スキップしてメイン コンテンツに移動

英海軍空母クイーン・エリザベスが艦隊編入、しかし....

Britain moves to restore carrier strike capability with warship commissioning 

英海軍:空母打撃能力の再整備へ


Police officers are seen in front of the HMS Queen Elizabeth during its commissioning ceremony on Dec. 7, 2017, in Portsmouth, England. (Matt Cardy/Getty Images)

Police officers are seen in front of the HMS Queen Elizabeth during its commissioning ceremony on Dec. 7, 2017, in Portsmouth, England. (Matt Cardy/Getty Images)

By: Andrew Chuter    14 hours ago

https://www.defensenews.com/naval/2017/12/07/britain-moves-to-restore-carrier-strike-capability-with-warship-commissioning/


LONDON ―英国が空母打撃群の再整備に一歩近づいた。

12月7日、HMSクイーン・エリザベス(排水量65千トン)がポーツマス海軍

基地で正式に英海軍に編入された。

クイーン・エリザベスは完成したが...


  • 同艦はヘリコプター運用試験を来年から始め、2018年後半に米東海岸へ移動し、F-35B運用テストを開始する。英国は同型機を14機発注中。
  • クイーンエリザベスは欧州最大の艦となり、英国は2隻をBAEシステムズ傘下の共同事業体に62億ポンド(83億ドル)で発注している。二番艦HMSプリンスオブウェールズの艦体は完成しており英海軍は2019年に受領する。
  • 常時運用できる空母は一隻となるが、英国には二隻同時に運用できる人員がないのも事実だ。
  • 就任式典で第一海軍卿フィリップ・ジョーンズ大将は「HMSクイーンエリザベスから海軍旗を掲げられ英国は世界有数の軍事力を有する国となった」「空母戦隊は近代化装備で強力となった英海軍の中核であり、兵力投射を海空陸さらにサイバー空間で行い、不確実な世界で軍事力で政治に選択肢を実現する存在になる」と述べた。
  • 同艦の就役で英海軍に空母打撃能力が復活した。以前の保守党政権がインヴィンシブル級軽空母を2010年に全廃して空白になっていた。
  • その間英軍パイロットや海軍関係者は米側と技量を維持してきた。その関係を元にクイーン・エリザベスでも海兵隊のF-35Bが運用される。
  • 英艦艇で米海兵隊F-35を展開するのは英国に十分な数の機体の調達予算が足りないことが原因で、クイーンエリザベス就役後もしばらくこの状態が続く。
  • 英国発注のF-35B全14機は一機除き納入済みで、その一機も数週間以内に引き渡される。
  • 追加発注もロッキード・マーティンと協議中だが英国防省報道官は発注規模で言及を避けた。
  • 英国は海軍、空軍合わせて48機発注を表明しており、最終的に138機を発注するとも述べていたが、発注時期についてはあいまいなままだった。
英艦上で米海兵隊機材を運用する英国の厳しい状況
  • HMSクイーン・エリザベスは米海兵隊所属のF-35BやV-22が運用される光景を就役後9か月にわたり目にすることになりそうだ。
  • 同艦が戦力化する2020年代後半には英国は合計24機で二個飛行隊の搭載を予定する。
  • EU離脱を昨年決めたことで英ポンドはドルに対して安くなり、国防予算に暗い影を落としている。F-35でも影響は免れないと見る向きがある。
  • 米国装備購入費用が国防予算の四分の一になるとの試算もある。
  • 国防省は大蔵省と現在安全保障国防体制の見直しでやり取りを繰り広げ今後10年間で200億ポンドという予算欠陥を論議している。
  • 国防体制見直しですでに予算不足の英海軍は就役艦船数や能力をさらに減らす可能性があると覚悟している。
  • さらに今週に入りハモンド蔵相(国防相を務めた経験あり)が英空軍機の利用は全の利用時の料金を払わない限り断られると通告されたとの報道が出て話題になっている。


コメント 国防力の要は経済であると改めて思い知らされます。

英国に空母建造はそもそも無理だったのでは。英米共同運用は他に

も参考になるはずで、いよいよ一国で部隊運用が全部できない時代に

なってきなのですかね。日米でも同じことができませんかね。潜水艦も

そうですが、自衛艦で米軍機を運用するとか、日本がお金だけ出して

空母を貸し付けるとか。集合安全保障の制約は今はありますが、これから

はどうなるでしょう。まさしく現在の延長線上に未来はないはずです。


コメント

  1. イギリスの場合、かなりの遠隔地に領土がある以上何らかの航空戦力を投入出来る機材が必要になるでしょう。ただ艦載運用する機体はF-35と決まっていた上で、財政上より軽空母のような艦船を複数隻運用する流れにすべきだった様に思います。
    日米における機材の貸付は非常に賛成したい所ですが、果たしてアメリカが許すでしょうか。同時に将来運用を想定して貸付るのであれば、アメリカの機密部分にも触れられなければそもそも貸付てまで運用する意味が無いでしょう。また日本の国産機材の運用を考えても必ずしもシェアが役立つかは疑問を持たざるを得ないのでは。

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM