2011年5月4日水曜日

ファントムレイ初飛行か


Ph

Phantom Ray Under Way In First Flight

aviationweek.com May 3, 2011

秘密のベールに隠されたボーイングのX-45Cファントムレイ無人実証機だが、4月27日にエドワーズ空軍基地で初飛行を実施した模様。
  1. ボーイングは初飛行の実施の事実のみ認め、その他は保安体制解除まで発表できないとしている。ファントムレイは米海軍のUclass無人ステルス艦載攻撃機開発の第一歩と言われる。
  2. X-45Cはファントムレイ実証計画の試作機であり、その他にジェネラルアトミックスのアヴェンジャー(プレデターC)がある。ノースロップ・グラマンのX-47Bも2月4日に29分間の初飛行を同じくエドワーズ基地で実施している。ロッキード・マーティンもポールキャットおよびRQ-170センティネルにより競作に参加する見込みだ。
  3. RQ-170はフルモーションビデオ撮影能力があり、昨年からアフガニスタンに投入されており、オサマ・ビン・ラディン殺害作戦にも参加したと考えられている。
  4. 「今回の成功のもとは2009年のザルカウィ抹殺にむすびついた空中ISRによる情報収集能力の優位性そのものです。遠隔操縦による航空機の存在が今回の作戦に役立った知識ベースの形成につながっています」(元情報機関関係者)
  5. ファ ントムレイについては情報が統制されており、初期テストデータの解析が完了する5月4日以後に解禁される見込み。ファントムレイはボーイングのファントム ワークス製X-45Cの発展形であり、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機と同様の兵装を搭載出来る設計になっている。
  6. 同機はボーイングのセントルイス工場からエドワーズに12月4日にNASAスペースシャトル運搬機により搬送された。その後はドライデンフライト研究センター内に移動していた。

antom Ray Under Way In First Flight

aviationweek.com May 3, 2011

秘密のベールに隠されたボーイングのX-45Cファントムレイ無人実証機だが、4月27日にエドワーズ空軍基地で初飛行を実施した模様。
  1. ボーイングは初飛行の実施の事実のみ認め、その他は保安体制解除まで発表できないとしている。ファントムレイは米海軍のUclass無人ステルス艦載攻撃機開発の第一歩と言われる。
  2. X-45Cはファントムレイ実証計画の試作機であり、その他にジェネラルアトミックスのアヴェンジャー(プレデターC)がある。ノースロップ・グラマンのX-47Bも2月4日に29分間の初飛行を同じくエドワーズ基地で実施している。ロッキード・マーティンもポールキャットおよびRQ-170センティネルにより競作に参加する見込みだ。
  3. RQ-170はフルモーションビデオ撮影能力があり、昨年からアフガニスタンに投入されており、オサマ・ビン・ラディン殺害作戦にも参加したと考えられている。
  4. 「今回の成功のもとは2009年のザルカウィ抹殺にむすびついた空中ISRによる情報収集能力の優位性そのものです。遠隔操縦による航空機の存在が今回の作戦に役立った知識ベースの形成につながっています」(元情報機関関係者)
  5. ファ ントムレイについては情報が統制されており、初期テストデータの解析が完了する5月4日以後に解禁される見込み。ファントムレイはボーイングのファントム ワークス製X-45Cの発展形であり、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機と同様の兵装を搭載出来る設計になっている。
  6. 同機はボーイングのセントルイス工場からエドワーズに12月4日にNASAスペースシャトル運搬機により搬送された。その後はドライデンフライト研究センター内に移動していた。

ビン・ラディン襲撃にステルスヘリが投入されていた

Bin Laden Raid May Have Exposed Stealth Helo

aviationweek.com May 3, 2011


オサマ・ビン・ラディン殺害に成功した米特殊部隊が極秘ステルスヘリコプターを使用していた可能性が浮上している。
  1. 実 際の機種は不明だが、おそらくH-60ブラックホークの改造型だろう。写真および報道記者によると同機にはステルス性を考慮したテールローターとハブフェ アリングがあった他、ローターは5枚ないし6枚でカバーが付いていたという。また外部塗装は赤外線反射を抑えるもので、V-22と類似している。写真は AviationWeek.com/aresで見られる。
  2. 同機はミッション途中で損傷を受け放棄された。ミッションチームが機体大部分を破壊したが、 同機のテール部分は目標地点の壁の外に着地し破壊されなかった。
  3. ステルスヘリの技術は以前からあり、ボーイング/シコルスキーRAH-66コマンチに広く使われていたが、同機は2004年に開発中止になっている。固定翼機の場合と異なるのは騒音と赤外線特徴対策に重点が置かれている点。
  4. このうち騒音を下げるため、メインローター、テイルローターそれぞれ枚数を増やすことが有効だ。空力特性の改善と飛行制御の効率性向上でローター回転数を下げる他、赤外線探知を下げる事が必要だ。コマンチでは排気ダクトと空気取り入れ口で工夫されていた。
  5. レーダー断面積RCSの削減には機体側面を滑らかにし、かつ傾斜をつける、降着装置を引き込み式にする、ローターハブにフェアリングを付けるのが有効だ。固定翼機と同じステルス性はヘリでは実現不可能だが、ヘリは通常は低高度飛行し、地表面の乱反射を利用できる。

2011年5月2日月曜日

電子戦で米国は一層の努力が必要, F-35は重要なEW機材

Pentagon Taps EW For Second Wind

aviationweek.com Apr 27, 2011

  1. 米国は電子戦に遅れを取っている。しかも20年前から。
  2. これがオバマ政権が国防予算の削減を求める中で電子戦(EW)にその他ごくわずかの分野とともに予算増加を認める根拠だとフランク・ケンドール国防次官補(国防装備調達・技術担当)は説明する。
  3. 「EWへの支出を増強する必要があります。今後はEWを重視します」とし、国防予算からの資金捻出を図る動きだ。
  4. 米 空軍はEF-111EW兼戦術ジャミング機を1998年に退役させており、これがEW実戦力の退潮のはじめだったとされる。その後わずか数ヶ月でイラク北 部上空を飛行中のU-2はイラク防空網の脅威に直面している。同国の防空網の改善は海軍が指摘していたが、空軍にそれが伝わらなかったのは空軍のEW部門 が分散してしまいEWの効能を説得できる高位の将官がいなかったためと言われる。
  5. EF-111退役とEW任務の海軍移管は表裏一体だが、ケンドール次官補はそれだけが理由ではないという。
  6. 「これまで我が国はEWでこれまでよりも実戦力があると信じてきましたが、能力面でも優位性でも衰退しています。これを脱するためにも現実の直視が必要です」
  7. 「80 年代90年代からEW部門が国防総省にあり、開発中の技術は豊富にありましたが、戦闘の様相が変化を示す中、われわれも進歩を続ける必要があるのですが、 唯我独尊になっていました。その理由の一つに国防力の統合再編成があったのかもしれません。今やEWを再活性化するべき時期です。」
  8. 指向性エネルギー兵器として高密度レーザーや高出力マイクロ波があるが近い将来に実戦レベルになるとは見られていない。
  9. 「指 向性エネルギーはいつも5年先の技術です。80年代には私は陸軍でミサイル防衛に携わっておりましたが、当時すでに指向性エネルギーは話題になっており、 数年先に実用化となると見ていました。たしかに研究は大きく進歩しましたが、実用的な兵器にするためには研究課題が残っています。EWの再活性化案は情報 監視偵察(ISR)、指向性エネルギー、サイバー作戦、電磁戦場管理EMBMが交差するところで出てきた構想です。バクダッドの例ですが、電子汚染は相当 のもので、ある装置の電源を入れると他の装置で必ず誤動作が起きるほどです。アフガニスタンも改善はありますが基本的に同じ状況です。」
  10. 「電 子干渉の問題ではバグダッドで作戦開始した2003年当時からは相当の進展があります。サイバーは作戦立案の一部であり、サイバー空間上の各組織の作戦で も干渉を防止する必要があります。過去はこのような運用の統合は避ける傾向がありました。今や各組織とも電子的に溝を埋める動きに出ており、アフガニスタ ンで兵力を構築する際は状況は改善されていました。」と語るのはデイブ・デプチュラ空軍中将(退役)、米空軍情報収集ISR担当(当時)だ。
  11. 空軍が進めようとしているのは既存の航空宇宙システムをリンクさせて新しい効果を生むこと。このリンクにより各機体のもつ技術を統合させることができ、特化した機体を多数使う運用形態を回避できる。
  12. 「低 視認性の第五世代機に高性能ISR機能を装備すれば今まで不可能だった任務が可能となります。たとえば各機のネットワーク化で一部の機体を喪失しても全体 の戦力は維持できます。サイバー作戦が戦闘司令官の通常手段になれば、中央軍の指揮命令系統から離れれば、技術の応用の巾が大きく広がります。」(デプ チュラ)
  13. ただ技術各種をうまく組み合わせるのは大きな課題だ。米海軍は空対空戦闘の場合と同じように電子戦を成立させるEMBMを研究中だ。
  14. 「EMBM には複雑な構造は必要ありません。必要なことを実施する、ただし一定の構造を成立させるためにも航空作戦の中心となる考え方をもう一度見直す必要がありま す。すでに20年以上が経過しています。従来型の大規模、中央統制型施設を分散させた指揮命令系統に分解してより柔軟かつ利用可能な装備を有効利用する仕 組みを作る必要があるのです」(デプチュラ)
  15. 「すべての構成要素を調整することになり、実現したい効果を生むために統合も必要です。F-22のような航空機はセンサーと電子戦装備の搭載で利用価値が大きい機種です。第五世代機は全部リンクして各機の機能を蜂の巣状に組み合わせる必要があります」(デプチュラ)
  16. 情報科学とロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機は、ともに国防予算削減の標的になっており政治論争を呼ぶ対象になるのは必至だ。
  17. 「購入規模は縮小しています。どれを断念すべきなのかという点で、厳しい決断を迫られる局面にあり、受け入れるべきリスク、今後実行を縮小するミッションはどれか、世界規模の作戦展開で何をすべきかを考えねばなりません」(ケンドール)
  18. F-35については大規模な範囲でその見直しが近日中に予定されており、その結果次第で国防予算並びに部隊編成全般に影響がでるだろう。
  19. ケ ンドールは会計検査院と話し合いをもち、費用上昇を同評価するかを議論したいという。ケンドールは会計検査院の初期発注内容分析は大雑把な数量把握に基づ いていると考える。予算規模そのものが議論を呼んでしまったが、その後の会計検査院自身による評価結果は無視されているという。
  20. 「ある計画がつまずくと非難攻撃の対象になりやすいものです。だからといってその価値がなくなるわけではありません。」(ケンドール)
  21. JSFには問題があったことをケンドールも認める。短距離離陸垂直着陸(Stovl)型が問題の中心であるが、ミッションソフトウェアも同じく問題なのだ。ただしケンドールは同機は最高度の優先順位であることも強調する。
  22. そこで選択手段としては性能を低くした機体として受容するかどうかで、その場合運用上のリスクは増える。計画中止はこれまでの投資を無駄にして再度やり直しを意味するだけだ。
  23. 「F- 35では進展もありますが、期待していたほどではありません。Stovl型には大きな疑問があり、設計構造に問題があると見ています。ただ計画全体は成熟 度をあげています。実際に飛行も開始していますが、楽観視は許されないでしょう。とはいえ、F-35の全体をまとめきれていないのが現状です」
  24. 情報科学分野には費用見積もりで問題がある。
  25. 「着任して省内で各種システムを理解している者を探したのですが、古典的な問題でものごとを効率的にこなせる専門性が不足しているのです。また規模の経済にも限界があることがわかりました。ある程度の規模になるとどうしても複雑性も産んでしまいます。」
  26. 政 府による規制事項も複雑さを生んでいるという。「ITシステムひとつに17万事項の要求がありソフトウェアに反映する必要があります。出来合いの製品を 持ってきて使うのは不可能です。最大の問題は一度にあまりにも多くのことをあまりにも短期間にしようとすることであり、業務を管理できない規模のままでコ ストは管理しろ、というのでは性格な予測は不可能だという。

ntagon Taps EW For Second Wind

aviationweek.com Apr 27, 2011

  1. 米国は電子戦に遅れを取っている。しかも20年前から。
  2. これがオバマ政権が国防予算の削減を求める中で電子戦(EW)にその他ごくわずかの分野とともに予算増加を認める根拠だとフランク・ケンドール国防次官補(国防装備調達・技術担当)は説明する。
  3. 「EWへの支出を増強する必要があります。今後はEWを重視します」とし、国防予算からの資金捻出を図る動きだ。
  4. 米 空軍はEF-111EW兼戦術ジャミング機を1998年に退役させており、これがEW実戦力の退潮のはじめだったとされる。その後わずか数ヶ月でイラク北 部上空を飛行中のU-2はイラク防空網の脅威に直面している。同国の防空網の改善は海軍が指摘していたが、空軍にそれが伝わらなかったのは空軍のEW部門 が分散してしまいEWの効能を説得できる高位の将官がいなかったためと言われる。
  5. EF-111退役とEW任務の海軍移管は表裏一体だが、ケンドール次官補はそれだけが理由ではないという。
  6. 「これまで我が国はEWでこれまでよりも実戦力があると信じてきましたが、能力面でも優位性でも衰退しています。これを脱するためにも現実の直視が必要です」
  7. 「80 年代90年代からEW部門が国防総省にあり、開発中の技術は豊富にありましたが、戦闘の様相が変化を示す中、われわれも進歩を続ける必要があるのですが、 唯我独尊になっていました。その理由の一つに国防力の統合再編成があったのかもしれません。今やEWを再活性化するべき時期です。」
  8. 指向性エネルギー兵器として高密度レーザーや高出力マイクロ波があるが近い将来に実戦レベルになるとは見られていない。
  9. 「指 向性エネルギーはいつも5年先の技術です。80年代には私は陸軍でミサイル防衛に携わっておりましたが、当時すでに指向性エネルギーは話題になっており、 数年先に実用化となると見ていました。たしかに研究は大きく進歩しましたが、実用的な兵器にするためには研究課題が残っています。EWの再活性化案は情報 監視偵察(ISR)、指向性エネルギー、サイバー作戦、電磁戦場管理EMBMが交差するところで出てきた構想です。バクダッドの例ですが、電子汚染は相当 のもので、ある装置の電源を入れると他の装置で必ず誤動作が起きるほどです。アフガニスタンも改善はありますが基本的に同じ状況です。」
  10. 「電 子干渉の問題ではバグダッドで作戦開始した2003年当時からは相当の進展があります。サイバーは作戦立案の一部であり、サイバー空間上の各組織の作戦で も干渉を防止する必要があります。過去はこのような運用の統合は避ける傾向がありました。今や各組織とも電子的に溝を埋める動きに出ており、アフガニスタ ンで兵力を構築する際は状況は改善されていました。」と語るのはデイブ・デプチュラ空軍中将(退役)、米空軍情報収集ISR担当(当時)だ。
  11. 空軍が進めようとしているのは既存の航空宇宙システムをリンクさせて新しい効果を生むこと。このリンクにより各機体のもつ技術を統合させることができ、特化した機体を多数使う運用形態を回避できる。
  12. 「低 視認性の第五世代機に高性能ISR機能を装備すれば今まで不可能だった任務が可能となります。たとえば各機のネットワーク化で一部の機体を喪失しても全体 の戦力は維持できます。サイバー作戦が戦闘司令官の通常手段になれば、中央軍の指揮命令系統から離れれば、技術の応用の巾が大きく広がります。」(デプ チュラ)
  13. ただ技術各種をうまく組み合わせるのは大きな課題だ。米海軍は空対空戦闘の場合と同じように電子戦を成立させるEMBMを研究中だ。
  14. 「EMBM には複雑な構造は必要ありません。必要なことを実施する、ただし一定の構造を成立させるためにも航空作戦の中心となる考え方をもう一度見直す必要がありま す。すでに20年以上が経過しています。従来型の大規模、中央統制型施設を分散させた指揮命令系統に分解してより柔軟かつ利用可能な装備を有効利用する仕 組みを作る必要があるのです」(デプチュラ)
  15. 「すべての構成要素を調整することになり、実現したい効果を生むために統合も必要です。F-22のような航空機はセンサーと電子戦装備の搭載で利用価値が大きい機種です。第五世代機は全部リンクして各機の機能を蜂の巣状に組み合わせる必要があります」(デプチュラ)
  16. 情報科学とロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機は、ともに国防予算削減の標的になっており政治論争を呼ぶ対象になるのは必至だ。
  17. 「購入規模は縮小しています。どれを断念すべきなのかという点で、厳しい決断を迫られる局面にあり、受け入れるべきリスク、今後実行を縮小するミッションはどれか、世界規模の作戦展開で何をすべきかを考えねばなりません」(ケンドール)
  18. F-35については大規模な範囲でその見直しが近日中に予定されており、その結果次第で国防予算並びに部隊編成全般に影響がでるだろう。
  19. ケ ンドールは会計検査院と話し合いをもち、費用上昇を同評価するかを議論したいという。ケンドールは会計検査院の初期発注内容分析は大雑把な数量把握に基づ いていると考える。予算規模そのものが議論を呼んでしまったが、その後の会計検査院自身による評価結果は無視されているという。
  20. 「ある計画がつまずくと非難攻撃の対象になりやすいものです。だからといってその価値がなくなるわけではありません。」(ケンドール)
  21. JSFには問題があったことをケンドールも認める。短距離離陸垂直着陸(Stovl)型が問題の中心であるが、ミッションソフトウェアも同じく問題なのだ。ただしケンドールは同機は最高度の優先順位であることも強調する。
  22. そこで選択手段としては性能を低くした機体として受容するかどうかで、その場合運用上のリスクは増える。計画中止はこれまでの投資を無駄にして再度やり直しを意味するだけだ。
  23. 「F- 35では進展もありますが、期待していたほどではありません。Stovl型には大きな疑問があり、設計構造に問題があると見ています。ただ計画全体は成熟 度をあげています。実際に飛行も開始していますが、楽観視は許されないでしょう。とはいえ、F-35の全体をまとめきれていないのが現状です」
  24. 情報科学分野には費用見積もりで問題がある。
  25. 「着任して省内で各種システムを理解している者を探したのですが、古典的な問題でものごとを効率的にこなせる専門性が不足しているのです。また規模の経済にも限界があることがわかりました。ある程度の規模になるとどうしても複雑性も産んでしまいます。」
  26. 政 府による規制事項も複雑さを生んでいるという。「ITシステムひとつに17万事項の要求がありソフトウェアに反映する必要があります。出来合いの製品を 持ってきて使うのは不可能です。最大の問題は一度にあまりにも多くのことをあまりにも短期間にしようとすることであり、業務を管理できない規模のままでコ ストは管理しろ、というのでは性格な予測は不可能だという。

