スキップしてメイン コンテンツに移動

日米仏豪四か国演習をPLAはこう見ている。品位のない論旨は中国共産党の思考を反映している。CCPの言いぶりが日本国内左翼陣営の言いぶりと同じで苦笑するしかない。

 日本、フランス、オーストラリアになぜ、ここまで悪意に満ちた論旨を展開できるのか。(米国だけは別格扱いで触れていませんね)価値観の違い、といえばそれまでですが、英語でこうした表現が出てくるのは中国語原文ならもっと激しい表現になっていてもおかしくないのでしょう。文中の釣魚諸島とはもちろん尖閣諸島のことです。

 

An artilleryman on the guided-missile frigate Chaozhou (Hull 595) with a naval frigate flotilla under the Eastern Theater Command opens fire on the target aircraft during a combat training on April 29, 2021. Photo: China Military Online

東方方面軍の誘導ミサイルフリゲート艦潮州(艦番号595)が戦闘訓練で標的機に射撃を実施した。pril 29, 2021. Photo: China Military Online

 

 

 

本、米国、フランス、オーストラリアの四か国が「中国への抑止効果」を狙って展開中の演習は象徴的な意味しかなく、軍事面で意味がない。演習はそれぞれ違う課題を持つ各国の寄せ集めで、規模があまりにも限られる一方で、徒党を組み対決姿勢を進める日本の時代遅れの考え方が酷評されよう。

 

人民解放軍(PLA)は今回の演習にわざわざ対応する必要もなく、軍事的に意味のない演習と一蹴する。PLAは確実に成長を続けており、近年の演習や新型艦の就役に現れている。

 

日本は米、仏両国と初の共同軍事演習を日本南西部で5月11日開始し、オーストラリア艦艇が加わり一週間にわたる陸海空演習となるとAFPが伝えている。四か国の水上艦艇10隻と日本潜水艦一隻が演習に加わると同記事にある。

 

記事では日本の学識経験者の発言を引用し演習は中国の東、南シナ海での活動を抑止する狙いがあり、中国領土の釣魚諸島も対象とある。

 

「演習は中国にとって脅威にならない」と中国軍事専門家でテレビ解説者Song Zhongpingが環球時報に意見を述べている。

 

フランス軍に至っては遠距離を移動し米国に好意を示しつつプレゼンスを保っているのに過ぎない。外電によればフランスはインド太平洋に戦略的関心を有するとあり、レユニオン島、フランス領ポリネシアが海外領土があるが、国への対抗は言うまでもなく西太平洋に核心的利害を有していないと中国国内解説にある。

 

仮に地域内で軍事衝突が発生すれば、フランスは静観しNATOの介入を止めかねないと上述のSongは見ており、米仏両国にはNATOの東方拡張で本質的な相違があるという。

 

オーストラリア軍は中国にとって敵に値しない威力しかなく、同国が例えば台湾海峡をめぐり軍事衝突に介入してくれば、同国軍は真っ先に中国の攻撃対象となるとSongは見る。「オーストラリアは一端挑発を行えば中国から隠れ通すことはできないと覚悟すべきだ」

 

オーストラリアは中国の通常弾頭付きDF-26中距離弾道ミサイルの射程内に入っているというのが観測筋の指摘だ。

 

APは5月12日に演習では市街戦訓練が揚陸演習後に控え、遠隔島しょ部を敵侵攻から奪還するシナリオだと伝えている。

 

揚陸演習が釣魚諸島や南シナ海の環礁を想定しているのは明らかで、市街戦は台湾の想定が明らかなのは、市街地がある島しょは台湾しかないためだと専門家は指摘。

 

日本は国内がCOVID-19で深刻な状況にあるにもかかわらず、依然として「有志」諸国による共同軍事演習にこだわっており、時代遅れの冷戦思考のままといわざるを得ず、分断と対立を産むだけだ、とPLA海軍軍事研究所の主任研究員Zhang Junsheが環球時報に語っている。

 

第二次大戦の侵略国で敗戦した日本がなぜこのような攻撃的性質の演習を開催しているのか。Zhangは「日本は歴史から学び軍国主義の復活を許してはいけない」と述べている。

 

中国は演習地付近に偵察のため艦船派遣できるが、あえて演習に反応する必要を認めていないのは、自国の科学技術能力とともに軍事力の整備を着実に進めているからだとSongは述べた。

 

PLAは海上移動上陸演習や空母運用演習を最近も実施しており、新型艦艇を就役させるなど着実に実力を涵養していると専門家は解説している。■

 


この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。市況価格より2-3割安い翻訳をご入用の方はaviationbusiness2021@gmailまでご連絡ください。

 

 

Joint drill by US, allies on Japanese land insignificant: analysts

By Liu Xuanzun and Guo Yuandan

Published: May 12, 2021 08:38 PM

   


コメント

  1. ぼたんのちから2021年5月17日 22:58

    CCP/PLAは、「対応する必要」がないのでなく、対応できないのではなかろうか。本来ならば、第1列島線近傍で行われる演習ならば、敏感に反応し、見劣りしたとしても対抗演習や、艦隊を派遣し、示威行為を行うところだろう。PLANは疲弊しているのかもしれない。
    今年は、フランス、イギリス、オランダ、ドイツが艦艇を送り込み共同演習を行うようだ。NATO主要国がこれほど連続して西太平洋に軍艦を派遣し、演習を行うのは記憶になく、朝鮮戦争かベトナム戦争以来なのかもしれない。CCPは孤立を深めているようにも見える。「中国にとって脅威でない」と強弁し、日本の「軍国主義の復活」だと空叫びをあげるのも、自分たちを慰めているとしか思えないだろう。
    しかし、西欧が艦艇を派遣したからと言って、これから厳しい対中政策を行うとは限らないことに注意したい。EUは、中国との間に昨年末に、親中メルケルの遺産と言うべき「EU・中国投資協定」を大筋合意し、なお一層の対中投資・貿易を行おうとしている。これが西欧の二枚舌、いや何枚舌があるか分からない外交であり、利益に転ぶ国家群であることを肝に銘じておくべきであろう。

    返信削除
    返信
    1. ぼたんのちから2021年5月22日 16:41

      追伸
      時事の報道によれば、欧州議会は「EU・中国投資協定」の承認手続きを「凍結」する決議を賛成多数で採択した。この動きはウイグル人権問題に関するEUの対中制裁に反発した中国が欧州議会議員らに報復制裁を科したことによる。
      これは「廃案」でなく、「凍結」であることに注意したい。いずれは復活すると言うことだ。したたかなEUならではの「判断」だ。

      削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM