CAS機というとA-10の印象が強い中、この記事によれば次期機材は当面は既存機種の転用、長期的には新型機の投入も可能と時間稼ぎのようなことをいっていますがどちらも軽量機となるとのことです。ということはA-10の再来は期待できないということですね。スコーピオンは検討対象外なのでしょうか。
A-10 Warthog Replacement: U.S. Air Force Considers Two-Step Approach
A-10s: USAF
米空軍はA-10ウォートホグの後継機でローエンド軽攻撃機「OA-X」と高性能版の「A-X2」の二機種で構想している。
- A-10退役を2018年に迎える中で空軍はまだCAS任務機開発の道筋を決めかねている。7月20日に外部関係者に最新動向を説明する機会で軽攻撃機種2つを並列開発し長期短期双方のニーズに対応する考えを紹介している。
- 説明では「OA-X」は防空体制の低い環境用だとマーク・ガンジンガー、戦略予算評価センターのアナリストが述べている。OA-Xはローエンド、低コストで開発工程の不要な機体で既存の米空軍軽攻撃態勢を補強する存在だという。
- OA-Xでは既存機種の転用を考え、A-29スーパートゥカーノあるいはAT-6練習機が候補とローレン・トンプソン、レキシントン研究所のアナリストが述べている。
- 空軍はOA-XはA-10後継機ではなく補完機材だとガンジンガーは強調している。
- 空軍が注目するのが「A-X2」で長期的にはウォートホグ後継機になると両アナリストは言う。A-X2は低度から中度の脅威環境で運用できる機体が理想で、つまり航空優勢が確保できない戦場にも投入可能な機体だ。A-X2を完全新型機にするか、既存機を利用するかは未定だが、価格と運用開始までのリードタイムが重要だという。
- 新型軽量攻撃機構想を進める空軍は予算制約に直面する一方で運用機材の即応体制でも問題がある。空軍は安価な既存機種改造策でCAS任務以外にパイロット訓練の実施と機体数追加も目論んでいるとレベッカ・グラント、IRIS独立研究所長は説明している。
- 「即応体制の問題では稼働機材を増やすのも解決策で、そのため二機種開発案が出てきたのだろう」とグラントは述べ、「新型機も欲しいと考えているのだろう」
- ガンジンンガーは空軍は早ければ2019年度の事業目的記述文書Program Objective Memorandum (POM
にこの事業を記載すると見ていると述べた) 。 - 「CASという重要任務をどう継続するか真剣に考えているはずです。現行機種が老朽化し、規模縮小する中で即応体制の問題は予算とからんできます。今回の空軍のメッセージは地上兵員の男女を守ることを空軍が真剣に考えている証です」とガンジンガーは述べた。
- ただガンジンガーは補正戦争予算である海外緊急作戦Overseas Contingency Operations (OCO
費目で必要な資金を確保する可能性もあると指摘している) 。 - ただトンプソンは空軍が二機種を同時追加して機材近代化を進めようとすれば反対に遭遇すると指摘。
- 「空軍が単純なA-10後継機と見ていない理由にA-10の高コストが指摘があります。ただ一度に二機種を追加する動きは予想外」とトンプソンは認めている。■
米空軍長官がこの報道を否定しました。
返信削除後継機計画を二つも実施するような予算は無いということです。