2011年5月1日日曜日

中国の軍事力整備で戦略バランスはどう変わるのか

Chinese Buildup Upsets Strategic Balance
aviationweek.com Apr 29, 2011

対艦弾道ミサイル開発に成功し、海軍力を増強している中国を改めて軍事大国とみなすべきであるとの点で軍事アナリストと米海軍は一致している。
1. 中国の意向は軍事バランスそのものに影響を与えるのは必至で、米国のアジア太平洋における長期的軍事・地政学的政策は見直しを迫られるだろう。
2. ただし中国の軍拡の加熱に対する意見は分かれている。ひとつだけ確かなのは次回台湾海峡で危機状況が発生した場合、米国は直ちに1996年のように空母戦闘群を派遣する可能性は少ないということだ。
3. ただし中国に本当に米海軍空母戦闘群を駆逐する能力あるいは意図があるのかと問われると自信をもって回答できるものは皆無だ。また軍事力増強で中国が何をめざしているのかも測りかねているのが現状だ。中国がアジアのリーダーとして旧ソ連圏のように各地に影響力を行使のではと見る向きがある。あるいは軍事力は中国の領土保全、通商交通路確保また領土主張の裏付けとして使われるのではないかと見る向きもある。
4. たしかに中国は自国領土を守り、政治的対立を回避する決意があるようだ。その鍵は対艦弾道ミサイル(ASBM)通称空母キラーのDF-21Dの開発だ。
5. 数カ月前に同ミサイルは米国流では初期作戦能力獲得の段階に達している。ペンタゴンはこれに対して同ミサイルはまだ実戦想定の試験を実施しておらずとしこの状況を直視していないが、アナリストの中にも同ミサイルの実際の性能を測りかねるのが現状だ。
6. 「ASBMの実際の性能はJ-20と同じく中国の情報収集・監視・偵察能力の実力、ネットワーク能力がわからないと判断は不可能です。兵器体系は目標情報を入力できなければ役に立ちません」(国防コンサルタント)
7. 「最終突入段階の誘導システムで疑問があります。空母が移動目標であることも一因で、予め範囲を想定して発射しても最終誘導が必要です。そのため誘導システムの精度が重要なのです」(海軍力・海洋安全保障専門のアナリスト)
8. ペンタゴンは最新報告の中で中国の軍事力について言及している。「中国海軍は水平線を超えた目標捕捉能力をスカイウェーブ、サーフェスウェーブ両OTHレーダーで向上させている。OTHレーダーは画像レーダーに連携して沿岸沖の目標を捕捉し、長距離精密攻撃を支援することが可能。」 一方、中国の海軍力、 ASBMの数が少ないことから対抗する米軍部隊は十分対処できると見る向きもある。ただ米海軍部隊は中国の軍事装備増強と目標捕捉能力向上により今後はリスクが増えることになろう。
9. ただ本質的な疑問は本当に中国は空母を排除する攻撃という賭けに出るのだろうか、という点だ。議会調査局は最新の報告書で中国は米国とあまりに多くの金融面はじめとする相互関係があり戦闘を開始するのは不可能と分析している。
10. 弾道ミサイルの使用目的として中国の海上通商交通路にとって脅威となりうる艦船ににらみを利かせる事のほうが可能性が高い、と見るアナリストもいる。
11. これに関連して議会調査局報告書では「中国がインド洋に海軍他軍事施設の建設をしている、あるいは求め、ペルシア湾岸から中国に至る海上通商路に沿って展開する海軍作戦の支援をするだろう」と記述している。
12. この場合中国が台湾含む広範囲な領海主張をしていることから現在は海軍、ミサイル基地等防衛的な性格の軍事力を展開としても、冷戦時のソ連の例から攻撃的な軍事力展開に変質するのではないかと米国、同盟国は懸念を示している。
13. 旧ソ連と異なり中国のイデオロギー上の米国への対立軸は強くないので、かつてのソ連関係と異なるものの、戦略上の競争相手となり近い将来に米政府は冷戦後最大の政策課題として中国を見ることになる、というのがアナリストの見方だ。
14. 議会調査局の報告書がいみじくも「中国海軍力が太平洋諸国の政治状況の進展に影響力を及ぼす可能性があり、そのために米国は各種政策に関連して国益を追求sる能力にも影響が出てくる事になる」と表現している。

2011年4月30日土曜日

F-X選定 震災被害が追い風になる可能性

F-X Bidders Could Gain From Tsunami Damage
aviationweek.com Apr 29, 2011

F-Xの調達数を拡大案が検討されている。三菱重工業製F-2B練習機18機が3月11日の東日本大震災で被害を受けておりその修復は困難との見方が広がっているためだ。

1. 防衛省はこのうち三機が修復完了出来れば運がよい方だと見ており、これがF-X選定を急ぐ理由にもなっている。18機の修復費用は136億円相当と見積もられる。
2. 震災前に運用していたF-2Bは合計33機でこのうち18機が海水につかってしまい残存運用機数は15機となる。
3. そこで日本の選択は以下の四点だ。①運用機数の減少をそのまま甘んじる ②F-2Bの追加生産を行う ③米国よりボーイングF-15D在庫機を取得する ④F-X取得機数を増やす
4. このうち最初の二つは可能性が少ない。
5. 損傷を受けたのは全部が複座機なので、訓練部隊に大きな打撃で機数の回復は高い優先事項となる。
6. 三菱重工業は今年内の最終納入をもってF-2生産ラインを閉鎖する予定だが、部品メーカーはすでに生産を中止している。
7. そこで追加発注をすると非常に高額な発注となる。ましてや同機は1990年代の機体でありそこにあえて大金をつぎこむのか、という議論になろう。
8. 防衛省も部品生産を再スタートするコストを考慮して、むしろ予備部品を活用して損傷機の修理をする可能性がある。
9. 防衛省はF-15DJを運用しており、F-15Dと類似したこの練習機でF-15Jへの機種変更訓練を実施しているのだが、F-15Dを取得するとしても在庫機数、機体寿命以外に-2Bの代替機としての適性が問題になる。F-2BはF-2A以外にF-4EJパイロットの訓練に使用されている。
10. では第四番目の選択はどうか。防衛省は各入札社にF-2B交代分の調達数上乗せの可能性について説明していないといわれるが、損傷機のうち何機が回復可能かがわかっていたら調達数増加は当然ありえるはずだ。
11. 塩水に浸かった戦闘機の回復は実現性なしと言われるが、90年代にギリシャ空軍がミラージュ2000EGの修復に成功している事例がある。同機は最終進入で海面に突入してしまったもので、事故の三日後に海から回収されその後運用可能となっている。

2011年4月29日金曜日

F-X選定 政治的なリスクも

Three Contenders Remain For Japan F-X
aviationweek.com Apr 28, 2011

今年中にF-2最終機が三菱重工業から引き渡されると戦後日本の戦闘機生産は45年で一旦終了となり、戦闘機の生産技術が継承の機会を失う。
■ このことはF-X選定に携わる関係者には重い事実で、選定が早ければそれだけ早く戦闘機生産の産業基盤が再活性化されるのだ。
■  防衛省によるとBAEシステムズ住友商事とともにユーロファイター・タイフーンを、ロッキード・マーティンはF-35、ボーイングはF/A-18E/Fでそれぞれ応じてきたという。
■ 同省によると昨年の時点でロッキード・マーティンF-22、ボーイングF-15、ダッソー・ラファールも候補にあがっていたが、F-22輸出の可能性がなくなり、F-15については防衛省が完全な新型機を採択する方向になったため選にもれたとのことで、ダッソーからはコメントは出ていない。
■ 平成24年度予算にF-X調達を盛り込むタイミングで今回の公募となり、来年度予算の都合上、提案各社は9月までに応募をする必要がある。その後、選考過程を経て12月末までに内閣に選考結果を提言する運びだ。したがって選定には三ヶ月しか時間がない。
■  防衛大綱でF-Xは40機ないし50機調達するとしており、最初の12機の納入を平成28年度末までに実現するとしている。機体開発の成熟度で見ればF- 35はF/A-18E/Fおよびユーロファイター・タイフーンに遅れをとっているので、後者ニ機種は選定過程の締切りに間に合う。ただロッキード・マーティンも平成28年度内の納入は可能と見ている。
■ 早期納入は重要な要素となる。F-XはF-4の後継機種と言う位置づけでF-4の機齢は30年を越えている。F-4の退役は飛行時間累計に左右されるが、 10年以内に避けて通れない予測だ。そうなると三菱重工業はF-X国内生産を急速に立ち上げる必要がある。業界には早期納入の日程および防衛省が費用面で厳しい要求をしていることからF-Xの初期ロットは輸入に頼らざるをえないのではとの見方がある。
■ 日本は防衛装備の国内生産を求めており、一部部品・システムも国内開発が望ましいとしてきた。しかし、ライセンス生産は高価になると分かっている。また日本には機体設計にも変更を加える傾向があり、F-2についてみればF-16と比較すると完全な新型機と言ってもよい内容だった。これについても業界には費用面、納入時期で不利となるので大規模な設計変更の可能性は少ないと見る向きがある。
■  一方で日本国内の戦闘機生産基盤の維持に意外な追い風が出現している。東日本大震災で水没したF-2が18機あり、4月17日に各機の復旧作業が開始された。エンジン、電子装備等が交換となる見込みだ。
■ F-X選定に話をもどすとタイフーンとF/A-18E/Fは単価面でF-35よりも有利となる見込みだが、ロッキード・マーティンはF-15代替機としてのF-XXにはF-35が候補となると見ており、長い目で見れば生産コストは不利な条件にならないと主張する。
■  最新鋭のF-35には第五世代戦闘機技術の優位性があるとはいえ、これ以上に遅延と費用上昇が発生すると、防衛省の採用は困難になる。防衛予算は制約を受けており、調達予算は今後削減となる見込みだと業界は見ている。
■ その一方で本当にF-X選定の結論が今年中に出るのか懐疑的な業界関係者もいる。なによりも震災復興予算が必要な中で新型戦闘機に予算を計上するのは政治的な決断が必要だ。また福島原発への対応を巡り菅総理、北沢防衛相への不満が高まるのも政治的なリスク要因で、防衛相が交代となればF-Xの選定手順の見直しもありうる。

2011年4月28日木曜日

中国初の艦載戦闘機の開発が進んでいます



New Chinese Ship-Based Fighter Progresses
aviationweek.com Apr 27, 2011

中国から瀋陽J-15フライングシャークの写真が流出しており、同機は中国初の空母に搭載するため開発されている。

■J-15はJ-11Bを原型とする。J-11BはスホイSu-27フランカーからライセンスを得ずに中国が改良した機体だ。J-15自体はロシア製艦載型のSu-33と酷似しており、主翼折りたたみ式、拘束フックを備え降着装置は強化されている。J-15はスキージャンプ式離陸の設計であり、Su-33とこの点でも共通だ。相違点はフラップの設計と中国製高性能エイビオニクスの搭載。
■同機が正式なライセンスを取っていないことでロシアとの摩擦が生じている。
■ J-15にはカナード翼がついているがSu-33も同様なことから飛行制御システムは類似していると見られる。さらに、J-15のモックアップ機体がダミーの対艦ミサイルを搭載しているのが目撃されており、同機が攻撃任務を想定しているのがわかる。Su-33はこれに対して空中戦闘任務で設計されている。
■ 同機が大型であることから中国の海洋戦略が沿岸防衛から兵力の海外展開に切り替わる際の基礎となることがわかる。同機はまずロシア製空母旧名称ワリヤグに搭載されると見られる。同機の写真は瀋陽航空工業の第112工場で撮影されている。
■ 同機には外部ミサイルレールおよび広角ホログラフィによるヘッドアップディスプレーの搭載が判明している。
■このことから同機の性能について評価が分かれている。ロシアのリア・ノボスティ通信は同機はSu-33より性能が劣ると伝えるが、中国側関係者によるとSu-33のエイビオニクスは旧式だと見ており、中国製のセンサー類、表示装置、兵装を採用したという。同機のエイビオニクスには高性能対艦探知レーダーがJ-11Bから流用されている。
■ 同機の第一線配備は2016年より以前になると見られる。
■中国国内の情報筋によると同機初飛行は2009年8月31日に決行されており、ロシア製AL-31エンジンを搭載していたという。ウクライナが中国向けのSu-33フランカーDを供給しており、この点を米国アナリストも認めている。
■ ロシアの空母艦載機飛行訓練名はウクライナのサキで行われており、Su-33プロトタイプの一機が同地に長年配備されているのが確認されていたが、数年前に姿を消しており、おそらく中国に移動したと見られる。J-15の最近の写真では初期少数生産にすでに入っているか、まもなく始まるのではと評価される。初期生産の機体は訓練施設に移送されまもなく艦載運用にむけた長い型式証明の道のりをはじめるのではないか。スキージャンプ式発艦のシミュレーションは2010年5月6日に初めて実施されている。
■ 同機開発はSu-33プロトタイプ機をウクライナから2001年に取得したことから開始された。中国はロシアにSu-33購入を2009年に持ちかけている。
■ウクライナ裁判所は2月にあるロシア人二有罪判決を下している。判決によるとクリミア地区の空軍基地の詳細情報を中国に渡したという。同基地がSu-33パイロットにスキージャンプ式発艦の訓練をする拠点となっているとニューヨークタイムズが報道している。
■遼寧省葫蘆島に同様の施設のコピーが作られれ、スキージャンプ設備があるという。米国アナリストも同地に陸上に空母甲板を模した施設があり、空母運用の訓練が行われていると証言する。また、西安にもスキージャンプと拘束ギアの施設があり、J-15が利用すると見られる。
■台湾情報機関の関係者によると第一号空母は訓練用に供され、今年末にも試験航海をするという。同艦は大連のドックにあるのが確認されており、2002年以来大掛かりな儀装工事が続いている。同艦に近接防衛装備が搭載されている点も関心を呼んでいる。
■米国情報機関関係者も台湾情報部の観点に合意している。先月になり同艦の動力装置が作動しているのが確認されており、公試航海は早ければ今年夏にも実施されるのではないかと米国アナリストは見ている。二番艦は国産でロシアから購入した一番艦の経験を生かすだろうと同アナリストは語る。


コメント もし中国海軍が空母運用を開始すると1944年以来始めて米海軍は対空母作戦を真剣に考えなくてはいけなくなり、別途開発中の対艦弾道ミサイルとともに中国の新展開はGame changerになるのでしょうか。現在日本にはジョージ・ワシントンが前方配備されていますが、西太平洋には米海軍も空母打撃群を複数常時配備する必要に駆られ、この地域の力の均衡の構造が大きく変わることになるのでしょうか。それにしても中国の技術取得の方法にはいつも怪しいものがつきまとっていますね。

2011年4月24日日曜日

米陸軍のJMR新型ヘリコプター開発は思惑通り進展するか

U.S. Army Moves On Next-Gen Helo
aviationweek.com Apr 15, 2011

米陸軍は次世代回転翼機開発に向かいつつあるが、業界では「通常通り」の技術実証を重視する姿勢では何よりも必要とされる技術革新に結びつかないのではと懸念が強い。
1.陸軍が準備を進めているのは来月中に共用多目的回転翼機(JMR)の技術実証にむけた契約締結だ。もともと共用多目的という用語はこの10年間に見え隠れしてきたもので、現行の攻撃ヘリ、多用途ヘリの後継機を各軍共用で運用する考え方だ。これが今では米軍各部隊が運用するヘリの四種類をカバーする概念として拡大解釈されている。
2.JMRとは具体的な機種ではなく、重量別に軽量級、中間級、重量級、超重量級の四つに分かれるものと言うのが陸軍の考え方だ。重量別に分類する際の区分を空力学的な機体構造で考えるが、四区分全体で偵察、攻撃、輸送、大型輸送をカバーするもの。
3.JMRが想定する運用開始は2025年から2030年で、現時点ではまだ確立されていない技術を利用する。現行機種の生産は2018年を境に減少する見込みで多少の改修はあろうが、同じ頃に陳腐化してしまうと米陸軍は見ている。
4.そこで陸軍の対応はJMRの技術実証で2010年代末までに次世代回転翼機の開発を開始することだ。 新型機種の開発にはまだ時間があるが、技術開発予算が制約を受ける中で技術要素を取りまとめる意味でもJMRにより陸軍は前に進むきっかけになる。
5.陸軍の航空応用技術局がbroad agency announcement (BAA)通達でJMR実証機の構成要求を1月に発している。まずこの研究段階で広範囲な性能要求に関する中核技術の定義をする事で今後の投資分野を把握しようというものだ。
6.この研究はJMRでいう中間重量級に焦点を当ててAH-64D、UH-60M、AH-1Z、UH-1Yのそ各後継機種を検討する。さらに軽量級ではOH- 58D、重量級はCH-47Fの場合でも共通した技術要素を取り上げる。超重量級は今回は想定外であるのは米空軍が中心となり共用将来型戦域輸送機(JFTL)構想の対象範囲とのため。陸軍の研究対象である超大型垂直離着陸機は空軍のC-130J後継機種開発に統合されJFTLとなった。ただ代替手段研究(AOA)は承認を得られなかった。空軍が研究後の技術開発に予算を計上しなかったためだ。ただ、AOAは予算4百万ドルの技術研究に姿を変えた。 2010年10月発行の情報能力要求(CRFI)で固定翼、ティルト翼、回転翼、飛行船それぞれの形態で垂直離着陸形式で20トンから36トンのペイロードで巡航速度、高度はC-130Jと同等かそれ以上の性能を想定している。
7. JFTLのCRFIでは技術成熟度で6段階を2019年までに確保し、第一線配備を2024年以降とすることを求めている。技術研究は今年末に完了し、 2014年度予算要求のタイミングに間に合わせる。ただJFTLでは垂直離陸のみの実現は想定していない。陸軍はそこでJMRウルトラの構想に戻ることになろう。
8.陸軍は5月中に3から5件の契約を締結し、JMRの構成検証を24ないし30ヶ月で完了したい意向だ。検証は紙面に限定されるが、中核技術要素を確認し、飛行実証機に採用するべき内容とすることだ。
9.要求事項には高速、ペイロード増加が入っているが、それには相応のコストが必要となる。これまではいつも飛行速度がリストの最上位にあったが、実際には低速度運用とのバランスも必要だ。高速飛行には犠牲が必要だ。従って各要素のバランスが必要で速度もその例外ではない。
10.BAAで基本性能の概要を示し、その内容はさらに実証機の内容を見て検討される。並行して実用型JMRの初期能力内容文書(ICD)を陸軍は来年に作成するが、中型JMRに特化するのか、各型毎に能力開発内容文書(CDD)として作成するのかは未決だ。ICDとは運用上の要求事項を、CDDはウェポンシステムとしての開発に必要な性能水準を定めるものだという。その後にJMRの技術実証があり、二機で各種研究とICDの内容の中核をなす技術を検討する。陸軍は2013年度予算で実証契約を複数交付する考えで、技術が成熟するのは2015年から2016年にかけてと予測している。
11.実証機そのものが新型機種である必要はないし、試作機という扱いにもならないが、JMR技術の実証が次の取得日程につながるのは確かだ。全体ではこれまで回転翼機に支出されてきた技術開発費用を上回る予算が必要になる。
12.またJMRはより大型の機体を想定する未来型垂直飛行機体(FVL)構想の一部でもあり、ペンタゴンは2010年にFVL戦略案を議会に提出している。そのなかで性能要求とロードマップで技術習得の道筋を示している。
13.FVL計画の一部としてペンタゴンは垂直航空機コンソーシアム(VLC)に業界各社を招き技術革新の速度をあげることを目標に据えている。ここに既存メーカーのみならず新規参入企業、学界も加わり合計97社/団体となり国防総省と「その他取引合意」(OTA)を締結しており、研究プロジェクトの迅速な展開をより経済的に行うことになっている。ただ同コンソーシアムに痛いのは陸軍はJMR実証にはこのOTAを根拠としない方針にしていることだ。
14.VLC の問題意識は技術実証のコストが高くなりすぎていることであり、陸軍のJMR実証への対応方針が「これまでどおり」であることに懸念を示している。実証機を飛行させるまでのペーパーワークで米国の回転翼機産業の再活性化に必要な技術革新・競争の勢いがそがれるとの懸念もある。
15.業界は低コストの技術開発をスピーディーに展開してリスクを低減する必要を感じており、VLCはその意味で重要と考えている。通常のペンタゴンの手続きでは 2億ドルかけて戦闘機の実証機が一機完成する。スカンクワーク方式では5千万ドルで実現する、という。その例としてパイアセッキX-49A複合ヘリとシコルスキーX2同軸ローターという実証機の例がある。16.コストが高くなり、予算が十分でないなるとペンタゴンは実証段階から開発への移行を急ぎ過ぎる傾向がある。事前選定で絞り込み過ぎると競争がなくなり、技術革新の種も捨てられないか、というのが業界の懸念だ。ペンタゴンの新しい科学技術開発戦略は年間25億ドルをIR&D(独立型研究開発)に用意するものだが、最近の産業界の独自研究はペンタゴンのニーズと方向性を一致させておらず、低コストかつ短期間の開発技術に焦点をあわせている。それに対してIR&Dの進捗状況を報告させる新しいルールづくりも効果があろうが、そもそもペンタゴンが目指す方向性が業界にわからなければ対応できないというのも業界の率直な反応である。■

2011年4月22日金曜日

F-35の供用は2016年以降になる見込み

US Navy, AF May Field F-35s Later Than 2016Apr 21, 2011
米空軍および海軍のロッキード・マーティンF-35の実戦配備が2016年以降になる可能性が出てきたと、ペンタゴン関係者が21日明かした。
■ヴェンレット海軍中将が報道陣に語ったもので同機のテストは進行中で生産は今年始めに体制を建て直した上で一定の進捗を示しているという。ただ、同中将によると性能試験とウェポンシステムの進捗が問題だという。
■同中将はテストの完了は2016年より前に完了しない見込みとし、空軍と海軍が同機の初期作戦能力の獲得宣言のも同年以降になるということを意味する。
■ ヴェンレット中将によるとペンタゴンとロッキード・マーティンは今年の夏にも再度同機の開発契約で再交渉するという。
■ゲイツ国防長官が昨年にロッキードの実績で改善がない限りは契約報酬の6.14億ドルは凍結すると発表していた。なお、同機開発の総額は3,820億ドルで米軍向け三機種、合計8カ国向け機種を開発する規模になっている。

コメント やれやれ、ということですね。ひょっとするとF-35は最大の失敗プロジェクトになるどころか、西側の空軍力整備を20年遅らせることになるのでは。それでも同機は防衛省のFX候補で、採択されれば今から日本が相応の負担を求められる=当然多額の資金提供者として期待されても、納入は2010年代後半だったらまだよいほうということになりはしませんか。そこまでの価値がある機種なのでしょうか。

2011年4月20日水曜日

FX選定に向けた説明会が東京で開催されました

Three Fighters Competing for Japanese FX aviationweek.com Apr 20, 2011 日本が待望されていたFX次期戦闘機の要求内容を発表し、三種類の戦闘機の競合となる。ボーイングF/A-18E/F、ユーロファイター・タイフーン、ロッキード・マーティンF-35だ。 防衛省はロッキード・マーティンF-22、ダッソー・ラファールについても提案を期待していたが、米国政府がF-22輸出を禁止してしまった。ダッソー社からの発表は入手できなかった。 3月11日の大震災の影響で本来の日程が遅れていた。震災の結果、航空自衛隊松島基地は津波に襲われ三菱F-2合計18機が海水により被害を受けている。防衛省は被害機の修理費用を内閣に要求しているといわれる。 FXの導入機数は50機でマクダネルF-4の後継機種として期待される。震災、福島原発の問題が残る中で4月に公募説明会を開催できたこと自体に驚く企業幹もいるが、日本の安全保障上の課題であることが十分理解される。 航空自衛隊の岩崎幕僚長は震災前の3月2日に本誌取材で3月末までに仕様書を発表し、提案内容を精査する時間を十分な長さで確保して平成24年度予算にFX取得を要求する予定と語っていた。

2011年4月18日月曜日

イージスシステムが弾道弾迎撃テストに成功

Aegis Completes Successful Intercept Test
aviationweek.com Apr 18, 2011 4月15日にハワイ沖でロッキード・マーティンのイージス弾道ミサイル防衛(BMD)システムが中距離弾道弾(IRBM)の追尾、破壊に成功した裏には遠隔地のAN/TPY-2レーダーからのデータを利用していたこと同社が確認したことで判明した。 1.イージスBMDシステムがIRBM迎撃に成功し、しかも遠隔地からの発射の迎撃に成功したことで、イージスBMDで遠隔地のセンサーを活用し、可能なかぎり発射初期段階で迎撃できることが実証された。 2.今回の実験で発射されたのはスタンダードミサイル-3一発で、リアルタイム情報を遠隔地のセンサーからまず得た後、艦載SPY-1レーダーが接近する弾道ミサイル目標を補足したことが同社から発表された。 3.米海軍に取りBMD任務はその重要性をましている。計画していたDDG-1000ズムワルト級を中止しDDG-51アーレイ・バーク級駆逐艦に高性能BMD装備を搭載すること決定をしたばかりでもある。ロッキード・マーティンはBMDと艦隊防空を同時に実施できるイージスシステムのアップグレードを実施している。 4.実験に参加したDDG-77オケインは、第一世代のイージスBMD装備でミサイル防衛庁(MDA)、海軍、ロッキード・マーティンによる実験に成功した。このシステムでは弾道ミサイルの最終飛行段階で自艦防衛が可能であり、米海軍により2008年に運用が承認されている。 5.今回の実験で証明されたのは欧州の段階別適応アプローチ(EPAA)案の第一段階部分であり、この構想はオバマ大統領が2009年9月に発表したもの。 6. 実験に使用されたIRBMはマーシャル諸島クウェジェリン環礁のレーガンテスト施設から発射され、太平洋上空を北東に飛行した。発射後にウェーキ島に前進配備のAN/TPY-2Xバンド移動可能レーダーがミサイルを発見し追尾した。 7.このレーダーが弾道情報を指揮命令戦闘運営通信(C2BMC)システムに提供し、目標データを処理した後に遠方にいるオケインに通信している。IRBMミサイルが軌道上を飛行している間に同艦のAN/SPY-1が同ミサイルを発見補足した。 8.同艦のイージスBMD兵装システムから目標捕捉データがSM-3ブロックIAミサイルにアップリンクされ、同ミサイルは火器管制の計算解に従い飛行を続け弾道部分を放出し、目標を補足したことで弾道弾の進路を変更し、運動エネルギーで同弾道弾を破壊した。■

2011年4月16日土曜日

米海軍が高出力レーザー兵器を艦艇に搭載する

HPM, High-Energy Lasers To Arm U.S. Warships aviationweek.com Apr 12, 201 米海軍は指向エネルギー兵器を火砲と併用してこれまでよりも効果的な艦船防御を実現する。  今後の計画では高出力マイクロウェーブ(HPM)で対電子攻撃あるいは高エネルギーレーザーへの対抗手段とする構想だ。標的には敵の防空手段や対艦巡航ミサイルが想定されている。そのほかのオプションはHPM装備を無人機や小型ミサイルに搭載する。実現の鍵となるのは主要部品の小型化が今後どれだけ進展するかだ。  期間15ヶ月で出力10kwのレーザーを艦上のMk83砲(25mm)に搭載する。この併用でも人員一名で運用できる。レーザー光線の導波器は砲の左側に設置し、レーザー発生器は下部にある。レーザーは出力変換と冷却装置を含む。  Mk83の電気光学式、赤外線式射撃管制システムは10Km以内の標的に使用する。その後の照準は光学式に切り替わりレーザーの有効範囲は8Kmである。  「この距離でもボートに何人乗っているのか、武装しているのか、どんな武器をもっているのかがわかります」(メーカーBAE幹部)「その後は低出力で緑色レーザーで視力を着続けないモードに切り替え、3から4キロメートルで照射します」  情勢が敵対的にエスカレートすれば「弾薬、ロケット弾などに照準します。ゴムボートであれば確実に穴が開きます。」  効果が出るまでの照射時間は距離と材質により異なるが、2秒から数十分の一秒だ。照準装置によりレーザーは目標の3mm以内に命中する。  「10kwクラスのシステムですと将来はUAVも標的にすることができると思います」(同幹部)「さらに100kw超であれば対艦ミサイル、巡航ミサイルからの防衛に利用できるでしょう。まず初期段階の能力でも実際の艦に導して運用コンセプトを理解していただき、通常型の運動性兵器をどこまで補完できるのかを実感してもらおうという狙いです」  BAEシステムズは電子攻撃機能を付加したHPM兵装を構想している。正確な周波数の幅を選べばHPMは電子攻撃手段となり、敵の小舟艇のエンジンをかなりの距離から停止させることができる 。  HPMには精度があまり必要ない。HPMを一度照射すれば10隻から30隻のボートを目標にでき、そのうちの50%から75%のエンジンを停止させれば、残りはレーザーあるいは運動性兵器(火砲)で片付けることになろう。

MDA ミサイル早期警戒衛星の新しい方向性

MDA Drops Target-Acquisition From Next Sats
aviationweek.com Apr 14, 2011

コロラド・スプリングス発 米国ミサイル防衛庁(MDA)は目標捕捉センサーを今後開発する新型ミサイル追跡衛星に搭載しない予定。これはシステムの合理化および予算節約のため。
次世代宇宙配備ミサイル追跡システムは現在実証中のノースロップグラマン製宇宙追跡監視システム(STSS)よりも簡易な構成になるとMDAは説明している。
今回の決定はジョンズホプキンス大学応用物理研究所(APL)の提言を受けた形で、APLはこれから開発する精密追跡宇宙システム(PTSS)の設計開発で中心的な存在。
軌道上のノースロップグラマン衛星は二機で以前あった宇宙配備赤外線低軌道探知システムから生まれたもので、目標捕捉および追跡用の各センサーを搭載している。この二つで弾道ミサイルの発射を「誕生から死まで」探知する能力を実証済みだ。捕捉センサーはミサイルの高温排気を探知する設計で、追跡センサーは弾道飛行の中間段階で低温の弾道先端部を追跡することができる。
PTSSにMDAは目標捕捉センサーを搭載し、追跡能力だけの衛星とする設計を採用する。この理由は衛星の構造を簡略化し、リスク低減と製造費用の節約となるためだ。
PTSSではセンサーの操作制御にネットワーク機能が加わる。STSSでは衛星搭載の目標捕捉センサーにより自動的に探査を開始するところが、PTSSは静止軌道上のミサイル警戒衛星からの信号により目標の探査を開始するのだろう。STSS衛星も今後のPTSS衛星もともに低軌道周回衛星である。
今回の仕様は一部業界関係者には驚きを持って受け止められた。ペンタゴンはコスト節減の意味ではむしろ既存衛星の設計をもとにSTSS宇宙機を調達するとみられていたためだ。
今回の決定でノースロップグラマンによるSTSS衛星の安易なコピー版売り込みの方向性は否定されることになる。
APLの調査研究で最終仕様が決まることになるが、3月にMDAはAPLとともにPTSSのシステム要求内容検討を行なっている。
APLから6社に再委託契約が示され、最終設計の内容を構成することになるが、調達・生産計画は未確定だ。この6社とはロッキード・マーティンボーイング、ノースロップグラマン、レイセオン、ボールエアロスペース、オービタルサイエンシズの各社。.
最終的にMDAが期待するのは9機ないし12機の衛星調達契約を2014年度予算で取り交わすことだ。PTSS予算で2012年度予算に要求しているのは今後5年分で12億ドルほど。

2011年4月12日火曜日

米空軍新型爆撃機の開発状況は秘密に覆われています

USAF Bomber Gets Tight Numbers
aviationweek.com Apr 11, 2011

秘匿性と遅延が米空軍の新型爆撃機開発で合言葉になってきた。予算は大幅に支出しているのだが、新型爆撃機が実戦化となるのは2020年代半ばより早くなる可能性はないと空軍は見ている。ペンタゴンでは同計画は極秘扱いであり、有人型となる選択肢もあり核兵器運用能力もある、とだけ説明があるだけだ。

ゲイツ国防長官が明らかにしたのは同機調達数が80から100機になり、一機5億ドルという二つの数字だけだ。長官はB-2 と同じ機体は望まれていない、と空軍高官が最近漏らしている。
計画の長期化でリスク回避と共用打撃戦闘機JSFの開発が遅れていることから予算の肥大化を防ぐ効果が期待される。年間予算は2016年まで平均10億ドルを下回る規模と予測される。その年になるとJSF予算が減少する見込みだ。
技術面でひとつ確実に開発が進んでいる要素は極度低視認性(ELO)と前例のない空力特性の組み合わせだ。この技術は新型爆撃機以外に開発中の長距離攻撃兵器体系二機種にも応用される。ひとつが電子攻撃(AEA)に特化した無人機であり、もうひとつが長距離侵攻型情報収集監視偵察(ISR)任務のUAVだ。
このうちELO特性の機体でジャミングを行うAEAはステルス性を補助する重要な要素だ。ネットワーク機能でレーダーでステルス機を探知する能力が向上しているが、これをジャミングで妨害することができる。将来はELO機が探知されないように妨害することが期待される。当面はこの機能はロッキード・マーティンRQ-170センティネルUAVで実現する。.
侵攻型ISR機には長距離飛行能力とELOの組み合わせが必要で、これが2007年から2008年にノースロップグラマンに交付されたアクセス制限プログラム(SAP)の最終形であろう。ここで重要なのが後退翼で薄膜気流をどう維持するかという要素だ。これにより全翼機型UAVで連続32時間の監視飛行が可能となるとノースロップグラマン技術レポートが解説している。
このSAPが実現するのであれば、空軍があえてグローバルホークのブロック40調達を拡大しようとしていないかの説明がつく。
侵攻型長距離ISR機は将来の長距離攻撃兵力に目標補足能力を提供するのでなくてはならない存在だ。今後配備されるのはグローバルストライクミサイル(亜音速巡航ミサイルで航空機、潜水艦から発射可能)あるいは極超音速ミサイルだろう。逆に見ると米空軍が焦点を当てる新型爆撃機の性能を狭めることで以前の次世代爆撃機(NGB)のミッション追加による費用上昇問題の再発を防止できる。
具体的には新型爆撃機はNGBよりも機体寸法は小さくなるだろう。機体を大きくして補足されやすくする必要はないし、機体に装着するセンサー類も長距離探知かつ同時捕捉能力を省いて開口面積を小さくできる。総合すると新型爆撃機は現行のB-2の半分程度の機体となるだろう。
さらに空軍が新型爆撃機に織り込もうとする新技術にAdvent(適応性多様性エンジン技術)とHeete(高効率組み込み式ターボファンエンジン)がある。このうち後者は巡航飛行での効率性の実現と指向性エネルギー兵器用の電力供給を目的にしており、現在の低視認性亜音速エンジンよりも燃料消費効率を35%向上しようというもの。
新型爆撃機のR&D費用を押し上げる要因がSAPのステータスとなっていることで関係する人員はすべて事前身元調査の対象であり、情報は細分化されていることで効率性は犠牲になっている。計算上はSAP区分となっていることでコストは2割増しとなる。
そうする理由はELO技術の機微性にあり、米国が歴史上もっとも大規模かつ成功している諜報活動の対象となっているためである。その背景に中国の存在があるのは言うまでもない。

2011年4月10日日曜日

エアシーバトル構想の対象は中国だ

AirSea Battle Concept Is Focused On China
aviationweek.com Apr 8, 2011

ゲイツ国防長官はそれを21世紀のアメリカの軍事抑止力を形成するものと表現している。海軍作戦部長はそれによりパラダイムが変わると発言している。
1. ここで話題になっているのは新しいエアシーバトル構想AirSea Battle conceptであり、空軍、海軍関係者が具体化しようとしているもの。
2. 米空軍、海軍双方が長期計画では中国に焦点を当てているのは公然の秘密だ。そこに進行中の技術革新が加わる。例えば無人戦闘航空機システム(UCAS)があるが、予算問題のため研究開発にくわえ調達まで制約がある中、中国の脅威に対抗するために新兵器の開発が急速に進むとは見られていない。そこで台頭するエアーシーバトル構想では既存体系を方向性を変えて使用し、ネットワークの活用で敵の侵入を阻止する・地域確保(A2/AD)環境下で作戦に制約がつかないことを確保する方策を求める。
3. 戦略予算評価センター(CSBA、本部ワシントン)がこのエアシーバトル構想についてより詳しい解説をしている。このCSBAでかつてアナリストをしていたロバート・ワークは海軍次官であり、他にも現政権で重要な役職につくアナリストが多い。同センターの報告書では「エアシーバトルは軍事作戦の指導原則だが、それだけでは戦闘に勝利することはできないし、そう理解されるべきではない。また、特定のシナリオとして例えば台湾の防衛の目的で利用されるべきでもない。むしろ、西太平洋地域における通常兵力のバランスを受け入れられる形に維持するための軍事作戦の条件を設定することに利用されるべき構想である」としている。
4. つまり中国との戦闘を想定しているのではなく、太平洋の西側における安定性を維持するための軍事バランスを維持するのを目的としている。これは中国の成長発展に対応するとともに中国の戦略・政策意図に透明性が欠如していることにも対応するものだ。ではCSBAはエアシーにどんな具体的内容を想定しているのか。
5. ● 空軍による宇宙空間作戦で中国人民解放軍(PLA)の宇宙配備海洋偵察衛星システムを利用不可能とする。また同システムにより対艦弾道ミサイルの照準設定を不可能とする。この目的で空軍がX-37B軌道上実験機を開発しているのかは不明だが、ヘリテージ財団によると中国国内では同機への懸念が広がっているという。
6. ●空軍のジョイントスターズ(共用監視目標攻撃レーダーシステム)機が1月にネットワーク活用兵器体系の実証実験に成功したとの発表があった。そこでは移動する艦艇を同機が追跡し、AGM-154C滑空爆弾がボーイングF/A-18E/Fから投下され同艦に命中している。
7. ● 海軍のイージス艦に弾道ミサイル防衛(BMD)機能を与えることで米空軍の先方配備基地に対空防衛を提供することができる。海上配備のBMD任務により米海軍の艦隊構成も変化し、DDG-1000クラスの開発よりもBMDに特化した既存バーク級駆逐艦の配備を優先することになる。
8. ●長距離侵攻による攻撃でPLAの地上配備長距離海上偵察能力(例 水平線の先を監視するレーダー)や対艦ミサイル基地を破壊する。あわせて潜水艦からの攻撃でPLAの統合防空システムを破壊し、空軍による攻撃に道を開く。


コメント AirSea Battleとは海軍と空軍の統合運用で既存兵力を有効に使おうということのようですね。それにしても内容は中国には大変刺激的なもののようです。その狙いは抑止力とともに中国の方向転換を狙おうというものではないでしょうか。当然、ここまで公開しているということは中国も対応策を作ることを想定しているということなので、ここでは公開できない内容が別にあるのでしょう。

2011年3月29日火曜日

危険が隠れるリビア航空作戦の実情

Libya Has Advanced Russian SAMs
aviationweek.com Mar 28, 2011


リビアに飛行禁止区域を設定することは国連安全保障委員会決議第1793号の実施としてさほど困難な課題とは当初見られていなかったが、実は軍事上、政治上大きな危険をはらんでいる。

1. リビアが秘密のうちに高性能地対空ミサイル(SAM)を配備してたことが判明している。SA-24NATOコード名グリンチである。この存在により各国部隊は航空作戦の実施にむけて電子戦能力をフルに活用することが求められている。またこのミサイルは低空を飛行する救難、医療等の同国再建ミッションがはじまると大きな脅威となる。また同ミサイルが武器闇市場に流れてリビアへの外国勢力の関与を好ましく思わない勢力の手に落ちる可能性もある。
2. 同ミサイルには妨害を排除する能力があるといわれ、その存在自体が米国および各国の軍事アナリストを驚かしている。国連武器登録はじめ公式にはリビアに SA-24の売却はないということになっていたため。開戦当初からテレビ画面でSA-24の画像が流れていたが、これまで情報機関は公式にその存在を確認していなかった
3. SA-24またはイグラSはSA-18グラウズまたはイグラの改良型で性能、破壊力、妨害対抗能力ともに改良されている。有効射程距離は6000メートルで最大高度3,500メートルといわれる。
4. SA-24が携帯対空ミサイルとして利用されている可能性あるいは統合防空システムの一部となっている可能性があるが、同ミサイルが実際にどれだけ柔軟な運用が可能かは判明していない。
5. これに対してペンタゴンはEA-18Gグラウラーをリビアに投入した。イタリアもレーダー探知能力を持つトーネードECRを運用している。
6. まだ残っている長距離SAMはレーダー誘導式のSA-6(高度7Kmまで有効)とSA-8(同5Km)だが、携帯式SAMはまだ相当数残っていると見られる。レーダー誘導能力、データリンク、通信能力は電子攻撃により低下しており、ジャミングとサイバー攻撃が展開されていると米国関係者は明かしている。そうなると有視界方式誘導兵器、赤外線誘導兵器が今後の脅威として残る。その中でも赤外線誘導のSA-24が最大の脅威となる。
7. 電子攻撃と情報戦は海軍のグラウラーが担当しており、空軍もEC-130 コンパスコールとRC-135リベットジョイントを投入中。またEP-3と改造型P-3も加わっており、EC-130Jコマンドがメディア向け放送他情報作戦を実施中。英国も高性能情報収集用機材センチネルR1地上偵察機、ニムロッドR1情報収集機を派遣している。各機の活動によりリビアのSA-2ガイドライン、SA-3ゴア、SA-9ガモンといったSAMの配備場所を把握し、160発のトマホーク巡航ミサイル、数発のストームシャドー巡航ミサイルに精密目標データを提供した。米関係者は固定式陣地への攻撃は成功と評価し、英空軍はリビアの航空勢力は事実上崩壊したと見ている。
8. 携帯型SAMの販売譲渡は本来国連の武器台帳に登録されるべきだが、実際はそうなっておらず、報告の欠如は国際法上も違法行為ではない。
9. 写真でミサイルの存在が明らかになったことで、問題はだれがいつリビアに販売したのかという点だ。SA-24がテロリストや闇市場に流出することも懸念される。
10. 攻撃が一段落した後の政治的な微調整も必要だ。フランスと英国は国連の枠組みを通じて飛行禁止区域の設定を求めたが、フランスはベンガジ近くの攻撃で戦端を切ったものの物資輸送は米国が大部分実施した。フランスは再度国際共同体制に復帰し主導権を握る動きを示している。ドイツは後方支援に徹し、NATOの武器禁輸実施には参加していない。カタールのミラージュ2000は先週から運用開始になった。今回の作戦で長期間にわたる行動をとる際に各国間のひずみがあることが露呈している。
11. 攻撃にはB-2爆撃機(ミズーリ州ホワイトマン基地所属第509爆撃飛行隊)、F-15E(レイクンヒース英空軍基地より第492および494戦闘飛行隊)、F-16CJワイルドウィーゼル(ドイツ・スパンダーレム基地480戦闘飛行隊)が参加。
12. 英国は潜水艦発射トマホーク巡航ミサイルとトーネードGR4からストームシャドー巡航ミサイルを発射して戦闘に加わった。その後、トーネードはペイブウェイ IVレーザーGPS誘導爆弾とブリムストーン 兵装に切り替え直接攻撃に従事。またラプター偵察ポッドも使用。またユーロファイター・タイフーンが初の実戦参加をしている。
13. フランスはミラージュ2000とラファールを運用。また、シャルル・ドゴール原子力空母から偵察飛行と飛行禁止措置の実施に航空機を発進させている。フランス軍機はスカルプEG巡航ミサイル、AASM空対地モジュラー兵器とGBU-12精密誘導爆弾を搭載。そのほかの同盟国も参画方法を模索中でノルウェー、オランダはそれぞれ自軍のF-16 を待機させており、カナダとスペインはそれぞれF-18を参加させる。スウェーデンもJAS39グリペンを6機ないし8機投入する可能性がある。
14. これまで同盟国側機材で唯一喪失となったのはF-15Eで飛行中に機材のトラブルが発生したもの。パイロットと兵装システム士官は救出されている。リビア空軍を脱落したMiG-23が一機ベンガジ郊外で撃墜されたが、これは味方の対空砲火によるもの。このほかリビア空軍のG-2ガレグ練習機が撃墜されている。

2011年3月28日月曜日

強化される米陸軍無人機のセンサー性能

More Eyes For Army UAVs




aviationweek.com Mar 25, 2011

1. 米陸軍はジェネラルアトミックスのMQ-1Cグレイイーグル無人機を今春にテスト機とし、搭載する多機能センサーを地上要員または別機の搭乗員から操作可能かを試す。
2. トライクロップスTriclopsの名称のこのシステムにはセンサーを左右の主翼下部に追加している。これにあわせて機体にセンサーが搭載されているので三つになる。トライクロップスはすs出に実験室では作動が確認されているが、実際の飛行でも効果が証明されると、陸軍は早ければ12月にも同機をアフガニスタンに投入し実戦環境でテストする。
3. トライクロップスの中核部分は送受信兼用のデータリンクソフトウェアで、Kutta Tech(本社フェニックス)が開発した地上歩兵あるいは機内搭乗員にビデオ端末One System Remote Video Terminal (OSRVT)により無人機のセンサーを操作するとともに、電気光学あるいは赤外線カメラやレーザー照準機も操作し、自動飛行制御で無人機の飛行も継続させられるもの。現状のOSRVTは受信だけのシステムでUAVからのビデオ信号をモニターするものだが、搭載するセンサーの操作はできない。これに対し送受信兼用ビデオ端末では特殊形式のケーブルとアンテナが必要でグラフィックユーザーインターフェースにより操作者はタッチスクリーンで任意の方向にセンサーを向けることができる。地上ステーションからなら搭載するセンサー三つを同時に制御できる。
4. 追加のセンサーは左右の主翼中央部の強化部分に搭載される。テスト用のトライクロップスにはレイセオンのAN/AAS-53共用センサーペイロードが使われる。MQ-1Cは陸軍が少数機をイラク、アフガニスタンでこれまで運用している。
5. トライクロップスの運用成績がアフガニスタンで効果的と認められると、次に同じシステムを陸軍が運用する無人機三形式に搭載するアンがある。MQ-1C、中高度を飛行するMQ-5Bハンター(ノースロップグラマン製)、RQ-7Bシャドー(AAI製)だ。グレイイーグルの飛行高度は15千から20千フィートだが、ハンターは8千から10フィートで、シャドーは6千から8千フィートであり、それぞれフルモーションのビデオ情報を得ることができる。
6. トライクロップスの飛行テストはまずジェネラルアトミックスの社有施設で開始され、陸軍も有人機無人機の組み合わせ運用の効率性を検証してからアフ、ガニスタンに送付する予定だ。陸軍は有人無人システム統合能力 Manned/Unmanned System Integration Capability (Music)演習を9月に予定しており、AH-64DアパッチブロックIII攻撃ヘリからグレイイーグルを操作する。
7. Music ではあわせて統合地上コントロールステーションUniversal Ground Control Station (UGCS)の実証を行い、シャドー、ハンター、グレイイーグルの各型を同じオペレーターで操作できることを確認する。UGCSの実戦配備は2012年を目標にしており、2016年までに陸軍のUAV各型操作装備の標準形となる。Music演習に参加する地上兵士にはハンドヘルド型のUGCSの操作実証を担当する予定だ。
8. 米陸軍の無人機担当部門がトライクロップスの飛行実証にこぎつけたのは記録的な短時間のほぼ一年で、これが可能だったのは各メーカーが自社資金を投入してきたためだ。
(写真は上からMQ-1Cグレイイーグル、MQ-5Bハンター、RQ-7Bシャドー)

2011年3月27日日曜日

バイオ燃料でF-22スーパークルーズに成功

(米空軍の広報資料からのニュースです)

3/23/2011 - EDWARDS AIR FORCE BASE, Calif. (AFNS) -.


F-22ラプターが合成燃料(カメリナ抽出)と従来型燃料の混合燃料(混合比50/50)で3月18日にスーパークルーズ飛行に成功した。411戦闘試験飛行隊が実施した。空軍はF-22を先行事例として選び、今後戦闘機角型にバイオ燃料の使用を広げる。

今回のテストの大きな目標はバイオ燃料がF-22の兵装システムに適合しているかの確認であった。飛行の各段階で操作性、性能等を点検した。

テストに使用されたF-22は高度4万フィートでのスーパークルーズでマッハ1.5に達している。
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空軍の目標は2016年に航空燃料需要の50%を代替燃料とすることで、その原料を国内調達に頼ることとしている。

カメリナ抽出の合成燃料はHRJと呼ばれる水素処理再生可能ジェット燃料と分類される。HRJは各種植物油あるいは動物脂肪から生成される。

戦闘機以外では2月にC-17グローブマスターIIIがHRJバイオ燃料による無制限の飛行運用を空軍が認証している。

2011年3月21日月曜日

日本上空のグローバルホーク・U-2が震災被害の情報提供に活躍中

Guam Global Hawks Surveying Earthquake Damage
aviationweek. com Mar 18, 2011

1. 東北・関東大震災後の被害状況把握のため画像情報収集ミッションに投入されているのは米空軍のグローバルホークでも新型のブロック30が2機である。
2. グローバルホーク海外運用の地区は通算4つとなった。太平洋、イラク・アフガニスタン、欧州およびメキシコ・南米だ。さらにリビア情勢の情報収集にイタリアのシニョレラ海軍航空基地にもブロック30の部隊を投入する交渉が進行中だ。
3. 日本上空で運用中の二機はアンダーセン空軍基地(グアム)を基地としており、烏山基地(韓国)~飛行するU-2とあわせて飛行している。
4. 飛行中の機体はブロック30Iが正しい名称で、高性能合成センサー装置(EISS)を装備し、地表の広範囲な情報を集めることができる。画像情報はデジタル送信され処理される。U-2は光学カメラを搭載し、高画像広範囲の地表画像を撮影できる。ただし、カメラはフィルム式で、現像処理にはビール空軍基地(カリフォルニア州)へ送付した後に解析される。
5. 各機の投入で地震津波被害の様相以外に福島第一原発の危機進行状況の把握にも役立つ。
6. グローバルホークのEISSが同発電所の赤外線画像を撮影し、地上の作業部隊に原子炉付近で高温の箇所を示している。グローバルホークの飛行高度は放射性物質が浮遊する空中よりも相当の距離があるが、万一機体が汚染された場合に備え空軍には除染作業を準備している。
7. アリダフラ航空基地(アラブ首長国連邦)で運用中のグローバルホークは高高度飛行によりイラク、アフガニスタンを中心にこれまで10年近く支援を提供している。空軍向けブロック10が3機、海軍のブロック10は単独機だが海洋監視ソフトを搭載、ブロック20の2機には戦場空中通信ノード送信機能が付いている。
8. 海外運用の頻度が増していることから、空軍はブロック20/30機の初期作戦能力テスト・評価の完了に向けた努力を続けており、昨年発生したコスト上昇による遅れを取り戻そうとしている。

2011年3月20日日曜日

グローバルホークはBAMSへ進化する 米海軍の配備案明らかに

U.S. Navy Details Basing Plans For BAMS


aviationweek.com Mar 14, 2011

米海軍は広域海洋監視(BAMS)仕様の無人機(UAS)の初期作戦能力獲得を2015年遅くまでに実現し、ペルシャ湾に配備する見込みだ。

1. BAMSは第五艦隊に配備する、とディシュマン海軍大佐(BAMS計画主任)は語る。
2. 第五艦隊司令部はバーレンにあるが、米海軍は周辺諸国にUAS配備の交渉をしている。アデン湾で海賊問題が今後も続くと、UASの運用も想定される。
3. 中東以外には米本土西海岸、東海岸にそれぞれ配備される他、シシリーとグアムが想定されている。グアムからは米空軍がグローバルホークを運用中だ。イタリア政府はシシリーの使用を了承していると同大佐は語る。
4. BAMS-UASはグアムからアジア太平洋地区をカバーする航続距離があるが、経済運行の視点からは600ないし900海里の半径での運用が望ましいという。
5. 海外購入者がグアム基地を利用できるのか、という問いに同大佐は「もちろんだ。同盟国が米海軍の補完をしてくれるなら、米海軍施設の利用は可能。」と答えている。
6. アジア太平洋でBAMS導入の可能性が最も高いのはオーストラリア。同国はBAMS共同開発に参画したものの途中で脱退している。米海軍はオーストラリアとデータ交換協定を結んでいる。
7. 業界関係者によると日本はグローバルホークを購入してからBAMSを導入すると見られている。海上自衛隊は目下のところ川崎P-1国産海洋哨戒機の配備に中心をおいている。
8. オーストラリアについてディシュマン大佐はノースロップグラマンの製造能力と米海軍の要求機数からみて海外向けの機体の生産開始は2015年以降となりそう。オーストラリアが早期に機体取得を希望するのなら決定を早くしてほしい、と同大佐は話す。

2011年3月13日日曜日

韓国もグローバルホーク導入へ

South Korea To Buy Global Hawk
aviationweek.com Mar 11, 2011

韓国は米国よりグローバルホーク導入の合意を得た。

1. 購入契約締結は早ければ今年中に実施となり、合計4機となる。グローバルホークが購入を許可されるのはブロック30Iバージョンで電子光学赤外線システムを追加されている。
2. 韓国は信号情報傍受機能も希望しているが、米国は空中情報収集ペイロードの販売には慎重で今回の選定には入っていない。
3. 一号機引渡しは2014年の予定で、売却契約の通知はまもなく議会に報告される。
4. グローバルホークの導入に関心のあるアジア各国は韓国以外に日本とシンガポールがある。またドイツ空軍の信号情報収集仕様に応じたグローバルホークが開発中だ。それとは別にNATOはブロック40に次世代空中地上監視センサーの搭載を決めた。ただしグローバルホークの航続距離・ペイロード(3,000ポンド近くと言われる)はミサイル技術制限取扱枠(MTCR)の制約対象。
5. 米国務省は韓国向けにはMTCRによる制限適用を免除することにした。米空軍は販売条件等の詳細を詰めているが、売却価格はまだ決まっていない。
6. 米空軍は同機を画像収集、信号情報収集、地上監視目的に導入している。米海軍は海洋監視任務用に同機改修型を開発中、オーストラリアは同機に関心をもつものの高価格がネックだ。

2011年3月10日木曜日

無人機間の空中給油の実現が迫る

Northrop Simulates Global Hawk Aerial Refueling
aviationweek.com Mar 9, 2011

ノースロップ・グラマンは無人機の自動空中給油シミュレーション実験に成功した。スケールドコンポジッツScaled CompositesのプロテウスとNASA所有のRQ-4グローバルホークが実験に参加した。

1. プロテウスは有人操縦で飛行高度45千フィートで給油機をシミュレートし、グローバルホーク(無人機)から40フィート以内を飛行した。今回の実験は国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)が2012年春に実施予定のKQ-X無人高高度空中給油実証実験に必要なデータを収集し次回実験のリスクを軽減することが目的。
2. 次回実証実験ではNASAのグローバルホーク2機を使用し、ブーム方式の給油機からドローグ方式の機体への空中給油を行う。給油機が後方を飛行する形で通常の空中給油とは逆の形になる。
3. 今回の実験は1月に実施され、二機の間で発生するタービュランスの実態を把握し、エンジン作動状態や飛行制御の反応を高高度で確認することが目的だった。
4. プロテウス・グローバル・ホーク間の近接飛行の様子はAres防衛技術ブログでご覧になれます。 Proteus and Global Hawk Simulate HALE Refueling.

2011年3月9日水曜日

リビア飛行禁止区域にF-22が投入される可能性

F-22s Could Be Assigned To Libyan Operation
aviatonweek.com Mar 8, 2011
ペンタゴンはリビアに飛行禁止区域の設定を検討しており、F-22ラプターが始めて実戦投入される可能性がある

1. 実現には国連とNATOの支持が前提だが、相当規模の防空網を相手にする作戦となる。
2. 想定ではロッキード・マーティンのF-22,F-16CJワイルド・ウィーゼル機、他にサイバー作戦機でリビア防空網を機能停止に追い込む。リビアの頼みの綱はロシア製SA-6地対空ミサイル(SAM)のみといってよい。その他装備弾薬はNATO軍がセルビアで遭遇したものに類似しているが、当時はF- 117一機が戦闘行動中に喪失している。
3. SA-6ゲインフルがリビアで最高性能のSAMであるが、他にSA-2ガイドライン、SA-3ゴア、SA-5ガモンが装備されている。
4. 空母が現在地中海西部に移動中だが、アフガニスタンの作戦行動のためリビア上空の飛行禁止区域の維持を継続できないため、任務には空軍の投入がふさわしい。
5. 作戦基地の確保が問題となる。イタリア国内の基地利用が望ましいとされており、同国もリビア国内の原油へのアクセス確保の視点から基地利用を認める可能性が高い。
6. ただし最悪のシナリオはNATOが飛行禁止区域の設定に反対し、米軍機がエジプトからの飛行を余儀なくされる場合だ。リビア反乱勢力が確保している地区からの発進は想定されていないのは安全性を疑問視しているため。
7. 「米空軍はリビア作戦の実施には十分な戦力があり、F-22やF-16 CJには完璧なシナリオになるでしょう。空軍の基本任務は相手国の高性能防空組織を破壊し、空軍基地を攻撃し使用不可能にすることであり、レーダー信号を発信する施設を破壊し、相手国領空上から障害を除去することです。作戦開始後24時間から48時間で飛行禁止区域の確立が可能です。」(空軍ベテランパイロット)
8. 大型機材として空中給油機、ノースロップグラマンE-8ジョイントスターズやボーイングE-3AWACSはオマン、チュニジアあるいはカタールからの運行をするだろう。
9. SAMのためにレーダーを作動させたり、コンピュータへのジャミングの動きがあればサイバー作戦が実施される。他に通信施設が攻撃対象となる。特に初期段階でF-22の投入が必要とされるだろう。
10. ゲイツ国防長官も飛行禁止区域の設定を検討中と認めており、その他の選択肢とともにペンタゴンが近日中にホワイトハウスに説明をする。
11. マレン統合参謀本部議長は関連地域7カ国の視察を完了しており、関係各位の意見を聴取したと見られる。
12. 「各種のオプションを検討中であり、人道援助や避難作戦以外の選択肢は内容が複雑になります。仮に投入装備を追加すると、その結果アフガニスタン、ペルシア湾への影響はどうなり、また関連地区の同盟各国への影響はどうなるかを検討する必要があります。」(同議長)

2011年3月5日土曜日

ボーイング提示価格はEADSより10%低かった

Boeing KC-X Price Was 10 Percent Under EADS
aviationweek.com Mar 4, 2011

KC-X提案競争に敗れたEADSノースアメリカだが、選定結果に異議を唱えないこととした。今回の選定では価格差が大きな理由で、EADS提示価格はボーイングよりも10%高かったことが判明した。

1. EADSノースアメリカのクロスビー会長は選定に漏れたことは「残念な結果」としながら空軍によるKC-X選定手順は「ルール通りに行われた」とし、選定結果までの過程を「ていねいに」実施したと発言。
2. 同社がKC-X提案競争に支出した金額は45百万ドルにのぼり、2008年には一度は当時の提携先ノースロップ・グラマンとともに採択されたものの、選定結果は政府監査部門が不適切な手順があったとしたため無効にされている。その際はボーイングによる異議が提出されている。
3. ペンタゴンはボーイングKC-46A選定手順は近年では最長期間になったと発表。EADSは選定後に空軍の説明をうけた。同社は3月7日までなら異議を提出できる。
4. ボーイング提示価格は206億ドルでEADSは226億ドルだったと空軍が説明時に資料で明らかにしている。この金額はKC-135後継機を179機開発、製造する費用だ。さらに350億ドルが契約総額で40年間運用の運行、保守点検費用も含むもの。
5. クロスビー会長はボーイング提案から独自に提示価格を推定したという。そしてボーイングが小型の767基本設計を採用したことによる経済効果を5億ドル相当と見る。
6. 一方、空軍の検討結果はEADS案の提示する多様な運用シナリオによる経済効果を8億ドルとしていた。
7. クロスビー会長はボーイング案採択を祝う一方、契約上は固定価格で納入することがボーイングに可能か疑問を呈する。
8. ボーイングは開発と製造を並行して実施する予定で、KC-46Aの初飛行は2015年とし、初期ロットの18機納入は2017年までになるとしている。

2011年3月4日金曜日

X-37B二号機打ち上げは3月4日

Second X-37B Set To Launch March 4
aviationweek.com Mar 2, 2011

米空軍のOTV(軌道試験機)一号機が224日間に及ぶ無人宇宙飛行から帰還して三ヶ月が経過して、二番機の打ち上げが3月4日予定で準備が進んでいる。

1. OTV-2は前回と同じアトラスVブースターによりケイプカナベラル空軍基地より打ち上げとなる。打ち上げは東部標準時午後3時39分から2時間の間になる。
2. 同機はX-37Bとも呼称され宇宙空間での活動は秘密事項になっているが、搭載するペイロードについても公開されていない。二機を組み立てたのはボーイングのファントムワークスで、外形はスペースシャトルに似ている。低コストかつ短期間で再打ち上げが可能となる宇宙機の技術実証がその目的とみられ、同時に将来の衛星に組み込まれる装置の軌道上試験も行うもの。
3. 空軍は本誌に対し、「軌道に乗ればX-37Bは技術成熟化、宇宙空間からの情報収集、偵察、軌道上補修活動、衛星発射あるいは回収、軌道上のデブリ回収等の多目的に利用されます」と電子メールで回答している。
4. 同機は有翼構造で全長29フィート、全幅14フィートで最大290日間軌道にとどまることが出来る設計だ。OTV-1は帰還時に良好な状態であったことから、OTV-2打ち上げには改良点は最小となっている。
5. OTV-1の再打ち上げ予定は未定。
6. 「OTV- 1帰還が12月でOTV-2打ち上げが3月と間隔が短く、OTV-2打ち上げに際してはOTV-1の大気圏再突入及び着陸時のデータを短時間で検討し、同機の外観の点検を済ませています。今後の低コスト最打ち上げサイクルの確立のためにOTV-2打ち上げ後により詳細な検討を行います」(米空軍)
7. 「OTV- 2はOTV-1の軌道飛行実証の結果をもとに打ち上げられ、X-37Bの性能限界を広げる効果が期待されています。今回の二回目打ち上げにより低価格再利用可能宇宙機に必要な技術要素の微調整ならびに運用コンセプトの開発が進みます」(米空軍) そのためOTV-2は-1よりも長期間の軌道上飛行をするものとみられる。
8. OTV-2の改良点は最小ということになっているが、OTV-1の12月着陸時にタイヤがパンクしたことから空気圧を約15%減らしている。
9. また、前回実証済みの飛行制御及び自動着陸のアルゴリズム能力により着陸時の風向き制限が減っていると、空軍は説明している。
10. なお、X-37Bの統括は空軍Rapid Capabilities Office(短時間で能力を開発する部局)である。

2011年2月26日土曜日

KC-46A ボーイングがKC-Xの勝者へ

Boeing The Clear Winner Of KC-X: Pentagon
aviationweek.com Feb 25, 2011



米空軍はKC-X次期空中給油機のボーイング案を採択し、767を基本とする同社提案機体はKC-46Aの呼称になった。
1. EADS案の大型のA330派生型のKC-45Aは以前の入札で選定されていたものの、今回は選に漏れた。空軍がボーイング案採択を発表したのは24日午後5時(東部標準時)。
2. 価格差が1%以内の場合は仕様で求められていない追加性能を評価する手はずであったが、価格差がこれを上回っていたため追加性能は選定の基準にならなかったとドンレー空軍長官が説明している。
3. 選定過程では各社提示の価格を生涯運用コストで再計算しており、小型の767が消費する燃料合計が少ないことが決定的になっている。
4. ボーイングに交付される契約は2017年までに第一期分18機を総額35億ドル固定価格で納入するもの。ノースロップ・グラマン/EADSコンソーシアムが2008年に一旦落札した際の同様の契約では総額15億ドルだった。
5. 空軍はKC-Xの再度やり直しを2010年7月から始め、仕様書は選定基準を明確にし、入札社の財務負担を軽減する内容に改定された。これは初回の入札で敗者から出た抗議を配慮しこの再現を回避する意図で行われた。
6. これに対しボーイングは当初の競争に敗れた後にアプローチを終始し、767各型の要素を組み合わせた機体の開発案を取り下げ、767-200にKC-10の改良型給油ブームと787コックピットを組み合わせた「NewGen」(新世代)給油機案を提案した。同社によれば当初案よりも価格は下げたという。
7. 一方EADSノースアメリカは一度は採用となったKC-45案のまま、ノースロップが脱退したあと単体で競合に臨み、空軍の仕様書が「明らかに小型機に有利」と批判しながら、今回の入札では提示価格を引き下げている。
8. 前回の入札では敗者からの抗議に遭遇し、しかも空軍の選定過程に批判も集まったことを意識し、ドンレー長官は合計7ヶ月に及ぶ選定作業で作業過程記録を更新したと強調する。入札各社は評価過程をよく理解し、今回は敗者による抗議や議会からの疑義の発生を回避できると同長官は見ている。
9. 上院軍事委員会の重鎮マケイン議員(共和、アリゾナ州)は「空軍には今回の選定理由を明確に説明することを期待したい」と発言しており、「その過程で一番合理的な価格で最高の性能の給油機が実現する」としている。

2011年2月20日日曜日

KC-X選定結果の発表が迫る

USAF KC-X Winner to Be Named Soon
aviationweek.com Feb 18, 2011

米空軍は次期空中給油機KC-Xの選定結果を来週にも発表する、と複数の業界、空軍関係者の情報から判明した。
2. 空軍は選にもれた提案者からの抗議が出ることは予想済みで、対応準備も進んでいると思われる。かれこれ10年近くになる空中給油機選定にはスキャンダル、抗議、選定結果の逆転、データ取り扱いの間違いにより競合他社の提案内容が相手にそれぞれ漏れるという直近の事態が発生している。
3. 「抗議が上がるのは織り込み済み。その対策に時間をかけ、選定過程を説明する文書も作成しています」(ドンレー空軍長官) 議会の会計検査院が連邦政府による入札関連の紛争発生時にはレフリーの役をする。
4. ボーイングが767、EADAがエアバスA330をそれぞれ基本とする案を提出済みだ。選定で大きな比重を占めるのは価格で、179機までの調達が始まると老朽化著しいKC-135と置き換わる。
5. ノースロップ・グラマン/EADS共同事業体が前回2008年の選定で勝ち抜いたが、ボーイングの抗議によりペンタゴンが契約締結を凍結し、再度選考を行うことになった経緯がある。ノースロップはEADSとの提携を昨年中止し、EADSは単独入札している。
6. ボーイングはEADSより価格で不利と判断しており、すでに落札失敗に備えているようだ。EADSが落札すると米国国防市場に大きな足場を築くことになる。なお、ヘリコプターでは同社すでに受注に成功している。
7. 選定結果は2月25日金曜日に最終決定される可能性がある。

2011年2月16日水曜日

F-X選定は次世代機国産開発の序章となる

Japan's Roadmap To An Indigenous Fighter
aviatonweek.com Feb 11, 2011

日本国内の航空宇宙産業界はFX選定を予定通り完了し、2028年まで生産を継続することを政府に求めており、海外3メーカーがこの需要をめぐって争うことになる。

1. さらに後継機種となる国産機の全面開発は2015年ないし2017年に開始するべきと日本航空宇宙産業工業会は提言している。ということは産業界は生産と開発の二つを長期プロジェクトとして同時並行で進める意向があることになり、これにより同国の戦闘機製造の産業基盤を維持する目的がうかがえる。三菱重工業はF-2最終機を今年引き渡す予定だ。
2. 業界にはロッキード・マーティンF-35をF-Xとして発注することを期待する動きがあるが、同機関連技術は米側がしっかりと管理している。その他候補にはユーロファイター・タイフーンとボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットがある。
3. F- Xの相当部分は国内生産となる見込みで、最終選考結果がどうなっても政府が工業会の提言を採択した場合、2014年生産開始し、2028年まで継続すれば、F-2の例で年間8機の生産数をそのままあてはめれば120機の生産規模になる。F-4改ファントムの代替としてのF-Xの発注数はこれまで50機程度とされてきた。
4. となると、次期F-X選定機は現有200機のF-15の一部も代替することになるのではないかと毎日新聞は見ている。
5. ファントムの退役は2015年に完了する見込みだが、F-X選定が決着しないとこの実現は困難になる。そこで航空宇宙工業会は退役を2018年に先送りになると見ている。その年までに一定数のF-X機が配備可能になるというのが根拠だ。タイフーンやスーパーほーネットならその年までにF-35よりも多くの機数を配備できる。
6. 同工業会はF-XはF-2生産終了から完全国産機の本格生産開始予想の2026年までの15年ギャップを埋める存在と見ており、国産機でも海外機でも構わないと見ている。政府がF-2追加発注をしない決定をしているため、結論はF-X導入しかない。
7. その後継機だが、i3技術を元に開発される見込みで、すでに高性能エンジンの研究は始まっている。また基礎研究は2017年まで継続される見込みで、一方ATD-Xステルス技術実証機は2014年から16年に初飛行する。
8. 3技術を導入した戦闘機の本格開発が2017年までに開始されると、これまで防衛省が想定していた2021年より相当の前倒しになる。
9. i3機の初飛行は2025年、実戦配備は2031年というのが工業会の案で、これを含むロードマップを2030年代までカバーして作成している。
10. 「国内開発生産体制は米国が技術を非公開にする場合に備えて維持する必要があります」とロードマップは説明している。間接的にF-XとしてF-22ラプターの購入に失敗した事実をさしている。
11. その他に今後決断を迫られる課題は二つあり、ひとつは米空軍の次世代戦術機(実戦化2030年)と日本の煮え切らない武器輸出三原則の取扱であり、防衛装備の国際開発への参画だ。
12. この二つにあわせて国産戦闘機開発の予算規模が相当のものになることから、i3により日本が米国のいわゆる第六世代戦闘機開発に貢献する可能性も出てくる。ただ米国が機密性の高いプロジェクトだけに国外からの支援を拒否すれば、日本は単独開発に進むことになるかもしれない。

2011年2月13日日曜日

SM-3ミサイル共同生産で決断を迫られる日本

MDA Pushes Japan On SM-3 IIA Production
aviationweek.com Feb 9, 2011
米ミサイル防衛庁(MDA)はSM-3ブロックIIA対弾道弾ミサイルの実戦配備目標2018年実現に向けて日米共同生産の計画の実現を日本に求めている。

1. オライリーMDA長官は仮に日本側と生産計画で合意が得られない場合は米側での生産を実現する準備が必要と発言。
2. 同長官は1月3日付け書簡で防衛省に対し

て同ミサイル生産の計画で決断すべき重大局面に来ており、日本政府による合意がない場合は米国としてレイセオンによる生産に踏み切ることになると伝えている。MDA関係者が同書簡が実際に日本に発信されたことを認めた。
3. SM-3ブロックIIAは射程距離画像化しており、SM-3ブロックIAとの比較では操作性が増しており、実戦配備が予定されているSM-3ブロックIBよりも優れている。この二つは直径14インチのブースターを使うのに対し、ブロックIIAは21インチである。
4. 日米両政府は共同開発で合意しているが、実戦配備を2018年に予定している関係から生産計画をまず決着させるのが急務だ。IIA開発の予算規模は20億ドルと見積もられ両国で負担する。
5. 三菱重工業は第二段、第三段、先頭部分の開発を担当している。レイセオンはペイロードと誘導装置を開発するというのが両国合意内容だ。
6. 両国でそれぞれの開発した範囲の部品製造をするのが理想で、日本が共同開発、資金負担をする際にこの原則が鍵となっている。
7. ブロックIIAの飛行試験は2014年度の予定とMDAは発表している。
8. 仮に米国内での生産が実現しても、両国は必要な部品供給を行い、それぞれの生産に必要な支援を行う。日本が設計した部品を米国に供給することが想定されている。
9. また、他国へのミサイル販売も検討されているとオライリー長官は明かす。「第三国への販売あるいは提供が保証されていないと、コスト上昇や生産能力の過小評価のリスクが増える」
10. SM-3ブロックIIAは海軍のMK41艦載垂直発射装置からの使用が想定されている。同装置を採用している各国海軍が販売対象となる。SM-3ブロックIIAは陸上配備も可能で、イランのミサイル脅威に対する欧州防衛体制の一部に組み込まれる見込みだ。

2011年2月5日土曜日

X-47B初飛行に成功 空母航空戦力の未来

Northrop UCAS-D Completes First Flight
aviationweek.com Feb 4, 2011

ノースロップ・グラマンのX-47B無人戦闘航空機システム(UCAS-D)実証機が2月4日エドワーズ空軍基地で初飛行に成功した。

1. 初飛行は離陸後29分に着陸して完了した。飛行高度は5,000フィート。機体制御システムのデータ収集が目標で同時に今回の初飛行が合計50回予定で年内にかけて実施される性能限界拡大テストの開始となる。当面は一週間一回のフライトで開始し、今年後半には週二回となる。
2. ノースロップと米海軍は昨年11月にタキシー試験と飛行開始前点検で合格判定を出している。
3. 飛行一号機AV-1は2008年12月に完成しているが、飛行開始が大幅に遅れていたのはエンジン関連の音響問題に加えソフトウェアで問題があらたに見つかったため。ジェネラルダイナミクス/マクダネルダグラスのA-12の開発が取り消しとなって以来海軍には同機が初のステルス機となる。X-47Bの初飛行は当初2009年11月の予定だった。
4. 今後は修正作業を空母運用に向けて行い、2013年に空母着艦を目指す。(当初目標は2011年) 
5. 空母着艦により無人機の空母運用の実証を行うのが最大の課題だ。ノースロップは当初A-12に期待されていたステルス攻撃ミッションをUCAS機体で実現させるのが目標としており、無人機のため航続距離、飛行時間ともにA-12性能を上回る期待がある。
6. AV-1は今年後半にパタクセント海軍航空基地(メリーランド州)に移送されたあと、空母にクレーンで搭載され.空母着艦が試される予定。
7. 二号機AV-2は機体構造の耐久性確認として8週間にわたる荷重試験を受ける。これは空母運用の状況を再現し、カタパルト発信、着陸に機体構造が耐えられるかを見るもの。AV-2には搭載する単発プラットアンドホイットニーF-100-220Uエンジンの音響問題解決のためノズル形状の変更が加えられている。
8. AV-2のエドワーズ基地での飛行テストは今年末の予定。

(写真 ノースロップ・グラマンのウェブサイトより)

軍用輸送機市場の見込み:A400M、C-2、KC-390他

A400M, KC-390 Will Reshape Transport Market




aviationweek.com Feb 4, 2011

軍用貨物機市場は今後十年間でおよそ900機の製造規模だが、その様相は大きく変わることになりそうだ。戦略輸送機市場ではボーイングC-17の生産は終了し、エアバスミリタリーA400Mのみが残り、ロッキード・マーティンC-130JはエンブラエルKC-390という新しいライバルに直面する。
1. C- 17生産は米議会の予算承認が期待できない中で、これまで低率生産で採算を確保してきたが、輸出市場だけのために生産ラインを維持するのが困難。現状では受注済みの海外販売用のC-17最終機の引渡しは2016年で、そのあとはA400Mが唯一の大型輸送機になる。A400Mは遅延により、存続が危ぶまれていたが、主要発注国があらたに支持を表明したことで継続が決まった。
2. A400MはC-17より小型で速度も遅いがC-130よりも搭載量は大きく長距離飛行が可能だ。欧州各国およびその他国にとってA400Mは戦略輸送能力をC-17ほどの費用をかけずに確保するものとして映っている。
3. A400MはC-17より安価とはいえ、各国の空軍でも資金に余裕のあるところしか手が届かないというのがエアバスミリタリーにとって困った点だ。各国が国防支出を削減している中で戦略輸送能力も聖域ではない。
4. 輸送機市場で魅力ある部分は中小型機で、これまではロッキード・マーテインC-130Jが大部分を占めてきた。旧型C-130の代替需要が今後増えると期待される中で数社がC-130とアントノフAn-12の後釜を狙う機体の開発を進めている。
5. そのうち、ブラジルのエンブラエルがKC-390を開発中でブラジル空軍より28機の受注ずみ。同機の貨物室寸法はC-130-Jよりも小さいもののジェットエンジン搭載で高高度かつ高速巡航が可能だ。エンブラエルはブラジル政府と共に13.7億ドル規模の7ヵ年計画で試作機開発を2009年に開始した。一方で世界市場を狙いブラジルはアルゼンチン、チリ、コロンビア、ポルトガル、チェコ各国と共同開発・生産の協議と売り込みを図った。同機の初飛行予定は2013年、引渡し開始は2015年。
6. 中国のハルビンはY-9四発ターボプロップ機を開発中でC-130Jと同程度の外寸と搭載量を狙う。これ以外にIl-76クラスの四発ターボファンY-20輸送機の開発もあるようだが、中国政府はY-9を優先するとの報道もある。
7. ロシア・インド共同開発の多用途輸送機(MTA)が実現するとインド空軍の双発An-32の後継機となる。インドはAn-32の最大の使用国。双発ターボファンのMTAはIl-214の設計を元に開発されるというが、C-130と小型のアレニアエアロノーティクスC-27やエアバスミリタリーCN-235/295ファミリーの中間の機材に国際需要があるのかは不明だ。
8. 一方、川崎重工業はC-2を開発中で、双発ターボファン・高翼の同機は航空自衛隊の老朽化した川崎C-1Aと C-130の後継機要求に応えるもの。航空自衛隊は40機から60機の調達を希望しているが、国際市場での可能性は未知数だ。日本は防衛装備の輸出で国内の防衛産業の基盤を維持したい考えだが、武器輸出には憲法上の解釈を巡り議論が決着しておらず、輸出解禁の見込みはない。C-2から民間型が派生する可能性は考えられ、軍用ユーザーには武器禁輸の回避策となるのではないか。C-2はC-130より大型でA400Mと匹敵する大きさだが、やはり大型機の整備を目指す国が少ない中で海外販売は容易ではないだろう。

2011年1月30日日曜日

縮小に向かう新型機開発業務 今後の防衛体制維持は大丈夫か

Industry Looks To New Bomber For Design Work
aviationweek.com Jan 28, 2011

国内、海外の発注により欧米の軍用機生産ラインは2010年代中頃までは高い可動状態を保つだろうが、開発業務は縮小しており、新型機開発の要求と産業界の現実の差が拡大に向かうだろう。

1. 米空軍及び海軍は「第六世代」戦闘機の技術開発と要求性能の定義付けを開始した。2025年から30年の第一線配備を目指すものと概念定義される。しかしロシアに続き中国がF-22クラスのステルス戦闘機を開発する中、米国の予算制約から2015年以前に十分な予算の確保は困難。
2. スホイT-50の飛行テスト開始は2009年12月で実戦配備の目標は2015年ごろ。成都J-20も初飛行は1月11日で2017年から19年が第一線配備の目標としているので、このままだと2020年までに米国のステルス機は同等の性能を持つ対抗機に直面することになる。
3. そこで米国が第六世代戦闘機を2015年に開発開始しても、F-22やF-35の例で開発から初期作戦能力獲得に15年間の差があることから、2030年の第一線配備もかなり怪しくなる。
4. 一方、F-22生産はまもなく終了し、F-15E、F/A-18E/FまたおそらくF-16の生産ラインは2015年まで維持される見込みで、かつF-35 共用打撃戦闘機の生産は2030年以降も継続する見込みの中、航空産業では設計開発業務量の不足が大きな問題になっている。現時点で視野に入っている大型案件は米空軍の次世代爆撃機だけで、これも2009年に一度棚上げになっていたものだ。
5. 次世代爆撃機の予算は2012会計年度国防予算要求に盛り込まれる見込みで2月に公表される。設計開発には既存技術を使って予定通りでの投入と配備数が可能となるはずだ。
6. 当初の次世代爆撃機開発案が中止となったため、長距離攻撃計画は大幅な予算削減の対象となった。同じように海軍のSSBN(X)次世代弾道ミサイルも当初見積もりから35%の削減をされている。
7. その結果、機体設計は極度に低視認性で有人飛行はオプションとなるが、F-35はじめ既存機の技術を応用し予算の節減につとめる。航空産業にはこれは設計開発の規模縮小を意味する。
8. 新型爆撃機以外の設計開発の可能性としては次世代無人機がある程度で、空軍のMQ-Xプレデター/リーパー後継機、海軍の艦載型UAVに絞られる。現時点では各機の開発日程が不明だが、2012年予算要求が出る時点で詳細が明るみに出るかもしれない。

2011年1月29日土曜日

P-8Aの初期生産開始へ

Boeing Clinches P-8A LRIP Contract
aviationweek.com Jan 27, 2011

1. ボーイングはP-8A低レート初期生産(LRIP)分6機のうち一号機の組み立てを今年中ごろまでに開始する。これは総額16億ドルの米海軍契約が交付されたことによるもの。
2. 契約内容には機体の他に予備部品、ロジスティクス、取扱訓練が含まれる。ボーイングはP-8Aシステム開発実証(SDD)契約(2004年)により同機の地上テスト・飛行テストを順調に進展させていた。
3. SDD機材合計6機のうち3機は現在パタクセント海軍航空基地に配備され飛行テストを実施中で、残り一機はボーイングフィールドでシステムの組み込み中。5号機はボーイングフィールドに1月22日に到着したばかりで、6号機が現在最終組み立て中だ。
4. 海軍は計117機のP-8Aを2025年までに受領し、ロッキード・マーティンP-3Cオライオンと交代させる。P-8Aの第一線配備は2013年から開始の見込み。あわせてボーイングはインド海軍向けP-8Iの一号機の組み立てを開始している。インドの発注合計は8機。また、オーストラリア海軍とは追加発注の商談中。

2011年1月19日水曜日

J-20初飛行を冷静に考える: 技術的課題はまだ多い

Stealthy Chinese J-20 Vulnerable
aviationweek.com Jan 14, 2011

1. 中国のJ-20には相当の開発努力が必要で、ステルス対策技術の進歩へ対応するのは一筋縄ではいかない。
2. ステルス対策技術によりステルス機の設計そのものが問い直されている。防空体制に強力なAESA(アクティブ電子スキャンアレイ)レーダーが導入されているのに対してどれだけの脆弱性となるのか。AESAは開発当初から極めて小さな飛行物体も捕捉することを目標としており、巡航ミサイルなら相当の距離で識別し、撃墜が可能となる。戦闘機はこれよりも大きい。
3. ステルス機を空中で探知することはすでに作戦上可能。エドワーズ空軍基地での2009年テストでロッキード・マーティンは自社のCATバード試験機(ボーイング737にF-35共用打撃戦闘機のエイビオニクス全部を搭載)にF-22とF-15混成部隊と交戦させたところ、各機の探


知に成功し、F-22レーダーの妨害も行っている。レイセオンのXバンド搭載AESAレーダーは沖縄駐留のF-15C改装型に搭載されており、小型で本来探知されにくいとされる巡航ミサイルを捕捉可能だ。
さらにノースロップ・グラマンの低周波LバンドのAESAレーダーはすでにオーストラリアのウエッジテイル空中早期警戒指揮統制機に搭載されており、ステルス機も相当の距離から探知する能力がある。

4. ロッキード・マーティンはJSFについて2009年に海外の高性能機との交戦能力を暗示的に説明している。「F-35のエイビオニクスには搭載センサーでパイロットが全天候、昼夜問わず、高度の防空体制の下で移動目標、固定目標を攻撃する事が可能で、同時に空中の目標も捕捉攻撃が可能です」(同社F-35開発責任者(当時)クローリー執行副社長)
5. 中国から入手したJ-20のより鮮明な写真を見ると同機にはステルス技術が応用されているものの、未解決の問題点が多くあることも明らかだ。
6. 機体の全般的形状はF-35やF-22に類似しており、「蝶ネクタイ」のレーダー断面積として最小の捕捉特徴を機首にとどめるものの、側面からは捕捉の可能性は最大となる。同機の作戦実施に使うシステムは敵レーダー施設のデータベースを使い、安全な侵入経路を選択し側面をレーダーに晒すことを避けるはずだ。
7. 分流構造のない超音速空気取り入れ口の設計でレーダー特徴をなくすことができる。F-22の空気取り入れ口は通常型のため、大量のレーダー吸収材料(RAM)の処理をしている。
8. J- 20の設計で大きな疑問はエンジン排気の取扱いで一号機ではレーダー断面積(RCS)が後方で最大になるのではないかとみられる。ステルス性の高いノズルに改装される可能性はある。ただし、一号機のノズルにはRCS最小化をめざしたノコギリの歯状の加工が見られ、中国軍はノズルの重量が増え形状が複雑化するぐらいなら後方のRCS増大には目をつむったのではないかと思われる。
9. 他にも不明瞭な部分がある。ステルス機の開発は詳細部分の技術課題がつきものだ。アンテナ類は機体表面から突出させると特定の周波数でステルス性が犠牲になる。そのため整備は犠牲となる。着陸装置や兵装スペースからでないと機内の装置には近づけないものもある一方、専用扉をつけることでRCSは増えないが、重量が増加する。
10. 一番の問題は機体表面の無線周波数特性の制御だろう。ステルス機の第一世代機には重く整備に時間のかかるRAMを採用していた。F-22では重量を削減できる処理方法が採用されたがその特性維持が予想外に困難と判明したのは表面腐食の問題だった。ロッキード・マーテインはF-35ではこれが改良されて運用上も保守が可能という。その理由として耐久性のある吹きつけ上層塗装と電導層を複合素材の表面構造に焼きこんであるためだ。
11. 成都J-20の外観構造を観察するアナリストにはF-22,F-35,スホイT-50との類似性と相違点が認められる
12. 「J- 20は機体構造ではロシアのMiG1.42と類似しています。一方、明らかに違う点は機体前部の形状がより重視されており低視認性を追求しているようでエンジン空気取り入れ口の構造も異なっています。MiGはロシアで1997年ごろに開発中止になっています」(ロンドン国際戦略研究所主任研究員ダグラス・バリー) ただしMiGの設計概念との類似性は何らかの形でロシア航空産業との結託があったのではないか。
13. J-20初飛行は1月11日午後1時直前に行われた。同機はそれまで12月から初飛行が近いことが判明していた。
14. 今後の議論は同機のミッション内容、センサー性能、通信能力に移りつつある。
15. 通常型レーダーの有効距離、探知範囲はAESAレーダーの半分から三分の一。さらに機械式のスキャンレーダーのアンテナでは高性能レーダーであれば敵機の無線周波数反射の閃光を捉えることができる。この反射がステルス性を低下させる。中国が新型レーダーの開発に取り組んでいることはよく知られている。
16. 「中国のAESA技術がどうなっているかはまだ不明です。報道内容や航空ショーの情報を総合しても開発状況ましてや配備がまもなくなのかはまだわかりません」(ワシントンの情報機関関係者)
17. 「高性能エンジンに加え第五世代戦闘機には進歩したレーダーの開発が課題ですが、J-20はそのどの情報を信じるか次第ですがその最初のあるいは二番目の試作機で、開発期間は相当の長いものになるでしょう」(同上関係者)
18. 仮に中国が同機の飛行テストを数ヶ月継続して、追加機体がない場合はJ-20は実証機材だったということになる。逆に機材が追加されれば試作機とみるべきだ。
19. 初飛行はゲイツ国防長官の訪中と同時に実施され、同長官は2025年まではステルス機で米国の優位性は維持できると今も考えている。

2011年1月17日月曜日

USAF 極超音速機開発計画が明らかに

USAF Revives Blackswift Hypersonic-Like Plan



aviationweek.com Jan 12, 2011

1. 米空軍は極超音速機開発ロードマップの一環として高速度兵器体系および高速度再利用可能飛行実験機(HSRFRV)の開発を検討中。後者はDarpaが開発を主導して2008年に開発中止となったブラックスイフト(マッハ6級実証機)よりわずかに大きい機体となる。
2. この背景にはX-51Aウェイブライダー、X-37B軌道実験機、HTV-2極超音速テストから得られた極超音速飛行の結果を今後活用する優先順位付けを検討している政府・民間合同の動きがある。
3. 今回の企画案はスティーブ・ウォーカー空軍次官(科学技術担当)がフロリダ州オーランドでのAIAA航空宇宙学会で発表しており、極超音速兵器と再利用可能テスト機の同時開発を提唱している。
4. それによると実証機および兵器体系開発は5年間で完成し、初飛行あh2016年10月になるという。実証機には三つのオプションがあり、まずX-51に類似した機体をB-52から空中発進する案。二番目はB-2の内部にあるいは、F-35に外部装着するオプションだ。三番目はもB-2とF-35で運用する構想だが、機体構成は全て新しいものになる。
5. 今回のロードマップではさらに再利用可能実証機にタービン利用コンバインドサイクル(TBCC)ならびに滑走路からの離着陸能力を実現するものとしている。ブラックスイフト計画と同じくHSRFRVのTBCCでは高マッハのターボジェットにラムジェット・スクラムジェットを組み合わせ空気取り入れ口とノズルは共用するものとしている。ただし、ブラックスイフトのTBCCと異なるのはさらに高い目標を設定していることだ。ちなみにブラックスイフトは離陸後5分後にマッハ6を達成する設計だった。
6. ウォーカーによると構想機にはマッハ4超の飛行を15分まで持続する性能を持たせるという。さらに高速飛行をする場合は持続時間は短くなる。X-30はじめこれまでの極超音速機の失敗の経験を認識した上で、今回は2021年の初飛行を想定したゆっくりした開発日程を想定している。
7. 空軍研究所のX-51A主任研究員チャールズ・ブリンクはX-51Aでデータが確保され、今後の開発に必要な原理原則が理解されるようになるという。また、空軍がX-51Aの二回目の飛行を3月末に向けて準備中という。
8. ただし今回の構想に異論を唱える動きもある。AIAA会長マーク・ルイスはまず「武装型」のX-51Aで経験を蓄積すべきだという。「X-51Aは今後の高速兵器体系に重要な一歩となります。予定される四回の飛行ではあまりにも少なすぎます。予算を増額して飛行回数を増やす必要があります。飛行時間を延長して15分から30分に伸ばすのが次の課題でしょう。これで実用可能なシステムに発展できます。これにはタービンは必要ありません。大胆かつ現実的にすべきです。そうでないとX-30のような失敗に終わるでしょう」

(写真はX-51AとHTV-2)

2011年1月16日日曜日

中国の技術力向上に注視すべし

Editorial: Remain Watchful of China's Ascent
aviationweek.com Jan 14, 2011

中国がステルス機をロールアウトさせたことで西側情報機関はその意味するものを把握するべく多忙となっている。米情報機関はJ-20の存在そのものは把握していたが、1地上走行テストを開始する事までは予測していなかった。

1. 同機はおどろくほどF-22に類似しているが、機体は大型で、長距離性能と兵装量が大きいことを伺わせる。現時点では同機が試作機なのか技術実証機なのかは不明。
2. 判明しているのは中国が科学技術を重視し、西側の総合計よりも大量の技術者、科学者を養成していること、国防予算が巨額になっていることだ。これにより中国がこれまで前例のない技術力、軍事力の成熟化に向かっているのはまちがいない。
3. 初回の開発では通常は試作機または実証機を製作し、機体の試験をするものだ。今回のその点J-20は多用途ステルス機としての設計が相当成熟度を上げているのを示し、この例があてはまらない。F-22あるいはF-35の水準に到達するまでには高性能センサー類と発達型エンジンが必要だ。また、真の意味でステルス性能を実現するのはそう簡単なことではない。現時点の推測はJ-20の量産開始は8ないし10年後と見ている。
4. また中国経済の規模は世界第二位であり、現行の成長率が続くとそのうちに米国経済の規模を追い越すのも容易に想像できる。中国がグローバル大国になり、その影響力を行使すると世界各国は中国の軍事拡張を当然予想する。現在の中国の軍事力拡大はこれまで20年間の努力の成果でもある。
5. 合わせて中国指導部は北朝鮮とは異なり無謀かつ自己破滅型の行動は取る傾向は少ないことに注視すべきだ。中国はすでに核戦力を数十年間にわたり保有しているが、その行使は抑制しており、この点でも北朝鮮とは異なる。そこで米国の課題は未来の超大国の力を建設的目的に使わせることである。これは実現可能な目標だ。
6. これは中国の軍事力を無視することではない。海軍情報部のトップが言うように「中国の軍事システムの開発、配備状況をこれまで過小評価してきた」のが現実だ。実質的に予算制約がない状況でDF-21D対艦ミサイル等の開発が進んでいる。また電子戦・サイバー戦の実力が整備されつつあるのも情報部には憂慮の種だ。
7. J-20の正確な位置づけがどうあれ、中国の技術力向上の証であり、自国勢力圏を取り巻く外国に対抗せんとする同国の意志の現れだ。それでは中国は米国と直接対決する状況は今後発生するか。その可能性がないとは言い難い。
8. 中国の視点からは中国国内の国民感情と国際政治上の利害のバランスをとることは困難な仕事だ。ただ、同国指導部はリスクと危険に満ちた国際政治の中で同国をどこに導くのかを学ぶ必要がある。
9. 今回の驚くべき中国の開発状況の知らせから学ぶべき点は米国こそ潤沢な研究開発を運動性、非運動性の両方の兵装の開発で維持すべきであり、情報収集装備、専門家への支出も合わせて必要なことは言うまでもない。この実施が困難であれば、実際に国防予算への圧力が強まっていることを考えれば、米国の選択肢はなくなる。今後5年から10年にわたり中国の外交に軍事力がどんな影響をあたえるのかを注視するべきだ。ホワイトハウスならびに議会には政府支出に大鉈を振るうことの結果を良く考えてもらいたい。

米海軍 P-3C性能向上

U.S. Navy Upgrades P-3C Orion Aircraft



aviationweek.com Jan 14, 2011

1. 米海軍は1月に合計10機の改装P-3Cオライオンを受領した。各機には音響受信技術向上策(ARTR)としてソノブイ信号の受信・解析能力を10倍に増加させている。
2. 今回の性能改良でオライオンと次期対潜作戦(ASW)主力機P-8Aポセイドンとの間の技術ギャップを解消し、両機種の共用性を確保することが期待される。あわせて信号処理コードとハードウェアの共用化も実現されつつある。
3. 音響技術の向上は海軍には重要だ。現在の海軍はASWの作戦形態を高高度飛行に切り替えようとしており、作戦の実施を一層効率化しより多くの目標を捕捉できると期待している。
4. ARTRを装備したオライオンは2012年までに74機を導入する。
5. 今後二年間で海軍はさらにP-3の音響性能を向上しソノブイのデジタル処理し、インプット情報の処理能力向上をめざす。合わせて海軍はオライオン向けの指揮管制通信コンピュータのC4システムを開発し、ASWネットワーク能力を向上した。
6. 改良型オライオンはリンク16の利用が可能。リンク16は状況把握で改良があり、米海軍水上艦艇と共通運用がが可能な他、NATOや米国の各軍とも共用性があり、インマルサット国際海洋衛星を利用して暗号化ずみブロードバンドサービスを海軍に提供する。
7. P-8Aの開発は順調で計画通りと関係者は評価している。2013年を初期作戦能力獲得の目標としている。P-8Aの調達合計機数は117機で変化なく、現在の予想単価は150百万ドル。

2011年1月13日木曜日

J-20、DF-21D....中国の新装備開発をどう見るべきか

What China's Stealth Fighter Means



aviationweek.com Jan 10, 2011

1. 中国のJ-20がロールアウトし、地上走行テストを開始したが、米海軍情報部門トップは中国の技術開発の進展の推測でペンタゴンが誤っていたと認めている。
2. 同機の存在そのものは情報部門には何ら驚きではなかったが、中国の兵器開発と初期運用能力獲得のスピードを過小評価していた、とドーセット海軍中将(海軍情報部長兼情報優勢作戦副部長)は語る。分析に誤った例がJ-20とDF-21D対艦弾道ミサイル。さらに中国の技術開発が高性能エンジンやミサイルで進んでいる証拠が見つかっている。
3. 「J-20ステルス機がいつ運用開始となるのかはっきりしない。評価を精査すべきか。私はそう思う」とドーセット中将は語る。
4. それ以外のワシントンの情報関係者も一様にJ-20のテスト進展を注視している。「高速地上走行で前脚が地面を離れています。初飛行の前に問題点をつぶしているのでしょう」(あるベテランアナリスト)
5. 同機には不明の点が多い。
6. 「運用可能性は今の段階では決めかねますね。仮に飛行に成功しても同機は完全な意味の第五世代戦闘機にはならないでしょう。つまり同機には次世代技術をまず確立してその後の量産につなげる意味があるのでは。量産になれば我が方のミッション計画立案にも影響が出ます。これから先には開発が加速されるか、逆に遅くなるか、どちらも起こりえます」(上記アナリスト)
7. 「レーダー断面積はF-22には匹敵せず、十分小さいとは言えません。ただしこれは中国にとって初めての経験であり、一号機であることを十分理解しないといけません。最終型になるまでに相当の調整をおこなうのでしょう。同機に対してあまりにも多くの表面的な評価が出されていますが、これがいつも誤った結論につながってきたのです」(上記アナリスト)
8. エンジンがアキレス腱というのが中国の高性能戦闘機の通例だった。世界の第一線級に匹敵する性能を引き出すエンジンの国産化にまだ成功していない。これまでは量を重視し、高度技術に重きをおいてこなかった人民解放軍空軍は50年代のソ連設計に旧式エンジンを搭載した機体を運用してきた。そこでアナリスト陣には中国初の高性能エンジン瀋陽WS-10に対する評価が分かれる。ただし、最近のJ-11B戦闘機(スホイSu-30の改良型)の写真では明らかにロシア製AL-31Fエンジンとは異なるノズル形状が認めらており、その形状は航空ショーで確認されたWS-10のものに酷似している。
9. ドーセット中将は新型機と新型対艦ミサイルは現時点では影響を重視しない。
10. 「もっと心配なのは戦闘の様式を変える能力が獲得されることです。とくに一番憂慮しているのは電磁スペクトラムでの優勢確保に向けた技術開発を進めていることです」(同中将)
11. 「それ以外に中国の戦闘能力がより多面的かつ各軍共同運用の状況で効率性を高めていることも心配の種です。現在の中国にその完全な能力はありません。J-20 やDF-21Dといった個別の兵器システムを完成させているのは確認されますが、各システムを効率よく運用する能力が獲得されるとして、どの程度の効率性なのかが焦点となるでしょう」(同中将) ドーセット中将はまた中国の示す将来計画が今世紀中頃までを指していると指摘する。その意味ではペンタゴンは中国の脅威を過大評価していないという。
12. 中国の経済成長と軍事装備の拡張には強い関係がある。また同時に落とし穴もある、と同中将は指摘する。
13. 「中国にはまだ強力なISR能力も対潜戦闘能力もありません。また各軍を横断しての協調作戦能力でもまだ道は遠いのが現状です。今の段階は作戦運用能力の高度化の初期段階です。危険なのは各要素を同調させる過程の時系列を過小評価してしまうことです。」
14. ドーセット中将はJ-20について再び言及した。
15. 「明らかに初期段階の試作機でしょうが、性能は高度なのか、公試は何回するのか、運用水準に到達するまでに何回の実証をするのか、これは不明です」
16. しかし、同機の設計が高度な水準になっている証拠は多数ある。J-20は新型兵装を機内に搭載するようだ。中国は空対空ミサイルの拡充を続けている。中国航空機公司Avicの関係者はPL-12Aレーダー誘導中距離ミサイルの後継機種については口を閉ざしているが、新しい情報によると高性能版の開発が進んでいる。その中には固体モーターとラムジェットを組み合わせたPL-21がある。この新型ミサイルの地上テストはすでに昨年実施されている可能性がある。さらに高性能のPL-12Dではラムジェットの性能が改善され、J-20機内に搭載するやや小型のPL-12Cの開発も進んでいるようだ。接近戦ではPL- 10が使用されるだろう。外見は南アフリカDenelのA-Darterに類似している。
17. スタンドオフ兵器の運用能力を高めている中国は空対地、空対艦ミサイルの開発も熱心だ。すでに周囲国の防衛計画にも影響が出ている。日本の防衛関係者はより射程距離の長いミサイルへの関心を高めており、中国の脅威を初期段階で対応する手段を求めており、米国ではこれまでよりも高性能の交戦能力がある兵器体系の必要性について検討が始まっている。
18. ドーセット中将はさらにDF-21Dミサイルについて米海軍関係者が以前に言及した内容について解説している。
19. 「太平洋軍司令部による評価では初期作戦能力段階に到達していると見ています。中国は地上上空でテストを繰り返し、性能を高めています。実際に第一線配備を開始すると私は見ています。しかしながら、すべての情報を総合すると目標補足が問題のようです。現段階では性能を期待通り発揮できるかは不明でしょう。」
20. その一方で、米海軍はDF-21の艦船へ脅威度評価を変更している。現時点では中国が米国の航空母艦に弾道ミサイルを命中させる可能性は「低い」というのが海軍の基本的な評価だ。
21. 「DF-21複数で交叉攻撃で移動する水上目標を撃破する可能性は高くなっていると言えます。その可能性はどれだけかは不明ですが、中国にも理解は不可能と見ています。当方の知る限りでは移動水上目標に対しての発射テストはまだ実施していないと思います。」
22. この点でペンタゴンの予測精度を高めるためには情報収集の向上が必要となる問題がドーセット中将には明らかだ。
23. 「まだ遅れているのが、データの処理、活用、共有の各分野です。今後の重要課題になっています。画像データの活用にまず取り組んでいます。ここでは今後大幅な自動化が可能でしょう。電気光学画像の一つ一つに目を通す必要はなくなり、重要な点で警報を出してくれるツールが出現するはずです。」

2011年1月11日火曜日

中国 J-20初飛行に成功

Chinese J-20 Logs First Flight
aviationweek.com Jan 11, 2011

1. 本日J-20が初飛行に成功した。
2. J-20は12月に成都で地上滑走試験が始まってからその初飛行が待たれていた。
3. 中国紙の報道によると同機は本日現地時間午後12時50分08秒にに移動を開始し、その直後に加速し、12時50分16秒に飛行状態に入ったという。着陸はその18分後だった。
4. 一連の出来事はJ-20(あるいは正式名称が未公表のためJ-XXの可能性あり)は中国式に11.1.11となる日付にだいたい午後1時に飛行を完了したことになる。これは中国でいうところの “yi fei chong tian” で頭に来る一が「大空にまっすぐ飛翔する」意味をもつという。
5. 初飛行はちょうどゲイツ国防長官の訪中と時を同じくして実施された。長官は胡錦濤主席が会話中に同機初飛行を確認したという。
6. 同機の初飛行に先立ち旅客機二機が成都に到着している。おそらく高官を運んできたのだろう。
7. 現時点ではJ-20が試作機か実証機七日は明らかではない。
8. 同機の存在は中国の高性能戦闘機開発の一端を示す以上の意味がある。中国空軍副司令官He Weirongは2009年11月に「第四世代戦闘機」を2017年から2019年までに実戦配備すると発言している。第四世代戦闘機とは中国ではF- 22級の技術による機体を示す。ただし、同副司令官はJ-20を指しているのではなく、J-10の改良型を念頭においていた。
9. J-10改良型にスーパークルーズ性能が付与される可能性は高い。中国海軍がその要求を表明している。
10. J-20を生産した成都の施設は中国航空工業集団公司(Avic)の傘下のAvic Defenseの所有である。

2011年1月8日土曜日

ゲイツ長官:F-35Bに黄信号、新型爆撃機は開発へ

F-35B Put On Probation; New Bomber To Go Forward
aviationweek. com Jan 7, 2011

1. ロバート・ゲイツ国防長官は開発が難航している海兵隊向けF-35B短距離離陸垂直着陸(Stovl)型共用打撃戦闘機を「要観察」扱いとする一方、空軍の新型爆撃機開発を承認。
2. F-35B型は「テスト中に大きな問題に直面している」と長官は1月6日に発言した。
3. JSF開発計画は全般的見直しとなり、A型C型がB型よりも先行してテストを継続することになるだろう。仮にB型の「改修ができないあるいは計画通りに進展がない」状態が今後2年以内に実現すると「同型の開発は中止になるだろう」(同長官)
4. ゲイツ長官のコメントは記者会見の席上で総額1500億ドル以上の予算削減、流用を今後5年間に行う国防総省の案を説明する際に出たもの。
5. F-35Bのテストは大幅に遅れており、昨年3月以降の垂直着陸回数は数回にとどまっており、公式には補助エンジンインレットドアの問題が原因とされるが、個別には冷却ファンなど小さな問題がある。
6. さらにシステムズ開発実証(SDD)が2016年まで遅れることが判明した。昨年の開発計画見直しではSDD完了は2015年中頃となっていた。SDD完了は開発試験の終了を意味し、初期運用試験評価に先立つものなので、同機の初期作戦能力獲得は2017年になる可能性が出てきた。これで46億ドルの追加支出となる見込み。
7. 2012年度のJSF調達数は低率初期生産(LRIP)のロットVとして32機に抑えられるのは「フォートワース工場の最終組立ラインがまだ調整が必要なため」(同長官)という。現時点での引渡し実績は計画より数ヶ月の遅れになっている。
8. 2013年度以降の引渡し数は増加してLRIPロットIX(2016年契約分で引渡しは2018年)までで325機になる見込み。(当初計画では449機だった)
9. 契約が成立したばかりのLRIPロットIVにはStovl3機を削除した。結局Stovlの購入は今後のLRIPロット毎にわずか6機となり、メーカーの調達ベースと特殊技術の維持のため最小限に抑えられる。
10. 記者からB型をこの段階で開発中止にしないのは海兵隊司令官エイモス大将からの働きかけがあったためかとの質問が出たが、長官は同型機の開発のテコ入れに時間が必要との説得性ある説明が海兵隊上層部からあったと回答した。
11. 海軍はスーパーホーネットの調達数を増やし、合計150機の「クラシック」ホーネット各機の構造耐用年数を延長することでJSF納入の遅れに対応する。2012年度から2014年度までのF/A-18購入の上乗せは合計41機。
12. その一方で、長距離航空戦力の信奉者には大きな突破口となるのはゲイツ長官が「核戦力運用可能な敵地侵入可能な新型長距離爆撃機」の開発に強く肩入れした点だ。空軍はゲイツ長官がいわゆる「2018年型爆撃機」を2009年に開発中止して以来、後継機種の開発に苦しんできた。当時の長官の主張は小型無人機に巡航ミサイルと弾道ミサイルを組み合わせれば当面は既存爆撃機をうまく補完できるとしていた。
13. 長官の発言でこれまで意見が分かれていた点で決断がなされたことが判明。まず、機体は核兵器運用可能長距離とする点で、機体に放射線防護を施すのは稼働開始後よりも設計段階で実施するのが安価なためこの案が支持された一方、核装備とすると兵力削減交渉の対象となるため反対する声もあった。また、ゲイツ長官は同機は無人機とするよりも有人機として開発して既存技術を応用することで開発を迅速化するとも説明した。

2011年1月5日水曜日

F-35飛行テストの現況 今年の目標

F-35 Begins Year With Test Objectives Unmet
aviationweek.com Jan 4, 2011

1. F-35共用打撃戦闘機の飛行テストは2011年になりペースがあがるものの、2010年の当初の目標の多くは未達成のまま年を越しており、このままでは開発計画に大幅な変更が加わりそうだ。
2. 飛行回数こそ目標の394回を上回ったものの、通常型離着陸(CTOL)型ではパイロット訓練開始、短距離離陸垂直着陸(Stovl)型の訓練、初の艦船運用の目標はいずれも昨年中に実現出来ていない。.
3. CTOL型F-35Aの「訓練開始状態」(RFT)飛行許可習得に必要な飛行テストは1月中に完了する予定とされ、RFTがあれば生産型のF-35の飛行が可能となる。
4. F- 35の低レート初期生産(LRIP)バッチ機体であるAF-6およびAF-7のエドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)への搬入は5月の予定で開発テストを加速するだろう。一方、LRIP2バッチ機体のAF-8以降はエグリン空軍基地(フロリダ州)の訓練センターに引き渡される。
5. LRIP1および2のRFT許可では飛行速度は350ノット、マッハ0.8,4Gに制限されるが、2011年中にこれがLRIP3の機体で550ノット、マッハ0.95、7Gまで許可される。各機はこれまで580ノット、マッハ1.3、7Gまでの飛行を実施している。
6. Stovl タイプのF-35BではRFT許可は通常飛行および推力つき離陸の各モードに関連する。さらに艦船運用の許可も加わるが、これが2011年までずれこんだのは機構上の信頼性の問題がテスト機体で見つかったため。これを克服して、月間の飛行回数は昨年下半期から増加しているという。
7. エドワーズ基地のF-35Aは6月以降は月間平均10回のフライトをこなしているが、パタクセント海軍航空基地(メリーランド州)のF-35Bの飛行回数はなかなか上がっていない。サンキの月の平均飛行回数は9回だった。
8. 問題原の冷却ファンを交換し、信頼性の低い上部リフトファンのドアの作動機構の設計変更を行ったところ、問題はなくなったとする。
9. 垂直着陸は9月に補助インレットドアのヒンジで疲労が見つかって以来中止となっていたが、今月中に再開の予定。ヒンジの部品を再設計し、リフトファンのドアの作動方法を変更し、補助ドアにかかる荷重を減らすことで解決したという。
10. リフトファンのドアは120ノット以下では65度に開放され、速度がそれ以上になると35度になる。ただドアを完全に開けると、補助インレットドアの荷重が減るので、リフトファンのドアは165ノットまでは65度に固定して短距離離陸をすることになる。
11. 2010 年3月からこれまでの垂直着陸の実施回数はわずか10回で、このうち7回しか最低40快必要な艦艇運用の開始条件に合致していない。当初は3月の予定であった艦船での運用テストは8月から11月になりそうで、LHD型の揚陸艦型空母に改造を加え、Stovl運用に際し艦船上の運用を記録する測定装置を取り付ける工程からテスト実施時期が決まる。
12. これまでのところの飛行テスト結果は各型で順調で、空中給油および向かい風下での着陸を実施している。ミッションシステム系のソフトウェアの安定性は満足のいく水準で、センサーの性能も期待通りだという。
13. 亜音速飛行をCTOL型のF-35Aで行ったところ主翼でロールオフが発生しているが、すでに予想されていたので解決策を実施中だという。その中にはリーデイングエッジ、トレイリングエッジのフラップ位置と角度の変更過程の変更がある。ロールオフが発生するのは衝撃波が迎え角の変化と非対称に主翼上を移動しないためだ。
14. そこで同じ解決策をStovl型F-35Bと艦載型F-35Cにも試すことになる。とくにC型の主翼は大きくなっており、スポイラーが飛び出す設計になっている。そこでF-35Cの2011年内のテスト項目にはRFT取得に加え、陸上に設置したカタパルトおよび拘束装置の使用テストをレイクハースト海軍航空基地(ニュージャージー州)で実施することが入っている。
15. 全体としてのF-35飛行テスト実績は2010年は目標の3,700テスト項目達成にあとわずかまで行ったが、F-35AとF-35Cが先行している一方、 Stovlおよびミッションシステム系のテストが目標を下回っている。このため2011年は未達成のテスト項目をクリアしてStovlのRFT取得と艦船運用の許可を獲得することが大きな目標だ。
16. 一方、F-35開発計画の大幅修正が2月早々に発表される見込みだ。