スキップしてメイン コンテンツに移動

☆能登半島沖合での韓国海軍駆逐艦射撃管制レーダー照射事件の背景を考える

さあ今回の事案をどう収束するのか、日韓両国の知恵が試されますが、事実を頑なに認めない韓国当局の態度は日本人の思考方式では理解できないものがあり、有事の際にこんなことでは心配になりますね。メディアにはP1ではなくP-1、できれば川崎重工の名前もちゃんと報道してもらいたいものです。新年早々芳しくないニュースでの幕開けになりましたが、当方が目を通している海外安全保障関連ウェブサイトでは今回がはじめての正面からの本件の報道になりました。


Tokyo accuses South Korean destroyer of directing fire-control radar at Japanese MPA



日本のP-1MPAが12月20日に日本海で発見したKCG巡視船(手前)と韓国海軍駆逐艦(後方)の映像からのスクリーンキャプチャ。日本は韓国海軍駆逐艦が火器管制レーダーをP-1に数回に渡り照射したと非難している。Source: Japanese MoD


国海軍駆逐艦が12月20日に海上自衛隊(JMSDF)所属の川崎P-1海上哨戒機(MPA)が日本海上空飛行中に火器管制レーダーを照射したと日本が非難している。

防衛省(MoD)が12月28日に13分間にわたる当日の映像を公開し、P-1がKDX-I級駆逐艦Gwang Gae To Daewang(艦番号971)、韓国沿岸警備隊(KCG)外洋警備艇Sambongho (5001)を能登半島沖合で見つけ上空を数回に渡り飛行する様子を見せた。MoDによれば漁船一隻、ゴムボート二艇が付近にあった。

防衛省からは事件は日本の排他的経済水域内で現地時間15時ごろに発生し、P-1が「複数回にわたり連続して[駆逐艦のシグナールSTIR 180]火器管制レーダーの照射を受けたと発表が出た。

さらにMoDはP-1から"Korea South Naval Ship Hull Number 971"と英語で数回に渡り呼びかけ、VHF (156.8MHz) 及び緊急周波数帯(121.5MHzと 243MHz)の3つを使い、レーダー照射の真意の確認を試みたと発表。

MoD公表の映像ではいずれも返答がないことがわかる。

さらに日本は「今回の事件発生はきわめて遺憾」とし「このような事態の再発防止を韓国サイドに厳に求めたい」とし「日韓防衛当局間の協力関係に害をとなる事態の発生は許されない」と発表。

韓国国防省(MND)は12月28日に声明文を発表しており、日本の非難を否定し、日本が映像を「両国間実務レベルビデオ会議で両国間の誤解をほどき、防衛分野での協力連携を求めようとした翌日」に映像を公開したことに「深い憂慮と遺憾の意」を感じると非難している。■

今回の報道は淡々と伝えていますが、防衛当局者同士では韓国の対応に大いなる疑問をいだいているでしょう。単なる推理ですが、韓国艦が能登半島沖合で何をしていたのか、いろいろ可能性があるでしょう。共通するのは北朝鮮と韓国の間の口外できない接触ですね。火器管制レーダーを照射すればどうなるかは艦長であれば十分承知しているはず。しかも複数回継続して照射したのは海自P-1を遠ざける強硬手段でしょう。トカゲのしっぽ切りで艦長を更迭し事態をうやむやにするのか、それとも日米により知られたくない秘密をばらされるのか、韓国の立場はきわめて弱くなっていると言わざるを得ません。

コメント

  1. 韓国艦があそこで何をやっていたかはともかくとして、今回の日本政府の対応の仕方ではっきりしたのはアメリカが韓国を切り捨てたって事でしょうね。
    そうでなければ日韓の決裂を国際社会に見せ付けるような今回の対応は出来なかったでしょう。
    現時点でアメリカ政府は一切横槍を入れてこないし、その事は韓国マスコミも気づいているようです。
    当然、中国や北朝鮮がこの状況を利用しないはずはなく、今後韓国は中朝からの有形無形の圧力に晒され、日米の後ろ盾を失った韓国はその圧力に逆らえず彼らの言うがまま為すがままの存在に成り果てる公算が大きいです。
    おそらくその段になって韓国側は「日米はなぜ俺を助けないんだ!?俺様がレッドチームに入ってもいいのか!?」とか言い出すでしょうが後の祭り。
    ひょっとすると在韓米軍の撤収も現実化するかもしれません。

    個人的に痛快極まりないのは日本国内の工作員共が日本国民の憤怒の空気を感じ取って黙り込むしかなくなってるとこですね(笑

    返信削除
  2. あけましておめでとうございます

    >新年早々芳しくないニュースでの幕開けになりましたが、当方が目を通している海外安全保障関連ウェブサイトでは今回がはじめての正面からの本件の報道になりました。

    日韓では大騒ぎですが外国ではあまり大きな扱いではないのでしょうか?

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

日本の防衛産業が国際市場でプレイヤーになれるか試されている。防衛面の多国間協力を支える産業が真の国際化を迫られている。

  iStock illustration CHIBA, Japan —  インド太平洋地域での中国へのヘッジとして、日米含む多数国が新たな夜明けを迎えており、軍事面で緊密化をめざす防衛協力が進む 言うまでもなく日米両国は第二次世界大戦後、米国が日本に空軍、海軍、海兵隊の基地を設置して以後緊密な関係にある。 しかし、日本は昨年末、自国の防衛でより積極的になることを明記した新文書を発表し、自衛隊予算は今後10年間で10倍になる予想がある。 政府は、新しい軍事技術多数を開発する意向を示し、それを支援するために国内外の請負業者に助けを求める。 日米両国軍はこれまで同盟関係を享受してきたが、両国の防衛産業はそうではない。 在日米国大使館の政治・軍事担当参事官ザッカリー・ハーケンライダーZachary Harkenriderは、最近千葉で開催されたDSEIジャパン展示会で、「国際的防衛企業が日本でパートナーを探すのに適した時期」と述べた。 日本の防衛装備庁の三島茂徳副長官兼最高技術責任者は会議で、日本が米国ならびに「同じ志を持つ同盟国」で協力を模索している分野を挙げた。 防衛省の最優先課題のひとつに、侵略を抑止する防衛システムの開発があり、極超音速機やレイルガンに対抗する統合防空・ミサイル防衛技術があるという。 抑止力に失敗した場合を想定し、日本は攻撃システムのアップグレードを求めており、12式地対艦ミサイルのアップグレード、中距離地対空ミサイル、極超音速兵器、島嶼防衛用の対艦ミサイルなどがある。 また、高エナジーレーザーや高出力マイクロ波放射技術など、ドローン群に対抗する指向性エナジー兵器も求めている。無人システムでは、水中と地上無人装備用のコマンド&コントロール技術を求めている。 新戦略の発表以来、最も注目されている防衛協力プログラムは、第6世代ジェット戦闘機を開発するイギリス、イタリアとの共同作業「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」だ。 ハーケンライダー参事官は、日本の新しい国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛予算の増強は、「時代の課題に対応する歴史的な資源と政策の転換」につながると述べた。 しかし、数十年にわたる平和主義的な政策と、安全保障の傘を米国に依存してきた結果、日本の防衛産業はまだ足元を固めらていないと、会議の講演者は述べた。 三菱重工業 、 川崎

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM