは、「希望は、将来の調達の多くがこの方法で行われることです」と述べた。「空軍長官フランク・ケンドールや他の軍首脳の話を聞くと、スピードと現場への能力投入が重要であることがわかります」。

デジタル・テストは、ノースロップ・グラマンがB-21開発を通じて、B-2のように生産が短縮されないように利用している最先端技術の一つだ。競合他社と同様、同社はデジタルエンジニアリング領域に精通している。つまり、飛行試験中ではなく、仮想環境でミスを見つけ、対処することができるということです。

B-21については、デジタルエンジニアリングとフライトシミュレーションが、ノースロップグラマンが5月に行った実際の負荷較正試験と、爆撃機の風防構成を改良する際に著しく役立ったと、ジョーンズはDefense Newsに説明しています。

「今後の航空機の購入では、より忠実度の高いデジタル・モデルに依存し、製造工程への肉付けを重視することを希望しています。B-21のコンパクトな飛行試験スケジュールは、この考えに対するストレステストになるはずです」。

もしすべて計画通りに進めば、B-21は空軍がこれまで大規模生産に投入した航空機で最も先進的な航空機となる。ジョーンズはメディアに対して、構想から飛行まで、ステルス爆撃機の開発を通じて使用される技術によって、「第6世代システムの第一号」になると主張した。これには、B-21のオープンアーキテクチャーシステムの活用、ステルス性能の向上、全領域のセンサーやシューターとの接続を可能にするJADC2互換システムの追加などのブレークスルーが含まれている。

B-21開発に関してジョーンズが提供した情報の断片は、おそらく今週金曜日、カリフォルニア州パームデールの空軍42工場にあるノースロップ・グラマン施設で爆撃機が公式に発表されるまで、待機しなければならないだろう。この発表だけでも画期的なこととはいえ、同爆撃機の初飛行は来年まで行われないと予想されている。

空軍がT1(機体番号001)と呼ぶ機体に加え、さらに5機の生産前B-21が現在さまざまな組み立て段階にあり、空軍が購入予定のB-21合計100機に対して割り当てられる。最終的に何機購入されるかは正確には不明だが、国防総省の2023年度予算要求資料を見ると、空軍は2023年度から2027年度にかけてB-21機に191億ドルの支出を目指しているという。

The War Zoneは今週金曜日、B-21の公式発表に出席する。影のステルス爆撃機の物語と航空戦闘の歴史における大きな章となるであろうこの事件の報道にご期待ください。■


First B-21 Raider Test Jet Aims To More Closely Mirror Production Examples


BYEMMA HELFRICH|PUBLISHED NOV 28, 2022 7:56 PM

THE WAR ZONE


ウクライナはロシア攻勢に9カ月持ちこたえてきたが.....

 

ケルソン市の自由広場でゼレンスキー大統領の抜き打ちのケルソン訪問(11月14日)を称えた少年。(Paula Bronstein /Getty Images)


ウクライナは、西側諸国の支援を受けつつ、要求の多くを満たしているが....


 ーランドのマリウシュ・ブワシュチャク国防大臣Minister of National Defence Mariusz Błaszczakは、ワルシャワ安全保障フォーラム(WSF)開会式で、「ウクライナ人は自分たちと我々の自由のため戦っている」と述べた。「我々はウクライナをできるだけ強固にし、できるだけ早く紛争を終結させるべく努力している」。

 著名な防衛・外交政策の専門家が集まった同イベントでは、ブワシュチャックのウクライナに対する確固たる無条件支持の立場が、響き渡った。欧州の国防担当者は、プーチンは仲介による和解に真摯な関心を抱いていない、彼は、ロシアがこの紛争で勝利する見込みがないと理解するまで、敵対行為を続けるだろうというのが、予想だ。

 つまり、ウクライナ軍がロシア軍を追い出すまで、ウクライナを武装化し続けるということだ。フォーラム終了後の数週間、ロシアは大きな損失を被り続け、国防指導部はウクライナのケルソン地域から完全撤退することを公に発表した。

 元米軍欧州司令官のベン・ホッジスBen Hodgesは、各種フォーラムで、「ロシア軍の兵站は極めて悪い」「ウクライナ軍が整然と作戦を展開している」ことから、ロシアの最終的な敗北は既定路線と見てよいと発言している。

 「必要なものを提供し続ける限り、ウクライナの勝利への道は不可逆的だ」とWSFで述べた。「ロシアは止められない。今、ロシアにできることは、罪のない人々を殺害することだけだ」と述べた。

 フォーラムや関係者との会話から、ウクライナと同盟国がロシアをさらに後退させるため、そして次に来るものに備えるために、引き続き注目すべき4つの側面について広く合意が得られているようだ。


1. ウクライナ軍の革新と近代化を続ける


ウクライナ軍は、旧世代兵器を設計時と異なる方法で使用するという、これまでにない才能も発揮している。3月にベルジャンスク港で、設計から50年近く経過したOTR-21(SS-21)スカラブ/トーチカ-U弾道ミサイルとATGMを組み合わせロシアのアリゲーター級LSTを破壊したり、ウクライナ製のDKB Luch Stugna-P ATGMでロシア軍Ka-52ヘリコプターを墜落させたのは、一例にすぎない。

 8月にクリミア半島のサキ市近郊にあるネオフェドリフカのロシア空軍基地を攻撃した際に使用された兵器システムは、今も不明だ。爆発でスホイSu-24爆撃機4機、Su-30SM多機能戦闘機3機が破壊され、その他にも航空機数機が損害を受けた。

 ただし、今回の攻撃に関与した兵器のエンジニアリング作業を直接知る人物が匿名条件でBreaking Defenseに語ったところによれば、今回の攻撃も同様に、「レガシー兵器システムを改造し、(本来)設計された以外の役割で使用する」ものだったという。

 詳細は現在も不明だ。9月、ウクライナのヴァレリー・ザルジニValerii Zaluzhnyi司令官はBBCに対し、当初疑われていた破壊工作員や自爆ドローンではなく、「ウクライナのミサイル攻撃」が原因だったと語ったが、どのミサイルが使用されたかは明らかにしなかった。

 ウクライナの国産兵器は、戦前予想を超えるレベルで効果を発揮している。DKB Luchが設計し、防衛エレクトロニクス企業Radionixがシーカーと誘導システムを開発した対艦ミサイル(ASM)「Neptune」は、4月にロシア黒海艦隊の旗艦だったミサイル巡洋艦「Moskva」を沈めた。すべてウクライナで設計・製造されたASMにが軍事大国の艦艇を撃沈したのは初めてだった。

 ウクライナが今後も柔軟に資材を調達していくことが、モスクワへの反撃の原動力となることは間違いない。しかし、これが唯一の解決策のはずがない。


2022年11月15日、ウクライナのミコライフで、ケルソン州の新しい前方陣地に移動するため、旅団がミコライフとケルソン州の境界で5ヶ月以上占有していた前線陣地を解体している最中、装備を片付けながらウクライナの旗を片付ける、ウクライナ第63分離機械化旅団の隊員たち。 (Chris McGrath/Getty Images)


2. 資金提供の要望に応じる

米国はじめとする各国からウクライナに多額の軍事援助が行われているにもかかわらず、ウクライナ軍は不十分な資源で戦っていると主張する人々がいまだにいる。

 そのため、バイデン政権は「ウクライナに負けて欲しくないが、ウクライナの決定的な勝利のために四角四面になることを公言しない」という非難が生まれた。「この2つの目的は同じではない」と、ワルシャワのイベントで東欧の国防アナリストの1人が言っていた。

 アメリカン・エンタープライズ研究所のフレデリック・ケーガン Frederick Kaganは、9月にこのテーマでワシントン・ポストに語っていた。「NATO同盟国がひどい戦争に巻き込まれないように、他国に金を払っている。そう考えると、かなり冷血なやり方ではないか?」

 戦場で迅速に結果を出すため、対処が必要な明確な穴がある。

 米国と同盟国が、米国製のHIMARSロケット砲のような極めて重要な兵器をウクライナに提供しているのは事実だ。しかし、HIMARSには、最長射程のATACMS弾を含まないまま提供されている。これは、バイデン大統領が2014年オバマ政権の立場を引き継ぎ、ウクライナに 「ロシア国内の標的の攻撃能力」を望まないためだと言われている。

 アメリカはジャベリンATGMを、イギリスはサーブ・スウェーデン・イギリスNLAW ATGMを提供している。しかし、ヘルファイアミサイルで武装したボーイングアパッチ攻撃ヘリコプター(または他国が提供する同等のもの)がなければ、ウクライナは近代的な歩兵機動戦と近接航空支援で重要な組み合わせに欠ける。

 また、キーウなど大都市の防衛にはペイトリオットPAC-3のような中距離防空システムもない。ウクライナの防空担当者とサポート企業は、防空兵器の弾薬供給が問題になりつつあると、何度もBreaking Defenseに語っている。ある情報筋は、「毎回発射されてくる巡航ミサイルを撃墜するミサイルが不足している。NASAMSのようなシステムを送ってもらえれば素晴らしいが、短距離で、供給も無限ではない 」と語った。

 ウクライナ軍で最も先進的な中距離防空システムは、アルマズ・アンテイS-300の旧ソ連時代の派生型のS-300PT、S-300PS、S-300PMU、S-300V1だ。こうしたシステムの多くは、2014年のロシアによるクリミア侵攻と占領の前にオーバーホールされたが、それでもロシア軍が運用する最新版から少なくとも1世代劣る。

 これらの砲台には、9A310M1(SA-11)ブーク防空システム約60基が補充されているが、それらの部隊でも侵攻前に在庫していたロシア製ミサイルが不足しつつある。数週間前にウクライナ側から、このブーク部隊に米国製レイセオン RIM-7 Sea Sparrowを搭載し近代化する案が出されたが、この件に関する米国との会合はまだ実現していないとウクライナ業界関係者は述べている。

 ウクライナでは最近、高度な防空技術の必要性を強調する事件があった。11月15日、ポーランド東部のルブリン県プルシズフ村に2発のミサイルが落下し、ポーランド政府とNATO軍は警戒態勢に入った。当初はロシアのALCMが誤射でポーランドを攻撃したと考えられていたが、後に2発の爆発は、その日ロシア軍が発射した約100発のミサイルの一部を迎撃するため発射した旧型のウクライナ製S-300が引き起こしたと判明している。

 ウクライナ防衛企業の代表は「この事件で、戦争の瀬戸際に追い込まれた。空を覆う十分な手段がなければ、ウクライナ都市以外にも危険が及ぶ」と述べた。


3. 航空戦力

フィリップ・ブリードラブ米空軍大将Gen. Philip M. Breedlove元NATO・SACEUR司令官は、ワルシャワでの講演で、ロシア航空宇宙軍やミサイル攻撃に対するウクライナ防空軍の成功は驚異的と述べた。しかし、モスクワの航空戦力がほぼ完全に萎縮していることが、ウクライナの防衛を助けている、と指摘した。

 「侵攻前、ロシアはまだSEAD(Suppression of Enemy Air Defence航空制圧攻撃)任務を遂行するスキルを持ち、地対空設備を発見、追跡、無力化できると考えていた」とブリードラブは説明する。「これは空軍、特にアメリカ空軍が毎日練習しているスキルだ。ロシアがこの能力を持っていても、その方法を忘れてしまっていたことは明らかだ」。

 ウクライナのSAM部隊を制圧できなかったことで、「ロシア軍は今、慣れない環境とその下で活動する能力を失っている。低空飛行は、冷戦時代にアメリカ空軍が実践していたことで、ロシアのSAMを避けるため低空飛行をしなければならないと考えていた。平時の訓練でこれを行うだけでも十分難しいのに、戦時中にいきなりこれを行おうとするのは-今ロシアが強いられているように-ほとんど不可能だ」。

 さらに、「ロシア空軍のパイロットの(1ヶ月あたりの)飛行時間は非常に少ない。このため、西側空軍が決定的に重要だと考える任務を遂行できない状況にある」とブリードラブは述べた。

 完璧な世界であれば、ウクライナはこうした欠陥を利用できるが、自国空軍には最新の航空機や兵器が十分に備わっていない。ワルシャワの軍関係者は、ポーランド空軍にまだ残るMiG29を今日戦闘に投入しなければならないとしても、それは無理だろうとBreaking Defenseに語っている。これは、「ミグで使用できるミサイルやその他の兵器はすべてウクライナに輸送した」ためだ。

 ロシの空軍力に対するウクライナの奇跡に近い成功には、モスクワの最先端機を圧倒的に多く撃墜したことも含まれる。

 スホーイSu-35スーパーフランカーは、ロシアの主力機と言われているが、かなりの数が失われている。この機体は、後続のSu-27やSu-30より世代交代が進んでいると考えられていたため、モスクワがようやく輸出契約を結ぶまで、中国PLAAFから執拗に求められていた機材だ。

 ウクライナ空軍(PSU)司令官によると、Su-35はその性能とロシアの最新電子戦/自己防護装置を備えているにもかかわらず、ウクライナで2個飛行隊(24機)が失われた。VKSはSu-27派生型であるSu-34戦闘爆撃機も11機失っており、これらの損失はこれまでに製造された全機体の10パーセントに相当する。Su-34は、ロシア戦術機で最も高価な航空機と評価されている。


2022年11月14日、ウクライナのボロディヤンカで、破壊された建物の上で、柔道着を着た男を床に投げつける子供の落書きの横に立つ少女。 (Jeff J Mitchell/Getty Images)



 WSFでブリードラブ大将は、もしウクライナが米国の最新航空機と必要な訓練を受けていたら、あるいはNATOが紛争に関与していたら、ウクライナ軍はロシアの地上軍に大打撃を与えたと評価した。 具体的には、侵攻後の初期に「ロシア軍がキエフへの道で実質的に泥沼にはまり込んでいた」劇的な「機会損失」である。

「もし西側の空軍が進入してこれらの隊列を攻撃していれば、ウクライナが現在も戦っている軍の40パーセントを排除できただろう」と説明した。「1991年のイラク戦争(デザートストーム)における『死の高速道路』』レベルの敵軍破壊を考えてみてください」。

 米国とNATO同盟国は、ロシアとの紛争では、必然的に数で劣ると長い間覚悟していたと、西側の防衛アナリストの一人はWSFで説明した。そのため、西側の兵器システムは、互いに組み合わせて使用する設計で、数的劣勢を補うため、戦場で相乗効果を生み出す方法で想定されている。

 これまでウクライナに供給された兵器は素晴らしい性能だが、攻撃ヘリ、ATACMS、先進戦術機、最新の防空砲台が不足しているため、最終的にウクライナは「抜き身」の兵器庫となったと同アナリストは述べている。したがって、ウクライナ軍は、望ましい戦力増強効果を達成できていない。


4.政治的対立がこれから顕在化する

ウクライナに最新兵器多数を供給することは、現時点ではNATOにとって重要な任務であると、ワルシャワのイベントで複数の講演者が同意している。エストニアのハノ・ペフクル国防相Minister of Defence Hanno Pevkurは、「NATOがどこまで迅速に対応できるか」と述べた。

 NATO理事会が開かれると、「32カ国がテーブルを囲み、そのテーブルの人々は皆、選挙を心配しなければならないがプーチンは選挙を気にする必要はない」とペフクルは言う。だから、NATOは「いかに早く決断し、必要なときにいかに早く戦力を増強できるか」に真剣に取り組む必要がある。

 ホッジスは、WSFの別のパネルディスカッションで、同盟諸国の多くの想定より早く、「スピード感を持った」意思決定がさらに重要になる、と述べた。

 ウクライナへの支援に加え、同盟は「NATOのすべての前線国にどう備えるか」を考えなければならない。「恐ろしい殺傷戦が待ち受けており、その準備を続けなければならない」という。

 ホッジスは、モスクワ軍の最終的な敗北の結果の一つとして、ロシア連邦が多数の新しい、より小さな政治的主体に分解されると予測する軍事・外交専門家の一人だ。崩壊の兆候は、モスクワ帝国内の少数民族からなる21の領土(しばしば「自治共和国」と呼ばれる)の一部ですでに現れている。

 最近結成されたバシコルトスタン独立運動の代表者は、ウクライナ議会ラーダに訴え、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領政権に対し、自分たちの共和国を「占領地」と認めるよう要求している。これと並行し、タタールスタンという民族の飛び地の独立を認める要請の手続きもラーダで始まっている。

