2018年2月14日水曜日

米空軍が最大級バンカーバスター爆弾を追加製造発注。狙いは当然あの国か。

いかにも緊張緩和してしまったような錯覚が韓国にありますが、米国はちゃんと準備しています。ただし北朝鮮だけの想定ではなく、イランがここにきて注目をあつめそうですねえ。


USAF Orders More Upgraded Massive Ordnance Penetrator Bombs Amid Tensions with North Korea 北朝鮮と緊張高まる中、USAFが地中貫通爆弾を追加発注


The improved 33,000 pound bunker busters would be a key part of any "bloody nose" strike on the reclusive communist country.

33千ポンド改良型バンカーバスターが「鼻血」作戦に投入されるはずだ


BY JOSEPH TREVITHICK FEBRUARY 9, 2018
USAF
空軍は最大級の通常爆弾GBU-57/B大規模地中貫通爆弾MOPをボーイング21百万ドルで製造させる。大型バンカーバスターは北朝鮮攻撃で必須装備となり弾道ミサイルや核兵器製造能力の破壊を目的で限定作戦に投入されるはずだ。地下施設を有するイランや中国も投入可能性のある場所だ。
 空軍は契約交付を2018年2月8日に政府契約情報を伝えるFedBizOppsで公表し、ペンタゴンも報道声明で同日に発表した。公表資料では何発製造するのか不明だがボーイングが同社セントルイス施設で完成させ2020年7月31日が納入期限だと分かる。2011年度契約では28百万ドルで33千ポンド爆弾8発を製造した。ただしここには各種付属部品およびB-2スピリット爆撃機の後方爆弾倉改装費用も含む。同爆弾を投下できるのはB-2のみだ。
 今回の契約交付が最新のMOPであるGBU-57D/Bの製造なのは間違いなく、単価も異なる。2018年1月にブルームバーグがいち早く同型爆弾が運用部隊に配備されたと伝えている。
USAF
2007年、MOPモックアップの前で記念撮影した米空軍と契約企業関係者。

 空軍はMOPについて口を閉ざしがちだが、2015年の別契約からGBU-57D/Bが改良型信管を使っていることがわかる。この点はバンカーバスター爆弾では重要だ。
 信管が早く機能しすぎたり、逆に機能しないと期待する効果が得られない。地下深くの建造物は衝撃に耐える構造で強化コンクリートなどの防御が何層も施され貫通攻撃は容易ではない。
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Contract title suggests that there have now been at least four different variants of the Massive Ordnance Penetrator
 軍は2017年から2千ポンド級バンカーバスターBLU-137/B新型を発注している。旧型BLU-109シリーズと比較すると信管性能が向上している。
 だが小型爆弾では強化コンクリートは4-6フィートしか突破できない。公表資料ではMOP本体は投下距離の10倍以上の地下に潜り強化施設を狙うとあり、さらに高性能の信管が必要となる。空軍がボーイングに信頼度の高い装置を引き続き求めていると考えるのが妥当だろう。
DOD VIA GLOBALSECURITY.ORG

MOP初期段階での貫通性能を示した図。現時点の装備にそのまま当てはまるかは不明。

 ペンタゴンの運用試験評価部門による報告によれば、空軍は新型信管他部品を高性能脅威反応-IV(ETR-IV) 兵器として選定し、ホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)でのテスト結果が好評だったことから採用したとある。2017年5月にB-2爆撃機の三機がGBU-57/B改修型を投下したと報告書にある。
 ただし空軍がMOPの何発を近代改修したかは不明だし、そもそも空軍が何発を装備しているかも不明だ。
USAF VIA PHASE ZERO
GBU-57/B初期型を説明している空軍公表資料

 2011年以降でGBU-57/B各種は少なくとも20発が空軍に納入されている。ただしここから数発は試験用に投下ずみだ。
 いずれにせよ調達数を増やすのは米国が北朝鮮と緊張を高める中で理にかなう。米軍が北朝鮮に限定的な「鼻血」攻撃を実行して核・ミサイル能力を無効にする可能性が論じられている。
「ミサイル施設とミサイルは別のもの」と統合参謀本部副議長ポール・セルヴァ空軍大将 General Paul Selva が2018年1月30日に説明している。「ミサイル発射係の兵舎を吹っ飛ばして仕事できなくする」
 大将は米軍が通常兵器だけで北朝鮮の軍事インフラの「大部分」を破壊できると述べている。北朝鮮にトンネルや地下施設が大規模構築されていることは広く知られ、ミサイルや核攻撃を攻撃から守っているので小型バンカーバスター爆弾の2千ポンド級BLU-109や-137では対応は困難で4,500ポンド級GBU-28/Bの役目が重要となる。
DOD

 米国に核兵器を使わずに金正恩はじめ北朝鮮政権の動きを止める手段がMOPで実現する。指導部が逃げ込む地下施設の破壊が可能になるからだ。米韓両国は北朝鮮トップの「斬首」攻撃に言及している。
 北朝鮮防空体制が旧式化しているとはいえ、高密度で非ステルス機には現実の脅威になっている。そのため限定攻撃か否かは問わずB-2がMOPを搭載して第一波攻撃に投入されるのは確実だ。

USAF
2007年、MOPモックアップでB-2爆弾倉への搭載をチェックした


 MOPが空軍兵装で重要度になっているのは確実で、北朝鮮と同様にトランプ政権は特にイランの弾道ミサイルや核開発に強硬な態度を示している。
 MOP導入の最初の動機はイランがウラン濃縮施設を地下深くに建造し米、イスラエルの先制攻撃を逃れようとしたことだった。イラン政府は地下施設を拡張しミサイルも地下に格納している。
 中国も中核施設を地下に構築し奇襲攻撃を逃れようとしている。人民解放軍のロケット軍だけでも合計3千マイルに及ぶ地下トンネル網があり、国営放送は「地下の長城」と名付けた。中国海軍は海南島に大規模潜水艦地下基地を構築している。2017年7月にストラットフォーが発表した衛星画像で中国が取得したジブチ基地に大型地下施設があることが判明した。

 こうした標的を念頭に空軍がボーイングとMOP追加生産で適度の備蓄量を確保し、いかなる危機にも対応しつつ試験も並行実施するのは賢明な選択と言えよう。■

2019年度米国防予算要求の内容が明らかになりました

Pentagon unveils $686 billion military budget for FY19 ペンタゴンの2019年度国防予算要求は6,860億ドル(約74兆円)

By: Joe Gould and Tara Copp    


U.S. President Donald Trump's second budget plan calls for the purchase of 10 new naval ships in FY19. (Staff)



ランプ大統領の2019年度予算は6,861億ドルを国防関係に要求し、ロシアや中国との競合を意識する。ペンタゴンが2月12日発表した。
要求では6170億ドルの基地関連予算と690億ドルの戦闘継続用予算を予算の上限制限の対象外とし総額7,160億ドルの国家安全保障関連予算(エネルギー省所管の核兵器関連含む)と別枠としている。
ジム・マティス国防長官は2月11日に二年度有効予算措置の合意ができたので軍を再整備し「最高の状態に復帰させる」と報道陣に語った。
新国家安全保障戦略ではほぼ互角の実力を有する敵対勢力との競合をテロ対策より優先させる。予算環境が不安定の中でペンタゴンは戦闘の様相の変化に対応しつつ現有能力を引き上げるとマティス長官は述べている。
議会は国防関連で予算上限枠を2019年まで1,650億ドル引き上げた。
トランプ政権には二回目の予算案では人員規模を25,900名増やす。また海軍艦船10隻を2019年度に建造し、空軍戦闘飛行隊を今後五年間で現行の55個を58個に増やす。
同時にオバマ政権作成の10年計画に1兆ドル超を追加支出するとあり、「必要な予算手当をしないままではアメリカの敵を勇気づけるだけ」としている。
議会が節減努力として求める司令部規模の25パーセント削減を続けるとしているが、装備調達本部を二つに分ける対応も見られる。
調達内容
国防総省の要求予算では陸軍装甲戦闘団に二個目追加、戦闘艦艇10隻建造、F-35とF/A-18の増産が盛り込まれている。
予算要求では2,367億ドルを調達費に確保して、うち1,443億ドルを取得、924億ドルを研究開発試験評価用とする。主要国防装備取得に923億ドルを充てる。
その中で「ミッション支援活動」というあいまいな表現の支出増加規模が最大で18年度の499億ドルを19年度に668億ドルへとする。
将来への投資となる支出の28パーセントに省内各種事業が含まれ、実弾発射テストや極秘事業のほか共用即時脅威排除組織Joint Improvised-Threat Defeat Organizationが無人機対抗技術を開発する

主要戦闘関連投資
  • ミッション支援活動:  668億ドル
  • 航空機・関連装備: 552億ドル
  • 艦船建造・海洋関連装備: 331億ドル
  • ミサイル・弾頭:  207億ドル
  • 地上装備:  159億ドル
  • 科学技術:  137億ドル
  • ミサイル防衛:  120億ドル
  • C4Iシステム関連:  100億ドル
  • 宇宙配備装備:  93億ドル

宇宙関連
  • 打上げロケット5機整備: 20億ドル
  • 汎地球位置確認システム:  15億ドル

ミサイル防衛
  • イージスミサイル防衛(SM-3)(43基): 17億ドル
  • 地上配備中間段階防衛:21億ドル
  • THAAD 弾道ミサイル防衛(82基): 11億ドル
  • ペイトリオット性能向上型(PAC-3)240基: 11億ドル

航空機
  • F-35(77機): 107億ドル
  • KC-46給油機(15機): 300億ドル
  • F/A-18(24機): 20億ドル
  • AH-64E攻撃ヘリ(60機): 13億ドル
  • VH-92大統領専用ヘリ(6機): 9億ドル
  • CH-53Kキングスタリオン(8機): 16億ドル

艦艇建造
  • ヴァージニア級潜水艦(2隻):74億ドル
  • DDG-51アーレイ・バーク級駆逐艦(3隻):60億ドル
  • 沿海水域戦闘艦(1隻):13億ドル
  • CVN-78級空母: 18億ドル
  • 補給油槽艦(2隻):11億ドル
  • 遠征海上基地(1):7億ドル

陸上装備
  • 共用軽戦術車両(5,113両): 20億ドル
  • M-1エイブラムス戦車改修(135両):27億ドル
  • 水陸両用戦闘車両(30両):3億ドル 
  • 197装甲多用途車両(197両):8億ドル 
Aaron Mehta and Leo Shane III contributed to this report


核武装対応F-35の登場で核抑止力の強化を狙う米戦略

F-35が核武装と聞くと一部の勢力が騒ぎ出しそうですが,核装備運用には特殊改装が必要で何も全部のF-35が核武装可能となるわけはないのですが、今後成り行きを注目する必要があります。また核の小型化もすぐ戦場に投入する構想と騒ぐ傾向がありますが、抑止理論を全く理解できない人たちがあちこちにいるのには辟易としますね。Warrior Mavenの記事です。



Mattis: Nuclear-Armed F-35 Can Change "Deterrence" Equation 

マティス長官:核装備F-35で抑止力の構造が変わる

ペンタゴンはF-35の核攻撃力が今回発表された核戦力整備構想のカギとみている。


By Kris Osborn - Managing Editor - Warrior Maven


ンタゴンが「核武装」型F-35の開発を急ぐのは戦略核兵器近代化でロシア、中国、さらに北朝鮮への対抗が急務であるためだ。同時に世界各地で核兵器の脅威が高まっていることも背景にある。
F-35に核運用能力を追加して核の三本柱のうち爆撃機部分のB-2、B-52さらに今後登場するB-21を補強すれば米核攻撃手段に選択肢が広がり、潜在敵国には今までにない圧力となるだろう。
核抑止力でF-35が浮上したのは最近の下院軍事委員会がペンタゴン発表の核戦力検討案 Nuclear Posture Review (NPR)での聴取でだ。
ジェイムズ・マティス国務長官はF-35を米国・NATOによる核抑止力で不可欠な要素と書面で表現している。
「戦闘爆撃機戦力で核・非核両用能力を近代化する中でF-35戦闘機がNATOの抑止力体制やわが方の前方配備戦力の実効性の維持を果たし安全保障上で必要な事態に対応する」と長官は述べている。
マティス長官はF-35が「核運搬能力」手段に浮上してきたのは米核戦力近代化のペースが世界各地の脅威環境の進展にみあっていないことへの深刻な懸念が背景があるとする。
「過去八年間の核運搬手段の近代化でロシア、中国、北朝鮮に米国が後れを取っており、敵側が新型装備合計34種類を開発したのに対し米国は一種類しかない。つまりF-35である」(マティス長官)
国防長官官房はWarrior Mavenに対しF-35の「核運用型」について長官が書面で言及したと認めた。複数報道が国防総省上層部の発言を引用しており、核武装型F-35は遅くとも2020年代初頭に登場するという。F-35はB61核爆弾を搭載するとAir Force Magazineは解説している。
F-35が米核抑止戦略に関与することは理にかなっている。F-35は太平洋に展開中で朝鮮半島で演習に参加している。搭載する兵装、ISR技術や多機能から攻撃の選択肢が幅広くなる。
速度、操縦性、低高度戦闘能力から核武装F-35は新しい形の脅威として潜在敵国に写るはずだ。戦術面でもF-35に長距離センサーや目標捕捉技術があり移動式発射装置の探知破壊に効果を発揮するほか、その他小型移動目標にも有効対応できるはずだ。
F-35は各種兵装の投下テストを完了しており、IM-9X、 AIM-120、 AIM-132、 GBU-12、 JDAM、 JSOW、 SDB-1、ペイヴウェイ IVの運用が可能となったとロッキード・マーティンは説明。核兵器運用がどうなるのかは不明だが、F-35は兵装3,500ポンドの運用がステルスモードで可能であり、ステルスを捨てれば18千ポンドまで搭載できる。
ペンタゴン高官が個別の事態や攻撃想定を口にしたくないのは理解できるが、NPRでは明確に「抑止力」強化として核兵器を率先して使用する姿勢を見せるとしている。
世界の脅威状況を鑑みてNPRでは核兵器オプション二つを急いで実現すべきと訴えている。ひとつは海軍向け巡航核ミサイルの導入だ。「核巡航ミサイルと一部潜水艦発射弾道ミサイルの弾頭改修で低威力核兵器の選択肢を実現することで抑止効果が高まり、敵勢力は限定核攻撃に踏み切っても有利になれずエスカレーションの意味もないことを悟るはずだ」と統合参謀本部副議長ポール・セルヴァ大将 Gen. Paul Selvaが報道陣に語っている。
ペンタゴン上層部はNPRの提言で新型核兵器開発にむかうわけではなく、核兵器の全体数を増やすわけではないと強調する。NPRの提言通りに整備を行っても米国の核不拡散方針に反するものではないとDoDは強調。
マティス長官はじめ上層部はNPRの戦略アプローチで矛盾が生まれることは承知しているようだ。議会から低出力核兵器を新規投入すれば核戦争の「閾値が下がり」、危険が逆に増すとの指摘がある。マティス長官は議会に対して核攻撃力を増強すれば逆の効果が生まれるとし、核兵器増備で抑止効果が上がるので平和が維持できると主張。
具体的にはマティス長官は潜水艦発射弾道ミサイルを低出力化することがロシアに圧力となりINF条約の違反状態を改善する交渉に応じるはずだとする。
「ロシアのINF違反は把握しており、交渉でロシアに条約順守に戻らせたい」(マティス長官)
こうした戦略面と別にマティス長官はNPRでは核兵器投入は最も極端な事態に限定されていると強調し、「核兵器投入は戦略面を一変させる。核抑止力は慎重に取り扱うべきだ」と述べた。
敵防空装備が急速に高性能化していることをあげて、マティス長官は海から発射する巡航ミサイルが敵に脅威を与えるため必要で空中投下型の低出力兵器の投入が困難な場合に有効な選択肢になると述べている。
「重力投下型爆弾が低出力だと爆撃機は敵防空網を突破する必要があるが、現在の防空網は20年前から大きく変わっている」(マティス)
例としてロシアのS-400さらに登場しつつあるS-500には各種周波数を使い従来より遠距離で航空機探知の能力がある。高速コンピュータ処理とデジタルネットワークで各地の防空装備をつなぎ、広範囲で標的に対応できる。
またペンタゴンが進めたい新型核搭載空中発射式巡航ミサイルの長距離スタンドオフ兵器(LRSO)が注目される。核巡航ミサイルは爆撃機が対応できない敵のハイテク防衛網があっても敵攻撃が期待されるからだ。
LRSO批判派はLRSO導入で核兵器使用の可能性が「不安定化」すると主張。空軍兵器開発部門の関係者はWarrior Mavenに抑止力を強調しながら新型LRSOを追加すれば逆に「安定化」効果が期待できる、つまり敵が先制攻撃をためらう効果が期待できると述べている。
NPR推進派は核戦力強化が必要なのは現在の脅威環境で疑いなく核を投入する武力衝突の可能性が高まっているためと主張。

「敵対勢力の考え方が核兵器で変化していることに懸念しています。核兵器に一層信頼を置き、ロシアの核ドクトリンでは『逆エスカレーションのためにエスカレーションする』と言っています」とジョン・ルード John Rood国防次官(政策担当)が報道陣に語っている。■

2018年2月13日火曜日

五輪大会に顔を出したペンス副大統領から対北朝鮮政策で重要な変更のシグナル

北朝鮮のしたたかさと韓国のあまりにも卑屈にしか見えない態度で五輪会場は政治の場になり、北朝鮮にメダルが行きそうですが、米国も実はしたたかな国です。これから丁々発止の動きが出てくるでしょう。日本は振り回されそうですがこの機会に戦略思考力を身に着けることができるでしょうか。

 

US signals major change on North Korea after South Korea's president agrees to meet Kim Jong Un

米国から北朝鮮政策で大変化のサインが出る一方で韓国文大統領は金正恩と会談を受入れ

Pence Pyeongchang Kim Yo Jongマイク・ペンス副大統領と金正恩の妹金与正が並んで冬季五輪を観戦した Getty
  • マイク・ペンス副大統領から米国の対北朝鮮政策で大きな変化が見えてきた。
  • トランプ政権は金正恩政権と条件なしで話し合う用意がある
  • ペンスの発表の前に北朝鮮が韓国の文在寅大統領に招待状を送り実現すれば金正恩と会談する初の国家元首になる
  • 北朝鮮は五輪大会で微笑攻勢をかけているが消息筋によれば立場は弱いので時間稼ぎしながら開戦を避けたいはずと見る

イク・ペンス副大統領から対北朝鮮政策で大きな変更の可能性が平昌冬季五輪から帰国中に示された。副大統領は厳寒の会場で金正恩の妹金与正 Kim Yo Jong と並んで観戦していた。
帰国途中のエアフォーストゥー機内でワシントンポストのジョッシュ・ローギンにペンス副大統領は米国は北朝鮮指導部と前提条件なしで対話の用意があると述べた。専門家がこれを政権にずっと期待してきた。
これまでトランプ政権は「最大の圧力」戦略で米国は同盟国とすべての手段を利用して北朝鮮を苦しめ、核放棄と交渉再開を求めてきた。
これに対し2月11日にペンスは「最大の圧力と並行して関与」を戦略とすると説明。
「大事なのは非核化で意味のある措置だと同盟側が一致して認められる事態が生まれるまで圧力はゆるめないことだ」とポストに述べ、「そのため最大限の圧力は継続し強化する。ただし相手が話し合いたいというならこちらも話をする」

北朝鮮の五輪微笑攻勢

North Korea cheer squad 5北朝鮮の五輪応援団 Grigory Dukor / Reuters
米政策で大きな変化が出てきたのは北朝鮮の微笑攻勢がオリンピック報道を乗っ取る状況が生まれたためで、ペンスは今回の訪韓でこれを阻止すると誓っていた。
だが金正恩は宣伝活動を統括する実の妹を送り込むことで韓国大統領文在寅に目に見える形で譲歩を示したと言える。
北朝鮮代表団からは文大統領に金正恩との直接会談を「早期に」実現する提案が出された。
この要望に関し北朝鮮は韓国に米軍との共同演習中止を求めず、在韓米軍の撤退も求めていない。ただし、核開発を中止するつもりはないとしている。
世宗研究所主任研究員のCheong Seong ChangはNK Newsに今回の北提案には「同国の深刻な国際孤立を脱する」狙いがあると見る。
トランプ政権の「最大限の圧力」が効果を上げ始めており、燃料費が急騰し、中国との交易が衰退してきた。
「金正恩は当初の南北会談への冷淡な態度を変換し無条件で頂上会談を行うと言っています」(Cheong)
ペンス副大統領は現時点の米戦略として南北会談を受けて米朝会談を実現することがあり、文大統領が北朝鮮の後を押してオリンピック会場で米側に話をさせようとしたと述べる。

北朝鮮の譲歩にもかかわらず状況は暗い

North Korea北朝鮮の農民。REUTERS/Damir Sagolj
米国を中心とする国際社会による制裁が効果をあげつつあるが、このまま良い結果が出ると見る専門家は少ない。
「基本条件が変わってしまった」とKorea Risk Groupのアンドレイ・ランコフがNK Newsに語った。「極めて危険な緊張の再来の先延ばしが数週間、数か月になるだけです」
だが文大統領が金与正の隣で五輪観戦する会場の外には抗議のデモ隊が北朝鮮国旗を燃やしていた。北朝鮮が提示する一方で米国は北朝鮮攻撃を検討中でトランプ大統領は同国の人権状況に鋭い関心を示している。北朝鮮には弱点があることため、話の内容に誠意があるのか疑わしい点もあるが、米国の最近の実績も決して芳しいものではない。
レックス・ティラーソン国務長官が北朝鮮と話し合いの用意があると発言した直後にホワイトハウスが否定している。ペンスは訪韓中も毎日トランプ大統領と話しており、意見は一致しているといったものの、当の大統領がツイートを出せばすべてひっくり返ることになりかねない。

