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F-15近代化の方向を示すカタール向け新造機から航空自衛隊にも新しい可能性が見えてきた

これは期待できるニュースです。カタール向け新造機に盛り込む新技術で旧型機の若返りが出来ればこんなにコストパフォーマンスがいい話はありません。ひょっとしたらF-15も70年間飛び続ける機体になりそうです。ただし航空自衛隊の場合は改修してこなかった機材が半分あり、こうした追加回収できる対象が最初から限られてきますので、機数が不足します。であれば、まだ生産ラインが残っているうちに発注してはいかがでしょう。ボーイングは商売がうまいですね。F-15ラインのある旧マクダネル工場の地元も一安心でしょう。ミサイルトラックを作る、という構想もひょっとしたら実現しそうです。

 

New wings on Qatar F-15s pave upgrade path for USAF カタール向けF-15の新型主翼はUSAF機材改修能方向を示す


23 FEBRUARY, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: STEPHEN TRIMBLE
ORLANDO

タール発注のF-15高性能イーグルで主翼が改修され同じ改修内容が米空軍F-15Cや各国空軍で供用中の機体でも耐用年数延長に使えるとボーイングが発表した。
カタール政府はボーイングに62億ドル契約でF-15QA(カタール向け高性能版)36機を昨年12月に発注し、これでセントルイスにあるボーイング生産施設には2022年までの生産が確保された。
F-15QAには新型コックピットシステムで大型画面等これまで同社が発表した内容を盛り込んでいるとボーイングでF-15事業を担当するスティーブ・パーカー Steve Parker 副社長が述べている。
FlightGlobalの2月22日インタビューでパーカーはF-15QAの主翼が再設計され内部構造が強化されながら空力特性には影響は出ないと答えた。再設計はボーイングが最近実用化した新製造技術で可能となったという。
F-15QAが開発段階に入るとボーイングには既存F-15Cでも主翼交換の需要が期待できる。ただUSAFが同機をあと二十年程度供用すると決めた場合だ。
これまで二十年以上にわたりUSAFはF-15Cの一部を2030年代末まで稼働させる選択肢を検討してきた。その場合の縦通材交換は一機100万ドルで済むとパーカーは述べている。空軍はF-15Cをさらに延長して供用する案も検討しており、その場合は主翼交換が必要となるという。
その上の供用期間延長は今のところ「必要とされていないが、可能性はある」とパーカーは語る。「空軍には選択肢を提供したい」
その他の顧客には日本の航空自衛隊があり、やはりF-15の構造改修で退役予定を先送りしたいと考えているとパーカーは指摘している。
ボーイングは2月22日-23日開催された航空戦シンポジウム会場に仮想現実展示で導入後45年が経過したF-15で可能な改修内容を示した。そこでは「一体型技術ポッド」のコンセプトを展示し、一体型タンクの代わりにポッドとし、ここに例えば側面監視合成開口レーダーを入れる。また「アンバー」射出ラックの搭載でミサイルが22発まで搭載できる様子も見せていた。
こうした改修でF-15の再活性化が期待でき、新型ミッションコンピュータ、電子スキャン式レーダー、新型電子戦装備、フライバイワイヤ機体制御、新規兵装ステーションやエンジンもより強力なGEエイビエーションのF110-GE-129換装が考えられるという。
カタールは36機発注したが米議会は72機までを承認しているのでボーイングは追加発注も期待する。このほかにドイツの要請で機密内容の説明開示も行っており、ドイツはパナヴィア製トーネイドの後継機候補として考えているとパーカーは言う。

「イーグルを大変身させます。イーグルはまだ終わっていませんよ。明るい未来がやってきます」(パーカー)■

コメント

  1. 確か、36機で60億ドルではなかったですか?
    それなら、ロッキード・マーチンからF-35Aを直接買った方がいいのでは、スクランブル対処は、グリペン辺り買う選択ありかも

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  2. グリペンは滞空時間が短くて空自じゃ持て余すんじゃないですかね

    返信削除

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