 ダゲスタンやブリヤーチャでも独立運動が起きている。こうした分裂や地域不安定化は、ウクライナに派遣される人員に少数民族共和国の徴兵が偏っていることが一因だ。独立派グループの代表はニューズウィークに、「クレムリンの植民地政策の一例だ。プーチンにとって、ある少数民族を別の少数民族を征服するため派遣することは、ある意味合理的だ」と語っている。

 結局のところ、NATO諸国が上記のギャップにどう対処するかで、紛争の行方は決まるかもしれない。ウクライナ軍が占領地を奪還する過程で、戦争犯罪が次々と発覚していることが、決意を固める一助となっているかもしれない。著名なロシア学者・歴史家のスティーブン・コトキンStephen Kotkinは、このことが西側諸国の指導者の決断に及ぼす因果関係についてこう語っている。

 「ロシアが攻撃をエスカレートさせるたびに、ウクライナの士気が高まる。『ウクライナの勇気と工夫とロシアの残虐行為が、西側の結束と決意を高めることに等しい』という力学を生み出している。開戦前も始まってからも、プーチンがとったほとんどすべての行動と同じように、結果は本人の賭けと正反対になっている」。

 「ウクライナは早ければ年内にロシアを2月23日線まで押し戻し、来年にはクリミアから撤退させるだろう」とホッジスは結論づけた。「これは、我々が知っているロシア連邦の崩壊につながるプロセスの第一歩となるだろう。我々同盟側全員は、NATOの国境の反対側で非常に激しい状況になることを覚悟しておくべきだ」と結んだ。■


Ukraine held off Russia for nine months. Here's what it needs to keep going. - Breaking Defense

By   REUBEN JOHNSON

on November 18, 2022 at 6:25 AM



ペイトリオットミサイルのウクライナ供与が水面下で議論されている模様。ロシアがイラン製弾道ミサイルを投入する懸念の中で。

  

Lockheed Martin

ロシアがイラン製弾道ミサイルを投入しそうな懸念の中、ペイトリオットのウクライナ供与の議論が進んでいる

ンタゴンとNATOによると、短距離弾道ミサイルに対し比較的強固な防御能力を持つ地対空ミサイルシステム「ペイトリオット」をウクライナ軍に移譲することが検討されている。ウクライナ当局は、ロシアの全面侵攻以前からペイトリオットを求めていたが、ここにきて電力網へ大規模ミサイル攻撃を受けたため、同装備への関心が再び高まってきた。また、ロシア軍がイランの短距離弾道ミサイルを使用し始めることが懸念されており、多くのウクライナ国民が真冬に文字通り暗闇と寒さの中に置かれることになりかねない。

2022年10月、ギリシャのクレタ島で行われた演習で、地対空ミサイル「ペイトリオット」を発射するドイツ軍。Bundeswehr

国防総省高官は本日、記者団に対し、アメリカ当局とその同盟国協力国がウクライナへの派遣を検討中の防空システムの中にペイトリオットが含まれていることを確認した。10月に、統合参謀本部議長マーク・ミリー米陸軍大将は、ウクライナの統合防空網を長期的に大幅に近代化するという、アメリカ主導による計画に含まれる可能性があるシステムとして、ペイトリオットを挙げていた。

発射台、捜索・火器管制レーダー、コマンド・コントロール・コンポーネントを含む、典型的なペイトリオット・バッテリーの構成を示す図式。 via GlobalSecurity.org

国防総省のトップスポークスマンであるパトリック・ライダー米空軍准将は、その後の記者会見で「我々はウクライナにペイトリオットを提供する計画はない」と明言した。「しかし、再び、そのような議論を続けるだろうし、発表できる内容があれば、明らかにします。

「ペイトリオットミサイルのような特定の能力に関しては......かなり重要な保守と維持と同様に、訓練について話しています。結局、 "プラグ・アンド・プレイ "の装備などない」。ライダー准将はさらに、「戦場ですぐに使い始めることはできない。高度なシステムになると、このようなことが考慮されます。しかし、繰り返しになるが、引き続き防空を優先事項と考えており、同盟国や協力国と協力して、ウクライナにできるだけ早く提供し、その能力を使い始められるよう検討し続けることを強調したい」。

ライダー准将のこのコメントは、ウクライナに様々な高性能兵器システムを移転することについての、米国政府の長年の立場を反映している。The War Zoneは、特にペイトリオットをウクライナ軍に送るという過去の議論に関して、こうした問題を強調してきた。その一方で、米国当局は、ウクライナ軍が訓練プログラムにおいて、M142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)の運用と維持の適性を実証したことから、今年初めに納入を決定するなど、複雑なシステムを送る意欲を着実に強めている。

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、ルーマニアの首都ブカレストで開催された同盟のトップ外交官会合に先立ち、ウクライナにペイトリオットなど防空システムを送る可能性について議論が続いていると述べた。また、米国主導でNATO加盟国と同盟外の国々を含むウクライナ防衛に関するコンタクトグループのメンバーが、国家改良型地対空ミサイルシステム(NASAMS)やIRIS-T SLMなど、ウクライナに送付済みの近代的な防空システムが確実に機能することに重点を置いていると指摘した。

「例としてペイトリオットのような新しいシステムを提供することであり、それについては議論が進行中だ。しかし、システムが機能し、有効であることを保証することも非常に重要だ」とストルテンベルグは述べた。「スペアパーツを提供し、システムのメンテナンスができるようにする必要がある。既存システムが期待通りに機能しているか確認する必要性に緊急に取り組んでいる」と述べた。

これは、先週、ウクライナにペイトリオットを譲渡するようドイツに求めたポーランドによる提案に関する質問に対して、ストルテンベルグが行ったコメントと類似している。11月15日、ロシア攻撃を受けて発射されたウクライナ地対空ミサイルと見られる誤射が国境を越えポーランド農場に衝突し、2名が死亡した後、ドイツ当局はペイトリオットのポーランド移送を申し出た。

NATO事務総長は、NATOはこのような計画に断固として反対するものではないとしながらも、実際に追求するかどうかは関係国側の「国家決定」の問題だと述べていた。

米国を含むウクライナの国際パートナーは、ここ数カ月で同国の電力網を標的としたロシアのミサイル攻撃に直接対応するため、防空能力の追加提供を急いだ。週末時点で、首都キーウ含むウクライナの推定600万世帯が停電し、気温低下に伴い、多くの人々が暖房を失ったままだだ。

ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、NATO会議の傍ら、ブカレストで記者団に、「我々は、防空、IRIS、ホークス、ペイトリオットを必要とし、変圧器を必要としている」と述べた。「変圧器と発電機があれば、電力需要を回復できる。防空システムがあれば、次のロシアのミサイル攻撃から身を守ることができる。一言で言えば、『ペイトリオットと変圧器』です。ペイトリオットと変圧器がウクライナに最も必要なものだ」。

ペイトリオットのウクライナ譲渡について、新たな動きがあるかは、非常に未知数だ。今日、多様な関係者が強調したように、外国はすでに、IRIS-T SLM、クロタル、ホーク、アスピドなどの短・中距離地対空ミサイル・システムを含む多くの追加の防空能力をウクライナ軍に提供し、あるいは近い将来に提供する。これらのシステムは、ロシアの巡航ミサイルやイラン無人機などに重要な防空能力を追加する。

しかし、ウクライナでは、ロシアがイランと協力して弾道ミサイルを強化している懸念の中で、少数のソ連時代のS-300V地対空ミサイルシステムを改修した以外は、実質的に対弾道ミサイル能力を有していない。ペイトリオットは、航空脅威に対する遠距離での交戦能力に加え、弾道ミサイル防衛能力を提供する。

いずれにせよ、ウクライナ政府は、防空システムの中でもペイトリオットについてこれまで以上に関心を持ち、米国をはじめとするNATOのカウンターパートと活発な協議を進めていることは明らかだ。■



Sending Patriot Missiles To Ukraine Being Actively Considered By U.S., NATO

.https://www.thedrive.com/the-war-zone/sending-patriots-to-ukraine-being-actively-considered-by-u-s-nato

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED NOV 29, 2022 3:41 PM

THE WAR ZONE