朝鮮指導部が真剣に韓国と雪解けを望んでいるのか、それとも「鼻血」作戦の時間稼ぎや延期を望んでいるのか、今後わかるだろう。■

次期米太平洋軍司令官ポストをめぐる内部事情

Trump expected to nominate head of US Fleet Forces Command for top post in Pacific

次期太平洋軍司令官ポストにトランプ大統領が米艦隊司令長官を任命する予想


フィル・ディヴィッドソン大将。現米艦隊司令部トップの本人は米太平洋軍司令官への異動が予想されている。 (Navy)

By: David B. Larter    
WASHINGTON – ジム・マティス国防長官が太平洋軍のトップ人事を急いでいる。
 フィル・ディヴィソン大将 Adm. Phil Davidson を候補としホワイトハウス預かりにしているのはハリー・ハリス大将の解任で予想される抵抗に対応するもので、ハリス大将は次期在オーストラリア大使ポストに指名を受けている。またディヴィソン大将へ空軍の太平洋地区トップ、テレンス・オショーネシー大将Gen. Terrence O’Shaughnessyからの異議にも備える動きとみられる。
 国防長官官房の報道官は記事へのコメントを避けている。
 1982年海軍兵学校卒のディヴィッドソンが任命されれば北朝鮮との核対立を引き継ぎ、南シナ海の広大な海域での中国との対立も同様に継承することになる。ハリス大将は米軍投入に積極的との評判を立てており、実際に11月には空母三隻を同時投入し朝鮮半島近海の哨戒を行っている。
 ディヴィッドソンは東海岸での職歴が長い。アイゼンハワー空母打撃群を率い、巡洋艦ゲティスバーグ、フリゲート艦テイラーで艦長を務めた。艦隊司令官につく前にヨーロッパで第六艦隊を指揮していた。太平洋艦隊参謀の経験もある。
 第七艦隊の日本配備艦二隻で深刻な事故が昨年発生しディヴィッドソンが検分作業を統括した。その結果、艦艇の即応体制に問題があること、艦艇任務が常時高いことから手抜きが蔓延する傾向が判明している。

 オショーネシー大将が候補に残っているか不明だが、消息筋によればディヴィッドソン以外に候補はない。太平洋空軍司令官のオショーネシーが当初ハリスの後継人事で有望だったのは太平洋地区に本人が太平洋地区で深い経験を有するからだ。だが太平洋軍トップポストは海軍大将の指定席であり、上院軍事委員会ジョン・マケイン委員長が海軍に引き続きポストを取らせたいと願うはずと見られる。■

軽攻撃機選定、米空軍は自らの調達を真剣に考えていないのでは?

Will USAF Actually Buy A Light Attack Aircraft This Time?米空軍は軽攻撃機を真剣に調達するつもりがあるのか

The U.S. Air Force does not have the best track record of putting procurement dollars toward light attack米空軍に軽攻撃機調達で成功実績はない

Feb 5, 2018Lara Seligman | AviationWeek.com


国も軽攻撃機を導入して中東の戦闘員に対処すべきとの意見

の方にとって、米空軍が上位二機種の戦闘実証を省略してそのまま調達戦略を立案することに決めたのは朗報だろう。
 だが実際に軽攻撃機部隊に予算を投じることになるのか確実ではなく、空軍はこの面で実績は芳しくない。
 空軍は昨年夏に既存機4型式をホローマンAFB(ニューメキシコ)に持ち込み各機の特性を確認した。シエラ・ネヴァダ=エンブラエルのA-29スーパートゥカーノ、テキストロンのAT-6、同じくスコーピオン、L3-エアトラクターのAT-802Tロングソードで、空軍上層部は繰り返し実証がうまく行けば、次の段階は上位機種を実際の戦闘場面で実証すると言っていた。
 ここにきて空軍は決定に必要な情報は十分得られたので戦闘実証は行わないとする。何が起こったのか。空軍としては購入前に実際の戦闘環境で対象機の地上部隊支援性能を確認したいはずだ。
 空軍のこれまでの実績を見れば今回の軽攻撃機議論が理解できる。  
「OA-X」構想は2007年にまでさかのぼる。イラク戦が激化しピークとなり空軍力への支援要請が最高潮に達した。低コスト代替策として戦闘員相手に安価で低性能武器で対抗する構想だった。
 コロンビア空軍がターボプロップ軽攻撃機を供用しているのに触発され、空軍内部で費用対効果の研究が始まった。コロンビアはエンブラエルのA-29スーパートゥカーノ以外にEMB-312トゥカーノ、ヴィエトナム時代のA-37ドラゴンフライ(グラスコックピット改装ずみ)、ダグラスAC-47ガンシップを使っていた。検討でダグラスA-1スカイレイダーに関心が集まった。朝鮮戦争で活躍した米海軍機で退役済みで、そのほかノースアメリカン・ロックウェルOV-10ブロンコも観測機でありながら軽攻撃機にも投入された経緯があり注目された。
 この研究からOA-X実現構想が生まれ、航空戦闘軍団が2008年に承認し、安価な軽攻撃観測機の必要性能を明示した。その内容は現在まで一貫している。民間で稼働中の機体にターボプロップエンジンを搭載し点検整備を簡単にし、運航を安価に行いつつ、強力な武装、精密誘導爆弾、センサー通信装備を備えるものだ。
 ここまでは良好に聞こえるが、現実はうまく行かなかった。当初のOA-Xは2008年の予算問題の犠牲となった。同様の「軽攻撃兼武装偵察機」構想は2012年に取り消しになった。
 うまく行ったのは「軽支援機」構想で軽攻撃機少数を購入しアフガニスタン空軍向けに訓練を行ったことだ。今はNATOがスーパートゥカーノでアフガニスタン空軍を養成中だ。
 歴史を振り返ると米空軍が軽攻撃機導入で海外国の参加を強調しているのが興味深い。
 ホローマン実証では五か国がオブザーバー参加した。カナダ、オーストラリア、アラブ首長国連邦および中東の他国だ。空軍は第二段階実証ではさらに多くの国を招く予定だと言う。
 そのねらいは米国自身ではなく各国に同じ機体を導入させることに見える。
 そうなると空軍長官ヘザー・ウィルソンは第二段階で「必要なデータを入手し調達に向かう」と言っていたが、大いに怪しく思えてくる。■

なるほど、ゲリラ戦でのCASには米空軍がやる気がないことがわかりますね。A-10の処遇であれだけ冷淡だったのも予算問題と言うよりも対地支援任務への理解のなさが原因なのでしょう。しかし米陸軍に固定翼機運用を禁じたのが空軍自体なので引き受けざるを得ないミッションのはずなのですが。

2018年2月12日月曜日

フィリピンにTC-90追加供与、3月に3機現地到着

地味なニュースですがインド太平洋構想で関係国の自主権行使実行力をこうやって高めることに意味があります。また日本で用途廃止になっても十分使える舞台があることを示していますね。当初はリースとしていましたが会計処理方法の変更で無償供与に河立ったのでしたっけ。フィリピン政府の公式発表をお伝えします。

3 more patrol planes from Japan arriving next month: DND


By Priam Nepomuceno  February 5, 2018, 6:05 pm

MANILA -- 日本が寄贈するビーチクラフト・キングエアTC-90哨戒機の追加分3機がフィリピン国軍(AFP)に3月に移管される。
 機体は一時的にカビテシティのサングレイポイント海軍航空集団司令部に到着する。
 TC-90二機が昨年3月27日納入ずみで、今回3機が加わりフィリピン運用のTC-90は5機になる。
 上記二機のうち一機が1月31日に初の海上哨戒飛行をスカボロー礁沖合で行った。
 TC-90は1,000カイリ以上の続距離があり巡航速度260ノットで合計9名まで搭乗する。
 これまで海軍の哨戒飛行にノーマン・ブリテン「アイランダー」6機、GAF「ノーマッド」4機、アグスタウェストランド製ヘリコプター5機、ロビンソンR-22訓練ヘリコプターを投入してきた。
 TC-90はビーチクラフト・キングエアファミリーの機体で2016年2月29日締結の防衛装備技術移転に関する合意に基づき日本が提供する。
(PNA)